司法書士試験　記述式配点変更を受けて

法務省より、2023年12月4日付で令和6年度（2024年）以降に実施する司法書士試験について配点変更の発表がありました。内容は以下の通りです。

TACから受験生の皆様へのメッセージ

上記の配点変更から分かることは、以下の通りです。

①択一式の配点は変わらない。
・実務家登用試験として、本試験では記述式がより重視されるようになった。
・点数が増えることにより、採点に幅ができ、きめ細かい採点ができるようになった。

②試験時間に変更はないことから、試験の内容は変更がない。
・分量、難易度は例年通りであるという意味で捉えることができる。

以下がTAC司法書士講座の分析・見解です。

【分析１】

・実務家登用試験として、本試験では記述式がより重視されるようになったといえます。

例）令和５年度司法書士試験

⇒択一式の満点が２１０点、記述式の満点が１４０点となると、単純に総得点に対する記述式の点数の割合が増加するため、記述式の得点がより重視されるといえる。
以前）70/280（25％）、 今後）140/350(40％)

⇒また、今までの本試験では、記述式の得点が基準点ギリギリであっても、択一式の得点で基準点プラスαの“上積み”ができれば、合計点で合格点を上回ることができた。しかし、記述式の配点が２倍になったことにより、択一式での配点が変わらない以上、“上積み”には点数的に限界があり、「記述式の点数が低くとも、択一式で点数を上積みして合格する（逃げ切る）」ことが限りなく難しくなったといえる。

よって、「記述式が重視される」ということは、記述式でしっかりと点数をとらなければ合格できないこととなったということであると結論付けられる。

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【分析２】

点数が増えることにより、採点に幅ができ、きめ細かい採点ができるようになった。

⇒本試験における記述式の添削基準は公開されていないので、実際のところは分からないが、答練・模試の添削講師の立場から述べれば、35点の枠内での採点だと、出題する分量によっては、どうしても採点者の裁量によって採点に差が出てしまうことがある。しかし、70点満点になることにより、裁量の幅が埋まるため、より明確に統一的に細かな採点ができるようになると考える。

⇒また、点数が倍になる以上、配点（失点）部分を細かく分けることができる。例えば、「添付書面＋通数」が両者とも合っていて「〇」だと仮定すると、今までは「両方分からなかった（書かなかった）場合」と「片方だけ分かった（書いた）場合」では同じ扱いであったが、「片方だけ分かった場合」にもその部分に「〇」が付けられるようになり、両者に差ができることになる。これはあくまで例であるが、言えることは、昨年よりもしっかりと書けば書くほど点数が伸びるため、「答案をしっかり書く」ということが重要になってくる。白紙や空欄で提出しないように、午後の部では記述式にかける時間配分も今まで以上に重要となってくると考える。

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【分析３】

⇒分量、難易度は例年通りであるという意味で捉えられる。試験時間は変わらないとのことであるので、点数が増えても問題の分量は変わらず、また、内容も極端に難化するものではない（例年通り）と捉えることができると考える。

TAC司法書士講座の対応

2024年合格目標では、法務省発表内容にあわせて、科目別全潰し答練以降の答練・模試の成績判定をすべて今回の発表内容に合わせて実施いたします。詳細は以下の情報をご確認ください。

2025年合格目標では、すべての答練・模試について今回の発表内容にあわせて実施をいたします。

TAC司法書士講座 講師からのメッセージ