LET'S GO TO THE NEXT STAGE 資格で開いた「未来」への扉 #12

  
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Profile

村田 真也(むらた しんや)氏

アクセンチュア株式会社 ネットワークスペシャリスト 

1992年11月生まれ。大阪府出身。2012年、大学在学中に情報処理技術者試験のITパスポートを取得。2015年に大学を卒業し、ITベンチャーを経て2017年に大手システムインテグレーターに転職。ネットワークスペシャリスト試験に合格し、翌2018年にアクセンチュア株式会社に入社。ITコンサルタントとして忙しい日々を送りながら大学院に通い、MBA取得を目指している。

【村田氏の経歴】

2012年 20歳 大学2年生時に情報処理技術者試験のITパスポート試験に合格。
2015年 22歳 ITベンチャー企業に入社。
2017年 24歳 キャリアアップを目指し、ITベンチャーから大手システムインテグレーターへ転職。ネットワークスペシャリスト試験に合格。
2018年 25歳 ITコンサルタントとしてアクセンチュア株式会社へ転職。
2019年 26歳 青山学院大学大学院国際マネジメント研究科に入学。MBA取得を目指して勉強中。

ネットワークスペシャリストとMBA取得で世界に羽ばたく経営コンサルタントを目指す。

ネットワークスペシャリストとMBA取得で世界に羽ばたく
経営コンサルタントを目指す

 高度IT人材として、ネットワークに関係する確立した専門知識を有するネットワークスペシャリストの資格を持つ村田真也さんは、急速に進化するIT環境に合わせるかのように、驚くべきスピードでキャリアアップしてきました。一段上のステージに進む時、自らの知識やスキルを客観的に証明してくれたのが資格でした。常に未来を見据えて行動に移す村田さんに、資格取得の動機やメリットや次の目標をうかがいました。

悔しさをバネに、ネットワークスペシャリスト試験に挑戦

 IT関連で唯一の国家試験である情報処理技術者試験の1つ、ネットワークスペシャリスト試験に合格するには、幅広いIT知識に加え、ネットワークに関する専門性と高度なスキルが求められます。10年以上のキャリアを持つ人にとっても高いハードルに、初回受験で合格しました。

大学時代から、必要な知識を体系的に効率よく習得するために資格を活用してきた村田さん。学部は情報学部でしたが、2年生の時にITパスポート試験を受験したのも、大学の授業ではカバーできない知識を補うことが目的でした。ほかにも、ファイナンシャルプランナー3級、秘書検定2級、知的財産管理技能士2級の資格を取得。並外れた行動力は、「何かをするなら早いほうがいい」というシンプルな考え方に基づいています。

 卒業後はITベンチャー企業に就職。現場に常駐し、クライアントと協力して課題解決にあたる中で、豊富な知識と高いスキルを持つ人々から刺激を受けました。その一人に今も尊敬し、目標とする人物がいます。「考え方や話し方、立ち振る舞いすべてがスマートで、この人のようになりたいと強く思いました」。この出会いをきっかけにキャリアアップを考え始めた村田さんは、「ベンチャーでは得られない実績に基づいた考え方の習得や、大規模システムに携わることで高い技術を身につけたい」と大手システムインテグレーターに転職。目標への一歩を踏み出しました。

最初の数ヵ月はネットワーク関連のプロジェクトに配属されましたが、過去に経験した業務とは領域が異なり、話についていけません。悔しさをバネに、ネットワークスペシャリストの資格取得に向けて動き出しました。「幅広い知識を身につけて認められたい、クライアントに満足していただける提案ができるようになりたいという気持ちがモチベーションになりました」
そのころ、新しいプロジェクトで遠方のクライアント先に常駐することになった村田さんは、往復4時間の通勤時間を活用し、TACのDVD通信講座を受講。膝の上にノートPCを広げ、講義の動画を視聴しました。TACのテキストや過去の問題集、音声講義もフル活用し、さらに公開模擬試験で講師からの添削コメントで弱点を指摘された分野に集中的に取り組んだことが功を奏して合格。本番で、まさにその分野が出題されたことが勝因だったと振り返ります。

ところが、資格を取得したものの、当時の業務に専門知識を生かす機会はほとんどありませんでした。村田さんは、学んだ知識を生かしたいという気持ちに加え、プロジェクトマネジメントや、さらに上流工程のコンサルティング業務への興味から、コンサルティングファームへの転職を決意します。

ITに強みを持つ経営コンサルへ。大学院でMBA取得を目指す

資格を武器に転職活動を開始した村田さん。いくつかの企業の面接を受け、ITだけでなく戦略、経営の分野まで幅広く手掛けるアクセンチュアに採用が決まりました。「いくつかのコンサルティングファームの面接を受けた中で、最も自分に合っていると感じた企業がアクセンチュアでした。また、ネットワークスペシャリストの資格があることで、実務経験は浅くとも、試験に合格するだけの知識があり、かつ設定した目標を完遂するための努力ができると評価されたのではないかと思います」

 現在は、ITコンサルタントとして主に政府・官公庁の基幹システムの刷新プロジェクトに携わっています。約10年かけて、順次システムを刷新していく大規模なプロジェクトです。村田さんが担当するのは、新システム導入後のインシデント(障害)管理や定型業務の自動化による業務効率化の提案など、ネットワークスペシャリストの知識を存分に生かせるフィールドです。「特にインシデント管理については、実際に障害の切り分けをするのは保守業者の役割ですが、運用を担う我々が状況を把握していなければ、正しい判断を下すことはできません。保守業者の見立てに対して、専門家としてより広い視野を持ち、多様な観点から的確な指摘や提案ができるようになりました」。さらに、資格があることでクライアントとの信頼関係も築きやすくなったと言います。「資格は、自分が持っている知識やスキルを目に見える形で客観的に証明してくれる。クライアントへの提案内容の説得力も違ってきます。求められる品質が高くプレッシャーが大きい分、やりがいも感じています」

 現場を支えるエンジニアから、ネットワークスペシャリストとして信頼されるITコンサルタントへとステップアップした村田さん。さらに上の目標を見据え、春から青山学院大学大学院でMBA(経営学修士)の取得を目指しています。「IT活用を前提に改善提案するのではなくて、ITを含めた様々な選択肢の中からベストな提案をするために、経営を学び、より高い視点でコンサルティングができるようになりたい。将来はIT分野に強みを持つ経営コンサルタントとして、国内外問わずグローバルに活躍できる、経営とITのプロフェッショナルとして成長していきたいと考えています」

[TACNEWS 2019年8月号|連載|資格で開いた「未来への扉」]