資格の学校TACだからできる! 【心理職・福祉職 公務員】
試験の対策・勉強法を徹底解説!

試験の対策法

このページでは、公務員試験の心理職・福祉職 公務員に絞って、出題傾向と対策方法・勉強法などを解説します。

公務員試験のキホンを知りたい方は、「公務員試験とは?」を、一般的な公務員試験の内容を知りたい場合は、「公務員試験の内容と種類」をご覧ください。

1.心理職・福祉職 公務員特有の試験内容について把握する

公務員(心理職・福祉職)採用試の主な試験日程

地方公務員

試験の日程・形式・受験資格は変更になる可能性があります。受験の際は、必ず試験案内等でご確認ください。

2次試験以降の日程が重なる場合がございますので、ご注意ください。

自治体によって、日程・試験内容は異なりますので、一例としてご参照ください。

これだけ併願できる!

地方公務員

2023(R5)年実施 心理職・福祉職 公務員 倍率一覧

【心理枠】主な都道府県

都道府県

【心理枠】主な政令指定都市

政令指定都市

【福祉枠】主な都道府県

都道府県

【福祉枠】主な政令指定都市

政令指定都市

家庭裁判所調査官補

家庭裁判所調査官補

法務省専門職

法務省専門職

心理職公務員(例:国家系)試験種目表

心理職公務員試験種目表

試験種目のポイント

  • 教養択一・専門択一・専門記述・論文対策をしておくことで、幅広く併願受験ができます。とくに専門科目が重複する試験については積極的に併願先として検討すると良いでしょう。
  • 専門試験はまず択一試験対策(インプット)をしてから専門記述対策(アウトプット)を行うようにすると効果的な試験対策になります。
  • 人物試験対策は筆記試験対策と並行して行うことが重要です。「一次試験合格後から…」では間に合わない可能性があります。万全な人物試験対策のためには早めの取り組みが必要です。

2.教養(基礎能力)試験<国家系>

教養(基礎能力)試験<国家系>

教養(基礎能力)択一試験の攻略法

【一般知能分野】

  • 数的処理・文章理解は、解法テクニックを習得して、繰り返しの問題演習を積むべき演習科目。
  • 問題を見たら、どの公式・解法パターンを使うかがすぐに思いつくようになることが目標。
  • 解法テクニックを学び解けるようになったら、問題を解くスピードも意識する。

【一般知識分野】

  • 出題される問題レベルは概ね大学入試センター試験レベルで、典型的な暗記科目
  • 1科目あたりの出題数は少ないため、頻出テーマに絞った効率的な学習で攻略する。
  • 最低限広く浅く各科目の頻出&基本テーマをおさえ、なるべく捨て科目を作らないことが大切。

教養試験攻略のポイント

  • 実際に学習してみると・・・数的処理は半分取るのがやっとの合格者が多い。
  • 数的処理と文章理解でなるべく点数を稼いで、足りない部分を一般知識分野の科目で補うイメージ。
  • 一般知識分野は暗記系科目が多いので、食わず嫌いをせずに各科目を浅く広く学習するイメージ。

3.専門試験<国家系>

“心理学・教育学・福祉・社会学+αの専門科目”が一般的

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専門記述試験の目的

  • 専門科目の知識を記述させることにより、知識のみならず文章力・文章作法も併せて確認するためのものです(公務員としての文章作成能力を見ます)。

専門記述試験のポイント

  • 問題文を正確に読み取り、適切に応答することが原則です。題意から逸れた解答は0点になってしまいます。記述答練は題意の把握から始めましょう!
  • 読みやすい字で書きましょう。達筆である必要はありませんが,丁寧に書く努力はする必要があります。
  • 誤字・脱字・略字・口語表現は厳禁です。
  • 原稿用紙の使い方に注意しましょう。思いがないところでミスが生まれるので答練を繰り返して、注意すべきポイントを把握しましょう。
  • 文末表現は統一します。
  • 必ず書き終えることが鉄則です。どんなに良い内容でも,途中で終わったら評価は大きく下がってしまいます。
  • 一文一文は簡潔にまとめましょう。長いと係り受けがずれるケースが多くなります。できれば2行以内に収めたいところです。
  • 内容については間違いを書かないようにしましょう。あやふやな点も書かないようにします。断定的表現は使わないようにしましょう。
  • 日常用語と専門用語の峻別が必要です。鍵となる用語については,専門用語として用いていることをアピールするためにも最初に定義を示しておきましょう。

試験種ごとの出題分野・科目<国家系>

国家総合職(院卒者試験・大卒程度試験)人間科学職

試験種 出題分野・科目
国家総合職(院卒者試験・大卒程度試験) 【択一式(105題中40題解答)/210分】
【Ⅰ部】5問
人間科学に関する基礎[人間科学における調査・分析に関する基礎、人間科学における行政的問題を含む。]
【Ⅱ部】15問
次の選択A,B(各15問)から一つを選択
・選択A 心理系
人間の資質及び行動並びに人間関係の理解に関する心理学的基礎(心理学史、生理、知覚、学習等)(11)、心理学における研究方法に関する基礎(4)
・選択B 教育・福祉・社会系
教育学、福祉及び社会学に関する基礎(12)
教育学、福祉及び社会学における調査・分析に関する基礎(3)
【Ⅲ部】20問
次の14科目(各5問)から4科目を選択し、計20問解答
認知心理学、臨床心理学、教育環境学、教育心理学、教育経営学、教育方法学、社会福祉総論、社会福祉各論、社会計画論、社会福祉論、社会学(理論)、社会学(各論)、社会心理学、現代社会論

【記述式(6題中2題解答)/240分】
次の6題から2題選択
心理学に関連する領域(2)[人間の資質及び行動並びに人間関係の理解に関する心理学的基礎、行政的な課題・社会的事象について、心理学的基礎、行政的な課題・社会的事象について、心理学的な視点から論述するもの]、 教育学、福祉及び社会学に関連する領域(1)、
教育学に関連する領域(1)、
福祉に関連する領域(1)、
社会学に関連する領域(1)(注)同じ領域から2題選択可。

法務省専門職員(人間科学)採用試験【矯正心理職区分】

試験種 出題分野・科目
矯正心理職A・B 【択一式(60題中40題解答)/140分】
法務省専門職員(人間科学)として必要な専門知識などについての筆記試験
【必須問題】心理学に関連する領域(20題)
【選択問題】次の40題から任意の計20題選択
心理学、教育学、福祉及び社会学に関する基礎
(心理学(10題)、教育学(10題)、福祉(10題)、社会学(10題))

【記述式(1題解答)/105分】
法務省専門職員(人間科学)として必要な専門知識などについての筆記試験
心理学に関連する領域 1題出題

法務省専門職員(人間科学)採用試験【法務教官区分・保護観察官区分】

試験種 出題分野・科目
法務教官区分A・B
法務教官区分(社会人)A・B
及び保護観察官区分
【択一式(40題解答)/140分】
法務省専門職員(人間科学)として必要な専門知識などについての筆記試験
心理学、教育学、福祉及び社会学に関する基礎
(心理学(10題)、教育学(10題)、福祉(10題)、社会学(10題))

【記述式(4題中1題解答)/105分】
法務省専門職員(人間科学)として必要な専門知識などについての筆記試験
選択問題 次の領域から1題ずつ計4題出題、任意の1題選択
心理学に関連する領域、教育学に関連する領域、福祉に関連する領域、社会学に関連する領域

家庭裁判所調査官補(院卒者区分・大卒区分)

試験種 出題分野・科目
庭裁判所調査官補
総合職試験
(院卒者区分・大卒区分)
【記述式(15題中2題解答)/120分】
家庭裁判所調査官補に必要な専門的知識などについての筆記試験
次の5領域から出題される15題のうち選択する2題
・心理学に関する領域(3題)
・教育学に関する領域(3題)
・福祉に関する領域(3題)
・社会学に関する領域(2題)
・法律学に関する領域(民法2題、刑法2題)
※六法を試験場において各受験者に貸与し、その六法の使用を認めます。

4.第2次(人物)試験

個別面接

個別面接

主に15~30分程度の個別面接で、志望動機や自己PRなどに関する一般的な質問がなされます。「なぜ公務員になろうと思うのか」「公務員としてどのような仕事に取り組みたいのか」などを自分の言葉で分かりやすく解答することが求められます。

集団面接

集団面接

受験生が5~8人で行われる面接形式です。質問内容は個別面接と変わりませんが、受験生が複数いるため、一問一答形式で簡潔に答える力が求められます。集団面接が課される自治体はそれほど多くはありません。

集団討論

集団討論

5名程度で当日グループを組み、与えられた課題について話し合います(家庭裁判所調査官補試験の場合)。討論を通じて受験生一人ひとりの態度やキャラクターを推測します。また、チーム内の役割を評価されるため、コミュニケーション能力を含めた総合力が問われます。

5.どうやって勉強する?

どうやって勉強するか?

気になる職種が見つかり、公務員試験制度についても、何となくお分かりいただけたかと思います。
では、実際に公務員を目指す場合どのように勉強すればよいでしょうか?

独学で勉強する?予備校をつかって勉強する?

公務員試験も受験勉強と同じで、参考書などを自分で購入し自身でスケジュールを立てて勉強する独学と、費用がかかるものの、教材は用意してもらいスケジュールも管理してくれる予備校を利用するかの2択です。
違いを見ていきましょう。

受験対策予備校 独学
学習効率 ○頻出論点を中心に、過去の試験情報を基にしたカリキュラムで効率的に学習できる。

○疑問点は講師に直接質問して、すぐに解決することができる。
▲教材の選定から学習計画まで、全て自分で管理して進めなければならない。

▲疑問点は、問題の解説や参考書を見ながら自分で解決しなくてはならない。
情報力 ○全国の公務員試験の情報が蓄積されており、それらが見放題。

○最新情報は担任講師が随時教えてくれるので、あとは自分なりに理解すればOK。
▲公務員試験に関する情報は、自分で探さなければならない。

▲各科目を学習しながら、試験の最新情報を自分で探して得なければならない。
面接対策 ○面接復元シートなどで、質問事項・雰囲気・形式などの情報は事前に入手できる。

○模擬面接で試験種ごとの傾向合わせた的を射た対策をすることができる。
▲各試験の面接情報が手に入らず、試験種ごとの的を射た対策ができない。

▲実践練習の場が得られず、うまく話せるか不安な状態で本番に臨むことになる。

【結論】 独学は地図とコンパス。予備校はカーナビです。

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公務員になることを最終的な目標として旅に例えると、地図(教材)やコンパス(スケジュール)を自分自身で準備してゴールを目指すのが独学。自分で運転しなければなりませんが、ゴールまで最も効率的なルートに導いてくれるのが予備校(カーナビ)と言えるでしょう。

今回の受験でどうしても合格したい!と考えるならば、受験対策予備校の利用がおすすめ。

6.できるだけ早く学習をSTARTしよう!

その日が吉日

1

講義の復習や問題演習の時間が確保しやすい!

公務員試験本番はどの受験生にもあまねく平等にやってきます。一方で、合格レベルに達するためにやるべきことはいつ学習STARTしても同じ・・つまり、学習STARTが早ければ早いほど、講義と講義のインターバルが長く、時間をかけて各回の講義内容を復習することができ、問題演習の時間も十分に確保でき、確実に合格への道を一歩一歩歩んでいくことができます。

2

幅広く併願受験しやすくなる

試験は水物と言われますが、本当にそのとおり。したがって、多くの受験生が万が一のリスクを回避するために 、併願受験をします。幅広く併願受験するためには、専門科目をなるべく多く学習する必要があります。早めに学習STARTすることで、重要科目の学習時間を確保しやすくなり、自分の選択肢を拡げることができ、最終的には自分を救ってくれます。

心理職・福祉職公務員をわかりやすく解説します!

山口輝講師

山口 輝 講師プロフィール

大学時代、公務員試験において多数合格者を輩出していた公共政策ゼミに所属し、研究の一環として地域包括ケアシステムについてのグループプロジェクトを担当した。大学院進学後は、国・地方における社会・福祉政策研究を行い、TA(ティーチングアシスタント)や大学生・留学生への論文指導を行った。とくに、国のパブリック・コメント制度を通して国民の声がどのようにして行政に届くのかを様々な政策領域で分析し、論文を執筆。現在は、心理職・福祉職講座担任として政策論文や面接対策をメインに講義を担当。他にも、心理職・福祉職講座開催の特別セミナーや担任カウンセリングを行っている。