公務員試験の勉強はいつから始める? おすすめの勉強法を紹介
公務員試験の勉強は、合格から逆算して計画的にスタートするのがおすすめです。学習時間を確保しながら、効率よく学んでいきましょう。
この記事では、公務員試験の勉強を始める時期について解説します。おすすめの勉強法も併せて参考にしてください。
公務員について詳しく知りたい方は!
公務員試験の勉強は1~2年前から始める
公務員試験の勉強は、受験の1~2年前から始めましょう。なぜなら、試験範囲が広いことから勉強に必要な時間が一般的に1000~1500時間だといわれているためです。
1~2年前から計画的に勉強を進めていくことで、合格を勝ち取れます。また、面接対策については筆記試験が終わってから始めるのがおすすめです。
ここでは、公務員試験の勉強に必要な時間数について解説します。
必要な勉強時間は1000~1500時間
- 公務員試験に必要な勉強時間は、1000~1500時間といわれています。仮に1日3時間、毎日勉強すれば1年で1095時間もの勉強時間を確保できます。
では、実際の合格者はどれくらいの時間を勉強に充てていたのでしょうか?
2022年度公務員試験合格者アンケート(TAC実施)によると、通常期(~1月)における1日の平均学習時間は3時間と答えた方が23%、直前期(2月~)になると、平均学習時間は大幅に伸び、10時間と答えた方が28%でした
参考:https://www.tac-school.co.jp/kouza_komuin/komuin_keimou.html
ただし、1000~1500時間勉強したからといって必ずしも合格するわけではありません。公務員試験に合格するためには、時間数よりも「どのような勉強をしたか」が重要です。
例えば、集中できないときに無理やり勉強して時間数を稼いでも、合格への道のりは遠いままです。集中しやすい環境を作り、質の高い勉強を進めていくことが何よりも大切だといえるでしょう。
面接対策を1ヵ月前から始める
公務員試験の面接対策は、面接試験の1ヵ月前から始めましょう。なぜなら、公務員試験は筆記試験に合格した人のみが受けられるため、まずは筆記試験の合格を重点的に考えるべきだからです。
実際、公務員の面接試験はそれほど特異なことを聞かれないことから、1ヵ月前からの準備でも対応できるでしょう。公務員試験の面接で主に聞かれる内容は、自己PRや志望動機といった基本的なことが多く、大学1年や2年の間にガクチカをしっかりやっておけば質問の答えをあらかじめ準備しやすいと考えられます。
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【職種別】公務員試験の勉強時間やポイント
公務員試験の勉強時間やポイントは、職種によって異なります。地方公務員、国家公務員(国家一般職、国家専門職)では800~1200時間程度を、国家公務員の中でも国家総合職であれば1200~1500時間程度を目安にするといいでしょう。
消防士や警察官は勉強時間だけではなく、体力作りの時間も確保しなければいけません。ここでは、職種別の公務員試験の勉強時間やポイントについて解説します。
地方公務員、国家公務員(国家一般職、国家専門職)
地方公務員に加えて国家一般職、国家専門職といった国家公務員は国家総合職より難易度が下がるものの、800~1200時間程度の学習が必要です。
教養試験においては知能分野(数的処理、文章理解)の出題数が多いため、重点的に対策を取っておきましょう。特に、数的処理は過去問と同じタイプの問題がそのまま出題されるケースもあることから、過去問を中心に数をこなしていくのがポイントです。
また、地方公務員の試験では論文対策も重要です。限られた時間の中で文章が執筆できるように、時間を計りながら書く練習を繰り返していきましょう。
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国家公務員(国家総合職)
公務員の中でも最難関といわれる国家総合職は、1200~1500時間程度の勉強が必要だといわれています。そのため、1年以上前から計画的に勉強するのが必須といえるでしょう。
国家総合職の試験では、専門択一試験と専門記述試験の内容で重複する科目があります。そこで、専門択一試験対策として知識をインプットした後、過去問でアウトプットし、定着した知識を専門記述試験対策に応用すると効率よく勉強を進められます。
また、国家総合職の試験では、TOEFLやTOEICといった外部テストの結果を提出すると総得点に加点されるため、英語の勉強に力を入れるのもおすすめポイントです。
警察官や消防士(消防官)
警察官や消防士(消防官)は、教養試験と論文試験が実施されます。
警察官の教養試験は消防士より難易度が低いものの、出題形式・出題範囲に大きな違いはないため計画的な勉強が重要です。また、消防士の教養試験は行政事務職員と同じ試験科目が課せられるため、幅広い知識を身に付けておく必要があります。
警察官や消防士(消防官)は筆記試験だけではなく体力試験も実施されるため、体力トレーニングも行わなければいけません。心身ともに鍛えておく必要がある職種といえるでしょう。
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公務員試験に向けてのおすすめ勉強法5選
公務員試験に向けてのおすすめ勉強法は、以下の5つです。
- スキマ時間を活用する
- スケジュールを決めておく
- 過去問を利用する
- 勉強にメリハリをつける
- 勉強仲間を作る
公務員試験の勉強は1~2年間と長期間必要であるため、科目ごとに勉強に関するスケジュールを決めたり、メリハリをつけながら勉強したりといった工夫が重要です。効率よく勉強することで、公務員試験の合格が近づくでしょう。
ここでは、おすすめの勉強法について解説します。
1.スキマ時間を活用する
公務員試験で合格するためには、スキマ時間を有効活用するのがおすすめです。通学時間や授業の休憩時間などを活用することで、効率的に勉強が可能になります。
スキマ時間を有効活用するためには単語シートを作成したり、穴埋めシートを用意したりするといいでしょう。参考書を読むだけではなく、覚えた知識をアウトプットする時間も積極的に作ることで暗記できているかどうかを確認できます。
朝、いつもより数十分~数時間早く起きて勉強するのもおすすめです。多くの公務員試験は朝早くから実施されます。早起きして数十分でも机に向かう習慣をつけておけば、ベストコンディションで試験本番に挑むことができるでしょう。
2.スケジュールを決めておく
公務員試験の勉強を効率よく行うためには、あらかじめスケジュールを決めておきましょう。試験全体の勉強すべき範囲を把握したら、どれぐらいの週数をどの科目にあてるかを決めます。
そこから3ヵ月ごと・1ヵ月ごと・1週間ごとの目標を定めていくことで、1日に必要な学習量を把握できます。また勉強する数や時間帯を毎日決めておき、ルーティーン化しておくことで勉強する習慣を身に付けられるでしょう。
3.過去問を利用する
公務員試験の勉強をする際は、過去問を積極的に解きましょう。公務員試験は過去問が繰り返し出題される傾向にあります。過去問を解くことでどのような問題が出題されやすいか把握できたり、自分が苦手とする問題や、重要なポイントを見つけられたりします。
過去問は自分がどれほど知識を身に付けられたかを試す問題として利用するのではなく、テキストと並行しながら出題傾向を学んでいくために活用するのがポイントです。過去問を利用することで、出題範囲の理解をより深められます。
4.勉強にメリハリをつける
公務員試験の勉強は長丁場になるため、メリハリをつけながら学んでいくのがおすすめです。無理をして机に向かい続けるのは、勉強内容が頭に入らなくなったり、体調を崩したりするなど、逆効果になる場合もあります。
例えば、勉強の休憩時間にランニングやウォーキングといった軽い運動を取り入れることで、体の血流が良くなり記憶力の増強にもつながります。
また、希望する自治体や職種の説明会などに参加するのもおすすめです。気分転換にもなる一方で、自治体研究にもつながるほか、モチベーションアップも狙うことができます。
ただし、気分転換が長すぎるとメリハリをつけるのが難しくなるため、適度な気分転換を取り入れるようにしましょう。
5.勉強仲間をつくる
公務員試験の勉強をしていくうえで、勉強仲間は重要です。
公務員試験は就活そのものであるため、一般的な資格試験よりもプレッシャーは大きいといえるでしょう。そのため、1人で抱え込むのではなく、勉強仲間を作っておくことでメンタルを整える効果や、モチベーションの維持が期待できます。
また仲の良い友人や家族とコミュニケーションを取ることで、気分転換にもなるでしょう。
公務員試験の受験を考えている方へ
公務員試験の受験を考えている方に向けて、よくある疑問や気になる点についていくつかピックアップしてお話します。
すでに学習を開始されている方もぜひ参考にしてみてください。
1.いつから勉強を始めるべきか
公務員試験に挑戦することを決めたときから勉強を始めることをおすすめします。
合格に必要な勉強時間は人それぞれのため、勉強できる人は早めに勉強を始めることに越したことはないからです。
一番多いのは、大学3年生の春ごろから始める人です。1年かけてしっかり対策することで、何よりも「安全に」合格することができます。また、早めに対策を進めることで後々余裕が生まれ、民間企業との併願も考えやすいというメリットもあります。
ただ、勉強を開始したタイミングが遅いからといって焦ったり、落ち込んだりする必要はありません。大事なことは公務員に絶対になりたいと思えるかどうかです。心から合格したいと思ったら、多少の勉強の遅れは取り返せます。
「思い立ったら即行動」これが合格に必要な考え方だと思います。
2.1日何時間勉強すべきか
TAC生の平均は通常期(~1月)は3~5時間、直前期(2月~)は8~10時間となっています。試験対策が順調な方はこれより少なくても十分合格できますが、逆にそうではない方はもう少し勉強時間を増やすことが必要になるかもしれません。
いずれにしましても、通常期は1日3~5時間、直前期は8~10時間を一つ目安にして勉強を進めていくと良いと思います。
3.筆記試験突破に必要な得点は
一般的に筆記試験の合格ラインは、試験種や職種によって異なりますが、教養科目が約6割、専門科目が約7割とされています。受験生のレベルが高い年はこれよりも高くなりますが、近年は倍率の低下により、合格ラインは多くの試験で年々低下しています。
合格ラインに到達するか不安な方もいらっしゃるかもしれませんが、過去問と似たような問題が多く、しっかり対策すれば突破できる試験ですので、焦らず着実に対策を進めていきましょう。
4.面接試験が不安です
面接試験に不安を抱えていらっしゃる方も多いと思います。
ですが、公務員試験の面接は民間企業と比べて倍率が低く、オーソドックスなものがほとんどなため、難易度はあまり高くありません。
事前に頻出質問に対する想定問答を考えたり、本番を想定した模擬面接で練習を積むことで、対応できる場合が多いです。
また、公務員試験は多くの試験種で筆記試験と面接の合計点で合否を判断されます。そのため、面接に強い苦手意識がある場合でも、筆記試験を頑張り、周りと差をつけることで、優位な状況で面接を進めることが可能です。
5.受かりやすい人・受かりにくい人はいるか
公務員試験の受験資格は概ね年齢と国籍要件のみです。学歴・職歴・性別による有利不利やハンデはなく、1次試験と2次試験の点数のみで合否が決まる公平かつ公正な試験ですから、受かりやすい人、受かりにくい人は制度上いないと言えます。
強いて言えば、試験科目が多岐にわたり、暗記すべき量が多いため、コツコツ着実に努力できる人が受かりやすい試験であると言えると思います。
効率的な学習が大事
ここまで見てきたように、公務員試験は出題範囲が広いため、長期間にわたって学習する必要があります。また、限られた時間を有効活用するために、より効率的に対策することが重要です。
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