区分所有法大改正・攻略ガイド
独学が危険な理由と新試験対策のすべて
2026年4月1日より改正区分所有法が施行され、これまでの知識が通用しなくなります。そして、分譲マンションにお住まいの方だけでなく、マンション管理士・管理業務主任者の受験生にも大きな影響が生じます。
当ページでは今回の大改正の具体的な内容や新試験に対する正しい対応策、独学の際の注意点などをご紹介します。
2026年4月、区分所有法が激変!これまでの知識は通用しない?

2026年4月1日より、改正区分所有法が施行されます。これは平成13年以来の大改正となり、分譲マンションの管理がこれまでとは大きく変わります。現在分譲マンションにお住まいの方にとっては、将来の大規模修繕や建替えに大きく影響することになります。また、受験生の皆様は、当然これをマスターしなければなりませんし、すでに学習されている方もかなりのボリュームの重要論点の学び直しが必要となります。
正しい改正知識とその改正の背景を理解することが、問題を解く力を身に着ける上で非常に重要となります。
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区分所有法改正の概要:なぜ「学び直し」が必要なのか?

前述の通り、区分所有法の重要論点の多くが改正の対象となっているからです。改正ポイントとその要点がしっかりと理解できていないと、改正前の論点と混同し誤答の原因となります。
例えば、集会の普通決議につき、以下のように改正されました。
改正前
改正後
集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数で決する。
改正前は、欠席した区分所有者も含めて過半数を判断しましたが、改正後は、「出席した」という要件になっています。そのため、欠席した区分所有者は母数に含める必要がないのです。しかも、普通決議の場合、定足数(出席者数)についての要件はないのです。
集会欠席者を母数に含めると、欠席者が多いマンションでは普通決議ですら成立しないということが問題になっていたため、出席者だけで決議をすることとしたのです。
このように、改正の趣旨を押さえることで、覚えやすくなりますし、応用ができるようになります。
区分所有法の主な改正点は、大別すると以下の通りになります。
1.区分所有建物の管理の円滑化
- 【改正の趣旨】
・集会決議に関し改正前は、決議に参加しない無関心な区分所有者の存在が円滑な決議を阻害していたことから、建替え決議など区分所有権の処分を伴う決議を除き、決議は出席者の多数決によることと改正しました(特別決議は定足数あり)。また、所在等不明の区分所有者の存在が円滑な決議を阻害していたため、裁判所が認定した所在等不明区分所有者を全ての決議の母数から除外する制度を創設しました。さらに、共用部分の重大変更は要件が厳しく、必要な工事が迅速に行えないという問題がありましたので、共用部分の設置・保存の瑕疵により権利侵害のおそれがある場合は、出席区分所有者及び議決権の2/3以上で決議できるとしました。
・区分所有者が専有部分・共用部分を適切に管理していない場合、他の区分所有者や近隣の住民が迷惑を被ってもそれを是正する措置が区分所有法にはありませんでした。そこで。適切に管理されていない専有部分や共用部分の管理制度が創設されました。
・区分所有者が国内に住所を有しないケースが増加していますが、海外にいる区分所有者と連絡がつかないことがあると、建物の管理に支障が生じます。そこで、専有部分及び共用部分の管理に関する事務を行わせるため、国内管理人を選任することができる制度を創設されました。
改正点
| (1)集会決議の円滑化 | 普通決議の要件を「出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数」に改正 |
| 所在不明区分所有者を決議要件から排除 | |
| (2)特別決議の緩和 | 特別決議に定足数追加 区分所有者の過半数で議決権の過半数を有する者の出席が必要 出席区分所有者及び議決権の3/4以上で決議可能 |
| 大規模滅失復旧決議は、出席区分所有者及び議決権の2/3以上で決議可能 | |
| 共用部分の重大変更の決議要件について、他人の権利の侵害のおそれ(外壁の落下等)がある共用部分の変更・バリアフリー化のための共用部分の変更は区分所有者及び議決権の2/3以上で決議可能 | |
| (3)専有部分の保存・管理の円滑化 | 共用部分の管理・変更と併せて行う専有部分の保存行為について、集会決議により実施可能 |
| 国外にいる区分所有者は、国内管理人を選任し、専有部分を管理させることができる | |
| (4)共用部分等に関する請求権 | 管理者は保険金等の請求について、元区分所有者も代理できる |
| (5)財産管理制度 | 所有者不明専有部分管理制度・管理不全専有部分管理制度・管理不全共用部分管理制度が新設された |
2.区分所有建物の再生の円滑化
【改正の趣旨】
・建替え決議の決議要件(4/5以上)を満たすのは容易でなく、必要な建替えが迅速に行えないという問題がありました。そこで、耐震性の不足等の一定事由がある場合、区分所有者及び議決権の3/4以上で決議できるとしました。
・建替え決議がされても、賃借人の同意がない限り専有部分の賃貸借等は終了しないため、建替え工事の円滑な実施を阻害されていました。そこで、金銭補償を前提として賃貸借終了請求が創設されました。
・建物のリノベーション、建物・敷地一括売却や建物の取壊し等を行うには、区分所有法には規定がなく、区分所有者全員の同意が必要であり、事実上困難でした。そこで、建替えと同等の決議要件がある場合、「建物・敷地の一括売却」「建物を取り壊した上での敷地売却」「建物の取壊し」を可能とする制度を創設しました。
改正点
| (1)建替え決議の円滑化 | 耐震性不足等の一定の事由に該当するマンションについては、区分所有者及び議決権の各3/4以上で建替え等が可能 |
| 専有部分の賃借権等の消滅請求が可能 | |
| (2)建物更新決議 | 区分所有者及び議決権の各4/5以上で、建物の構造上主要な部分の効用の維持・回復のために共用部分の形状を変更し、かつ、これに伴い全ての専有部分の形状・面積・位置関係を変更(一棟リノベーション)する決議(建物更新決議)が可能 |
| (3)建物敷地売却決議 | 区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各4/5以上で、区分所有建物とその敷地を売却する旨の決議が可能 |
| (4)建物取壊し敷地売却決議 | 区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各4/5以上で、区分所有建物を取り壊し、敷地を売却する旨の決議が可能 |
| (5)取壊し決議 | 区分所有者及び 議決権の各4/5以上の多数で、建物を取り壊す旨の決議が可能 |
3.団地の管理・再生の円滑化
【改正の趣旨】
・建替え承認決議、一括建替え決議の要件を満たすのは容易ではなく、実施が困難でした。そこで、決議要件が緩和されました。
・一括建替えと同等の多数決による団地内建物・敷地の一括売却を可能とする制度を創設しました。
改正点
| (1)建替え承認決議の要件緩和 | 議決権の過半数を有する団地建物所有者が出席し、出席した団地建物所有者の議決権の3/4以上の多数による承認の決議で建替え承認決議が可能 |
| (2)一括建替え決議の要件緩和 | 改正前は、団地内建物毎に、それぞれその区分所有者及び議決権の2/3以上の賛成が必要であったが、改正後は、区分所有者又は議決権の1/3を超える反対があった場合は、一括建替え決議が否決になるとされた |
| (3)団地内建物敷地売却決議 | 団地内建物の区分所有者及び議決権の各4/5以上で、当該団地内建物及びその敷地につき一括して、その全部を売却する旨の決議(団地内建物敷地売却決議)が可能 |
4.建物が滅失した場合の再建等の円滑化
【改正の趣旨】
・区分所有法では、建物が滅失した場合の規定がなく、区分所有建物の再建等が困難でした。そこで、建替え等と同等の決議要件がある場合、区分所有建物の再建等や団地内建物の再建を承認することができる制度を創設しました。
改正点
| (1)再建決議 | 敷地共有者等の議決権の4/5以上 |
| (2)敷地売却決議 | 敷地共有者等の議決権の4/5以上 |
| (3)再建承認決議 | 議決権の過半数を有する団地建物所有者等が出席し、出席した団地建物所有者等の議決権の3/4以上 |
| (4)団地内の建物が滅失した場合の建替え承認決議 | 議決権の過半数を有する団地建物所有者等が出席し、出席した団地建物所有者等の議決権の3/4以上 |
| (5)団地内の建物が滅失した場合の建替え再建承認決議 | 議決権の過半数を有する団地建物所有者等が出席し、出席した団地建物所有者等の議決権の3/4以上 |
| (6)団地内建物が滅失した場合の一括建替え等決議 | 団地建物所有者等および議決権の各4/5以上 |
| (7)団地内建物が滅失した場合の一括敷地売却決議 | 団地建物所有者等および議決権の各4/5以上 |
影響は「区分所有法」だけではない?広範囲にわたる波及

区分所有法が改正されたことにより、標準管理規約も改正されています。しかし、区分所有法と標準管理規約がまったく同じというわけでなく、規約で変更されている箇所もあります。
例えば、総会の普通決議事項です。
| 区分所有法 | 標準管理規約 |
| 集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数で決する。 | 総会の会議(WEB会議システム等を用いて開催する会議を含む。)は、議決権総数の過半数を有する組合員が出席しなければならない。 総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。 |
改正により、標準管理規約の「定足数」が「議決権総数の半数以上」から「議決権総数の過半数」になりました。
しかし、区分所有法では、そもそも普通決議には定足数はありません。また、標準管理規約は「議決権の過半数」で決議し、「区分所有者(組合員)」の数は決議要件となっていません。このように、区分所有法と標準管理規約を、横断的に整理をしないと相違点に気づかず間違って覚えてしまうリスクがあります。
本試験では、区分所有法や標準管理規約といった重要科目の改正点は、改正された年の本試験にすぐ出題されるという特徴があります。改正前と何が違うのか?改正により創設された規定はどんなものがあるか?に注意をしましょう。
独学の落とし穴とは?今後の学習ポイント

独学での受験を検討されている方もいらっしゃるかと思いますが、効率よく、また正しい知識を身に着けるには、やはりTACでの受講をお勧めします。
特に本年度は大きな改正がありましたので、以下の点より独学では有効な対策が困難となります。
- 1.改正点を見落としてしまう
- 2.新しく創設された改正点は過去問が存在しない
- 3.出題が予想されるポイントが絞れない
それぞれについて詳しく解説します。
1.改正点を見落としてしまう
下記条文の赤文字の箇所に注目してください。
| 集会の招集の通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各区分所有者(議決権を有しないものを除く。)に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。 |
ほんのわずかな改正ですが、非常に重要で本試験出題可能性が高い論点です。
まず、議案の要領についてです。改正前は共用部分の重大変更等の一定の議題のときだけ、議案の要領を通知したのですが、改正によりすべての議題に議案の要領が必要となりました。
次に、伸長ですが、改正前は伸縮でした。つまり、改正前は短くすることもできたのです。しかし、改正で短くすることはできなくなりました。
このような改正点は、独学だと見落としてしまう危険性があります。
この点、TACなら経験豊富な講師陣による講義で細かなニュアンスの違いまで解説を行うため、独学では見落としてしまいそうな論点も正確に理解することが出来ます。

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サンプルテキストもご用意しているので、受講前に教材のクオリティまで確認出来ます。是非ご活用ください!
体験内容:基本講義第1回 民法・区分
担当:小澤 良輔 講師
2.新しく創設された改正点は過去問が存在しない
当然ですが、新しく創設された規定は過去問が存在しません。繰り返し問題を解かないと知識は身に付きませんし、本試験で注意すべきひっかけ問題も分かりません。

この点、TACの講座では、知識定着のための講義だけでなく、毎回のミニテストや豊富な答練で改正に対応した問題に充分に触れることができます。
受験勉強では、インプットとアウトプットを組み合わせての学習が効果的です。講義でインプットした内容は、ミニテスト、過去問題集、答練を繰り返し解くことにより確実に身に着けることが出来ます。
さらに、直前答練、全国公開模試で総合問題を解くことにより、本試験に対応できる実力が無理なく身につきます。
3.出題が予想されるポイントが絞れない
本年度の法改正は、非常に分量が多く、区分所有法だけでなく、標準管理規約等も合わせると、それらすべてを暗記しようとするのは困難です。また、すべての改正点から出題されるわけではありません。そのため、出題可能性が高い論点を判断し、効率よく学習ことは独学では大変難しくなります。
この点、TACの講座は長年の開講で積み上げた緻密な情報と精度の高い分析により例年多くの本試験問題を的中させ、「無駄なことはしない」カリキュラムを実現しています。この磨き上げられたカリキュラムや教材で学習することで、効率よく合格を目指すことが出来ます。
下記はほんの一例です。もちろんこのほかにも多数の「ズバリ的中」を実現しています。

※は正解肢的中。正解肢的中は、模試または本試験でその知識で正解できた(1点獲得できた)ということです。
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資格の学校 TACの「改正完全対応講座」の強み

TACの講義で使用する教材は、当然ですが区分所有法等の改正点に完全対応しています。講義のカリキュラムやテキスト・ミニテスト・答練等の構成もTACの講師陣が責任をもって毎年作り直しています。TACの教材を使用して講義を受講することで、合格に必要な重要改正ポイントを網羅し、内容を理解できるようになります。
TAC講師からのメッセージ

今年は区分所有法大改正があり、勉強に不安を抱く方も多いかと思います。しかし、改正が多いということは、逆に出題される論点がある程度予想できるということでもあります。また、しっかり法改正対策をして学習した人とそうでない人の差が大きく出ることにもなります。
TACでは、法改正に対応した教材で皆様の合格を最後までサポートしていきます。
この機会をチャンスと考え、一緒に合格まで勉強を頑張っていきましょう。
この記事の執筆者

小澤 良輔 講師
新宿校│収録講義│オンラインライブ講義
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