タックスファンタスティック Tax Fantastic!!第53回テーマ 士業の仕事にSNSはどう役立っているのか?

田久巣 えー、今回は年末スペシャル企画ということで、いつもと趣向を変えて特別ゲストをお招きしました!


税 太 えっ、突然の展開!しかも所長がいきなり司会をやるなんて!


襟 糸 ふん、税太君、これはきっと作者の怠慢だ。ネタが尽きたから新しいキャラクターを出して新鮮さを演出しようとしているのだろう。


監 子 そんなこと言わないでよ、襟糸先輩。こういうネタを思いつくのも立派な才能よ。


襟 糸 むむ、自分が作ったキャラクターに2ヵ月連続で慰めてもらうとは…。


田久巣 えー、静粛に。特別ゲストは税理士法人レガシィの代表、天野大輔さんです!


天 野 お招きいただき光栄です。とてもいい事務所ですね。メンバーも素晴らしい人が多いですし。ひとりを除いては…。


襟 糸 ゲゲっ!作者じゃないですか!それは失礼であった。って、さっきのセリフを僕に言わせたのも作者だから謝るのも変なのだが…。


監 子 襟糸先輩、難しいことは考えないでください!


田久巣 今日は「士業の仕事にSNSはどう役立っているのか」を教えてください。私も使ってはいるものの活用しきれていなくて…。


天 野 そうですね。まず、間違いなく経営や実務の情報収集には役立っています。最近はTwitterを愛用していますが、士業の皆さんは、実務の最新情報や士業同士の交流の話などをよくツイートされているので、「こんな意見があるんだ」「これは自分と同じ見解だ」とか、いろんな発見があっておもしろいです。自分が情報発信する際の参考にもなりますし。


田久巣 なるほど。確かに雑誌や新聞などの媒体よりも、各個人が発信する生の新鮮な情報のほうが、よりリアルに感じられるかもしれませんね。


天 野 あとは、交流やビジネスが生まれるきっかけになっています。この間、相続や文学など自分と関心を持つ分野が似ていて、センスあふれる投稿をされている士業の方をSNSで見かけたので、フォローするだけでなく「一度会ってお話ししませんか?」とDMを送って実際に会いました。SNSでの印象とは違う面もあってとてもいい経験でしたね。実際にビジネスの企画にもご賛同いただいて、すでに動いていたりもします。


監 子 使い方次第で仕事にもつながるのですね。ちなみに、この連載のこともSNSで発信しているんですか?


天 野 もちろんです。先日もセミナー後の交流の場で「この連載をいつも読んでいますよ!」と声を掛けていただきました。おそらくTwitterでこの連載のことを知ってくださったようで。うれしさとともに、発信することの大切さをあらためて感じました。


監 子 それはうれしいですね!それで、私たち登場人物の評判はどうなんですか?


天 野 監子さんは作者に敬意を払ってくれる、思いやりがあるところが大人気ですよ。懐の深い田久巣所長も、家庭がある中で懸命に働きながら勉強している税太君も応援の声が絶えないですね。えーっと、あとひとりは誰だったかな?


襟 糸 うー、作者が登場人物をイジるなんてセンスが悪いぞ!しかも敬意って!


田久巣 こらこら、君たち。とはいっても天野さん、私から言わせれば襟糸君は立派なエース税理士なんです。今後は彼もSNSで取り上げるなど、活躍の場を与えてくれませんか?


襟 糸 所長ッ…!(うるうる)


天 野 事務所の大事なエースをイジってしまって失礼しました。実は、襟糸君は私自身を半分投影したキャラクターでもあって。それで時々カッコいいセリフを言わせているんです(笑)。これからはSNSで取り上げて応援していきますよ、「エース(S)」だけに!


【今回のポイント】

SNSを使う士業は年々増えている。本当に仕事に活かそうと思うと、工夫が必要だし手間もかかるが、情報収集や実際の人脈作りにもつながるし、発見も多いので、士業にとって大いに役立つツールであることは間違いない。例えばTwitterなら、フォロワーが増えたり、「いいね」や「RT」されたりすることで「発信者」としての認識が高まってくるし、何より自分の投稿に「いいね」がつくとうれしくて仕事のやる気ゲージが一段あがる。SNSは、士業(S)に(N)とってのエース(S)級に役立つツールだと言えるだろう。


[『TACNEWS』 2023年1月号|連載|タックスファンタスティック]

Profile

筆者 天野 大輔(あまの だいすけ)

1979年生まれ。公認会計士・税理士。税理士法人レガシィ代表社員。慶應義塾大学卒業、同大学院修了(フランス文学を研究)。情報システム会社でSEとして勤務。その後公認会計士試験に合格、監査法人兼コンサルティング会社に入り、会計監査、事業再生、M&A支援等を行う。その後日本で最大級の相続税申告数実績のある税理士法人レガシィへ。相続・事業承継対策の実務を経て、プラットフォームの構築を担当。2019年に士業事務所間で仕事を授受するWebサービス「Mochi-ya」、2020年にシニア世代向けの専門家とやりとりするWebサービス「相続のせんせい」をリリース。主な著書『改訂版 はじめての相続・遺言100問100答』(2017年、明日香出版)、『「生前贈与」のやってはいけない』(2022年、青春出版)。
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