日商簿記3級 試験改定の
ポイントと対策

2019年度試験から日商簿記3級の出題範囲が変わりました。
試験の変更点やその対策についてお伝えします!

2016~2018年度の3年間にわたる日商簿記2級の出題範囲改定に続き、2019年度から、3級でも大幅な改定が行われました。
2級同様に、3級も現在のビジネスで役立てられるように、学習内容が見直されました。
ここでは、3級試験がどのように変わり、どのような対策が必要になるかをご紹介いたします。

POINT1

2019年度以降の3級出題範囲改定の概要

2018年4月2日、日本商工会議所より「平成31年(2019年)度以降の簿記検定試験出題区分表の改定等について」が公表されました。これにより、3級を中心に出題範囲の変更が行われます。

3級も「株式会社」を前提とした学習へ

最も変わる内容は学習対象です。今までは「個人商店」を前提としていましたが、改定後の3級では「小規模の株式会社」を前提とする学習に変わります。(3級が小規模株式会社、2級が中規模株式会社、1級が大規模株式会社、というイメージです。)それに伴い、純資産(資本)や税金などの論点に影響が出ます。また、ビジネスシーンにおける新しい取引などが追加される一方で、実務に即していないと思われる論点は削除されます。

簿記3級学習範囲改定のイメージ

下記で、追加される論点と削除される論点を見ていきましょう。

2019年度試験から追加される論点

「株式会社」の会計処理に関する論点や、ビジネスシーンにおける新しい論点などが追加

「個人商店」を前提とする会計処理では、まず自分自身が資金を出して(元入れして)営業を開始し、そこで行われる様々な取引を一定のルールにそって処理するものでした。これに対して、「株式会社」は、多くのいろいろな人から資金を募り、会社を設立し、稼いだ利益を株主に分配したり、会社として税金を支払うなどの、一連の会計処理が必要で、今後の3級ではこの会計処理を学習していくことになります。

下記の論点は株式会社会計の基本的な論点で、今回3級で新しく出題範囲となるものです。

  • 株式の発行、剰余金の配当、準備金の積立当
  • 純損益の繰越利益剰余金勘定への振替
  • 法人税・住民税・事業税
  • 消費税

また、今回、現代のビジネスシーンにおける新しい論点として3級学習範囲に追加となったものもあります。
下記の論点は従来2級の論点でしたが、2019年度試験からは3級で学習します。

  • 電子記録債権・電子記録債務
  • クレジット売掛金

追加ばかりでは、3級受験生の負担が重くなってしまうので、実際の実務に即していない論点は他の級へ移動させるなどしてバランスをとっているようです。

2019年度試験から削除される論点

「個人商店」を前提とする会計処理や、実務に即していない論点などが削除

3級が「個人商店」を前提とする会計処理ではなくなるため、個人商店特有の学習内容は2019年度試験からは出題されなくなります。下記は削除論点となります。

  • 個人商店を前提とした資本金・引出金の処理
  • 純損益の資本金勘定への振替
  • 所得税

また、今回、実務に即していないものや、2級以上の出題範囲として調整された論点として、3級から削除されたものもあります。下記の論点は他級へ移動します。

  • 有価証券の購入・売却 → 有価証券関連はすべて2級以上へ
  • 固定資産の減価償却(直接法) → 2級以上へ
  • 手形の裏書譲渡・割引 → 2級以上へ

その他の変更点

  • 経過勘定の表現を変更
    →収益・費用の「繰延べ」と「見越し」という表現が分かりづらかったので問題文には使わない。
  • 証ひょうから仕訳を行う出題
    →納品書・請求書・領収書などの証ひょうを問題資料として与え、そこから仕訳を書き出す問題

上記以外にも追加・削除論点はあります。下記では詳細をまとめています。

3級出題範囲の追加論点と削除論点のまとめ

追加論点 削除論点
学習対象
  • 小規模の株式会社を前提
  • 個人商店を前提
商品売買 -
  • 商品売買の値引
現金預金
  • 銀行預金口座の複数開設
  • 決算時の当座借越への振替え
  • 当座預金勘定と当座借越勘定の2勘定制
有価証券 -
  • 有価証券の購入・売却
    (有価証券関連はすべて2級以上に移動)
固定資産
  • 固定資産台帳
  • 固定資産の減価償却(直接法)
    (3級の固定資産台帳は有形固定資産に関するもののみ)
債権・債務
  • 他社発行の商品券→「受取商品券」
    (受取手形などと同様)
  • 差入保証金
  • 電子記録債権・電子記録債務
  • クレジット売掛金
  • 自社発行の商品券→「発行商品券」
    (発行商品券は1級へ移動)
    (電子記録債権・債務、クレジット売掛金は2級から3級へ移動、初級でも試験範囲)
  • 手形の裏書譲渡・割引
純資産(資本)
  • 株式の発行、剰余金の配当、準備金の積立等
  • 純損益の繰越利益剰余金勘定への振替
  • 個人商店を前提とした資本金・引出金の処理
  • 純損益の資本金勘定への振替
税金
  • 法人税・住民税・事業税
  • 消費税
  • 所得税
収益・費用
  • 法定福利費
  • 消耗品の購入時費用処理
  • 貯蔵品の棚卸
  • 月次決算
  • 消耗品の資産処理・費用処理
経過勘定
  • 収益・費用の前払い・前受けと未収・未払いの計上
  • 収益・費用の繰延べと見越し
    (繰延べと見越しという表現をやめる)
その他
  • 決算整理後残高試算表
  • 証ひょうから仕訳を行う出題
  • 6桁精算表
    (6桁精算表はすべての級から除外)
  • 繰越試算表

POINT2

特別インタビュー
3級・2級担当講師が語る試験のポイント

2019年度以降、どのように変わっていくのか?

2019年6月試験から3級の試験内容が改定されました。「改定」と聞いて、これから受験することに対して漠然とした不安を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここではTAC講師陣が試験の内容のポイントとは何かを解説いたします。

POINT3

試験範囲改定への対策はどうすればよいのか?
TACでの学習は?

改定情報を整理して、合格に必要な知識・ポイントを習得する必要があります。

まずは改定に対応した教材を使用することをオススメします。その上で、改定情報を整理して、合格に必要な知識・ポイントを習得していきましょう。

独学とTACでの学習の違い

独学だと
  • 市販書籍の改定情報を読むだけではどれが合格に必要か、など探し出すのに時間が必要になります。
  • 「理解」ではなく「暗記」する傾向が強くなり、応用力を身につけにくくなります。
TACなら 改定に対応したカリキュラムで安心して学習できます。
  • 自分で情報を探す手間を省き、重要度によって強弱をつけメリハリのある講義を展開します。
  • TACには実務に携わる講師も在籍し、実務に即した改定論点にも対応できる体制が整っています。
  • 効率的にインプットできれば、アウトプット力養成のための問題演習に時間を割けます。

日商簿記3級合格は、TACにおまかせください!

新論点対策はもちろん、合格するための真の力がつく「3級合格本科生」

新論点もしっかり対策!「3級合格本科生」「3級合格本科生PLUS」で合格を目指す!

講義期の回数を2回(PLUSは3回)、直前期の回数を1回増やすことで、改定内容にしっかり対応しています。TACのカリキュラムに沿って講義を受ければ済むため、ご自身で改定情報についてあれこれ模索する必要はありません。また、受験に必須な『過去問題集』についても、日本商工会議所が公表した新出題範囲のサンプル問題を元に編集していますので、最新の本試験問題を見据えた対策をご提供いたします。3級過去問解法テクニック講義付コースをご受講いただくと、試験対策はより万全です。

新論点対応のスタンダードコース!

自習が苦手な方にはコチラもおすすめ!

2級まで続けて学習したい方向けのコースも

3級だけでなく2級までの合格を目指す方は、「3・2級ステップ合格本科生」や「2級ダイレクト合格本科生」を受講いただくと、よりお得かつスムーズに学習を進めることができます。

Q&A

試験範囲の変更で、3級の学習量はどのくらい増えたのでしょうか?

改定後の試験には、株式会社を前提とした学習内容や、昨今のビジネスシーンにおける新しい取引を扱った論点などが追加されました。ただし、従来の内容のうち実際の実務に即していないものは削除、また、他級へ移動させたものもあるので、3級の学習量は従来より少し増加したイメージです。

改定に対応した過去問題対策はどうすればよいでしょうか?

TAC出版刊行の『20年2月受験対策 合格するための過去問題集 日商簿記検定3級』(2019年12月下旬刊行予定)は、この新出題区分に対応した問題や、過去に出題された問題を分析し、試験ごとに改定しています。最新の出題傾向つかむことができます。
また、TACではこちらの過去問題集を使用教材とした、オプション講座「3級過去問解法テクニック講義」を開講しております。最新の本試験問題を見据えた対策や、講師による解き方レクチャー等により、独学では習得し難い解法テクニックを習得でき、より万全な本試験対策を行うことが可能です。(本科生とセットになったコースもあります)

新しい3級を学習するメリットはなんですか?

新しい3級の知識は、実際に仕事でより活用できるようにすることを目指しているので、今まで以上にビジネスで役立つと思われます。また、3級で「株式会社」会計を学習することにより、2級との親密性を増すので、2級はより学習しやすくなると言えます。

日本商工会議所ではどのような情報が出ていますか?

以下のページにて改定についての情報が公開されています。

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