特集 「人生100年時代」に役立つFPの知識

  
町田 萌さん
Profile

町田 萌氏

FPサテライト株式会社
代表取締役 ファイナンシャルプランナー

町田 萌(まちた もえ)
FPサテライト株式会社 代表取締役。 CFP®認定者、宅地建物取引士、証券外務員一種、日商簿記2級保有。
千葉県佐倉市出身。日本大学商学部商業学科卒業。1年間の税理士法人勤務を経て、2016年、FPサテライトを開業。2018年、法人化。

中立中正な独立系FP会社として、幅広い年代層のお客さまの立場に立った
ライフプランの作成とコンサルティングを提供しています。

「人生100年時代」とも言われるようになった昨今、消費税の増税や老後の不安などから、「普通の」主婦やサラリーマンの中にも投資を始める方が出てくるようになりました。一方で「投資はこわくてできないけれど、将来に向けてお金のことを誰かに相談できたら」といった思いを抱える方々も。そうした方々の受け皿となる「身近なお金の専門家」がFP(ファイナンシャル・プランナー)です。今回は、独立系FP会社を経営するCFP®認定者の町田萌さんに、FPの仕事内容などについて、ご自身の経験を踏まえてお話しいただきました。

中立中正な独立系FP会社

──独立系FP(ファイナンシャル・プランナー)会社として、町田さんがどのような業務を行っているのかを教えてください。

町田 FPサテライト株式会社では、個人と法人の両方に対してコンサルティングを行っています。
 個人の方向けには、ライフプランニング相談、保険コンサルティング、その他お金のご相談全般から、地方移住のサポートなども行っています。
 そして、法人や個人事業主向けにもコンサルティングを行っていることは私たちの特徴のひとつです。FPの場合、個人のみを対象としている方が比較的多く、法人を対象としたコンサルティングは行っていない方も見受けられます。法人向けのコンサルティングでは、キャッシュフロー改善、融資・補助金などの事業計画書の作成支援、経理業務支援、事業承継支援、福利厚生として従業員様向けにマネー研修などを行っています。
 そうした業務に加えて、FPとしての執筆や監修、取材、セミナーやeラーニング講座の講師としてもいろいろと声をかけていただいて、取り組んでいます。

──FPサテライトが行うFP業務の特徴はどこにありますか。

町田 まず、私たちは中立中正を保つため、保険代理店や証券仲介業等は一切行っていません。独立系FP会社の場合、保険代理店を行っているケースが多く見られます。もちろん、中立中正に保険コンサルティングを行っているところもありますが、自社で取り扱う保険商品を販売して、コミッションを得ている会社も多いのが現実です。そのこと自体は経営的に見れば間違いではありませんが、本来、中立中正でなければならないFPとして、本当の意味でFPとしての役割を果たせているか疑問を感じることもあります。
 私たちは、お客様の意向に沿った中立中正なアドバイスを行うために、ご相談の際、新たな保険加入等の営業は行いません。ライフプランを立てる際も、保険ありきだとやはり内容が変わってきます。プランニングをする際に、どうしても取り扱う保険を入れてしまうんですね。それがお客さまに最適なプランであればいいのですが、そうはならない場合も出てくるのではないでしょうか。
 ですから、どんな内容に対してもお客さまの立場に立って対応し、安心してご相談いただけることをアピールポイントにしています。ただ、FPとして仕事を行ってみて初めてわかったのですが、世間一般では「FP=保険の営業」というイメージがとても強く、それを払拭するのが非常に大変です。

──中立中正であること、保険などの営業をしないことが特徴なのですね。

町田 もうひとつの特徴は分野を絞っていないことです。保険会社出身のFPが保険を専門にされたり、証券会社出身のFPが資産運用を専門にされたりと、他のFPと差別化するために専門分野を持たれる方は多いのですが、私たちはあえて専門分野を設けずに、あらゆるご相談に対応させていただいています。法人を対象としていることもその一環ですね。
 FPは一般的にお金のプロフェッショナルと呼ばれていますが、ご相談内容によっては、最適な相談相手は保険会社、不動産会社、弁護士、司法書士、税理士等である場合もあります。ただ、お客さまがこれらの専門家に一つひとつ相談に足を運んでいては、多額の費用と時間がかかってしまいますよね。その点、私たちは分野を絞っておらず、ワンストップですべてのご相談をお受けできる経験と資格があります。もちろん必要に応じて、こうした専門家と密接に連絡を取り合いながら、お客さまのご相談に対応しています。

マネーリテラシーが高い若い世代の相談者

──具体的にはどのようなご相談が多いのでしょうか。

町田 個人の方で多いご相談は、保険の見直し、教育費、住宅の取得、相続、資産運用、貯蓄等です。中でも保険の見直しと資産運用、不動産投資に関するご相談が多いですね。例えば、保険の見直しを検討していて「こういう保険を提案されたけれど、この内容でいいのか」、また「不動産投資の提案を受けたけれど、この内容で大丈夫か見てほしい」といった内容です。また、40代以上の方や定年が近い方からのご相談は、老後の資金が心配という内容が多数を占めています。

──年代による相談内容の違いがあるのでしょうか。

町田 そうですね。いまお話ししたように、FPに相談するきっかけとしては、年齢が高い方の場合は老後資金の相談がほとんどといっていいでしょう。逆に20代から30代前半の方の場合、保険の見直しや不動産投資、結婚などというテーマが多いようです。相談にみえられる方は20代から50代まで幅広くいらっしゃいますが、私が20代であることもあって20代から30代の方が比較的多いと思います。
 年齢が若い方の特徴として、マネーリテラシーの高さがあげられます。ご自身でいろいろと勉強されている方も多いですね。相談の入口として保険や不動産投資があったとしても、お金に関わることは多岐に影響してきます。例えば保険の見直しをする際、結婚されていれば、教育資金や住宅に関するお金など複合的な影響があります。それなら、お金を支払ってプロに相談したい又はしたほうがよいと考える方が多いようです。

──FPに相談しようというきっかけについてはいかがですか。

町田 基本的に何か出来事が起こって、それを解決するためにプロの意見が聞きたいという場合が多いようです。保険の見直しをすすめられたり、不動産投資の提案を受けたりという出来事があったときに、初めて誰かに相談しよう、プロの意見を聞いたほうがいい、と考えて相談先を探すといったことですね。またセカンドオピニオンとして聞いておきたいというケースもありますね。
 もうひとつ大きなきっかけは結婚でしょうか。結婚するにあたって、今までは自分1人分だけだった保険などが2人分になる、住宅の購入を予定しているなどの変化から、ご相談にみえる方が多いですね。特に地方の相談者の場合は、結婚あるいは住宅を購入されるというきっかけが多いと思います。
 最初からライフプランの相談をしたいという方は比較的少なくて、定年が近い方からの定年後のご相談がライフプランの相談に一番近いかもしれませんね。

一人ひとりで異なるライフプランの中身

──個人の方に対する具体的なコンサルティングの内容について教えてください。

町田 個人の方のご相談ですと、保険の見直しなど何らかのきっかけがあってご相談にみえられます。その際、保険会社などからご提案されている保険があれば、その内容について、相談者にとって本当に必要なものなのかどうか、他によいものがあるかどうかをお話しします。最終的に保険に加入するかどうかを決めるのはご相談者ですので、私たちはその判断ができる材料をお伝えすることになります。
 併せてライフプランを作成して、その保険がライフプランに与える影響、マネープランがどう変化するのかなどをお話しします。

──最近、「人生100年時代」とも言われていますが、ライフプランを作成する場合、例えば20代の方であれば何歳くらいまでのプランとするのでしょうか。

町田 教科書通りの答えになりますが、約60年後が平均余命になりますので、そこを目安にプランを立てます。「平均余命」とは、ある年齢の方々が平均であと何年生きられるかを示したもので、年齢によって異なってきます。私たちがよく使う「平均寿命」という言葉は、0歳の平均余命のことなのですが、平成29年簡易生命表(厚生労働省調べ)によれば、男性の平均寿命は81.09年、女性の平均寿命は87.26年となっています。一方で、例えば25歳男性は平均余命が56.59歳となっているため、81.59歳まで生きると予想されます。25歳女性の場合は平均余命が62.63歳ですから87.63歳まで生きると予想され、男女とも平均寿命を上回ることになります。このように、基本的に平均余命を前提として、ライフプランを作成します。

──ライフプランの内容はどのようなものになるのですか。

町田 ライフプランは、ご相談者がどんな仕事をしていて、転職の可能性があるのかないのか、結婚されているのかまたはする予定があるのか、子どもは何人いるのかあるいはほしいのか、教育に対する考え方はどうか、住宅をどうするのか、老後はどう過ごしたいかなどをお聞きして作成します。ライフプランはご相談者のライフステージとそれに伴うマネープランで構成されているものですから、ご相談者がどのようにライフステージを組み立てていきたいかにより大きく変化します。

──作成したライフプランの内容に沿ってアドバイスを行うのですね。

町田 そうなりますね。ただ、20代から30代の方のライフプランを作成して、仮に75歳で預貯金が底をつきますよ、という結果が出たとしても、その老後の結果に関しては、あまり重視していません。FPによっては「じゃあ早いうちから対策を立てましょう」と提案する方もいると思いますが、私たちは基本的にそういう提案は行いません。できるだけ預貯金をしておきましょう、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用しましょう、というお話をする程度です。今後、働き方も国の制度も変わっていくでしょうから、現時点での結果で一喜一憂しないで、もう少し経ってから改めて見直しましょうとアドバイスしています。

──とはいえ、75歳で預貯金が底をついてしまうという結果だと、老後の生活に対して不安を感じるのではありませんか。

町田 実は、現在お作りできるライフプランは現時点の制度や働き方に基づいて作成しているものです。例えば年金制度も、現在は65歳から受給開始ですが、今の20~30代の方が年金を受け取られる頃には、制度自体が変わり、受給年齢も引き上げられていると思われます。働き方にしても現在は65歳定年と言われていますが、おそらくもっと長く働くようになることでしょう。もちろん、今からできる対策をということであれば、現時点でできる対策についてご提案しています。
 今現在30歳の方だとしたら、40~50年近く先のことですから、過剰に不安を感じる必要はなく、ひとつの目安として捉えていただき、冷静にご自身と社会の変化、時代の変化などを見ながら考えていけば良いと思います。

──40代半ば以降の方からのご相談だと仮定した場合はいかがでしょうか。

町田 40代半ば以降の方のライフプランを作成して、老後がマイナス、あるいは預貯金が底を突くようでは困りますね。これはすぐに対策が必要です。その場合も、ご相談者によって取ることができる対策が異なりますので、先にお話ししたことと同様にお仕事、教育資金、住宅、保険、老後などの状況をお聞きして、現時点で取ることができる対策をご提案しています。

──生涯未婚率が上昇しているとニュースにもなっていますが、こうしたいわゆる「おひとりさま」の場合、ライフプランはどのようになるのでしょうか。

町田 実はご相談をお受けする場合、だいたいこのようなプランになりますよ、と目安になるモデルプランを年齢や状況に合わせて作成しているのですが、独身の場合はライフステージでの課題や変化が非常に少なくなります。それでも、老後を含めた将来の見通しを明確にするためにライフプランの作成は有効ですが、実際のところ、ライフプラン作成のご相談はほとんどないのが現状です。むしろ、資産運用や保険の見直しといった単発のご相談が多い印象です。
 独身の場合、まず教育費がかかりませんし、住宅も賃貸でいいかもしれません。何より、1人ですから融通がつきやすく、自分の裁量ですべてできるので、一般的なライフプランのご相談にはなりにくいですね。
 ただ、独身でも意識の高い方は大勢いらっしゃいます。将来に向けての資産運用、貯蓄に関してご相談をいただく場合があります。

法人にも幅広いコンサルティングを提供

──法人向けのコンサルティングではどのようなことを行っているのでしょうか。

町田 法人向けでも分野を限定せずに幅広いコンサルティングをご提供しています。  中でも小規模の会社の場合、会社のお金と経営者個人のお金が厳密に分れてはいない場合があります。経営者の方は会社のお金と個人のお金の両方を考えないといけないのですが、どちらか一方だけを見ていては、お金の巡りがわかりません。多くの会社は税理士に税務申告を依頼していますが、税理士の方が見られるのは会社のお金が中心となります。個人のお金に関して税理士の方は確定申告時にはアドバイスをされると思いますが、日常的なアドバイスは少ないと思います。
 そこで私たちFPが、個人と会社のお金の巡りについて、経営者とともに把握・管理して、アドバイスを差し上げることが必要になると考えています。
 また、私が税理士法人に勤務していた経験を活かして、企業内部に入って経理の支援を行うこともあります。もちろん、法人の資金繰りや融資、補助金、保険のご相談など幅広く対応できるように心がけています。

社会の複雑化・多様化で高まるFPへのニーズ

──FPはお金のプロフェッショナルであり、ライフプランニングの専門家ですが、FPへのニーズについてはどう捉えていらっしゃいますか。

町田 FPへの相談のニーズは高まっていくと考えています。ただ、ライフプランは何かのきっかけがないと相談しようと考えることが少なく、緊急性があるものではありません。例えば何かトラブルがあれば、弁護士に相談しようとなりますが、FPの役割はその前の対策ですから、どうしてもライフイベントのタイミングなどでのご相談が多くなります。先にもお話しした、結婚や出産前後、住宅といったタイミングですね。

──では、FPへの相談ニーズが高まると考えられる理由はどのあたりにありますか。

町田 社会、働き方、生き方が多様化・複雑化していることが一番の理由です。
 昔の高度経済成長期は、お給料は右肩上がりでだんだんと上がって行きました。基本的に周りの同僚と一緒ですし、社内の先輩たちがロールモデルとなるので、自分が数年後にどうなっているのかは容易に想像がつきました。
 けれども現在は、必ずしもお給料が右肩上がりで上がっていくわけではありませんし、最近では副業を認める会社も増えてきています。働き方が多様になっていますし、社会制度も変わっていきます。すると一人ひとりの状況が異なりますので、周囲を見ても参考にならないため、自分で考える必要があります。ただ、一個人で考えるにはライフプランは複雑ですし、検討するべき要素がたくさんありますので、私たちFPの出番になると考えています。

試行錯誤で他にはないサービスを創出

──今後、新たに展開をお考えのサービスはありますか。

町田 常にいろいろなプランを考えて試行錯誤しています。
 例えば地方移住サポートとして「移住デザインマネジメント」をご提供しています。移住の動機は様々ですが、地方創生が叫ばれている影響もあってか、若年層からシニア世代に至るまで地方への移住を希望する方が増えています。ただ、実際に移住するとなれば、乗り越えなければならないハードルは数多く存在していますし、ライフプランとして考えるなら、改めてプランニングし直す必要があります。移住に必要な資金、仕事、教育といった情報のご提供とともに、具体的な移住に向けた、そして移住後のライフプランの作成を通じて、地方移住をサポートしています。
 また、まだプロトタイプですが、家計簿の作成代行サービスも行っています。会社が会計事務所に領収書を送って会社の経理を依頼するように、個人の方の領収書をいただいて家計簿を作成するというものです。こちらは、実はお客さまと私たち両方にメリットがあります。ライフプランをお作りした後のフォローができますし、お客さまの変化を把握できますので、適切な時期にライフプランの見直しなどがご提案できると考えています。
 まだまだビジネスモデルとして定まっていない部分も多いのですが、できるなら他にはない新しいサービスをご提供していきたいと取り組んでいます。

──FPサテライトとして、会社としての今後についてはどのようにお考えですか。

町田 現在、私とパートナー以外に5名のFPがおり、それぞれの得意分野に合わせて仕事をしています。中には子育てをしながら働いている者や、他の仕事と並行している者もいます。9~17時で勤務といったかたちではなく、それぞれのメンバーの生き方に合わせた多様な働き方を提供できる会社になりたいと努力しています。
 私のように大学時代にFPの勉強をしても、新卒でFPとして活躍することのできる職場はなかなかないので、実際は保険会社や金融機関などで部分的な知識を活かす方が多いようです。そうした業界で働きたいという方にとってはとても役に立つ資格ですが、それは私が本当にやりたいことではありませんでしたし、努力して身につけた6分野の知識をすべて使いたいと思っていたので、独立をめざした部分があります。このように、FPの勉強をしていた方でも、就職活動の時点でFPとして活躍する夢をあきらめてしまう方がいると思いますので、そんな「FPになりたい、FPの仕事をしたい」という方に応えられる会社をめざしていきたいですね。
 また、保険を販売していない独立系FP会社にはあまり大きなところがありませんので、規模的にはより大きな会社にしていきたいと考えています。

学んだ簿記を活かせる道としてFPをめざす

──大学時代にFPの勉強をされたということですが、FPをめざされたきっかけを教えてください。

町田 最初にFPを知ったのは高校時代でした。商業科に通っていましたので、簿記の勉強もしていましたが、実際に力を入れていたのは部活動だったんです。そんな中で将来を考えて、学んだ簿記の知識を活かせる道はないかと調べているときに、FPに出会いました。

──高校生でFPを知っている方はほとんどいないと思いますが、どのような部分に魅かれたのですか。

町田 FPになるにはいろいろなことを学ぶ必要があります。それだけに幅広く活躍できそうだと思いました。ですから、大学もFPをめざすために商学部に進学しました。

──FPの取得を前提に大学の学部選びをされたのですね。

町田 大学に進学してからFPの勉強を始めました。同時にFPの実務に近いことを経験しようと、保険会社のコールセンターで働いたり、IT企業でFPのeラーニングの開発にたずさわったりと、アルバイト先を選ぶ際も将来FPになるために必要な経験を積めるところを選んでいました。

──FPの勉強は具体的にどのように進めたのですか。

町田 まず大学の学内講座を受講して日商簿記2級を学びました。この講座を提供していたのがTACだったご縁で、その後、AFP、CFP®、宅地建物取引士の受験においてもTACを利用させていただきました。

──大学時代には、FPの勉強以外にも幅広い経験や学びがあると思います。FPをめざそうという気持ちが揺れたりすることはありませんでしたか。

町田 ありませんでしたね。FPの学習内容には、「金融資産運用設計」「不動産運用設計」「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」「リスクと保険」「タックスプランニング」「相続・事業承継設計」という6分野があります。仮にFP以外の他の分野に興味を持ったとしても、こうした幅広い内容を勉強していますので、学んだ知識をリセットすることなく活用できると考えていました。

──大学卒業後の進路について教えてください。

町田 大学卒業後は税理士法人に勤務しました。税理士法人に進んだ理由は、FPで「タックスプランニング」について学んだので、税金に関する知識をもっと深めたいという思いがあったからです。学生時代に、保険に関してはアルバイトで実務に近いところにもいましたし、大学の専攻では金融について学びました。ただ税金はとても重要な分野だけに、もう少し勉強しながら実務として経験しておくほうがよいと判断したのです。また、税理士法人なら、仕事を通じて中小・中堅企業の経営に触れることができますから、経営についても学べるのではないかと考えました。

──FPとしての独立はいつ頃から考えていたのですか。

町田 FPの勉強を始め、就職先を調べだした20歳の頃からです。ですから、税理士法人に勤務したのも、その準備の一環です。学生の頃は、保険会社などに勤務して経験を積んで30歳までに独立したいと考えていました。

──実際にFPとして独立されたのは、いつになりますか。

町田 2016年11月に独立しました。当初の予定よりずいぶんと早まったのですが、同じ志を持つパートナーと出合い、独立することを決めました。ですから税理士法人は1年で退職し、その後、宅地建物取引士の受験に専念して10月に本試験を受け、その後はCFP®の不動産運用設計の勉強をして11月に受験し、ともに無事合格することができました。
 ですから、独立したときはAFP、その後に宅建取引士とCFP®に合格しました。そして、2018年4月に法人を設立しました。

──最後にFPの勉強をしてみたいという方に向けてアドバイスをお願いします。

町田 もしもFPに興味を持ったのなら、FPを仕事にされなくとも役立つ内容がたくさんありますので、ぜひ勉強していただきたいと思います。そしてFPは6分野の勉強をしますので、学んだことから可能性を広げていくことができます。学生の方の就職活動対策としても、経済、金融、保険、不動産など幅広く学びますので、これらに関連する業界に進むベースとすることができると思います。
 ただ、大学生が学ぶにはピンとこない内容もあります。例えば「源泉徴収票」の話が出てきますが、学生のうちは見たことのない方も少なくないでしょう。私も勤務してから初めてこういうものなんだとわかりました。ただ、そこでFPを学んでいると違うのが、そこに書かれている内容が分かるということです。このように、社会で役立つこと、ご自身の人生において役立つことがたくさんありますから、興味を持たれたならぜひ勉強を始めてみてください。

[TACNEWS 2019年1月号|特集]

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