読めばモチベーションUP?ビジネスや会計の気になる「あの本」を紹介 萌さんとカッキーの読書室 #27

仕事と資格マガジン『TACNEWS』から生まれた会計小説『女子大生会計士の事件簿』のメインキャラクター、公認会計士・藤原萌実(萌さん)と新人スタッフ・柿本一麻(カッキー)のふたりが、気になる本について激論を交わす…?!ゆったり、まったり、時に激しい、「楽しく、ためになる読書室」です。

『トヨタを辞めて時給15円に堕ち、シンガポールで覚醒し、40歳でFIREした話。』


『トヨタを辞めて時給15円に堕ち、シンガポールで覚醒し、40歳でFIREした話。』

 著者  :永江将典
 出版社 :サンライズパブリッシング
 初版  :2022年


カッキー あー、仕事したくないよー。僕も早く経済的自由、そうFIREを手に入れたいよー。

萌さん アンタ、一年前にも同じことを言っていたわよ。

カッキー えっ、そうですか? で、その時僕は何と言ってました?

萌さん 私がFIRE の本を薦めたのに、「FIREって大変なんですね」って諦めていたわ。

カッキー あーっ、やっぱりそうなんだー! 僕が会計士や税理士をしている限り、FIREだなんて夢物語でしかないんだー!

萌さん そんなに悲観するもんじゃないわよ。いま私が読んでいる本なんて、まさに会計士・税理士にして40歳でFIREを達成した人の話よ。

カッキー えっ、そんなことが実現可能なんですか!?

萌さん 可能なんじゃない? その経緯も本に書いてあるし。

カッキー 萌さん、その内容をぜひ僕に教えてください!

【目次】

第1章 死んだ魚の目をした社畜から月収1000万円へ!
 生活保護より低い年収130万円以下! の1人社畜生活
 一発逆転‼ YouTubeで1億円を稼いでしまった話
 死んだ魚の目をした社畜、株で一発逆転を目指す  ほか

第2章 起業したら生活保護以下! 社会の底辺へ転落!
 「お金を燃やせ! 」調子に乗って500万円を溶かす
 転売ビジネスを始め半年で月の利益50万円を達成、しかし……
 民泊ブームの波に乗り損ね、4物件で1000万円の大損失!  ほか

第3章 楽して稼げる世界に出会い、人生激変!
 200万円の講座に参加して、衝撃を受ける
 行動を起こすだけで、ライバルがいない世界へ抜け出せる!
 ラーメン店を出店してみた。まったくの未経験者でも初月から黒字に!  ほか

第4章 永江流 楽して稼ぎまくるための12のStep
 1回の挑戦に全財産を賭ける人々の末路
 世界3大言い訳で自分が迷った時はチャンス!
 お金持ちコミュニティは稼ぐノウハウの宝庫  ほか

第5章 まだまだ教えます。永江流稼ぐ極意!
 家賃7ヵ月滞納のどん底から1400万円の現金をゲット!
 優秀なバイト・社員・外注が見つかるまで諦めない!
 自分が苦手なことはどんどん手放そう!  ほか

第6章 投資で月収100万円を目指せ!
 未上場の暗号資産に投資したら詐欺で1000万円を溶かす
 税務署がブチ切れた! 高年収サラリーマンや経営者が投資しまくった節税商品
 2000年前から存在する、確実にセミリタイアを実現させるアレ  ほか

(目次より主な部分を抜粋)


カッキー 目次を読むだけでもめちゃめちゃ気になりますね。

萌さん そうね。たとえば、第4章にある「世界3大言い訳」は、「①時間がない ②自信がない ③お金がない」の3つよね。

カッキー いやいやいや、もっと他に気になることがあるじゃないですか。僕はどうやって著者が稼いで、FIREをしたのかが知りたいんです!

萌さん だから、そのチャンスが生まれるのは、自分に3大言い訳をしたときにあるって話よ。「世界3大言い訳」は、何か事を起こす際に躊躇するポイントであると同時に、ライバルたちが挫折する点でもあるから、いま自分がトライすべきチャンスだと思うようにしてるんだって。

カッキー なるほど、ビジネスチャンスを逃さないという話だったのですね。でも、そもそも本のタイトルにもなっている「トヨタを辞めて時給15円に堕ち」って、何があったのですか?

萌さん その辺は著者のプロフィールにまとまっているから、そこを見てみましょうか。

1980年愛知県生まれ。2003年、早稲田大学理工学部卒業。

2003年、公認会計士試験に合格し、監査法人トーマツへ入社。しかし……社会のレールに乗せられ、自分のやりたいことが見つからないまま、気づけば嵌ってしまっていた「社畜」の沼。月間残業200時間超えの生活に疲弊し、2008年、ホワイト企業の代表格「世界のトヨタ」へ転職(好業績だったので中途入社の基準が甘かった!?)。しかし……職場の上司・同僚・部下が超優秀!! 常に感じる劣等感や人間関係に疲れ、経理部の仕事にもまったくやりがいを感じられない日々を送る。

2012年、夢と自由、本当の自分を求めて32歳で無計画に起業(痛い! )。年収700万円の超安定会社員から、年収150万円以下の社会の底辺へ(起業後3年間の平均年収)。

(プロフィールより抜粋)


カッキー トーマツに入所してトヨタ経理部に転職。そこから独立開業したら全然稼げなかった、ということですか。

萌さん そのようね。営業経験ゼロ、税理士の経験ゼロ、人脈ゼロで税理士事務所を始めたそうだから、無理もないわ。

カッキー で、そこからどうやってFIREに?

萌さん まあ、焦らないでよ。開業前に30万円の起業塾に申し込んで、「起業には集客力が大事」だと学んだものの、起業して1ヵ月目は売上ゼロ、2ヵ月目も売上ゼロ、3ヵ月目は9000円の売上。時給で計算したら15円。

カッキー それはヤバいですね……。

萌さん 1日15時間以上、誰も訪れないホームページに税金豆知識のブログをひたすら書きまくって、3ヵ月目には集客のために都会に事務所を移転までした結果がこれだからね。

カッキー そ、想像するだけで恐ろしい……。

萌さん そこから色んなセミナーに参加する中で「先にお金を燃やせ」という考えを知るの。

カッキー どういう意味ですか?

萌さん 広告にお金を使え、という意味よ。「広告にお金を使うから、お客さんに知ってもらうことができ、仕事につながる。だからお金を先に燃やせ!」っていうこと。

カッキー 普通の感覚だと「お金は大事に使おう」「収入の中から広告費を使おう」ですから、なかなか勇気がいる判断ですよね。

萌さん 会社員と起業家では感覚を変えないといけない、という一例ね。著者は日本政策金融公庫から300万円借りて、ネットの検索で自社サイトを上位表示させるために100万円使い、それが当たって、1年目で売上886万円を達成したの。

カッキー 最初の3ヵ月が9000円なのに、すごい伸びですね。

萌さん そして、そこからなんやかんやあって、5年目で売上が1億円を超えるの。

カッキー いや、そこの“なんやかんや”を知りたいんですけど。

(P52の図)

(P52の図)


萌さん そこからさらになんやかんやあって、税理士法人は新宿、丸の内、横浜、岡崎、大阪の5店舗を運営。YouTubeでは3ヵ月で1億円を稼いだり、飲食業やエステ業、不動産業なども始めているの。

カッキー だから、その“なんやかんや”を知りたいんですって!

萌さん まあ、詳しくは本に譲るとして、簡単に言うと、ビジネスは努力しても報われるとは限らないから、儲かる情報を収集して、そこに資金を投下して仕事自体は人に任せた、という感じかしら。

カッキー でも、僕には時間がないですし、自信もないし、そもそもお金がないので……。

萌さん ほら、さっそく「世界3大言い訳」じゃない! 著者も会計士という資格をスタートにここまで大きくなったんだから、アンタだって条件は同じはずよ。最後に、著者の“稼ぐ極意”を載せておくわね。

永江流 楽して稼ぎまくるための12のStep

Step 1 自分の気持ちをチェンジする!
Step 2 正しい努力の仕方・ルールを学ぶ!
Step 3 やる気を維持する仕組みを作る!
Step 4 情報収集をする!
Step 5 とことんマネすることから始める!
Step 6 失敗しても、諦めない!
Step 7 一緒に上のステージを目指せる仲間や師匠を見つける!
Step 8 効率よく稼げる場所や仕組みで勝負する
Step 9 スタッフや外注に任せ、働かない経営者になる
Step 10 商品力ではなく、集客力・営業力を磨こう!
Step 11 日本一を目指さない
Step 12 常に変化する環境を味方につけよう!

[『TACNEWS』2022年12月号│連載│萌さんとカッキーの読書室]

著者プロフィール

山田真哉(やまだしんや)

公認会計士・税理士。TAC梅田校出身。中央青山監査法人(当時)を経て、現在、芸能文化税理士法人会長。株式会社ブシロード等の社外監査役。著書に『女子大生会計士の事件簿』シリーズ、『世界一やさしい会計の本です』『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』等。

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