3分で読めるコラム面接対策③ 質問の意図を捉えて的確に答える
~「結論ファースト」だけに縛られず、質問に向き合う~

今回は、面接で「想定していなかった質問」をされたときの答え方についてお話しします。
「すぐに結論から話さなければ」と焦る必要はありません。
質問を一度しっかり受け止め、頭の中で整理しながら答えを着地させる「探索的な答え方」や、質問に応じた使い分けのコツを解説します。
意図が分かりにくいときの対処法も含め、面接官と自然なやりとりを続けるためのテクニックを押さえていきましょう。
Vol.15「面接対策① 的確に伝わる話し方」では、面接では、準備してきた話題に無理に持っていくのではなく、相手の質問を受け止め、その質問に対して的確に答えることが重要だという点を取り上げました。
Vol.16では、これまで整理してきた経験や志望動機は、一字一句再現するための「台本」ではなく、質問に応じて使うための「材料」として持っておくことについて考えました。
では、想定していなかった質問をされたときは、その「材料」をどのように使って答えればよいのでしょうか。
1.まずは「質問そのもの」に答える
面接では、自分が準備してきた話をすることよりも、まず相手の質問に答えることが大切です。
- 「何を話そうか」と考える前に、
- 「今、何を聞かれているのか」
- を一度受け止める必要があります。
この点は、想定外の質問ほど重要になります。
2.「結論ファースト」に縛られすぎない
自分の中で考えが整理されている質問であれば、結論から答える方法は有効です。
- 例えば、
- 「あなたの強みは何ですか」
- と聞かれたときに、
- 「私の強みは、関係者の意見を整理しながら仕事を前に進める力です」
- と答えれば、面接官もその後の話を聞きやすくなります。
結論ファーストは、相手に分かりやすく伝えるための便利な型の一つです。
- ただし、
- 「結論から答えること」と、
- 「すべての質問に、最初から完成した結論を置くこと」
- は同じではありません。
- 面接では、
- 「行政の仕事で効率化を進めるうえで、何が大切だと思いますか」
- 「行政と民間の仕事は、何が大きく違いますか」
- など、少し考えたり、条件を整理したりしなければ答えにくい質問をされることもあります。
このような質問に対して、無理に最初から結論を言い切ると、その後の説明が最初の発言に引っ張られ、かえって答えにくくなることがあります。
- そのようなときは、
- 「一概には言えないと思いますが、私の経験から考えると」
- 「いくつかあると思いますが、○○という観点から考えると」
- などと置いてから、考えを組み立てても構いません。
想定外の質問に対してまで、すぐに完成した答えを返す必要はありません。
3.「探索的に答える」という考え方
- ここでは、
- 質問を受け止める
- → 必要に応じて前提や論点を整理する
- → 現時点での考えをいったん述べる
- → 理由や具体例を示す
- → 最後に自分なりの答えに着地する
- という答え方を、便宜的に「探索型」と呼んでみます
なお、「探索型」は一般的な面接技法の名称ではなく、本稿で便宜的に用いている呼び方です。
- これは、Vol.15でお伝えした、
- 「質問そのものに答える」
- 「相手に伝わることを意識する」
- という考え方と反対のものではありません。
むしろ、想定外の質問に対しても質問からそれないよう、自分の考えを相手に伝えるための方法です。
- 例えば、
- 「行政の仕事で効率化を進めるうえで、何が大切だと思いますか」
- と聞かれた場合には、次のように答えることができます。
「効率化にもいろいろな方法があると思いますので、ここでは業務改善という観点からお答えします。
私としては、まず現在の業務を正確に把握することが大切だと考えます。
単にシステムを導入するだけでは、かえって現場の負担が増える場合もあるからです。
そのため、現在の業務の流れや課題を把握したうえで、業務そのものを見直すことが重要だと思います」
このように、考える範囲を整理しつつ、理由を示しながら、最後に自分なりの答えへ着地すればよいのです。
こうして考える範囲を整理し、理由を言葉にすることで、気持ちを落ち着かせながら考える時間を確保しやすくなります。
4.質問によって答え方を使い分ける
結論ファーストと探索型は、どちらか一方が正しいというものではありません。
- ・自己PRや志望理由など、事前に十分整理している質問
- ・結論、理由、具体例という流れで説明しやすい質問
- ・事実関係を簡潔に答えればよい質問
例えば、
であれば、結論から答えた方が分かりやすいでしょう。
- ・想定していなかった質問
- ・条件によって答えが変わる質問
- ・自分の考え方や判断を問われる質問
- ・複数の論点が含まれている質問
一方で、
では、少し考えながら答える方が自然な場合もあります。
大切なのは、決まった型を守ることではありません。
その場で何を聞かれているのかを捉え、質問に応じて、相手に分かる形で答えることです。
5.質問の意図が分かりにくいときは
実際の面接では、質問そのものが分かりにくかったり、何を確認したいのかが伝わりにくかったりすることもあります。
そのような場合まで、受験者側が無理に質問の意図を推測し、すべてを自分の中だけで処理する必要はありません。
- 例えば、
- 「○○という観点でお答えすればよろしいでしょうか」
- 「確認させてください。○○について、という理解でよろしいでしょうか」
- と、質問の前提や範囲を確認しても構いません。
質問を正確に理解しようとする姿勢も、面接におけるコミュニケーションの一つです。
もちろん、確認してもなお、面接官との間で話がかみ合わない場合もあります。
面接は、面接官の一方的な質問だけでも、受験者の受け答えだけでも成り立つものではありません。面接官の質問と受験者の回答によって成り立つ、相互のやり取りです。
おわりに
面接では、すべての質問に対して、一瞬で完成した答えを返す必要はありません。
結論が整理されている質問であれば、結論から簡潔に答える。
その場で考える必要がある質問であれば、考える範囲を整理し、理由や具体例を示しながら、最後に自分の答えへ着地する。
質問の意図が分かりにくければ、必要に応じて確認する。
このように、質問に応じて答え方を変えても構いません。
また、面接は、一部のやり取りだけで決まるものではなく、最初から最後までの一連のやり取りによって成り立ちます。途中で少しかみ合わないと感じた場面があったとしても、その後のやり取りで修正することはできます。
一つの回答を完璧にすることよりも、相手の質問を受け止めながら、面接全体を通じて円滑なコミュニケーションを続けていくことを意識してみてください。
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加藤 雅史(かとう まさし)講師

国家から政令市への転職経験あり
国家公務員として、予算経理、団体指導、金融政策等、幅広い業務に従事。その後、社会人経験者として政令市へ転職。施設管理や福祉、不動産管理等に従事しながら、マネジメントも行う。その傍ら、公共政策を学ぶため大学院を修了。あわせて、カウンセラー資格を取得し、人材育成やメンタルケアを学ぶ。 国家・政令市での経験と、公共政策を学んだまさに公務員のエキスパート。



