3分で読めるコラム面接対策① 的確に伝わる話し方
~評価される話し方、評価されない話し方の違い~

いよいよ面接について触れていきます。
今回は、的確に伝わる話し方についてです。
今回から、面接対策について取り上げます。
これまでのコラムでは、職務経験を構造で整理すること、経験を行政の仕事に結び付けて考えたうえで、自己PRや志望動機としてまとめることなどについてお伝えしてきました。
こうして「何を伝えるか」を整理できたら、次に必要になるのが、面接の場で「それをどう伝えるか」です。
面接では、よい経験や考えを持っているだけでは十分ではありません。
相手の質問を受け止め、限られた時間の中で、必要なことを的確に伝える必要があります。
以下、5つのポイントについて説明します。
1.質問と回答をずらさない
話すに当たっては、質問されたことと、自分が答えていることがずれていないかを確認することも重要です。
例えば、
「仕事で失敗した経験を教えてください」
と聞かれているのに、
「私は普段からミスを防ぐために確認を徹底しています」
とだけ答えれば、失敗した経験には答えていません。
また、
「苦手な人と仕事をするとき、どのように対応しますか」
と聞かれているのに、
「私は誰とでもコミュニケーションを取ることができます」
と答えるだけでも、質問への答えとしては十分ではありません。
面接では、自分が準備してきた話題に無理に持っていくのではなく、「まず質問そのものに答えること」が大切です。
2.「話す」より「相手に伝わる」を意識する
面接では、自分が話した内容と、相手に伝わった内容が必ずしも一致するとは限りません。
準備した回答を間違えずに言えたとしても、質問からずれていたり、情報量が多すぎたりすれば、相手には伝わりにくくなります。
逆に、多少言葉に詰まったとしても、質問をよく聞き、自分の経験を踏まえて的確に答えることができれば、その人の考え方や仕事ぶりは伝わります。

また、一旦回答したあと、十分に答えられなかったと感じても、その後の追加質問などの中で補足すれば構いません。
3.結論を先に置く
経験者採用の面接では、職務経験について説明する場面が多くあります。
経験が長いほど、背景事情や関係者、苦労した点など、説明したい情報も増えていきます。
しかし、背景から順番にすべて説明すると、面接官には「結局、何が言いたいのだろう」と受け取られることがあります。
そこで意識したいのが、
「結論 → 理由・説明 → 具体例 → 必要に応じて結論」
という順序です。
話を整理する方法の一つとして、「PREP法」があります。
PREP法とは、
「Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(結論)」
の順に話す方法です。
例えば、
「あなたの強みは何ですか」
という質問なら、
「私の強みは、関係者の意見を整理し、合意形成につなげる調整力です」
と先に結論を示します。
そのうえで、なぜそれを強みと考えているのかを説明し、実際にその強みを発揮した職務経験を簡潔に伝えます。
必要であれば、最後に、
「この強みを行政でも活かしたいと考えています」
などとまとめてもよいでしょう。
ただし、すべての質問にPREP法を当てはめる必要はありません。
「いつ頃の経験ですか」
「そのとき、あなたは何をしましたか」
といった事実確認の質問まで、毎回PREP法で答えるとかえって不自然になります。
PREP法は、回答を型にはめるためのものではありません。
自分の話が長くなりやすいときや、結論が後ろに回りやすいときに、話を整理しまとめるためのスキルの一つとして使ってください。

4.一度の回答に内容を詰め込みすぎない
面接では、
「短く答えると、アピール不足になるのではないか」
と不安になる方もいるかもしれません。
しかし、長く話すことと、詳しく伝わることは同じではありません。
一つの回答に情報を詰め込みすぎると、重要な部分がかえって埋もれてしまいます。
面接は、作文の読み上げやスピーチではありません。
回答を聞いた面接官が、
「そのとき、どのように周囲を説得したのですか」
「なぜ、その方法を選んだのですか」
と追加で質問することで、やり取りは深まっていきます。
最初の回答ですべてを説明し切ろうとせず、まずは核心部分を伝え、詳細は質問に応じて補うという考え方を持っておきましょう。
面接では、「言いたいことが10あるなら、最初は6~8程度にとどめる」くらいでも構いません。
残りの2~4は、追加質問があったときに使える材料として持っておけばよいのです。
5.抽象的な言葉には、具体的な経験を添える
「調整力があります」
「コミュニケーションを大切にしました」
「主体的に取り組みました」
こうした言葉だけでは、本人がどのように行動する人なのかまでは伝わりません。
これまでのコラムでも、
状況や課題、自分の役割や行動、結果を具体的に整理する(STARメソッド)
ことが重要だとお伝えしてきました。
面接でも考え方は同じです。
例えば、
「関係部署との調整を行いました」
だけではなく、
「まず双方の意見を個別に確認し、共通している点と意見が異なる点を整理したうえで、改めて打合せの場を設けました」
と説明すれば、本人の行動が見えてきます。
抽象的な能力を説明するときほど、自分が実際に何をしたのかを添えることが重要です。
志望動機は台本ではなく”材料”
これまで整理してきた経験や志望動機は、面接で一字一句再現するための「台本」ではありません。
面接官とのやり取りの中で、自分の考えを伝えるための「材料」です。
そして、面接は、一方的に自分を売り込む場ではありません。
これまでの経験を材料に、「一緒に働く仲間」と対話する場です。

準備した内容をすべて話すことよりも、相手の質問に向き合い、必要なことを的確に伝えること。その意識を持って、面接での話し方を整えていきましょう。
次回も引き続き、面接対策について取り上げます。
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加藤 雅史(かとう まさし)講師

国家から政令市への転職経験あり
国家公務員として、予算経理、団体指導、金融政策等、幅広い業務に従事。その後、社会人経験者として政令市へ転職。施設管理や福祉、不動産管理等に従事しながら、マネジメントも行う。その傍ら、公共政策を学ぶため大学院を修了。あわせて、カウンセラー資格を取得し、人材育成やメンタルケアを学ぶ。 国家・政令市での経験と、公共政策を学んだまさに公務員のエキスパート。



