3分で読めるコラム 「業務」と「役割」にどう結びつけるか

公務員経験者コラム

経験者採用試験の人物試験では、これまで培ってきた経験や価値観を、行政組織の中でどのように発揮できるかが問われます。
本コラムでは、志望動機や自己PRにつながる考え方を整理しながら、伝わる人物試験対策のポイントを紹介します。

今回のテーマは、行政の「業務」と「役割」にどう結びつけるかです。

前回は、経験を「事実」と「解釈」に分けて整理する方法についてお伝えしました。
人物試験では、さらにその経験が「行政の仕事でどう活かせるのか」までつながって初めて評価につながります。

同じ経験でも評価が変わる「役割」の捉え方

ここで重要になるのが、「業務」と「役割」を分けて考える視点です。

例えば、次のような経験があったとします。

【事実】
関係部署の意見を整理し、調整案を提示しながら、業務スケジュールを再構築した。

この経験について、多くの方は「調整業務を行った」と整理します。

もちろん間違いではありませんが、人物試験でより重要なのは、「その業務の中で、自分がどのような役割を果たしたのか」です。


例えば、

  • スケジュールを整理する役割
  • 関係者間の意見を整理する役割
  • 合意形成を支援する役割
  • 組織全体を前に進める役割

など、同じ業務でも、見方によって経験の意味づけは変わります。

事実と解釈が混ざっていること

行政の仕事では、単に担当業務を処理するだけではなく、関係者との調整、説明、合意形成など、多様な役割が求められます。

「何をしたか」ではなく「どう貢献したか」

そのため、「何を担当したか」だけではなく、「組織や業務の中でどのような役割を果たしたのか」を整理することが重要です。

例えば、先ほどの経験を整理すると、次のようになります。

【業務】
 関係部署との調整業務

【役割】
 関係者の意見を整理し、合意形成を図りながら業務を前に進める役割

このように整理することで、単なる経験ではなく、「行政でどのように貢献できるか」が伝わりやすくなります。

また、役割は一つとは限りません。

同じ経験でも、

  • 説明役
  • 調整役
  • 改善役
  • 推進役
  • サポート役

など、複数の側面を持っていることがあります。

重要なのは、「どの役割を伝えると、自分の経験と志望先の業務とつながるのか」を意識することです。

まずは、自分の経験を一つ取り上げ、

  • どのような業務だったか
  • その中でどのような役割を果たしたか

を分けて整理してみてください。

この作業を通じて、経験が「単なる出来事」ではなく、「行政でどのように貢献できるか」として整理されていきます。

次回は、ここまで整理してきた経験をもとに、自己PRとしてどう組み立てていくかを考えていきます。


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加藤 雅史(かとう まさし)講師

国家から政令市への転職経験あり

国家公務員として、予算経理、団体指導、金融政策等、幅広い業務に従事。その後、社会人経験者として政令市へ転職。施設管理や福祉、不動産管理等に従事しながら、マネジメントも行う。その傍ら、公共政策を学ぶため大学院を修了。あわせて、カウンセラー資格を取得し、人材育成やメンタルケアを学ぶ。 国家・政令市での経験と、公共政策を学んだまさに公務員のエキスパート。