Vol.8 経験を「公務員の仕事」に翻訳するステップ

今回のテーマは、「経験の翻訳」です。

前回は、経験を構造で捉える方法をお伝えしました。
しかし、構造化できても「それが公務員の仕事とどうつながるのか」が伝わらなければ、評価にはつながりません。

経験者採用において求められているのは、単なる経験の説明ではなく、
「その経験がどのように活かせるのか」を示すことです。

その経験を行政としてどう意味づけるか

ここで重要になるのが、「経験を行政の文脈で翻訳する」という視点です。

たとえば、ビジネスで「売上を達成」、「顧客満足度を向上」した経験を翻訳してみましょう。
そのままでは行政において重視される価値に結びつかない場合があります。

では、どのように翻訳すればよいのでしょうか。

「企業の論理」ではなく「行政の論理」を念頭に置いて考えてみましょう。

例えば、次のように置き換えることができます。

  • 売上を達成→指標(目的)を達成
  • 顧客満足を向上 → 行政(住民)サービスの質の向上

このほか、

  • 利益率向上→ 透明性を確保しつつ、費用対効果を高める
  • 個人の成果 → 組織への貢献
企業から行政への置換

すべてを無理に言い換える必要はありませんが、行政の仕事としてどのように意味づけられるかを意識することが重要です。

伝え方一つで変わる印象

以下に簡単な例を示します。

【経験そのまま】
顧客ニーズを分析のうえ提案内容を改善し、売上向上へとつなげた。

【翻訳後:このように行政で活かせる】
関係者のニーズを踏まえて事業計画を見直し、施策の目的達成へとつなげる。

重要なのは、経験を「盛る」ことではありません。
同じ経験でも、伝え方によって理解のされ方が大きく変わります。

まずは、自分の経験を一つ取り上げ、「そのままの表現」と「行政としての意味づけ」の両方を書いてみてください。

翻訳の参考のために、まずは志望先官公庁のHPの職員採用や人材育成のページのチェック、そして説明会への参加により、行政の文脈を押さえると良いでしょう。

この作業を繰り返すことで、経験を翻訳する感覚が身についていきます。

次回以降は、職務経験の棚卸しを通じて、この翻訳作業をさらに具体的に進めていきます。

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加藤 雅史(かとう まさし)講師

国家から政令市への転職経験あり

国家公務員として、予算経理、団体指導、金融政策等、幅広い業務に従事。その後、社会人経験者として政令市へ転職。施設管理や福祉、不動産管理等に従事しながら、マネジメントも行う。その傍ら、公共政策を学ぶため大学院を修了。あわせて、カウンセラー資格を取得し、人材育成やメンタルケアを学ぶ。 国家・政令市での経験と、公共政策を学んだまさに公務員のエキスパート。