3分で読めるコラム 志望動機の組み立て方~過去・現在・未来をつなぐ~

公務員の経験者採用における「一貫性のある志望動機の組み立て方」の解説します。
重要なのは、「なぜ公務員(その自治体)なのか」を過去・現在・未来のストーリーでつなぐことです。
【過去】これまでの経験
【現在】今抱いている問題意識
【未来】志望先でどう貢献したいか
これらを一貫した流れで伝えることで、説得力のある志望動機になっていきます。
今回のテーマは、『志望動機の組み立て方』です。
これまで、
・経験を構造で整理する(VOL7)
・行政の文脈で翻訳する(VOL8)
・事実と解釈を分ける(VOL9)
・業務と役割を整理する(VOL10)
・自己PRとしてまとめる(VOL11)
という流れで、職務経験を整理してきました。
そのうえで、人物試験向けの志望動機として、
「なぜ公務員を志望するのか」
「なぜその自治体・官公庁なのか」
まで含めて、一貫した形で伝えることが重要です。
過去・現在・未来を繋ぐ、一貫性のある志望動機
経験者採用では、「これまでの経験を活かしたい」というだけでは十分ではありません。民間企業や現在の職場でもできることではなく、なぜ公務員として、またなぜその志望先で取り組みたいのかを整理する必要があります。そのためには、志望先の施策や地域課題と、自分の経験・問題意識がどこで重なるのかを確認することが大切です。

ここで大切になるのが、「過去・現在・未来」をつなげて考える視点です。
まず、「過去」とは、これまでどのような経験を積み、何を考えてきたかです。
例えば、
- 民間企業で官公庁と関わった経験から公共サービスに関心を持った
- 地域活動やボランティアを通じて、地域課題に関心を持った
- 現場と制度の間に課題意識を持った
など、自分がどのような経験をしてきたのかを整理します。
次に、「現在」です。
現在の仕事や経験を通じて、何を感じ、どのような問題意識を持っているのかを整理します。
例えば、
- 地域課題の解決に継続的に関わりたい
- より広い視点から、地域や社会全体の課題解決に携わりたい
- 制度や政策の立案や運用を通じて社会に貢献したい
など、現在の問題意識や関心を整理します。
そして最後が、「未来」です。
志望先でどのように経験を活かし、どのように貢献したいのかを考えます。
例えば、
- 関係者との調整経験を活かしたい
- 現場経験を政策立案に活かしたい
- 住民とのコミュニケーション経験を行政サービス向上につなげたい
など、志望先で果たしたい役割を整理します。
このように、
「過去」
↓
「現在」
↓
「未来」
という流れで整理すると、志望動機に一貫性が生まれます。

「公務員になりたい理由」をうまく言葉にする
例えば、次のような形です。
【志望動機の例】
私はこれまで民間企業において営業マネジャーとして、部下の育成や営業活動の進捗管理を行うとともに、顧客や社内外の関係者との調整を通じて、事業推進に携わってきました。
その中で、個別の事業成果を上げることに加え、地域や社会全体の課題解決、住民生活の向上など、より公共性の高い立場から継続的に関わりたいと考えるようになりました。
貴自治体は、地域産業の活性化や子育て支援、防災など、住民生活に密接に関わる課題に対して、現場に近い立場から総合的に取り組んでいます。その中で、地域の事業者や住民、関係団体と連携しながら課題解決を進めている点に、これまでの調整経験を活かせると考えています。
これまで培ってきた、関係者の意見を整理しながら合意形成を図る力や、チームで目標達成に向けて業務を進めてきた経験を活かし、貴自治体の地域課題の解決に貢献したいと考え、志望いたしました。
もっとも、例示の営業職に限らず、企画、技術、専門職、管理部門などの場合も、これまでの経験の中で果たしてきた役割を整理して伝えることが重要です。
重要なのは、「思いつき」にとどまらず、 これまでの経験とのつながりが見えることです。
一方で、志望動機がうまくまとまらない場合、
- 唐突に志望理由が出てくる
- 自己PRとの関係が見えにくい
- なぜ公務員、そして当該志望先でなければいけないのか
- 志望先で何をしたいのかが曖昧
といった状態になっていることが少なくありません。

そのため、
「なぜそう考えるようになったのか」
「これまでの経験とどうつながるのか」
「公務員、そして志望先とどうつながるのか」
を意識して整理することが重要です。
まずは、
- これまでどのような経験をしてきたか(過去)
- 現在どのような問題意識を持っているか(現在)
- 志望先でどのように貢献したいか(未来)
を書き出してみてください。
志望動機は、特別な言葉を書くものではありません。
重要なのは、これまでの経験と、自らの問題意識、そしてこれからやりたいことを、一貫した流れで伝えることです。
今回で、自己PR・志望動機までの基本的な整理は一通り扱いました。
次回からは、これまで整理してきた内容を、経験論文対策にどうつなげるか、具体的なポイントをお伝えしていきます。
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加藤 雅史(かとう まさし)講師

国家から政令市への転職経験あり
国家公務員として、予算経理、団体指導、金融政策等、幅広い業務に従事。その後、社会人経験者として政令市へ転職。施設管理や福祉、不動産管理等に従事しながら、マネジメントも行う。その傍ら、公共政策を学ぶため大学院を修了。あわせて、カウンセラー資格を取得し、人材育成やメンタルケアを学ぶ。 国家・政令市での経験と、公共政策を学んだまさに公務員のエキスパート。



