3分で読めるコラム 自己PRを設計する

経験者コラム 自己PRを設計する

「何をしたか」で終わらせない、1歩進んだ自己PRの組み立て方をケーススタディで解説!これまでの連載で準備してきた材料を組み合わせるだけで、面接官の解像度を劇的に上げる説得力抜群のストーリーが完成します。
まずは1つの経験から、あなただけの強みを形にしてみましょう。

今回のテーマは、「自己PRを設計する」です。

これまで、
経験を構造で捉える(VoL7)
経験を「公務員の仕事」に翻訳するステップ(VoL8)
「事実」と「解釈」を分ける(VoL9)
「業務」と「役割」にどう結び付けるか(VoL10)
という流れで、職務経験を整理してきました。

ここまで整理できると、自己PRを組み立てる準備が整います。

一方で、経験者採用の受験生からは、

「自己PRがうまく書けない」
「何を強みとして伝えればよいかわからない」
「経験はあるのに言葉にできない」

という相談を受けることが少なくありません。

しかし、その原因は自己PRの書き方ではなく、経験の整理が十分でないことにある場合があります。

経験を行政の言葉に翻訳する「自己PR」の組み立て方

自己PRというと、「自分の強みをアピールするもの」と考えがちですが、実際には、単に長所を書くことだけが目的ではありません。

人物試験で見られているのは、
「どのような経験を通じて、どのような役割を果たし、それが行政でどう活かせるのか」です。

つまり、自己PRとは、これまで整理してきた経験を一つのストーリーとしてまとめる作業とも言えます。

これまでの連載で整理してきた内容は、すべて自己PRにつながる材料です。
これまでの流れを整理すると、次のようになります。

 事実
  ↓
 役割
  ↓
 経験の構造化
  ↓
 行政の文脈で翻訳
  ↓
 自己PR


それでは、早速次のような経験をもとにまとめてみましょう。

「スケジュール調整」の経験が、説得力ある自己PRに変わる

【事実】
関係部署との調整を行い、スケジュールの見直しを進めた。

【役割】
関係者の意見を整理し、合意形成を図りながら業務を前に進めた。

【経験を構造で示す】
(見直すに当たって)単に意見を取りまとめるだけではなく、それぞれの立場や優先順位を踏まえながら調整を行い、関係者が納得できる形で業務を進めた。

【行政の文脈での翻訳】
関係者との調整や合意形成を通じて、施策の円滑な推進に貢献したいと考えている。

ここまで整理のうえ、あらためて組み立て直すことにより、自己PRは次のようにつながります。

【自己PRの例】
私は、関係者間の意見を整理し、合意形成を図りながら業務を前に進めることを強みとしています。

現職では、複数部署にまたがる案件において、スケジュールや対応方針の調整を担当しました。
その際、単に意見を取りまとめるだけではなく、それぞれの立場や優先順位を踏まえながら調整を行い、関係者が納得できる形で業務を進めました。


こうした経験を通じて、行政においても、関係者との調整や合意形成を通じて、施策の円滑な推進に貢献したいと考えています。

このような流れで整理すると、自己PRの内容として一貫性が生まれます。

説得力を生む自己PR、4つのチェックポイント

一方で、自己PRがうまくまとまらない場合、

 ・強みだけを書いている
 ・抽象的な表現が多い
 ・経験とのつながりが見えにくい
 ・行政の文脈での翻訳がしづらい

といった状態になっていることが少なくありません。

例えば、

「コミュニケーション能力があります」
「調整力があります」

だけでは、読み手は具体的なイメージを持つことができません。

そのため、

 「どのような経験で」
 「どのような役割を果たし」
 「何を実現し」
 「行政でどのように貢献できそうか」

まで整理することが重要です。


まずは、自分の経験を一つ取り上げ、

 ・どのような事実があったか
 ・その中でどのような役割を果たしたか
 ・そこからどのような強みが言えるかを書き出し、
 ・行政ではどのように活かせそうか
 へとつなげてみてください。

自己PRは、特別な経験を書くものではありません。
重要なのは、自分の経験を整理し、行政向けに一貫した形で伝えることです。

次回は、ここまで整理してきた経験や自己PRを踏まえ、「志望動機」をどのように組み立てていくかを考えていきます。


TAC公務員講座では、こうした人物試験対策について、公務員としての経験豊富な講師が、皆さんと志望先の状況を踏まえながら、一対一のWEBカウンセリングや個別質問メールにて、一人ひとりの状況にあわせたサポートをしています。 講座の詳細は|コチラ

加藤 雅史(かとう まさし)講師

国家から政令市への転職経験あり

国家公務員として、予算経理、団体指導、金融政策等、幅広い業務に従事。その後、社会人経験者として政令市へ転職。施設管理や福祉、不動産管理等に従事しながら、マネジメントも行う。その傍ら、公共政策を学ぶため大学院を修了。あわせて、カウンセラー資格を取得し、人材育成やメンタルケアを学ぶ。 国家・政令市での経験と、公共政策を学んだまさに公務員のエキスパート。