3分で読めるコラム職務経験論文のポイント②
~経験を的確に伝える答案の構成~

経験者コラム 自己PRを設計する

職務経験論文には書き方の”型”がある!
構成と段落ごとの適切な文字数を学び、自身の職務経験からアピールになるエピソードを三段落のメモにまとめてみましょう。

前回に引き続き、「職務経験論文」を取り上げます。

前回は、職務経験論文で大切なのは、単に目立つ実績を書くことではなく、これまでの経験から何を学び、それを行政の仕事にどう活かせるのかを伝えることであると説明しました。

今回は、実際に答案を書く際の構成と表現方法について説明します。


職務経験論文の構成とは

職務経験論文の課され方は、試験によって異なりますが、概ね以下のような構成で対応できます。

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  1. 職務内容と、そこで培った知識・能力を述べる
  2. 組織の目標達成や業務改善に貢献した、または困難な状況や課題をどのように解決したかを述べる
  3. その経験を、採用後の仕事にどう活かすかを述べる

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それでは以下、上記の前提で答案の構成を説明します。

大きく三つの段落に分ける

職務経験論文は、次の三つに分けて考えると整理しやすくなります。

1.冒頭――職務経験の概要を示す
2.本文――課題、役割、行動、結果を具体的に示す
3.締め――行政の仕事でどう再現するかを書く

順番に見ていきましょう

事実と解釈が混ざっていること

1.冒頭――職務経験の概要を示す

最初に、自分がどのような職場で、どのような仕事を担当してきたのかを簡潔に示します。

例えば、

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私は民間企業の営業部門において、顧客対応、契約手続、納期管理及び関係部署との調整を担当してきた。
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といった形です。


ここで勤務先の沿革や所属部署の細かな説明を長く書く必要はありません。
採点者が、その後に続く経験を理解するために必要な情報に絞ります。


2.本文――課題、役割、行動、結果を具体的に示す

ここでは、取り上げる経験を詳しく説明します。

重要なのは、単に「頑張った」「工夫した」「周囲と連携した」と書くだけではなく、次の流れを明確にすることです。

・どのような状況だったか
・何が課題だったか
・自分はどのような役割だったか
・何を考え、どう行動したか
・周囲とどのように連携したか
・その結果、何が変わったか


例えば、


「納品が毎回期限直前となっており、顧客から、もう少し余裕を持って納品してほしいとの要望が寄せられていた。私は営業担当者として、契約から納品までの工程と必要な手続を整理し、各部門が早い段階から準備に着手できるよう、手続内容と期限を一覧化した資料を作成した。さらに、関係者に事前共有し、進捗を定期的に確認する運用を提案した。その結果、手続の遅れや認識のずれが減り、期限に余裕を持って納品できるようになった。また、安定した対応を継続したことで、顧客との信頼関係の強化にもつながった。」


という書き方です。


職務経験論文は、経験を誇張する場ではありません。 本人が担当した事実に基づき、自分の言葉で具体的に説明できる範囲で書くことが大切です。


3.締め――行政の仕事でどう再現するかを書く

最後は、その経験から得た知識や能力を、採用後の行政の仕事にどう活かすかを書きます。

職務経験について詳しく書いていても、最後が、


この経験を活かして頑張りたい。


だけでは、どの経験を、何に活かすのかが分かりません。


例えば、



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この経験で培った、相手の状況を把握して課題を整理する力と、関係者の認識をそろえながら業務を進める力を、区民相談や庁内外の調整業務に活かしたい。


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と書けば、経験と行政の仕事がつながります。


特定の業務を志望している場合も、その仕事だけに限定しすぎないことが大切です。 例えば、主に福祉分野を希望している場合でも、



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福祉分野をはじめ、区民や関係機関との調整が必要となる様々な業務で、課題整理力と調整力を活かしたい。


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とすれば、配属の幅にも対応できます。

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自治体や官公庁では、必ずしも希望した部署へ配属されるとは限りません。


「この仕事でなければ経験を活かせない」という書き方よりも、具体的な志望分野を示しながら、ほかの業務でも活かせる能力として表現する方がよいでしょう。


締めでは、単に「活かしたいと思う」で終わるのではなく、


・どの能力を

・どのような場面で

・誰のために

・どのような成果につなげるのか


まで考えてみてください。


例えば、

民間企業で培った調整力を活かしたい。

よりも、

関係者の意見を整理し、共通認識をつくりながら業務を進めてきた経験を、区民、事業者、庁内関係部署との調整に活かし、円滑な行政サービスの提供につなげたい。

と書いた方が、採用後の姿が具体的に伝わります。

書き始める前に、三段落のメモを作る

原稿用紙を前にして、いきなり文章を書き始めると、途中で字数が足りなくなったり、職務説明ばかりが長くなったりします。
そこで、書き始める前に、簡単なメモを作りましょう。
例えば、

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冒頭 営業担当として、契約、納期管理、関係部署との調整を担当
本文 課題:納品準備が遅れ、顧客から改善要望
役割:営業担当者として全体工程を調整
行動:工程整理、期限の一覧化、事前共有、進捗確認
結果:遅れと認識のずれが減少、顧客との信頼関係が向上
締め 課題整理力と調整力を、住民対応や庁内外の調整に活かす
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この程度で構いません。 先に構成を作っておけば、
・職務説明が長すぎないか
・自分の役割が入っているか
・成果まで書けているか
・行政への活かし方に十分な字数を残せているか
を確認できます。


制限字数に応じて、各部分の分量も調整しましょう。


例えば1,200字程度であれば、一つの目安として、
・冒頭:200字程度
・本文:700字程度
・締め:300字程度
などと考えられます。


  • ただし、設問によって求められる内容や字数配分は異なります。 設問で「職務経験を簡潔に」と書かれている場合は、職務説明を短くし、課題解決や行政への活かし方により多くの字数を使う必要があります。
  • 次回からは、面接対策について順を追って説明します
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加藤 雅史(かとう まさし)講師

国家から政令市への転職経験あり

国家公務員として、予算経理、団体指導、金融政策等、幅広い業務に従事。その後、社会人経験者として政令市へ転職。施設管理や福祉、不動産管理等に従事しながら、マネジメントも行う。その傍ら、公共政策を学ぶため大学院を修了。あわせて、カウンセラー資格を取得し、人材育成やメンタルケアを学ぶ。 国家・政令市での経験と、公共政策を学んだまさに公務員のエキスパート。