神奈川で公務員になる!神奈川県庁の仕事、試験、対策について解説

神奈川県

神奈川県は、地方自治体として様々な施策に取り組んでいます。そうした取り組みから、神奈川県独自の部局も少なくありません。

そこで本記事では、神奈川県の仕事やめざす職員像、平均年収や神奈川県職員採用試験の内容、試験対策について解説します。

1.神奈川県庁職員の仕事、キャリア

神奈川県庁は、市区町村単位で解決できないような広域的な行政サービスや行政課題、社会問題について担っています。主なものとしては少子化や高齢化の進行、人口減少社会の到来、産業構造の転換、環境問題の新たな展開、子どもや青少年をめぐる問題の深刻化など、取り組むべき課題が山積している中、神奈川の明るい確かな未来を築くために、行政全般の様々な業務に従事します。

主な部局 業務内容
政策局 県政運営の総合的指針である総合計画に基づき、施策・事業を着実に推進し、政策をスピーディーに実現する役割を担っています。
総務局 総務局は、県庁全体の下支えが主な業務です。外部からは仕事の中身が見えづらいものとなっていますが、人事・組織、職員の人材育成及び研修、給与・福利厚生、行政改革、県庁のデジタル化の推進など、円滑な組織運営のためになくてはならない仕事や、県の予算編成、県税の賦課徴収、県有財産の利活用などの業務を担っています。
くらし安全防災局 くらし安全防災局は、災害対策、危機管理、県民生活の安全・安心の確保に関する仕事をしています。具体的には、事故や災害時における初期対応、様々な状況を想定した防災訓練、県西部地震や箱根火山の調査・研究、市町村の消防防災力の強化支援、石油コンビナート地区などにおける工業保安関係の指導、また、防犯や交通安全に対する意識啓発、自主防犯活動や犯罪被害者への支援、消費者被害の未然防止など消費者問題への対応などの業務に取り組んでいます。
国際文化観光局 国際文化観光局は、文化コンテンツの創出や情報発信、国内外からの観光客の誘致、国際交流等を通じて、人を引きつける魅力ある神奈川づくりを推進するため、文化芸術の振興、観光の振興、国際施策の推進などに取り組んでいます。

また、3年程度を目安に異動があり、異なる分野の仕事をしていくため、異動はまさに転職のようなイメージです。公務員の仕事はつまらないのではと思っている方もいるかもしれませんが、そんなことは全くありません。社会貢献しつつ、幅広いキャリアを通じて自己成長も実現できる魅力的な仕事なのです。

2.神奈川県の「めざす職員像」

神奈川県では、以下のような3つの職員像が目標とされています。

1

使命感・情熱にあふれ、県民目線に立って職務を遂行する人


2

高い専門性と課題解決力を有する人


3

チャレンジ精神にあふれ、アグレッシブに行動する人


3.神奈川県庁職員の平均年収

神奈川県庁職員の平均年収は約700万円!?

公務員は法律により身分を強力に保障されており、短期的な業績や経済動向に左右されることなく、長期的な視点に立ってじっくりと職務にあたることができます。
神奈川県庁の場合、平均年収697万円(平均年齢43.1歳)※1で、民間企業の平均443万円(男性545万円/女性302万円)※2と比べて高い水準となっています。

※1 神奈川県庁の平均年収はTACが独自に算出した一般行政職の推定額です。
平均年収=「月額支給される給料及び手当」×12+「年額支給される手当(期末手当・勤勉手当(ボーナス等)」/「月額支給される給料及び手当」=給料+各種手当(扶養手当、通勤手当等)[参考資料]総務省 地方公務員の給与実態調査(令和3年度)
※2 [参考資料]国税庁民間給与実態統計調査(令和3年度)

4.神奈川県職員の採用試験

神奈川県職員採用試験は、年齢によって採用区分が変わります。 ここでは大学生、事務・行政で受験する場合について解説していきます。
大卒以上のレベルの採用区分としては、神奈川県Ⅰ種と秋季Ⅰ種試験(行政)があります。まずは、受験者数の多い神奈川県Ⅰ種から解説していきます。
神奈川県Ⅰ種採用試験は、教養択一試験、論文試験、専門択一試験、口述試験を実施する試験です。

Ⅰ種(事務) 受験資格・試験内容・スケジュール

Ⅰ種は大卒レベルを想定した試験で、入庁後の主な配属予定先によって試験区分が分かれています。
ここでは、事務での受験を前提に受験資格、試験について詳しくみていきましょう。

令和5年度

内容 実施時期 詳細
出願

4月14日(金)

~5月8日(月)


第1次試験 6月18日(日) ・教養試験(多肢選択式、120分、50問中40問選択解答)
…公務員として必要な一般的知識及び知能についての筆記試験を行います。

・専門試験(択一式、120分、 80問中40問選択解答)
…各試験区分に応じて必要な専門的知識についての筆記試験を行います。

・論文試験(90分、1200字程度、1題必須解答)
…思考力、想像力、論理力、柔軟性等についての筆記試験を行います。
第1次合格発表 6月28日(水) 合格発表の際にグループワークの課題が発表されます。
第2次試験

(1日目)7月5日(水)

  ~7月14日(金)

(2日目)7月24日(月)

  ~8月22日(火)

・グループワーク及び個別面接2回
…人柄、性向等についての試験を行います。
最終合格発表 9月1日(金)

受験資格:受験年度の4月1日時点で22歳から30歳までの人。または21歳で大学卒業見込みの人。

(注) 試験日程等の詳細については必ず「神奈川県職員採用ホームページ」をご確認ください。

試験内容
  • 第1次試験
    教養試験

    120分50問中40問を解答する形式です。知能分野と知識分野に分かれ、主に高校までに学習した科目について幅広く出題されます。出題分野は以下の通りです。
    【出題分野】
    知能分野(22問必須解答)…文章理解(英文を含む)、判断推理(言語、非言語)、数的処理、資料解釈
    知識分野(28問中 18 問選択解答)…法律、政治、経済、社会一般から12 問
    日本史、世界史、地理から9問
    物理、化学、生物、地学、数学から7問

  • 第1次試験
    専門試験

    120分80問中40問を解答する形式です。高度な専門知識についての択一式試験となっています。出題分野は以下の通りです。
    【出題分野】
    憲法、政治学、行政学、行政法、民法、刑法、労働法から26問
    経済学(経済原論、経済政策、経済事情、経済史)、財政学、経営学から23問
    社会政策、心理学、統計学、社会学、国際関係(国際政治学、国際経済学、国際法)、教育学から18問
    数学・物理、情報・通信工学から13問

  • 第2次試験
    論文試験

    思考力、創造力、論理力、柔軟性等についての筆記試験で、神奈川県が抱える社会・経済問題などの一般的な課題について、自分の考えを手書きで論述することが求められます。1題必須解答となっており、解答時間は90分、文字数は1,200字程度です。(第1次試験日に行います)
    神奈川県は、以下のように例題を公開しています。

  • 例題

      新型コロナウイルス感染拡大の長期化により、孤独・孤立の問題が一層深刻な社会問題となっていることを受け、政府は令和3年2月、内閣官房に孤独・孤立対策担当室を立ち上げ、政府一丸となって対策に取り組んでいる。今後、孤独・孤立対策を効果的に推進するため、社会全体としてどのような取組が必要か、目指すべき方向性を示したうえであなたの考えを論じなさい。  

  • 第2次試験
    口述試験

    人柄、性向等についての試験となっています。事前に作成した面接シートに基づき、職務に関連する専門知識及び人物についての個別面接を行います。自己PR、志望動機などが質問されます。
    グループワークでは6~8人で一つのグループとなり、1次試験の合格発表時に提示された課題について話し合います。課題は、概ね神奈川県政や日本の社会問題についてです。
    グループワークについても、以下のような例題が公開されています。

  • 例題

      あなたは、神奈川県が開催するオンラインイベントの企画・立案プロジェクトのスタッフに選ばれました。グループでオンラインイベントの概要を決めた上で、その実施に当たってのオンライン独自の課題を複数挙げ、その課題にどう対応したらよいか説明しなさい。  

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秋季Ⅰ種(事務) 受験資格・試験内容・スケジュール

秋季Ⅰ種は大卒レベルを想定した試験で、事務と総合土木と電気の3つの職種のみを対象に行われています。このうち事務での受験を前提に受験資格、試験についてみていきましょう。
秋季Ⅰ種試験(行政)の第1次試験は、専門試験がなく、基礎教養試験と自己PRシートのみで受験できます。

令和5年度

受験資格:受験年度の4月1日時点で22歳以上30歳未満の方。または21歳以上で、大学卒業見込みの方。

内容 実施時期 詳細
出願

9月1日(金)

~9月15日(金)


第1次試験 10月22日(日) ・基礎教養試験(択一式、120分、40問解答)
…公務員として必要な一般的かつ基礎的な知識及び知能についての筆記試験を行います。

・記述式プレゼンテーションシート作成(1時間)
…意欲、向上心、行動力、論理力等についての筆記試験を行います。
※基礎教養試験の成績が一定の水準に達しない場合は、採点されません。
第1次合格発表 11月8日(水) グループワークの課題は第1次試験合格通知とともに発表されます。
第2次試験

(1回目)11月15日(水)

  ~11月20日(月)

(2回目)11月27日(月)

  ~12月13日(水)

人柄、性向等についての試験を行います。
第1回個別面接において、面接とは別に「特別な活動(経験)、資格等」について評価します。
第2回個別面接の中で、事前に示した課題について5分程度のプレゼンテーションを行います。
最終合格発表 12月22日(金)

(注) 試験日程等の詳細については必ず「神奈川県職員採用ホームページ」をご確認ください。

試験内容
  • 第1次試験
    基礎教養試験

    公務員として必要な一般的知識及び知能についての択一式筆記試験で、解答時間は120分、知能分野と知識分野に分かれ、主に高校までに学習した科目について幅広く出題されます。知識分野から15問必須解答、知能分野から25問必須解答です。出題分野は以下の通りです。
    知能分野<25問必須解答>…文章理解(英文を含む)、判断推理(言語、非言語)、数的処理、資料解釈
    知識分野<15問必須解答>…時事、社会、法律、経済、日本史、世界史、地理、数学、物理、化学、生物

  • 第1次試験
    プレゼンシート作成

    解答時間は60分でプレゼンテーションシートを記入します。プレゼンテーションシートは、例年、概ね面接で問われる「志望動機・やりたい仕事」や「自己PR」等に関するものとなっています。

  • 第2次試験
    口述試験

    グループワークと2度の個別面接が行われます。1次試験で提出したプレゼンテーションシートと当日に持参する面接シートに沿って面接が行われます。
    グループワークの出題テーマは県政全般にかかわるもので、グループがプロジェクトチームになった設定で行われます。

5.神奈川県職員採用試験の倍率、難易度

公務員試験の難易度を図る指標として倍率があります。全都道府県の事務系の試験倍率と比較することで神奈川県庁採用試験の難易度を知ることができます。

神奈川県Ⅰ種(行政)/試験結果


採用予定数 受験者数 最終合格者数 倍率
2021年 101 873 159 5.5
2022年 110 704 178 4.0
2023年 125 616 195 3.2

神奈川県秋季Ⅰ種(行政)/試験結果


採用予定数 受験者数 最終合格者数 倍率
2020年 42 700 47 14.9
2021年 35 708 50 14.2
2022年 37 533 56 9.5
2023年 37 463 76 6.1

参考/2021年 都道府県・政令市 大卒事務系試験 実施状況


受験者数 最終合格者数 倍率
2021年合計 39,821 8,460 4.7

このように年によって倍率が異なることもありますが、過去の試験結果からおおよその「目安」は把握できます。一般的に公務員試験の合格ラインは、教養試験、専門試験ともに約6割とされています。

もちろん、この数字はあくまで目安です。受験者のレベルが高い年には、合格ラインがこれよりも高くなる可能性があります。しかし、このように目安の点数や合格ラインばかりを気にして、勉強に集中できないことは避けるべきです。

まずは集中して勉強を進めたうえで「あとどのくらい得点できれば合格の見込みがあるのか」などの目安にしてください。

6.神奈川県職員採用試験の対策

ここまで試験について解説してきました。「やることが多いな」という印象を持たれた方は多いのではないでしょうか。

公務員試験はまさにその通りで、他の就職試験や資格試験と比べて科目が多いというところに特徴があります。しかし、科目によって出題数や配点ウエイトが異なることから学習にメリハリをつけることで効率的に合格を目指すことができます。

ここでは神奈川県庁の試験対策について解説していきます。

筆記試験

択一

教養択一試験

Ⅰ種の教養択一試験は出題科目が多いため、出題数の多い科目から優先的に勉強を始めていきましょう。高校までに全く習ったことのない科目で出題数の少ないものについては勉強をせず、他の勉強に力を入れていくというもの一つのポイントです。
秋季Ⅰ種(行政)の基礎教養試験は、Ⅰ種の教養試験よりはより基礎的な内容が問われます。しかし、40問必須解答になりますのでその他の地方上級職や、民間のSPIなどと併願しながら満遍なく学習する必要があります。

択一

専門試験

Ⅰ種の専門試験は40問と多いものの、80問の中から選択可能であるため、難易度の易しいもの、自分の得意科目、大学で学んだことがある科目などから選択して解くことが重要になります。選択できる科目も多いので、選択肢を狭めずに幅広く学習することもポイントです。

論述

論文試験

論文試験は、神奈川県政が抱える課題や日本が抱える社会問題についてどのような取り組みを進めるべきかを1,200字程度で書いていく必要があります。ご自身の書いた論文を客観的に見てもらえるような環境を用意することが重要です。

人物試験

面接

口述試験

口述試験は面接が中心になりますので、自己分析をしっかりおこなったうえで、ガクチカと神奈川県庁の政策研究はしっかりと進めるようにしていきましょう。
グループワークはチームとして課題に取り組むにあたり、各個人(受験生)が課題解決に向けて、どのような役割を担えるかについて評価されます。神奈川県は事前に課題を提示されるので、当日のチーム内で積極的に議論に参加するためには、入念な下準備をすることが対策の第一歩です。

7.まとめ 神奈川県の職員になるには?

いかがでしたか?神奈川県の職員になるための試験は、筆記試験対策、面接対策などいろいろなことを準備していく必要があります。その反面、他の公務員試験と重複する部分が多いことや教養試験対策は民間就活のSPI対策にもなり、将来の選択肢を広げることができますので、神奈川県の採用試験を受験してみませんか。

本記事を担当させていただいた私どもTAC公務員講座は、神奈川県Ⅰ種(行政)であれば合格者の2.7人に1人が私どもTACに通っており他の試験種を含め高い合格実績を誇っています。なぜこれだけ高い合格実績が出せるのか一度無料講座説明会や無料体験入学にご参加ください。しつこい勧誘など一切しませんのでお気軽にご参加いただけたらと思っています。

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