Special Interview 大学在学中に挑戦した「中小企業診断士」の資格は、就職活動で強みとなった。


Profile

春原 誠さん

中小企業診断士
《大手食品メーカー勤務》

<Profile>
2015 年、中小企業診断士試験合格。
2017 年、中小企業診断士登録。
日本大学商学部卒業。
大学卒業後、大手食品メーカーに勤務。
経理業務に従事し、有価証券報告書や決算短信など開示資料の作成などを手掛けた後、現在は予算管理業務に携わる。

Q1.大学時代に中小企業診断士などの資格取得を 目指した経緯を教えてください。

春原さん

経営に関する唯一の国家資格だから!

もともと高校時代に「経営」に興味を持ち、大学では4つの経営資源「ヒト・モノ・カネ・情報」のうち「カネ」に着目して勉強を進めました。
「会計を入り口として、将来は企業経営に携わりたい」という目標を持ち、1年時から日商簿記3級・2級、ビジネス会計3級・2級、国際会計検定(BATIC /バティック)などに挑戦。

また、企業経営に必要な知識を身につけられ、経営系では唯一の国家資格であることから、中小企業診断士の取得を目指すことに。

TAC の教室講座に通い、1日3~4時間は資格勉強に充てました。その結果、2年時の8月に3科目+3年時の8月に4科目=全7科目に合格し、1次試験を突破。2次試験は3年時、4年時の12月にそれぞれ受験し、2回目で合格しました。

Q2.中小企業診断士の資格は就職活動でどのような評価を得ましたか?

春原さん

1次試験まで合格でも十分アピールにつながった!

企業の方とお話しする中で感じたことは、まず中小企業診断士を勉強していること自体に興味を持ってもらえたことです。

学生で勉強している人はかなり少数ですから。当初は就活が始まる前の大学3年の12月に2次試験に合格する計画で勉強していましたが、結果は不合格でした。
それでも社会人には難易度が高い資格として認知されている資格ですので、1次試験まで合格していることは就活でも十分アピールにつながりましたし、在学中に中小企業診断士や会計関連の 資格に挑戦したことは「会計を入り口として、将来は企業経営に携わりたい」という目標の強い裏付けとして、好意的に受け止めてもらえたと感じています。

中でも特に高く評価してくれたのが、現在働いている会社です。希望する部署で内定をいただけたのも、資格のおかげでしょう。

Q3.中小企業診断士の資格は現在の仕事でどう活かされていますか?

春原さん

業務全般に渡りフル活用できていることを実感!

中小企業診断士取得のために学んだ知識は、社会人として身につけるべき知識が多く、入社直後から大きな武器となってくれましたね。

入社後の5年間は、経理財務部門にて有価証券報告書などの決算書類を外部へ開示する業務に携わりました。
中小企業診断士や簿記の資格勉強を通して、業務に必要不可欠な知識をあらかじめ学べていたおかげで、社内実務の理解に注力できました。
もし会計の知識がまったくなかったら、そちらも並行して1から学ばなければならず、苦労していたことでしょう。

現在は予算管理部門にて、予算編成→進捗管理・予実分析→経営層へ報告する業務を行っています。

たとえば各部門とのヒヤリングにしても、中小企業診断士で幅広く学んだ知識のおかげで、営業や生産などの現場での業務の流れがイメージできるため、 現場での業務経験はないですが比較的スムーズに業務を進めることができています。
中小企業診断士にとって、企業活動における「専門外がない」こと、「弱みがないことが強み」ですから、業務全般に渡りフル活用できていることを実感しています。

また、本業の他に、休日に診断士としての活動も行っています。
東京都中小企業診断士協会に所属し、2つの研究会を通じて中小企業の診断を行い、様々な業種業態の実務的な勉強を積み上げています。
これも資格があってこそ、できることですね。

Q4.中小企業診断士を取得して最もよかったと感じる点はなんですか?

春原さん

社会人生活をスタートした時の絶対的なアドバンテージ!

「ヒト・モノ・カネ・情報」の経営資源を横断的に学べる中小企業診断士を学生時代のうちから学べたことが、社会人生活をスタートした時の絶対的なアドバンテージになりました。

特に経理という職種は会計・経営の知識を学ぶ一定の時間が必要ですが、私はその時間をショートカットして、社会人としての基礎や会社のルール、学んできた知識と実務との違いなどを覚えることに十分な時間取ることができました。
その分、業務のインプット・アウトプットの質も量も高めることができ、それが周囲や他部署からの信頼や評価につながり、責任ある仕事を任せてもらえたり、希望部署への配属といった好循環につながったと思います。

これがもし何の知識もなくゼロから社会人生活をスタートさせていたら、同じような結果はきっと出せなかったでしょう。
たとえそこで気が付いて中小企業診断士を目指しても、仕事をしながら資格取得のための勉強時間を確保するのは難しいことですから、かなり苦労したと思います。

Q5.将来のキャリアプランをどのように描いているか教えてください。

春原さん

経営層に近い部門で働きたい考えています!

入社以来、経営層に近い部門で働いてきました。

中小企業診断士で学んだことを生かせていると満足していますが、今後はより現場に近い場所で数字を扱う部門から会社に貢献したいという思いがあります。
ミクロ・マクロ両方の視点を併せ持った上で、再び経営層に近い部門で働きたい考えています。

なお現在は、予算管理業務に加えてファイナンスの知識も必要とされる業務に携わっているため、自己研鑽のために「証券アナリスト」の資格をTACのWeb 講座で学んでいます。

また、企業内診断士としても今以上に積極的に活動していきたいと思っています。

中小企業診断士を持っているからこそ生まれる社外ネットワークを大事にし、社内だけでは得られない経験や知見を得て、自身の成長や社内業務にフィードバックさせていきたいですね。

Q6.中小企業診断士の資格取得をめざす学生の方へメッセージをお願いします。

春原さん

大学の成績もアップするという良い相乗効果が期待できます!

中小企業診断士はまだまだ社会人の方が受験する比率が圧倒的に高い資格ですが、私は学生ならではのメリットやアドバンテージがあると考えています。

中小企業診断士の学習内容は幅広く、たとえば1次試験科目の1つである「企業経営理論」は商学部や経済学部などで学習する授業とも重なる部分が多くあります。
他の科目も同様ですので、資格取得と大学の授業を両立できて大学の成績もアップするという良い相乗効果が期待できます。

また、試験合格後に待っている実務補習では書く力やプレゼン力、コミュニケーション力などが鍛えられ、これらは社会人になってからも大きく役立つ武器となります。
公認会計士・税理士が会計や税務など特定の分野を極めた「スペシャリスト」なら、中小企業診断士は幅広い知識を有する「ゼネラリスト」。

どの職業に就くにしても、勉強したことは必ず役に立つことでしょう。
なにより、社会人に比べて勉強時間が確保しやすいことは学生にとって大きなアドバンテージです。

そして在学中の資格取得を目指すなら、独学ではなくTACなど受験校の活用をおすすめします。

中小企業診断士の学習内容は、実務経験のない学生には内容がイメージしにくい部分もあります。
また、1次試験だけで7科目あるので、独学だとどうしても好き・嫌い、得意・不得意が出てきがちです。
そこをプロの講師の丁寧な解説やわかりやすいテキストでカバーするのが、効率的な勉強法と言えるでしょう。

それから、受験校を利用する際にはWeb 講座ではなく教室講座をおすすめします。

先生や社会人の方々と交流できることも、独学では得難い、大きな経験になりますよ。
同じ目標に向かって一緒に勉強した方とのご縁は、資格取得後の今でも私にとって大切な財産になっています。

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