人事担当者に聞く「今、欲しい人財」 第90回 note株式会社

Profile

木下 将貴(きした まさき)氏(写真右)

人事部長

不動産営業を経て、複数社で人事に携わる。2024年12月、note株式会社入社。2025年6月から人事部長。トップとしてHR部を統括。



成田 江美(なりた えみ)氏(写真左)

HRBP

新卒から約6年間営業職に従事。2社目の家電メーカーから人事を担当。2026年4月にnote株式会社入社。全体の新卒採用とHRBPとして担当本部の採用から組織開発・評価を伴走。

創業13年目に新卒採用をスタート。
新しい感性を持った仲間を求めています。


 「note」は、会員数約1178万人、月間約8000万ユーザーが訪れる国内最大級のメディアプラットフォーム。「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というミッションのもと、自分の言葉で自由に発信できるメディアプラットフォームを運営しているのがnote株式会社だ。これまでキャリア採用中心だったnote株式会社では、2027年採用から新卒採用をスタートした。その背景やnote株式会社の人材観から福利厚生まで、人事部長の木下将貴氏、HRBPの成田江美氏にお話しをうかがった。

国内最大級のメディアプラットフォーム

──note株式会社について教えてください。

木下 note株式会社は、文章、漫画、音声、動画などの多様なコンテンツを発信できるメディアプラットフォーム「note」を運営しています。「note」では、クリエイターが思い思いのコンテンツを発表したり、メンバーシップでファンや仲間から支援を受けたり、オンラインストアでオーナーが商品を紹介したり、企業や団体が情報発信をしたりしています。会員数は現在約1,178万人、月間約8,000万人が訪れる国内最大級のメディアプラットフォームです(2026年2月末現在)。
 noteのミッションは、「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というもの。だれでも創作できる時代に、あらゆる人、あらゆる組織のクリエイティブ活動を助け、続けていくための手助けをすることをめざしています。 「ランキングがない」「クリエイターの世界観を損なうような広告がない」のも「note」の特徴です。多くのSNSやメディアはランキングや広告が設計の中心にありますが、閲覧数を稼ぐより、「書き手が自分の好きなことや、誰かの役に立つことを書くこと」を大切にしています。
 AIの活用にも力を入れており、エンジニアはもちろん、全職種にGeminiやClaudeといった生成AIツールのアカウントを配付して、組織全体をAI活用を前提とした新しい働き方にアップデートしています。

創業13年目に新卒採用スタート

──noteの採用について教えてください。

木下 「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というミッションを実現するためには、まだまだ多くの課題があります。そのためには新しい感性を持った仲間が必要だと考えて、新卒採用を始めました。2027年4月1日に、1期生が入社します。ただいま、2028年4月入社の新卒2期生を絶賛募集中です。

──どのような経緯で、新卒採用を始められたのですか。

木下 新卒採用は、組織を育てていくために未来のnoteを担う仲間を迎える、大切な投資だと考えました。また、AIの普及にともない「いま人間がやることは何か」と考えたとき、「『実行力』は絶対にAIに置き換わらない。そこに、最後までやり切ることのできるフレッシュな力が必要だ」と考えたからです。
 加えて、創業から中途採用に絞ってきたnoteは、今では平均年齢30代後半の会社になりました。組織に新しい風を入れ、noteのカルチャーを受け継ぎ、noteのカルチャーをさらに育てていってほしいと考えました。
 noteはミッション・ビジョン・バリューの浸透度が高い会社です。組織サーベイでもそのスコアが非常に高いのが特徴で、だからこそいきいきとした若手メンバーが仲間に加わり、その文化をさらに広げていってほしい。そのような思いが新卒採用に表れています。

──2027年に入社する1期生の内定者フォローはどのように実施していますか。

木下 入社前と入社後に切り分けてやるべきことのスケジュールを立てました。内定者にはインターンシップとして、入社1年前から会社に来て実際に働いてもらっています。インターン中にはビジネスマナー研修をはじめとした教育プログラムを用意し、正社員と同等にPCやAIツールも配付して自由に利用できる環境を整えました。

2期生は「やり抜く力」を重視

──1期生、2期生、それぞれの選考で意識しているのはどのようなことですか。

木下 創業13年目にして初めての新卒採用は、果たして応募者がいるのかどうか、私たちにとってドキドキする手探りでのスタートでした。でも、フタを開けてみたら、多くの「note」ファンの学生さんが自己応募でエントリーしてくれて、よい出会いに恵まれました。1期生の選考で出会った学生の皆さんの熱量に、私たちのほうがむしろ刺激をもらったくらいです。
 2期生については、「note」をまだあまり知らない層にも、もっと広く知ってもらいたいと考えています。それだけではなくて、1期生の採用をスタートしてから今この瞬間までの間でも、AIの普及は急速に進んでいます。そのような中で一番大切になるのは「みずから問いを立て、『これだ』と決めて、愚直に手を動かし、新しい価値をかたちにする力」だと、考えました。
 行きつくのは、新卒採用のきっかけになった「人間がやらなければいけない、実行しなければいけないことをやり切る力のある人」を、広く採用することです。
 以上の経緯で、より「実行力」に振り切った、より「やり抜く力」を重視しているのが2期生の採用です。

──2期生は何名採用する計画ですか。

木下 明確には決めていませんが、複数名の採用を計画しています。2期生となる方には、これからのnoteの大きな柱になる「法人向け事業」でキャリアをスタートしていただきます。入社後は、企業の「note」活用を支援する事業部で、法人向け高機能プラン「note pro」や企業とnoteのコラボコンテストなどを通じて、情報発信の支援をしていただきます。
 そのあとは、適性や希望を踏まえて各部門に配属する予定です。

キャリア採用はハイレイヤー層が中心

──キャリア採用についてはどのような流れで進めていますか。

木下 下期がスタートしたタイミング(2026年6月)で、約30ポジションをオープンにしました。中でもプロダクトマネージャーと事業開発の2つのポジションに注力しています。
 現在は、マネージャークラスのハイレイヤー層を求めていることもあり、エージェントやスカウトを活用したアプローチの比率が高まっています。加えて、noteらしいユニークな特徴として、リファラル採用が全体の3分の1を占めているという点も、現在の採用実績を支える大きな柱となっています。

──これまでキャリア採用に絞ってきたのはなぜですか。

木下 CEOの加藤とCXOの深津が非常にビジョナリーで、常に二歩も三歩も先の未来を思い描きながら「今だったらこれをやろう」、「今はこれが必要だ」とマイルストーンを置いていきます。その高い視座から出たアイデアを具体的なアクションに落とし込んでいくには、やはり確かな経験やキャリアを持つプロフェッショナルの力が不可欠です。そのようなエキサイティングな挑戦ができる環境だからこそ、私たちは今、一緒に未来を形にしていく仲間をさらに集めて、組織を強化していきたいと考えています。

──キャリア採用で求めるのはどのような人材ですか。

木下 中途入社した社員が口を揃えて言うのは、noteは「スピードが速い」ということです。このスピードに対応していくための柔軟性や変化対応力は、ひとつのベースになります。さらに、代表や役員と直接対話しながらプロジェクトを推進するシーンも多いため、論理的な思考力や、臆せずディスカッションできるスキルも重要になります。総じて中途採用に関しても、求めるのはやはり「実行力」です。

──キャリア採用に対するオリエンテーションや研修はありますか。

成田 入社初日、1日だけオリエンテーションがありますが、2日目からは配属先でのオンボーディングとなり、すぐ実務に触れていただきます。そこは、まさにnoteのスピード感を表していると思います。

木下 部門やポジションによっては入社後1ヵ月で成果を発表できるような場があります。それぐらいのスピードで成果を出すことが求められる一方、自分がやりたいと思ったことを打診して実行に移せる環境でもあるので、その変化や裁量を楽しめる方にはぴったりだと思います。

──新卒・キャリア採用の両方で、特に注意して見ている部分はどこですか。

木下 自社のカルチャーとのマッチングを最も大切にしています。選考の中でも面接官を務める現場のメンバーが、noteのミッション・ビジョン・バリューに即しているかどうかの視点でしっかりと見ています。
 ミッション・ビジョン・バリューは、ともすると形骸化したり、無理やり作られたりすることもあると思いますが、「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というnoteのミッションは非常にシンプルでわかりやすいので、全員が同じ方向を向きやすいのだと思います。

成田 まだ、入社2ヵ月の私でも、新卒採用を進める中で「noteのミッションはこれです」、「クリエイターファーストです!」と胸を張って言い切れています。それぐらい根付いています。

「noteらしい」3つの人事制度

──noteの福利厚生や働き方で、「これはnoteらしい」と思うものを紹介してください。

木下 noteは、一人ひとりが最高のパフォーマンスを発揮してミッションを達成できるような環境作りに取り組んでいます。
 そのための人事制度として、よりそうライフサポート「Support You」、チャレンジを応援「Cheer for You」、みんなとつながる「With You」の3つのサポートパッケージを用意しています。
 まず、チャレンジを応援「Cheer for You」には、テックチャレンジという制度があります。テック・デザイン・プロダクトマネジメントなどの開発領域での自己研鑽費用を年間12万円まで補助する制度で、書籍購入やオンライン講座費用、サブスクサービス利用などに使えます。最近では社内公式ツールであるGeminiとClaude以外の生成AIツールを利用する場合にも利用されています。
 加えて「コンテンツ購入補助」があります。これはクリエイターの創作を応援するための制度で、「note」の記事購入や、「note」とは関係のない動画サブスクサービス利用など、広義で創作を応援する趣旨で、月額5,000円を一律支給しています。
 全従業員対象の「AI手当」もあります。AIを活用してほしいという目的で、「500円×出勤日数(上限12万円/年間)」が支給されます。

成田 みんなとつながる「With You」で言えるのは、1on1文化が驚くほど根付いていることです。直属の上司だけでなく、さらに上の上司との定期的なものだけでなく、他部署のメンバーとも空いている時間には1on1を入れてもいいことになっています。入社直後は業務で関わる方を中心に、たくさんの人と1on1を実施して会話をする機会があります。

木下 「CEOオープンドア」という仕事の悩みや雑談までCEOと気軽に話せる場や、CEOやCXOとランチ時間を活用して雑談や相談ができる場など、経営層と直接話せる機会がかなりあります。
 横のつながりでは、入社初日に人事チームと、1週間後に配属チームや同期とランチをするウェルカムランチがあります。またシャッフルランチという、組織横断的に行っているランチ会も定期的に実施しています。 
 その他年2回、期初に社員全員が集まるイベントがあります。社員参加型で楽しめるクイズ大会や、回転寿司をオフィス内で楽しめる企画など、みんなが参加したくなるような催しを考えています。そうした交流はかなり盛んですね。

──ライフサポート「Support You」にはどのような制度がありますか。

成田 有給休暇は入社初日に、10日間付与されます。加えて、「大切な人のケア休暇」という特別有給休暇が3日間あります。これはご家族だけでなく、「自分にとって大切なひと」というくくりで、もちろんペットも対象で、大切なひとが体調を崩したら「一緒にいてあげてね」という有給休暇です。その他「シックリーブ」といって、本人の病気やケガなどの際に取得できる3日間の特別有給休暇があるので、合わせると初年度から計16日間の有給休暇が付与されます。noteの特徴がよく表れた制度だと思います。
 その他、結婚や出産のお祝い金はもちろん、お子さんが生まれたときにまとめて休暇を取れる「ウェルカムベビー休暇」もあります。「ベビーシッター補助」はベビーシッターなどのサービス利用料を補助します。
 社員の半数近くが子育て世代なので、このような家族サポート制度が充実しているのもnoteの特徴です。2025年は男性社員の育休取得率が100%でした。社内の雰囲気としても、お子さんが体調を崩したときは、みんなが「お大事に」と声をかけてくれるので、引け目を感じることなく休める環境です。

──必要なときに休みが取れる、子育て世代にはよい環境ですね。

木下 noteはサービスのイメージから、柔らかい印象を持たれることも多く、「やさしい=らくに働ける」と思われがちですが、実際はスピード感を持ってバリバリがんばる人が多いのです。その分、安心して仕事に打ち込めるように、家族サポートを用意しています。いざという時は安心して休めるので、メリハリをつけて働くことができる環境です。

資格取得はクリエイティブの一環

──テックチャレンジ制度で年間12万円のサポートが受けられますが、資格取得はその制度を利用していいのですか。

木下 資格取得に使う社員も当然います。資格取得に特化した制度ではありませんが、プロジェクトマネジメントでは認定スクラムマスター資格(CSM®)が対象になっていますし、エンジニア、デザイナーが専門性を広げるために取得する資格も対象になっています。
 特定の資格取得を推奨しているわけではなく、別立ての支援制度や合格時の一時金制度はありませんが、会社全体で日々の挑戦や工夫を応援する雰囲気があるんです。たとえば、CEOの加藤はよく「料理も鼻歌も創作だ」と話しています。社員自身もクリエイターとして、日々の創作を楽しんでいる。だからこそ、特定の資格を指定したり、会社から指示をするのではなく、社員の自主性とクリエイティビティに任せています。

──キャリア採用では、情報系、セキュリティ系の資格を要件に募集することはありますか。

木下 マスト要件にはしていません。職種によっては推奨される資格もありますが、基本的に「あれば望ましい」という程度です。とはいえ、コーポレート系職種では、弁護士資格や公認会計士資格などは報酬に反映されています。

──応募者がエントリーシートに学生時代に取得した資格を記載していた場合、どのように評価していますか。

成田 もちろん資格欄はチェックします。ただ、それを持っていることよりも、どのような経緯でその資格を取得したのかという目的や、取得するまでのプロセスをしっかり話せるかどうかのほうが大切だと思っています。

──キャリアアップや資格取得をめざしている読者に向けて、メッセージをお願いします。

成田 資格を取得することが目的ではなくて、資格を使って何をするかが大切です。資格を取得した、その先をぜひ考えてみてください。

木下 「note」のコンセプトは書きたいものを書くということ。やりたいことをやる。学びたいことを学ぶ。それは資格取得をめざす皆さんにも通じると思います。ぜひとも合格をめざしてがんばってください。

[『TACNEWS』人事担当者に聞く「今、欲しい人財」|2026年8月 ]

会社概要

社名     note株式会社
設立日    2011年12月8日
代表者    代表取締役CEO 加藤貞顕
本社所在地  東京都千代田区麹町6-6-2

事業内容

メディアプラットフォームnote、ならびに法人向け高機能プランnote proの企画・開発・運用など

従業員数

147人(2026年4月現在)

URL

https://note.jp/

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