特集 2023年度外務省専門職員採用試験合格者にインタビュー

 

唯一無二の専門性を身につけ
日本外交の下支えをしていきたい

 国を背負い、世界を舞台に活躍する「外務省専門職」。地域・言語・専門分野のスペシャリストとして、外国との交渉や文化交流、情報分析や邦人保護活動を行います。今回は、TAC・Wセミナーで学び2023年度外務省専門職員採用試験に合格した3名に、外交官をめざしたきっかけや、入省後にやってみたいことなどを語っていただきました。

※WセミナーはTACのブランドです。

左から

■上田 知暉(うえだ ともき)さん
鳥取県出身
日本大学通信教育部法学部(在学中合格)
受講コース:1.5年本科生/Web通信講座
受験言語:英語
外務省での研修語:中国語 

■中嶋 甘奈(なかじま かんな)さん
群馬県出身
東京外国語大学大学院総合国際学研究科(在学中合格) 
受講コース:セレクト憲法本科生(英語対策カットType)/Web通信講座
受験言語:アラビア語
外務省での研修語:アラビア語 

■桟 将馬(かけはし しょうま)さん
長崎県出身
東京大学教養学部(在学中合格)
受講コース:セレクト憲法本科生/
教室+Web講座(早稲田校)
受験言語:英語
外務省での研修語:ポルトガル語

外交の力で日本の平和と安全を守りたい

──この度は外務省専門職員採用試験の合格、おめでとうございます。皆さんが外務省専門職員をめざした理由から教えてください。

中嶋 子どもの頃から漠然と、目に見えないものを心の支えにする気持ちや、そこから生まれる文化に興味を感じ、“宗教”という概念に関心を持っていました。そして高校時代に世界史の授業でイスラームを知り、アラブやイスラームの文化に特に強く惹かれたことで、大学ではアラビア語やイスラーム圏の文化を専攻に。修士1年の夏にエジプトへ短期留学に行き、現地の人々の視点や価値観を通して客観的に日本の姿を見ることができた経験から、自身のこれまでの学びを活かしつつ、「相手を尊重しながら、日本の本当の姿を伝えていきたい」「日本人がもっと自信を持って“日本が好き”と言える国づくりをしたい」と思い、外務省専門職員をめざそうと決意しました。

上田 日本の平和と安全を守りたいと思ったことから外交官を志しました。もともとは、幼少期からやっていた野球でプロをめざしていたのですが、エスカレーター式で進学した大学で怪我をしてしまい、野球の道は断念せざるを得なくなりました。野球ができないのなら大学にいる意味もないと中退することを決め、次に何をするか考えたとき、チームとして誰かのために行動できる仕事がいいと強く思っていたこと、そして自衛官の父と兄の影響もあって、日本の安全を最前線で守る航空自衛隊の戦闘機パイロットになりました。自衛隊には7年弱勤務したのですが、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す現状を体感。「外交の失敗が戦争である」という言葉もあるように、既存の防衛力で対応するのではなく、もっと手前の外交の面から日本の平和と安全を守りたいと思い、外交官を志しました。

 平和な世界を作りたいという強い想いが根底にあります。私は長崎県で生まれ育っています。原子爆弾投下によって、爆心地近くで働いていた曽祖父は亡くなり、当時曾祖母のお腹の中にいた祖父も、原子爆弾の投下後に曾祖母が曾祖父を探しに爆心地の近くに行ったことで、胎内被爆者となりました。戦後の困難な時代を苦労を重ねながら生きのびた祖父は、多くを語らないまま私が高校2年生のときに病気で亡くなりましたが、1つでも何かが違ったら私は今、存在していません。こうした被爆3世としてのアイデンティティと、小・中学校・高校での平和教育を通して、大切なものを奪う戦争の恐ろしさと平和の大切さを実感してきました。また、大学でアフリカを研究したことで、現在世界で起こっている紛争や抑圧的な政治体制が他人事とは思えなくなり、これらの現状を変えたいと感じました。こうした経験から、世界、特に途上国の平和や発展に直接的に関わる仕事がしたいと思い、外務省専門職員をめざすことを決めました。

──勉強を始めたタイミングや、TAC・Wセミナーを選んだ理由を教えてください。

 勉強を始めたのは、2022年8月、大学3年生のときです。大学の授業やサークル活動が落ち着いた頃に受験を決めたのですが、本試験まで1年を切っていたため、限られた時間内で効率的に対策をするために受験指導校を利用しようと思いました。TAC・Wセミナーを選んだのは、9割を超える高い合格者占有率を誇っており、情報量や指導内容の質などの面において他校よりも優れていると感じたからです。

中嶋 私は修士1年目の2022年10月中旬から勉強を始めました。受験を決めたはいいものの、1次試験までは残すところ8ヵ月ほど。当初は独学で挑戦することも考えましたが、試験科目である国際法や憲法にはまったく触れたことがなく、また大学院の研究とも両立させたいとなると「確実性のある何かにすがりたい」という気持ちになりました。そこで、確かな合格実績を持つTAC・Wセミナーの門戸をたたき、講座説明会への参加や受講相談を通じて「ここなら信頼できる」と感じたことから入会を決めました。

上田 自衛隊をやめて外務省に挑戦するか迷っているタイミングで入会しました。実は幹部候補生学校に在籍中、教養を身につけておきたいと考え通信大学でも学び始めていたのですが、20代後半に差し掛かっていたこともあり、次の道に進むにはまず受験勉強を開始しないことには始まらないと考えてTAC・Wセミナーへの入会を決めました。ただ、仕事・大学の勉強・受験勉強とすべてを両立するのは難しく、外務省専門職試験の勉強に集中できるようになったのは入会から1年後、退職した2022年11月でした。TAC・Wセミナーを選んだ理由は、桟さんや中嶋さんもおっしゃっている通り、合格者占有率の高さ、情報量の多さ、そしてオンラインで学習できる点です。

受験情報が満載のWebコミュニティは宝箱のような存在

──専門試験の選択科目はどのようにして選びましたか。

上田 憲法も経済学も初めて学ぶ内容でしたが、暗記は比較的得意なので憲法を選択しました。実際どれくらいの暗記量が必要なのかや、どうやってボリュームのある答案を作ればいいのかなどまったくイメージできていなかったのですが、講義で暗記すべき内容や完成形の答案を示してもらい、作成の具体的な流れを教えてもらってゴールをめざしたので、困ることはありませんでした。

中嶋 数学に苦手意識があったことと、上田さんと同じように、暗記が比較的得意である自覚があったことから憲法を選択しました。

 私も、憲法・経済学ともにほぼ初学であったことや、TAC・Wセミナー入会前の受講相談の際に、「これから受講するとなると本試験まであと1年もないので、対策がしやすくて得点もしやすい憲法がおすすめですよ」とアドバイスをいただいたことから、憲法を選択しました。

──受験勉強中はどのようにモチベーションを維持しましたか。

中嶋 エジプト留学の思い出と「外コミ」の2つが支えでした。外交官をめざすきっかけをくれたのがエジプトでの生活だったので、当時の写真をアルバムにして持ち歩いたり、エジプトでできた友人やお世話になった人たちに連絡したりすることで気持ちを奮い立たせていました。また、「外コミ」とは「外交官を目指す人のコミュニティ」の略で、TAC・Wセミナー外務専門職講座の受講生専用のサイトです。合格者の先輩たちと情報共有をすることができる上に過去の情報もたくさん蓄積されており、私にとっては宝箱のような存在でした。特に、毎平日10時に更新される合格者アドバイザーのブログが楽しみで、いつもリアルタイムでチェックしていました。ちなみに今、私と上田さん、桟さんも合格者アドバイザーとして「外コミ」のブログ更新を交代で担当しています。

上田 1次試験はひとりで勉強していたため、最初に「外交官になりたい」と思ったときの気持ちを思い出すことと、自衛隊勤務時代の同期の近況報告を聞くことでモチベーションを維持していました。2次試験対策からは、TAC・Wセミナーで自主ゼミの仲間と切磋琢磨し合えたことが力になりました。

 私も、苦しくなったときには外務省専門職員を志した理由を思い出すようにしていました。平和な世界の構築に寄与するためには、国対国の外交を通じて、紛争や政治的抑圧に関与している個別国家に働きかけることが最適だと考えていたので、「それを実現できるのは外務省専門職員しかない。何が何でもなるんだ」と思いを強めました。

誰もが希望を持って暮らせる平和な世界をめざす

──受験勉強を通して心がけてきたこと、おすすめの勉強法、書籍等を教えてください。

上田 外務省専門職試験に特別な才能は必要ありません。正しい方法で勉強すれば、自分でも合格まで持っていけると感じていました。よって、とにかく「勉強し続けること」を心がけていました。勉強に使用したのは、基本的にTAC・Wセミナーの教材のみです。わかりやすく洗練されており、初学者でも理解しやすいものでしたね。また、外務省が毎年発行している『外交青書』(国際情勢の推移及び日本の外交活動をとりまとめた記録)は、日本語版だけでなく英語版にも目を通していました。

中嶋 最初は講義を聞くだけで満足していたのですが、わかった気になっても、実際は頭に入っていないことがありました。そこで、先生が口頭で説明してくださったことを、講義を一時停止してテキストの余白にすべてメモするように。すると、あとで見返したときに理解の助けになることが多く、試験直前まで何度も助けられました。また私の性格上完璧主義に陥りやすく、「合格のために必要な勉強をする」というバランス感覚を失いがちだったため、努力の方向性が間違っていないかどうかを担任講師や合格者アドバイザーから客観的に見てもらう機会を定期的に設けていました。

 すべての人におすすめと言えるかはわかりませんが、自分には合っていた勉強法をご紹介します。国際法や憲法の内容を、誰かに説明するつもりで繰り返し声に出す。限られた時間の中で集中できるよう、あえて閉館時間のある図書館で勉強する。眠気防止に部屋の中を歩き回りながら暗記する。スマートフォンを家に置いて別の場所で勉強する。こういった工夫をしていました。書籍は、講義の補完として岩澤雄司『国際法』(東京大学出版会)が役に立ちました。

──TAC校舎での学習と、在宅などでの学習はどのように使い分けていましたか。

中嶋 講義はすべてWebで受けていました。受験勉強を始めたのが遅く、すでにカリキュラムが進んでいたコースに途中から申し込んだので、講義のペースに1日でも早く追いつく必要があったからです。ただ、論文答練や直前期のゼミは、試験の雰囲気を感じたかったことや講師に直接質問したかったこと、友人と会いたかったことから校舎に行って参加していました。

上田 私も勉強を始めたのが前職で働いていた頃だったので、講義はすべてWebで視聴しました。Webなら全国どこにいても受講できますし、わからない部分は何度も見返すことができるので、理解を深めるためにも活用していました。また、2月の答練期からは実際に校舎に行って答練を受けていました。

 1次試験まであまり時間がなくて移動時間すら惜しかったため、教室+Web講座に申し込んでいたのですが講義そのものは自宅や大学等でWeb視聴していました。ただ、進度・日程的に教室での受講が可能だった一部の講義の日は教室で受講していました。また、校舎付近で用事がある日の空き時間に自習室を使うこともありました。

──入省後はどのように活躍したいですか。

 研修語であるポルトガル語の語学力をしっかりと磨き、首脳会談の通訳を任されるようなハイレベルの専門家をめざします。また、大学での専攻や被爆3世としてのアイデンティティを活かし、アフリカ外交や開発協力、平和構築、軍縮不拡散といった分野での専門性を高め、「平和で誰もが希望を持って生きられる世界」という理想に向けて、できる限りの貢献をしていきたいです。

中嶋 エジプトを訪れた際に、多くのエジプト人たちが祖国に誇りと深い愛情を抱き、いろいろな形で表現していたことに驚かされました。そして、「私を含め日本人は、日本という国をこれほど好きでいられているだろうか」とある種危機感に近いような感覚を覚えました。この経験から、入省後は外交を通じて日本人が自信を持って日本を好きだと言える国づくりに尽力したいと考えています。

上田 まずは、仕事上求められる語学力や知識を身につけ、自国の主張を貫き通せる強さや、相手を尊重する寛容さを持ち合わせた外交官になりたいです。同時に、人としても向上心を持ち、「日本の上田という外交官は信頼できる」と言ってもらえるような人物になれればと思っています。

──民間企業や他の試験種との併願状況について教えてください。

 政府系機関や独立行政法人をいくつかと、民間企業も10社程度受けました。他の試験種は防衛省専門職試験(英語区分)を併願しました。

中嶋 私も防衛省専門職試験(アラビア語区分)を併願しました。最終合格後辞退しています。

上田 2022年11月に前職をやめて、その後半年間は受験勉強に専念していましたので他は受けていません。


(左上から時計回りに)
桟さんは外務省の採用案内パンフレットを見て試験合格・内定後をイメージしていたそう。
中嶋さんのファイルには、アラビア語の先生からの手書きの応援メッセージが。
上田さんは仕事と勉強の両立のため、日記をつけてメンタル面を整えていたという。

「誰かのために働きたい」という気持ちを大切に

──外務省専門職員をめざすにあたり、経験していてよかったことや、経験すべきと思うことはありますか。

上田 何かに対して人生をかけて全力で取り組む経験です。野球に打ち込んでいた頃や自衛隊勤務時代は、体力的にも精神的にも厳しいと感じることが多くありました。特に、戦闘機パイロットになるための勉強量は膨大でした。そこでの努力が外務省専門職試験に活きているので、経験しておいてよかったです。ですから、学校の勉強でもゼミの論文でも部活動でもアルバイトでも何でもいいので、目の前のことに全力で取り組む経験はしておくべきだと感じます。また私の場合、前職時代から「睡眠は仕事の一環」と考えていました。受験期間中であっても、休むことも勉強と同じくらい大切にすることで、メリハリがつくと思います。

 選考試験を受けてみて、外務省では「組織の一員としてやっていけるか」を重視している印象を持ちました。よって、チーム活動の経験が豊富であればあるほど、具体的なエピソードを用いて説得することができると思いました。その際は、「何をしたか」よりも「どう考えて行動し、そこから何を学んだか」を語れるといいと思います。私の場合は、学生時代に吹奏楽やアフリカに関する研究、地方の高校生の学習支援活動に取り組んでいました。「相手に喜んでもらう」ことを目標に、「周りをどうやって巻き込むか」など考えながら動いた経験を面接で伝えたことで、意欲や適性がアピールできたと感じます。

中嶋 私個人としては、やはりエジプトという外の世界から日本の姿を見つめたことが外交官をめざす契機となったので、この経験は不可欠だったと思います。ただ外交官をめざす理由は人それぞれですし、必ずしも海外経験が必要だとは思いません。むしろ国家公務員として働くにあたっては「どれだけ日本のことが好きか」が最も重要だと思います。ですから「日本のために働きたい」という気持ちさえあれば、あえて「経験すべきこと」はないと言えるかもしれません。

──TAC・Wセミナーを利用する中で、印象に残っていることがあれば教えてください。

上田 講義や模擬試験だけではなく、様々なサポートが受けられる点です。担任カウンセリング制度では、自分の進捗に応じて的確なアドバイスをもらえましたし、実際の合格者から勉強法を聞くことができる合格者アドバイザー制度は、合格者占有率の高いTAC・Wセミナーならではだと感じました。合格者アドバイザーにはいろいろなバックグラウンドの先輩がいらっしゃるので、自分と同じ社会人経験がある方にお話を聞けたのも心強かったです。また、2次試験対策では、才能あふれる受験生たちと切磋琢磨し合え、たくさんの刺激をもらいました。

中嶋 私にとっても、2次試験対策の自主ゼミは辛い受験期間の一部でありながらもすてきな仲間と出会えた幸せな時間でした。お互いの面接カードを添削し合うことで「この日本語は変」「話の筋が通っていない」など忌憚のない意見をぶつけ合い、信頼関係を構築することができました。印象に残っているのは、上田さんと面接練習をしたときのことです。私は感情が顔に出やすく、それをコンプレックスに感じていたのですが、上田さんから「表情がいい!」と言ってもらえたことで自信を持つことができました。合格者アドバイザーの先輩は、私の場合、同じように遅い時期から勉強を始めた方に相談をし、不安の解消方法などをうかがいました。担任講師には、スケジュール管理や志望動機の添削、併願先の相談などをお願いしていました。どんなことに悩んでいても必ず対応してもらえる信頼感がありがたかったです。

 自主ゼミや面接練習で、自分自身の個性や強みをわかってもらえた上でのフィードバックやアドバイスが助かりました。特に記憶に残っているのは圧迫面接の練習で、厳しい雰囲気の中でも自分の主張を伝えることができたことで、本番でも堂々と臨むことができたと思います。

──これから身につけたいスキルや知識について教えてください。

 語学力、担当地域に関する知識、人間関係構築力の3つを底上げしていきたいです。まず語学力ですが、英語のスピーキング力がまだ不十分と感じるためレベルアップを図ると共に、まったくの初学である研修語のポルトガル語習得に力を入れるつもりです。そしてポルトガル語研修ということで、ラテンアメリカ地域への赴任が多くなるため、歴史や文化についても学んでおきたいです。最後の人間関係構築力ですが、外務省専門職員の重要な仕事のひとつに現地での幅広い人脈作りや情報収集があります。人と人との付き合いの中で信頼を得るために、自分にできることを1つずつ取り組んでいきたいです。

上田 人間性を磨いていきたいです。挨拶を適切にすること、相手を尊重すること、思いやりを持つこと、ときには毅然とした姿勢で物事に取り組むことなど、当たり前のことを徹底していくつもりです。自分に余裕がないときこそ、このようなことを完璧にこなせる強さを身につけたいと思っています。語学力や論理的思考力、コミュニケーション能力等は、当たり前のことができて初めて活かされると思うからです。

中嶋 自分の考えや軸となるものは持ったまま、常に新しいことを学び続ける姿勢を忘れずにいたいです。特定の分野に視野を狭めず、自分と違う意見や異なる文化に対しても寛容でありたいと思います。それが、外交官としても、日本国民のために働く立場としても、すべての基礎である「人」とのかかわりにおいて重要な要素だと考えています。

──最後に、外務省専門職員をめざす方々へのメッセージをお願いします。

上田 外務省専門職試験は簡単な試験ではないので、長期間の勉強は必須です。ただ、あきらめずに必死に食らいつけば合格にたどりつけることは間違いありません。この道を、ただ苦しくて辛いだけのものとして歩むのはもったいないです。不安な気持ちは、私たち合格者アドバイザーなどTAC・Wセミナーの仲間と共有し、安定した心で勉強に励んでほしいです。「決断」という言葉は「決めて断つ」と書きます。文字通り、何かを決めるときには、何かを断たなければなりません。この意味通り決断ができれば、自分の望む結果につながると思います。あきらめず、前に進み続けてください。

 物事について考える際は、減点法ではなく加点法を採用するのがおすすめです。「外務省専門職員になる」という大きな目標を設定したとき、減点法で考えると「自分はあれもできていない、これもできていない」とネガティブな気持ちが膨らみがちです。しかし、加点法をとり、大きな目標の達成に必要な小さな目標を小刻みに立てて達成していけば、「今日はあれができた、これもできた」と1つひとつ努力を積み上げて成長を感じることができます。外務省専門職員は、専門性を持って働きながら生涯学び続けることができる、スケールが大きくやりがいのある仕事だと思います。私たちと一緒に挑戦したいと思ってくれる人が増えたらうれしいです。

中嶋 「自分で考える」というステップはとても大切だと感じます。TAC・Wセミナーには豊富な情報があり、どれも「やらなければいけないこと」のように思えるときもあります。でも、すべてを鵜呑みにするのではなく、自分の性格や勉強の特性に合ったものを選び取ってください。ひとりで突っ走りそうなときや、思いつめてしまいそうなときは、周囲の人とコミュニケーションを取りましょう。皆さんが自分らしく、外交官になる夢をつかめることを心から願っています。

[『TACNEWS』 2024年3月号|特集]