特集 学生時代からの資格取得チャレンジ ~令和4年度税理士試験合格者インタビュー~

氏
Profile

岩田 勇樹(いわた ゆうき)さん(写真左)

都内大手税理士法人勤務

岡山県出身/ 学習院大学経済学部卒業
受講コース:3年本科生、単科生(教室講座)
学習開始時の年齢:19歳

澤田 千冬(さわだ ちふゆ)さん(写真右)

都内大手税理士法人勤務

東京都出身/ 早稲田大学人間科学部卒業
受講コース:3年本科生(教室講座)
学習開始時の年齢:21歳

 令和5年度税理士試験より、税理士受験に必要な資格要件が緩和されました。これまで税理士試験を受けるには「大学3年次以上であること」などが求められていましたが、会計科目の簿記論と財務諸表論については誰でも受験できるようになり、今後は若年層の受験者数が増加するものと予想されます。そこで今回の特集では、旧制度中から受験勉強と学生生活を両立されていた合格者のおふたりにインタビューを実施。資格取得をめざしたきっかけや、10代・20代のうちに税理士の受験勉強を始めたメリット、士業としてスタートを切った今、感じていることなどを語っていただきました。

個人・法人問わず、あらゆる人に関わる「税」に興味

――学生時代から合格をめざして勉強を開始されたおふたりですが、税理士という仕事に関心を持ったのはいつ頃でしたか。

澤田 就職活動が始まった大学3年生の頃です。それまで、テレビ番組の影響で「弁護士や学校の先生ってすてきだな」などと思ったことはありましたが、心の底から魅力を感じる仕事はなかなか見つけることができずにいました。そこで大学入試でお世話になった恩師に相談したところ、「あなたは計算が得意で数字が好きだから、税理士はどう?」と薦められたのです。税理士が扱う「税金」は、個人・法人問わず誰もが支払わなければならないもの。幅広い仕事ができそうだと感じて挑戦してみることにしました。

岩田 私も、子どもの頃から野球をやっていたのでプロ野球選手への憧れはありましたが、澤田さんと同じように、はっきり「なりたい」と思える職業はありませんでした。税理士の仕事を知ったのは、大学1年生の冬、公認会計士・税理士の方のお話を聞く授業を受けたときのことでした。クライアント企業が赤字続きで困っていたところを、その税理士の方の知識や経験から回復に導いたというエピソードが強く印象に残りましたね。自分もお客様をサポートできる仕事をやってみたいと思い、税理士受験を決意しました。

――税理士受験にあたりTACを選んだ理由を教えてください。

澤田 大学の友人の多くが、TACの公務員講座に通っていたのです。恩師に相談して「税理士の勉強をしてみよう」と思った瞬間、「通うならTACだ」とパッと頭に浮かびました。自宅や大学から通うのに一番都合がよかったのがTAC新宿校だったので、窓口まで相談に行きましたがほとんど即決でしたね。特に他の受験指導校と比較はしていないのですが、3年間通ってみて、不満を感じたことはありません。

岩田 大学で簿記の授業があり、そこで使用していた教材がTACのものでした。理解しづらい場所にはイラストや補足説明があって、かつ内容もコンパクトにまとまっていたため、学習が進めやすいと感じました。他校のテキストを使う授業もありましたが、結局TACに軍配が上がりましたね。

「3年で5科目合格」をめざして学習スタート

――学生生活と受験勉強の両立について、工夫したことや意識していたことなどを教えてください。

澤田 私が勉強を始めたのは大学3年生の9月です。大学の単位はほとんど取り終えていた頃だったので、両立に苦労したというほどではなかったです。それでも、卒論ゼミの時間割が途中で変更になりTACの講義と重なってしまうなど、想定外の予定が入ることはありました。その際は、TACの講師に相談したり、Webフォロー動画を活用したりして乗り切りました。また、遊びの予定をすべてなくすのではなく、友人との交流も定期的に楽しむようにしていました。息抜きになるのはもちろん、勉強していることを友人に褒めてもらえるのでやる気も出てよかったです。

岩田 大学1年生の冬に受験を決意し、2年生の5月にTACでの受講を開始しました。基本的には大学とTACを往復する生活をしていましたね。受講料をまかなうために税理士法人などでアルバイトもしていましたが、大学とTACの勉強を生活の最優先事項に充てるように日々意識していました。また、最低限の友人づきあいは除き、遊びや娯楽は極力控えて暇さえあれば勉強するというスタンスで過ごしていました。といっても、受験に関しては野球にのめり込んでいた頃のように主体的に取り組めていたので、勉強することに苦痛を感じたことはなかったです。

――学習開始当初、合格までのプランをどのように考えていましたか。

澤田 3年間で5科目合格をめざす「3年本科生」は、合格すると5万円の祝賀金がもらえるという制度があったので、「カリキュラムに沿って3年間で合格できたらいいな」と考えていました。TACの受付の方の案内に従って、1年目は必須科目の会計科目である簿記論と財務諸表論(以下、簿財)の2科目合格をめざして勉強を始めたのですが、簿記の勉強はこのときが初めてだったので、「これは意外と手ごわいぞ」と感じましたね。結果的に、1年目は簿財、2年目は法人税法、3年目は相続税法と消費税法に合格し、目標どおり3年間で5科目合格を果たすことができました。

岩田 私も「3年本科生」を受講して3年間で5科目に合格するプランを思い描いていました。1年目は簿財、2年目は法人税法と消費税法、3年目は相続税法を受験して、どの科目も一発合格で受験を終わらせようと考えていたのです。ところが1年目は簿財ともに不合格。最終的に、2年目は簿記論と法人税法、3年目は財務諸表論、4年目は相続税法と消費税法に合格することができました。当初のプランとは違ってしまいましたが、官報合格ができて本当によかったです。

コロナ禍でもTACに相談しながら学習を継続できた

――税法3科目はどのように選びましたか。税法科目を受けるタイミングをどう決めたかも教えてください。

澤田 法人税法と消費税法の2科目は、税理士として働く上で、どの税理士法人でも求められる科目であると聞いたので選びました。相続税法については、超高齢社会となった日本において相続の案件がなくなることはないと考えたため、将来個人的にも知っていて損はないと考えました。2年目に最初の税法科目として法人税法を選んだのは、当時アルバイトをしていた会計事務所の先輩も受験当時、簿財に合格したあと法人税法に挑戦したと聞いたからです。ひと回り年上の先輩ですが、受験や業務のことをたくさん教えて下さり助けられました。

岩田 企業に携わる仕事を希望していたので、法人税法は必ず受験しようと思っていました。また、法人・個人を問わず、実務上必須の知識である消費税法、加えて近年の日本の少子高齢化により相続のニーズは高まっていると考えていたので、相続税法の受験を決めました。私は受験1年目に科目合格することができなかったのですが、2年目はTACの講師に相談して、在学中のうちに簿記論と一緒にボリュームがある法人税法を受験しました。財務諸表論は3年目に再チャレンジしたので1年間ブランクができてしまいましたが、すぐに勉強のペースを取り戻すことができました。

――教材の使い方や暗記の工夫、インプットとアウトプットのバランス、苦労した点など、学習方法について教えてください。

澤田 計算は、講師の指示に従って『トレーニング(問題集)』や総合問題を繰り返し解き直すようにしていました。また、直前期であっても必ずインプットの時間としてテキストやプリントを見直す時間を取りました。理論に関しては、特に年明けから苦しい時間が始まりますが、「覚えては忘れる」の繰り返しで大丈夫でした。インプットだけでテストに挑むと真っ白な解答用紙に書き出すのが難しいので、一度はアウトプットとして実際に書くことが大事だと思います。コロナ禍のため自宅で勉強していた時期は、環境の変化に対応するのに苦労しましたね。私の場合、Web講義だと頭に入りづらく感じましたし、添削してもらうために答案を郵送するのも手間に感じて、だらけてしまいました。ですから、教室講義が再開されてホッとしたのを覚えています。

岩田 私の場合は、1年目の簿財不合格を受けて2年目から勉強方法を見直しました。初年度は、日商簿記検定3級・2級に合格しているというアドバンテージがあったので、振り返ってみると受験に関して少し甘く見ていた部分がありました。その日の気分で勉強していたので、学習量にムラがあったのも敗因のひとつだったと思います。そこで、「1日」「1週間」「1ヵ月」単位で勉強計画を立てて1日ごとの目標を極力達成し、どうしても無理な場合は週や月単位で調整するようにしました。講義では例題を解くこともありますが、基本的にはインプット重視で内容とポイントを掴むことを意識して講義を聞いていました。また、講義を受けたあとはなるべく早く『トレーニング』でアウトプットを図り、最初は解答を見ながらでもよいのでとにかく手を動かすようにしていました。暗記に関しては年々改良を重ねて、最終的には聴覚を使って覚える方法が私には合っていました。インプットとアウトプットの比率は3:7くらいの比率だったと思います。

受験後から合格発表まで、サポート制度にも助けられた

――得意科目と苦手科目について、なぜそう感じたかやどのように勉強するとスムーズだったかをお聞きしたいです。

澤田 得意だったのは計算全般です。基礎部分でしっかり解き方や公式を身につけておくと、直前期が楽です。簿記論の苦手な個別問題を繰り返し解き直し、あるとき急に得意分野になったという思い出もありますね。一方、税法の理論は苦しみました。分量が多い上にほぼ丸暗記する必要があったので覚えきれないこともありましたが、電車移動では必ず『理論マスター(基礎理論集)』を開いてぶつぶつ唱える癖をつけたり、直前期に理論を回すために試験日から1ヵ月ほど遡って毎日の計画を立てて実行したりしたのは効果的だったと思います。

岩田 得意だったのは法人税法でした。法人税法はボリュームこそ多いですが、まったく歯が立たないという内容は少なく、時間をかけて復習をすれば理解できたからです。苦手科目は消費税法でした。消費税法は講義回数が少ない分、毎回のボリュームが多くて受験の直前まで不安が大きかった記憶があります。年明けの応用期にもっと計算の比重を増やしておけばよかったと思います。

――8月の本試験を受けたあと、12月の合格発表まではどのように過ごしましたか。

澤田 毎回、試験直後にTAC講師へ相談できる『個別学習相談会』にはできるだけ参加し、合格の可能性とこれからの受験プランについて相談しました。1、2年目とも「確実に合格しているとは言えないものの、次にめざす科目の勉強に進んでおこう」と助言をいただいたので、不安になる瞬間は多々ありましたがその通りに気持ちを切り替えて進みました。実は3年目は都合がつかずに相談会には出席できなかったのですが、講義後の時間に講師の方に報告も兼ねて相談しに行ったところ、「ここができているのであれば大丈夫だと思うよ」と回答をいただいたので、アルバイト先の会計事務所で少し働きながら落ち着いた生活を心がけ、結果を待ちました。

岩田 本試験のあとはTACの『解答速報』を基に自己採点を行い、その後にTACから公表される『税理士試験後の受験プランニング』と自己採点の結果を照らし合わせて、翌年のプランを決めていました。一応どの科目も合格の可能性があったため、何があってもいいように次の科目を必死に勉強していました。官報合格の年は、試験が終わった翌日から漢字検定(漢検)2級の勉強をしていましたね。合格していればすぐに就職活動が始まるので、もう1つ、履歴書に書けるような資格を増やしておきたかったのです。漢検は11月に試験があるので、税理士の受験後から合格までのほとんどの時間はこれまで学んだ税法科目の軽い復習と漢検の対策に充てました。

――「合格につながった」と感じるルーティンやルールはありますか。

澤田 試験1、2ヵ月前から具体的かつ無理のない計画を立て、1日の勉強の順番と時間配分を決めていたことです。例えば、やる気になれない朝や眠くなりがちな昼過ぎの時間帯には計算の総合問題をやり、頭がスッキリしている時間帯には理論やテキストの復習をやるといった感じです。また、「講師に言われたことはやる」というのは自分のルールにしていました。時間の兼ね合いで、すべてその通りにやり切るのが難しいこともありましたが、極力近づけるようにしました。目に見えてやった量がわかるように記録をするとモチベーションが上がりましたね。

岩田 私も、体調不良等どうしてもできないときを除いては「自分で決めた計画を必ずやり遂げること」を自分に課していました。それから、TACのすべてのカリキュラムが終わったあとのルーティンを決めておかないと時間を無駄にしてしまうので、そこは気をつけていましたね。また、答案練習や模擬試験はすべて教室で受けるようにしていました。

時間がある学生時代からスタートすれば合格がより近づく

――学生時代から税理士受験をスタートさせると、どのようなメリットがあると感じますか。

澤田 日々の学習習慣ができている学生時代のうちに試験勉強を始めたほうが、効率よく、早く合格できると思います。税理士業界の繁忙期である1月以降は試験勉強にも力を入れるべき時期なので、仕事と勉強の両方を100%の力で並行していくのは自分には難しかったと思いますし、業務に集中できる環境を早めに整えられる点はメリットだと感じています。

岩田 比較的時間の融通が利きやすい大学生のうちに受験を始めたことで、1科目も合格できない年があっても気持ちを切り替えやすかったり、ボリュームのある法人税法を先に勉強できたりと、柔軟な対応ができたと思います。
 令和5年度税理士試験からは、会計科目の簿財2科目は誰でも受験できるようになりました。「受けたい」と思ったらすぐ始められるようになったのはとてもいいと思います。税理士業界は若い人材がまだまだ少ないので、早いうちに受験を終えることができれば将来の選択肢も広がります。「税理士試験は合格までに何年もかかる」と言われがちですが、学生時代から1科目でも2科目でもチャレンジし始めることで5科目合格もしやすくなりますので、その利点を活かしてほしいと思います。

――官報合格された瞬間、どんな気持ちでしたか。 

澤田 朝の8時半頃にインターネット上で発表されると聞いていたので、その少し前からスマートフォンを握りしめて待機していました。緊張で手が震え、呼吸も荒かったのを覚えています。大学入試の合格発表のときは受験番号だけの発表だったので、官報合格者一覧の中に自分の名前を見つけたときは想像していた以上にうれしかったですね。いつもは淡々としているタイプの母も飛びついてきて、ふたりで抱き合って喜び、仕事に向かっていた父にもすぐに電話をして伝えました。ただ、合格発表の数日後にはTACプロフェッションバンクの合同説明会で企業の面接が控えていたので、翌日から急いでリクルートスーツを買いに行ったり、履歴書の準備をしたりと慌ただしく過ごしました。姉もお祝いに駆けつけてくれたのですが、合格した喜びと、就職活動がすぐ始まる焦りがないまぜになって、幸せだけれど少し複雑な気分でした。

岩田 発表当日は友だちと会う約束をしていて、合格だったら祝賀会を、不合格だったら慰労会をしてくれることになっていました。私も自分の名前を見つけた時は気持ちが高ぶって、思わず大きな声で叫んでしまいましたね。自分からやりたくて勉強していたとはいえ、大変は大変だったので「もう試験勉強をしなくていいんだ」という安堵の気持ちと、澤田さんもおっしゃっていたように「自分のフルネームが官報に掲載されている」ということに誇らしい気持ちでいっぱいになりました。

――税理士資格の取得前と取得後で一番変わったところは何ですか。

澤田 税理士登録はまだですが、有資格者として税理士としての意識を持つようになりました。これから2年間の実務経験を経て、胸を張って税理士と名乗れるようにしたいと思います。また、就職活動をして感じたのは、5科目合格していると高い評価を受けられ、自分の働きたいと思える場所で働きやすいということです。私は国際的な業務がしたいと思っていて、最大手に就職したいと考えていたのですが、希望通りのところから合格後1週間ほどで内定をいただけました。試験合格までの道のりは簡単ではなかったですが、がんばってきてよかったなと思います。

岩田 私も周りからお褒めの言葉をいただく機会が増えました。それだけ税理士資格が社会的に価値あるものだと思いますし、その価値に見合う税理士になりたいです。自分自身も資格の取得前と後では人間的に少し成長できたような気がします。就職先に関しても、澤田さんと同様、規模の大きい組織に所属して海外とのやりとりも経験したいと思っていましたので、 それが叶う環境に飛び込むことができ、うれしいです。

――おふたりとも2023年4月からそれぞれ社会人としてのキャリアがスタートしましたが、同じタイミングで入社した中で5科目合格の方はいらっしゃいましたか。働き始めての感想も教えてください。

澤田 配属された部署には同期が11人いるのですが、5科目合格は私を含めて2名でした。これから試験勉強を始める人や、今まさに勉強中だという人が多く、うらやましいと言ってもらえて恐縮します。まだ本格的な業務は始まっていないのですが、クライアントの業界についての知識も深めながら、税務業務の経験を広く積んでいけたらと思っています。「この人だから信頼して任せよう」と思ってもらえる税理士をめざしていきたいです。また、多種多様な才能を持った人々が集まるおもしろい環境なので、いい刺激を受けてワクワクしながら成長していきたいです。

岩田 部署内には同期が約30名いますが、私も、5科目合格は自分ともうひとりのみでした。まだ研修などを受けている段階なのですが、1日が終わるとぐったり疲れている状態です。受験中の同期は、朝5時に起きて勉強してから出社したり、満員電車の中でも理論を読んでいたりして、頭が下がります。私はありがたいことに業務に集中できる状態で入社することができたので、少しでも早くクライアントをサポートできるようになりたいです。これから来るであろう税理士としての本格的な業務が非常に楽しみです。

若い世代が挑戦しやすい試験になった今がチャンス

――TAC講師との忘れられないエピソードはありますか。

澤田 TACの講師陣は、どなたも講師側からアドバイスを積極的にしてくれるように思います。私が個別に質問をしに行った次の回の講義で追加のアドバイスをくれたり、時間をとって親身に理論暗記の相談に乗ってくれたりしたことがとても印象に残っています。特に最後の1年は、消費税法の大宮裕司講師と、相続税法の阿部史生講師のおふたりにお世話になりました。受験生活の中で理論を2科目同時に勉強するというのが初めてで、間に合うのだろうかと心配でたまらなかったのですが、「削るところは削りつつ、これだけは押さえておこう」と具体的にアドバイスをいただけました。また、勉強以外でも日々の不安を吐き出すと、温かく受け止めてもらえて安心しました。

岩田 結果にかかわらず、私にご指導下さったすべての講師に感謝していますが、その中でも澤田さんと同じく相続税法の阿部講師には大変お世話になりました。阿部講師は受講生たちの名前を覚えて呼びかけてくださるので、それがうれしかったですね。私は相続税法を2回目の受験で合格したのですが、その直前期の「質問電話」で阿部講師から「去年とは直前期の答案練習の出来栄えがまったく違うので、リラックスして臨めば大丈夫!」という励ましの言葉をいただきました。その言葉にとても勇気づけられ、落ち着いて本番を迎えることができました。本当に感謝しています。

――TACのいち押しポイントや活用の仕方を教えてください。

澤田 長年の知見を集結したテキストと問題のレベルが素晴らしいです。通学講座と通信講座、どちらを選んでもサポート体制が整っているところも魅力的です。私は通学をするほうが合っていたのですが、自分が一番いいと思う方法を見つけて活用してほしいなと思います。

岩田 TACの教材は非常に分かりやすいですし、講師の方々の指導も的確で、フォロー制度なども充実していますので、やる気さえあれば最高の環境で資格取得に励むことができると思います。私は通学講座で学習していましたが、移動時間をなるべく勉強に充てたいと思ったので、Webフォローを利用して講義はWebで受講し、答案練習などのテストのときは新宿校や池袋校を利用して受けるようにしていました。状況に合わせたハイブリット型学習が可能なので、安心して効率よく学習が進められると感じます。

――現在学習中の方や、これから資格取得に向け学習を始めようとしている方に向けてのメッセージをお願いします。

澤田 学生のうちから資格の勉強を始めることは、キャリア形成に非常に役立ちますので、ぜひチャレンジして、諦めず最後までやり切ってほしいと思います。最後の1秒まで無駄にせず、合格すると信じて試験に臨んでください。

岩田 私の受験当時は学識による受験資格でしか受験要件を満たせなかったため、大学3年次まで受験できず、さらに不合格となった年もあったことから最終合格が大学卒業後までかかってしまいました。令和5年度試験からの受験資格要件緩和によって、大学在学中に税理士資格を得られる可能性は大きく高まり、学生のみなさんにとっては大きなアドバンテージになったと思います。楽な試験ではないことに変わりありませんが、決して挑んで損はない資格ですので、ひとりでも税理士になりたいと思って下さる方がいれば幸いです。そして、いつか同じ業界で働けることを楽しみにしています。一緒にがんばりましょう!

[『TACNEWS』 2023年8月号|特集]