チャンネル登録50万人超のYouTuberが期間限定放送! 特別公開『ラジオ確定申告 from オタク会計士チャンネル』

ラジオ関西で1月から始まった3月末までの期間限定番組『ラジオ確定申告 from オタク会計士チャンネル(パーソナリティー:山田真哉)』。第1回放送の一部を特別に再現します。

ラジオ確定申告 from オタク会計士チャンネル

2023年1月29日放送分 第1回
「税理士が本音で語る番組スタート!確定申告のキホンを知ろう!」


山田真哉

オープニング

 ラジオ確定申告 fromオタク会計士チャンネル。
 おはようございます、公認会計士・税理士の山田真哉です。
 さて、この番組は『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者でもある、チャンネル登録者数50万人超えの会計士YouTuberが、初心者向けに確定申告の得する情報や、ややこしい部分を解説する、確定申告特化型番組でございます。
 というわけで、いきなり始まった「ラジオ確定申告」なんですけども、この番組、もう終わります(笑)。
 えーっと、言い方ちょっとまずいんですけど、3月末までの期間限定番組として、毎回、テーマを決めて確定申告のお話をさせていただこうと思っております。
 ですので短い間ですが、お付き合いいただけますと大変嬉しいです。ちなみに今回は、「確定申告のおさらい」というテーマでお話しさせていただきます。


山田真哉

なぜ確定申告番組を立ち上げたのか?

 確定申告って、税務署とかのセミナーとかありますけど、皆さんの中でちゃんと習ってる方って、すごい少ないんですよね。もちろん、義務教育でも教わらないですしね。なので、非常に自己流の方が多いと。
 で、私もう税理士を10年以上やっていますが、一般の方の確定申告を見る機会もあるんですけど、9割がたどこか間違っているんですよね。
 こんなこと言うと、いやいや、そんなわけないと。毎回ちゃんと税務署に提出して、受理されていると、だから間違っているわけない、っていう方もいらっしゃると思いますが、税務署が受理するのは当たり前なんですよ。

 じゃあ、税務署がちゃんと全員分チェックしているかというと、そんなことはないです。
 当然ね、短期間で2000万人以上の方が確定申告するわけなんで、ひとつひとつチェックできないっすよね。で、多少のミスならね、税務署側は気づいてもスルーするわけですし。たとえね、間違いが見つかったとしても、税務署が、全部が全部直すわけではないですし。ぶっちゃけですね、「納税者不利」といって、納税者側が損している場合とか、税務署がわざわざ親切心で教えてあげるかっていうと、うーん、それは結構少ないんじゃないかな、っていう風に現場の人間としては思っています。
 で、もうちょっとね、意地悪なケースですと、例えば結構大きな間違いがありますと。じゃあ、それを税務署が気づいたとして、すぐね、納税者に伝えるかというと、そんなこともなくて。3年間泳がせて、その後で税務調査ですよって言って、過去3年分チェックして、3年分の追徴課税を一気に取る、といったこともあったりします。

 というわけで、この番組では既に確定申告をやっている方も、もう1回1からちゃんと学び直しませんかと。で、これから確定申告する方にとっては、あ、こういう世界なんだというのを知ってもらうために、この番組を立ち上げております。
 そして、既にお気づきかもしれませんが、この番組、国とか税務署とか、あと税理士会とかからお金をもらってやってるわけではございません。ですので、私、山田真哉が自由に話をさしていただこうかなと思っております。ですので、「ある税理士の本音だだ漏れの番組」だと、ご理解いただけると助かります。

(中略)

 会計士受験を頑張って、会計士に受かって、その後、『女子大生会計士の事件簿』という小説とか、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』という本が大ベストセラーになったおかげで、多少メディアにも出るようになったんですが、そこから本も売れなくなって、メディアからも呼ばれなくなって、どうしようかなっていう時に、YouTubeの方を始めまして、で、そのYouTubeがおかげさまで当たりまして。チャンネル登録者数も今55万人ということで、そのおかげでこうしてラジオをさせていただくことになりました。
 というわけで、「ラジオ確定申告」第1回目スタートです。


山田真哉

確定申告のはじまり

 では早速、今回のテーマにまいりましょう。第1回は「確定申告のおさらい」です。
 今回は初回ですので、全体像をお話しします。
 ですから、会社員の方も個人事業主の方も、年金生活者の方もすべての方が対象のお話になります。ですので途中、会社員だけの方の話とかも入りますが、その点ご容赦ください。
 というわけで、確定申告をなぜするかっていうと、それは「納税の義務」っていうのがあるからですよね。で、納税の義務自体は、明治憲法からずっとあったんですが、それまではお上とか国が税金の額を決めていたんですね。でも戦後、民主化される際に、それって民主的じゃないよねと。民主主義を入れるんだったら、税金の額も自分で計算して税額を確定させて申告させた方がいいんじゃないか、という話が出てきます。このですね、「税金の額を“確定”させて“申告”する」から、確定申告というふうに呼ぶわけです。
 ちなみにオープニングで、『税務署はすべての確定申告をチェックしているわけではない。納税者が仮に損をしていても、特に言ってくれない』っていう話をしましたが、それは、あくまでも確定申告というのは、自主的に申告する制度ですから、それはもう本人の責任なわけですね。
 で、基本的には性善説、提出されたものは正しいという前提で、税務署は受け取っているわけです。というわけで、皆さんご自身で1月から12月までの収入とか、経費を集計して計算してくださいね、これが確定申告の作業です。


山田真哉

年末調整のはじまり

 ですので、確定申告は本来、全国民がやらなければいけないんですが、戦後、税務署員の数も全然足りなかった関係で、全国民が確定申告をしてしまうと、税務署がパンクしてしまう。これはなんとかしなきゃいけないっていうことで、会社員については、もう会社の方で確定申告をしなさいと。それが、今、会社の方でやっている「年末調整」といわれるものです。
 つまり確定申告は、1月から12月の収入を計算する関係で、最後の12月に税金の額を調整するから、「年末調整」というふうに呼んでいるわけです。なので、会社の年末調整というのは、「確定申告の簡易版」だと思ってください。
 そのため、年末調整でフォローできなかった部分は、改めて確定申告をする必要があるわけです。代表的なものが、医療費控除とか、寄附金控除とかですね。で、皆さんが今からするのが所得税の確定申告になります。


山田真哉

確定申告から住民税までの流れ

 所得税は、去年の1月分から12月分まで集計して、それを今年の3月15日までに出す、というのがルールです。で、皆さんの所得に応じて、5パーセントから45パーセントの所得税率がかかります。
 確定申告は皆さんが税務署で行うわけなんですが、その税金のデータは、皆様がお住まいの市区町村に伝達されます。で、それぞれの市区町村が4月とか5月にその税金データをもらって、住民税を計算するんですね。
 そして、大体今年の6月ぐらいに住民税の通知が来て、今年6月から来年5月分までの住民税を払うことになります。

 会社員の方は、6月のお給料から、住民税の引かれる額が変わってくると思います。住民税は、大体どこも所得の10パーセントの税金がかかります。
 「住民税は1年遅れるよ」って話、聞いたことありますかね?
 要は、所得税の確定申告が終わった後で計算されるから、どうしてもそのタイムラグの関係で、住民税っていうのは1年遅れでやってくる。今2023年ですから、2022年の所得の額に応じて、2023年の住民税の額が決まるという仕組みなんです。
 だからよく去年末で会社を退職しました、といった人は、今年になって住民税がドカッと来るみたいなことが発生するわけです。

 といったところで、いったんCMです――。

以上、第1回放送の前半部分でした。ラジオの続きは、Apple、Spotify、Google、 Amazon Musicなど主要ポッドキャストで聴くことができます。


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[『TACNEWS』2023年4月号|連載│特別公開『ラジオ確定申告 from オタク会計士チャンネル]

著者プロフィール

山田真哉(やまだしんや)

公認会計士・税理士。TAC梅田校出身。中央青山監査法人(当時)を経て、現在、芸能文化税理士法人会長。株式会社ブシロード等の社外監査役。著書に『女子大生会計士の事件簿』シリーズ、『世界一やさしい会計の本です』『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』等。

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