読めばモチベーションUP?ビジネスや会計の気になる「あの本」を紹介 萌さんとカッキーの読書室 #9

仕事と資格マガジン『TACNEWS』から生まれた会計小説『女子大生会計士の事件簿』のメインキャラクター、公認会計士・藤原萌実(萌さん)と新人スタッフ・柿本一麻(カッキー)のふたりが、気になる本について激論を交わす…?!ゆったり、まったり、時に激しい、「楽しく、ためになる読書室」です。

会計探偵リョウ・ホームズ


『儲かる副業図鑑 在宅勤務のスキマに始める80のシゴト』

 著者  :山田真哉
 出版社 :小学館
 初版  :2020年

萌さん 今回は、副業の話よ。

カッキー ええ~……。

萌さん 何よ。不満そうね。

カッキー 言っちゃなんですが、いまは監査法人で働くっていう本業で手一杯なので、副業にまで興味を持てません。

萌さん それは考えが古いわよ、いや甘いわ、いや、やっぱり古いわ。

カッキー どっちなんですか!

萌さん しいて言うならば、両方よ。もう本業だけをがんばればいいっていう時代じゃないし、もっと言えば、本業だけじゃやっていけない時代ですらあるのよ。

カッキー 不況とか、そういうことですか?

萌さん そういう面もあるけど、人々の考え方が変わってきたのが一番大きいかな。

カッキー 副業に対する考え方がですか?

萌さん そう。昔はそもそも就業規則で副業禁止の会社が多かったけど、今は事情が違う。働き方改革の関係で、副業も解禁になってきたのよ。

カッキー ……おやっ、それっておかしくないですか? 働き方改革って働き過ぎを減らすのが目的ですよね。だったら、副業で働くとより忙しくなるんじゃ?

萌さん ふふっ、いいところに気付いたわね、カッキー。もともと働き方改革はこれから働く人が急激に減っていくからどうしよう、というのがスタートよ。1995年には15歳以上の労働力人口が8,000万人を超えていたのが、2060年には4,000万人に半減してしまうの。

カッキー 2060年というと超未来って感じがしますが、落ちついて考えれば40年後なんで、まだ僕ら生きてますよね。

萌さん だから今のうちに労働者を増やさないといけないんだけど、そのためには女性や高齢者も働きやすい環境をつくる必要があるの。

カッキー 確かに残業だらけの職場なんて、みんな働きたくないですもんね。そこで改革が必要だったんですね。

萌さん そう、“長時間労働の解消”とか“非正規と正社員の格差是正”とかね。そして、誰でも働きやすいように、「柔軟な」働き方を自分で「選択」できるようになるための改革が、働き方改革なわけよ。

カッキー あー、それで柔軟に自由に働けるように副業も解禁されたんですね。

萌さん 企業にとっては、従業員に働いてもらえる時間が減って損をするかもしれないけど、その分、副業として他社から働いてくれる人が増えるかもしれないしね。

カッキー 僕ら働く側にとってはどうなるんですか?

萌さん そう、そこよ。副業をしたほうが他のキャリアも形成できるし、収入も増える。そして、なんと言っても視野も広くなって社畜とかにはならなくなる。いいことずくめなのよ!

スキル系 (月収目安)
ウーバーイーツ 44,000円
YouTuber 50,000円
コンサルタント 150,000円
イラストレーター 50,000円
Webライター 45,000円
誰でも系
データ入力 50,000円
せどり 60,000円
アフィリエイト 30,000円
シェアビジネス 35,000円
ガテン系
引越しスタッフ 54,000円
清掃スタッフ 48,000円
警備員 48,000円
テッシュ配り 40,000円
ホビー系
ゲームテスター 48,000円
レビュアー 45,000円
覆面調査員 40,000円
イベントスタッフ 48,000円
技あり系
家事代行 60,000円
運転代行 48,000円
ベビーシッター 45,000円
審判員 30,000円

他全80種

(各ページより抜粋)

萌さん 全部で80の仕事が紹介されているんだけど、上にあるのはその抜粋よ。

カッキー 職業紹介本に収入が書いてあるんですか?

萌さん 「儲かる」って謳っているんだから、収入金額が書いてなかったら詐欺でしょ。

カッキー そうかもしれませんが、なんだか露骨ですね。

萌さん まあ、あくまでも目安の金額なんだけどね。各副業のこうした「収益性」のほかにも、「始めやすさ」「スキルアップ」「やりがい」「在宅ワーク度」が星形のグラフでわかるわよ。

カッキー 確かに、色んな情報が入ってますね。マッチョな絵柄の意味がわかりませんけど。

萌さん 在宅勤務やテレワーク、週休3日制などの導入によって、働き方や生活様式が急激に変化しているんだから、カッキーも本気で副業を考えたほうがいいんじゃない?

カッキー あのう、萌さん。僕に合った副業ってなんでしょうか……。

萌さん やりやすいのは、これじゃない? 「在宅経理業務アシスタント」―――時給1,500円×1日8時間×月5日の計算で「月60,000円」よ。あと、「コンサルタント」だったら、もっと時給は高くなるわよ。こういう時って、会計の資格は有利ねぇ。

カッキー 時給も興味ありますが、監査法人以外の世界を知ることができて、いい社会勉強になるかもしれませんね。

萌さん まあ、会計にしても法律にしても資格を持っていることは、副業選びでも強いわね。採用されやすいし、時給も高い。副業の時代こそ、資格が活躍できる時代なのかもね。

[『TACNEWS』2021年1月号│連載│萌さんとカッキーの読書室]

著者プロフィール

山田真哉(やまだしんや)

公認会計士・税理士。TAC梅田校出身。中央青山監査法人(当時)を経て、現在、芸能文化税理士法人会長。株式会社ブシロード等の社外監査役。著書に『女子大生会計士の事件簿』シリーズ、『世界一やさしい会計の本です』『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』等。

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