税理士ブログ(簿記論) TAC生必見!
遅れを取り戻す4月中の学習法

Profile

津布久 裕司 講師

TAC税理士講座 簿記論担当

 

税理士簿記論の今年度の合格を目指す皆さん。しかし、現在学習が遅れ気味で少し焦っている皆さん。そんな皆さんに向けて、4月からの残り4カ月で合格するために、5月からの直前期に入る前の1ヵ月間で何をすべきかについてアドバイスします。ぜひ参考にしてみてください。

■簿記論には完璧さは求められない

税理士「簿記論」という試験は、各種国家試験の中でも実質的な合格点が低い試験です。すなわち、他の国家試験ほど合格するために完璧さは要求されません。

このため、現在学習が遅れ気味であったとしても、残り4ヵ月の学習に対する心構えや学習方法を間違えなければ合格することが可能な試験です。まず、速修生、上級生問わず、4月の勉強における心構えと学習方法全般について示しておきます。



■ポジティブ思考~過去を振り返らない

学習が遅れている方の多くが、過去を振り返り「なぜもっとやっておかなかったのか」と考えがちです。過去を振り返っても過去に戻れるわけではありません。それよりも「この先どうすればよいか」を考えてください。

簿記論の学習は、ネガティブ思考を持ってはいけません。「あと4ヵ月しかない」「他人より学習が遅れている」ではなく「あと4ヵ月あればなんとかなる」「自分の学習は短期集中型だ」というポジティブ思考を持つことが大切です。受験する本人が合格できるか懐疑的になってしまっては、これからの学習に身が入らず、その結果合格することは難しくなります。



■講義の視聴よりもトレーニング等の問題を解くことを優先する

簿記論は、講義を視聴しただけでは、本試験問題は解けません。簿記論の試験は計算問題なので、「なぜそのような処理をするのか」ということを深く考えるのではなく、問題を解くことにより計算方法や仕訳を覚えることが大切です。

視聴していない講義については、4月中にできるだけ視聴することも必要ですが、その結果、トレーニング等の問題を解く時間が極端に減少するようであれば、視聴できていない分は直前期に回してもよいと考えましょう。



■4月中に学習に使える時間を洗い出す

使える時間量とは、まだ視聴していない講義の視聴時間を除いた実際に机の前に座って問題を解く時間です。使える時間量により、どこまで学習できるかが決まります。そこで、4月中に何時間学習時間が確保できるか、早急に洗い出してください。その際、本試験まで残り4ヵ月なので多少の無理があっても学習時間を削りだしてください(例えば朝1時間早起きしてその時間を学習時間に当てる等)。



■使える時間量により4月中の学習計画を立てる

4月中に使える学習時間を洗い出したら、その時間で解ける問題を選びます(詳細は以下に示します)。その上で、1週間単位で、各日にどの教材の問題を何問解くか、計画を立てます。

今日何を解くかを事前に決めておくと、学習に向かうモチベーションになり、かつ机に座ってから実際に問題を解き始めるまでの時間ロスも防ぐことができます。なお、計画通りにいかないこともあるので、その際は次の週で調整するようにして、全体として計画通りに学習が進むように心がけましょう。

ここで大切なことは、使える学習時間以上にトレーニング等の問題を抱え込まないことです。使える時間よりも多くの問題を抱え込んでしまうと、学習のやる気を削ぐ最大の要因になります。また、いくら学習しても自信につながらず、不安のみが膨れ上がってしまいます。上述したように簿記論は実質的な合格点が低い試験です。学習した内容のすべてが解けなければ合格できない試験ではありません。知らない問題、できない問題が一部出題されても合格できる試験であると考えてください。



■実力テスト・上級演習などカリキュラム上での演習回で解く以外に、週に最低1問は総合問題を解く

簿記論の合否は、第三問の総合問題の出来次第であることが多いです。現在学習が遅れ気味の方は、総合問題の練習が不足していると思います。総合問題は実際に自分で解かない限り解答力は向上しません。本格的な総合問題の練習は直前期で行いますが、その前の予備練習という位置づけで最低週1度は総合問題を解くことをお勧めします。



■速修コースを受講されている方

次に、速修コースの受講生向けに4月中に何を学習しておくべきか具体的に示しておきます。

 ■優先して勉強しておくべき個別論点

 ① 有価証券全般、有形固定資産全般
 本試験における頻出論点です。トレーニングの応用問題までできるだけ解くようにしましょう。
 ② 社債、退職給付会計、株主資本、ソフトウェア
 トレーニングの基礎問題までは解くようにしましょう。
 ③ その他
 確保できる時間に応じてできるだけ解くようにしましょう。

なお、トレーニングの問題に関しては、過去に解いた問題であれば、すべて解き直す必要はありません。出来が悪かった問題のみ解くようにした方が効率的であり、解く問題が減るので、その分解ける個別論点の範囲が広がります。 テキスト等に掲載されているすべての論点をこの1ヵ月間で網羅できないかもしれませんが、それでも構いません。網羅できなかった論点に関しては、「直前期に学習する」と考えましょう(これもポジティブ思考です)。



 ■総合問題

 No.2・No.3の実力テスト(No.3は第三問のみ)と補助問題の総合問題、計4問

速修コースの場合、すでに学習した総合問題は4月中に必ずあと1度解いておきましょう。
なお、今後のカリキュラム(No4-6)で提供するNo.4の補助問題は第6回または第7回の講義後に、No.4の実力テストは第8回の講義時にそれぞれ1度解いた後、直前期までさらにもう1度解いておきましょう。
また、No.3の実力テストをまだ受けていない場合は、時間を確保して、第一問から第三問まで2時間計って解いておきましょう。



■上級コースを受講されている方

次に、上級コースの受講生向けに4月中に何を勉強しておくべきか具体的に示しておきます。

 ■優先して勉強しておくべき個別論点

個別論点に関しては、速修コースの受講生向けに記載した内容と基本的に同じですが、上級コースのトレーニングの問題は速修コースに比べて難易度が高く、量も多いので、基礎問題を中心に解いてください。さらに、速修コースの受講生向けに記載した内容と同様に、過去に解いたことがある問題であれば、出来が悪かった問題のみを解くようにしましょう。

また、上級コースで新規に学習する論点よりも、完全合格や基礎マスターで学習する論点の方が大切です。よって、トレーニングの問題の中でも、完全合格や基礎マスターで学習する論点ができていない状況であれば、そちらの問題の練習を優先してください。そのために、上級コースで学習する論点まで手が回らない場合は、「直前期に学習する」と考えましょう(これもポジティブ思考です)。



 ■総合問題

すでに学習済みの上級演習の問題については、その中から現在の自分の実力に見合った総合問題を4問程度選んでもう1度解きましょう。

なお、まだ受けていない上級演習の問題があれば、時間を確保して、第一問から第三問まで2時間計って解きましょう。2時間で問題を解く経験を積むことが大切なので、4月中に消化できない場合、直前期に入った後でも構いませんので、上級演習はすべて解くようにしましょう。



■最後に

最後に、「他人がどれだけ勉強しているか」ではなく、「合格するために自分がこれから何をすべきか」だけ考えてください。競争試験ですが、学習量・内容を他人と比較しても意味がありません。4ヵ月でもしっかり学習すれば合格可能な試験が簿記論です。その可能性を自ら捨てないようにポジティブ思考でまずは4月を乗り切ってください!


blog_img08.png

「財務諸表論」TAC生必見! 遅れを取り戻す学習法はこちら

>「財務諸表論」を読む

直前期の学習効果を引き出す「チャレンジコース」
万全の本試験対策「直前対策講座」

チャレンジコース

2023年度より「簿記論」「財務諸表論」は誰でも受験可能に!

受験資格緩和

TAC税理士講座のLINEアカウントを友だち追加して 簿記論・財務諸表論の情報をチェック!

友だち追加

税理士への第一歩はココからスタート!

資料請求

この講座のパンフレットを無料でお届けいたします。

無料でお送りします!

無料講座説明会

まずは「知る」ことから始めましょう! 無料セミナーを毎月実施しています。

お気軽にご参加ください!

税理士のお申込み

申込み方法は4種類

申込み方法は4つ

TAC受付窓口/インターネット/郵送/大学生協等代理店よりお選びください。

申し込み方法をご紹介します!

インターネットから申込む

インターネットで
すぐに申込む

インターネットで、スムーズ・簡単に申し込みいただけます。

スムーズ・簡単!

電話やメールで、受講相談を受け付けています。

TACの受講相談で疑問や不安を解消して、資格取得の一歩を踏み出してみませんか?

>TAC受講相談