中小企業診断士 1次試験科目ガイド

中小企業診断士の試験科目は、一般的な企業の組織や業務内容と大変関わりが深い内容となります。第1次試験の科目は、「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・政策」の7科目あります。それぞれ見ていきましょう!

1.経済学・経済政策

概要

経済動向は企業行動を決定する基軸

マクロ経済学とミクロ経済学を中心に学習します。マクロ経済学は一国を単位とした経済活動(国民所得・投資・消費・貯蓄などの集計値)、ミクロ経済学は一企業や一個人の経済活動(企業の生産活動や家計の消費活動など)を分析するものです。これら経済環境の変化を把握し、企業活動に対する影響を検討することは、ビジネスにおける意思決定に必要な知識といえます。

出題範囲

国民経済計算の基本的概念/主要経済指標の読み方/財政政策と金融政策/国際収支と為替相場/主要経済理論/ 市場メカニズム/市場と組織の経済学/消費者行動と需要曲線/企業行動と供給曲線/産業組織と競争促進 等

  • 関連する資格

    公認会計士(経済学選択)・不動産鑑定士 証券アナリストなど

  • 2次試験との関連性

    ★☆☆

科目合格者の推移

試験実施年 18年 19年 20年
科目受験者数(人) 11,548 12,564 9,849
科目合格者数(人) 3,048 3,241 2,311
科目合格率(%) 26.4 25.8 23.5

2.財務・会計

概要

企業の経営分析に必須の知識

企業の財務状況等を把握し、その問題点を抽出する場合に、財務諸表等による経営分析は重要な手段となります。この財務諸表等から得られる数値(利益・資産・資金等の状況)を理解・分析するために必要な知識が財務・会計です。この科目は計算問題が多く、また2次試験の「事例Ⅳ(財務・会計)」に対応しており、応用力が求められることから、単なる暗記では対応が困難となります。

出題範囲

簿記の基礎/企業会計の基礎/原価計算/経営分析/利益と資金の管理/キャッシュフロー/資金調達と配当政策/ 投資決定/証券投資論/企業価値/デリバティブとリスク管理 等

  • 関連する資格

    公認会計士・税理士・日商簿記検定 証券アナリスト・ファイナンシャルプランナーなど

  • 2次試験との関連性

    ★★★

科目合格者の推移

試験実施年 18年 19年 20年
科目受験者数(人) 12,033 14,157 10,738
科目合格者数(人) 876 2,310 1,161
科目合格率(%) 7.3 16.3 10.8

3.企業経営理論

概要

企業経営・企業診断の基礎

この科目は、事業領域の決定に関する「経営戦略論」、経営資源の人に関連する「組織論」、消費者のアプローチに関連する「マーケティング論」を学習します。これらは、企業の経営に関する現状分析および問題解決、将来の事業計画策定に必要不可欠の知識といえます。また、2次試験の「事例Ⅰ(組織【人事を含む】)」と「事例Ⅱ(マーケティング・流通)」においても中心課題となる重要な科目と位置付けられています。

出題範囲

【経営戦略論】 経営計画・管理/企業戦略/成長戦略/経営資源戦略/競争戦略/技術経営/国際経営 等
【組織論】 経営組織の形態と構造/経営組織の運営/人的資源管理 等
【マーケティング論】 マーケティング計画と市場調査/消費者行動/製品計画/価格計画/流通チャネルと物流/プロモーション 等

  • 関連する資格

    公認会計士(経営学選択)・社会保険労務士 リテールマーケティング(販売士)検定など

  • 2次試験との関連性

    ★★★

科目合格者の推移

試験実施年 18年 19年 20年
科目受験者数(人) 13,037 15,026 11,462
科目合格者数(人) 927 1,625 2,226
科目合格率(%) 7.1 10.8 19.4

4.運営管理

概要

企業の現場に即した診断・助言に必須

この科目は、製造工程や品質管理等を中心とした「生産管理」と、店舗施設や立地、販売・流通等を中心とした「店舗・販売管理」を学習します。これらは、企業の現場に即した問題点の把握や課題解決方法の提示を行うために必要な知識となります。また、この科目は2次試験の「事例Ⅱ(マーケティング・流通)」と「事例Ⅲ(生産・技術)」に対応しています。

出題範囲

【生産管理】 生産管理概論/生産のプランニング/生産のオペレーション 等
【店舗・販売管理】 店舗・商業集積/商品仕入・販売(マーチャンダイジング)/商品補充・物流/流通情報システム 等

  • 関連する資格

    技術士(経営工学選択) リテールマーケティング(販売士)検定など

  • 2次試験との関連性

    ★★★

科目合格者の推移

試験実施年 18年 19年 20年
科目受験者数(人) 13,912 12,795 9,745
科目合格者数(人) 3,596 2,921 912
科目合格率(%) 25.8 22.8 9.4

5.経営法務

概要

ビジネス関連の法律知識を学習

創業から株式上場あるいは知的財産権の活用など、企業経営は様々な法律の枠組みの中で行われています。その経営にまつわるビジネス関連の法律を中心に、諸制度、手続等に関する実務的な知識を学習するのが経営法務です。コンプライアンス(遵法)経営が求められ、企業のリスク管理の重要性が高まる中、中小企業診断士にとっても法務知識は不可欠といえます。

出題範囲

事業開始、会社設立及び倒産等に関する知識/知的財産権に関する知識/取引関係に関する法務知識/企業活動に関する法律知識 /資本市場へのアクセスと手続 等

  • 関連する資格

    弁護士・公認会計士(民法選択)・司法書士 行政書士・弁理士・ビジネス実務法務検定®など

  • 2次試験との関連性

    ★☆☆

科目合格者の推移

試験実施年 18年 19年 20年
科目受験者数(人) 13,854 15,075 11,568
科目合格者数(人) 713 1,530 1,390
科目合格率(%) 5.1 10.1 12.0

6.経営情報システム

概要

社内の情報・ネットワークの管理に不可欠

この科目の対象領域は、大きく二つに分かれています。一つがIT、いわゆる情報技術に関する領域、そしてもう一つが企業における情報システムに関する領域です。ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど技術的な知識とシステム構築の基礎を学習します。

出題範囲

【情報通信技術に関する基礎的知識】 情報処理の基礎技術/データベースとファイル/通信ネットワーク/システム性能 等
【経営情報管理】 経営戦略と情報システム/情報システムの開発/情報システムの運用管理/情報システムの評価/外部情報システム資源の活用/情報システムと意思決定 等

  • 関連する資格

    情報処理技術者試験(基本情報技術者・応用情報技術者・高度試験区分)・技術士(情報工学選択)など

  • 2次試験との関連性

    ★★☆

科目合格者の推移

試験実施年 18年 19年 20年
科目受験者数(人) 11,498 12,285 9,985
科目合格者数(人) 2,628 3,271 2,868
科目合格率(%) 22.9 26.6 28.7

7.中小企業経営・政策

概要

中小企業の実態や国の施策を知る

この科目は、企業に対して的確なコンサルティングを行うための知識を身に付けることを目的としています。「中小企業経営」は、中小企業の経営特性や経営課題、中小企業の実態を理解する科目であり「中小企業白書」からの出題が大半を占めます。「中小企業政策」は、国や地方自治体が講じている各種の施策について学習します。

出題範囲

【中小企業経営】 経済・産業における中小企業の役割、位置づけ/中小企業の経営特性と経営課題 等
【中小企業政策】 中小企業に関する法規と政策/中小企業政策の役割と変遷 等

  • 関連する資格

    特になし

  • 2次試験との関連性

    ★☆☆

科目合格者の推移

試験実施年 18年 19年 20年
科目受験者数(人) 13,449 13,229 11,614
科目合格者数(人) 3,090 737 1,905
科目合格率(%) 23.0 5.6 16.4

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