3分で読めるコラム試験本番で力を出し切るためのメンタルマネジメント
~直前期は「増やす」より「整える」~

質問の意図を捉えて的確に答える~「結論ファースト」だけに縛られず、質問に向き合う~

今回は、試験直前のメンタルマネジメントについて。
面接が近づくと、不安からあれこれ追加で準備をしたくなるかもしれません。しかし、直前期で重要なのは「増やす」よりも「整える」です。「整える」に必要なポイントを押さえましょう。


経験者採用試験も、いよいよ本番が近づいてきました。

ここまで来ると、

「この質問も準備した方がいいのではないか」
「もっと別のエピソードが必要なのではないか」
「模擬面接で指摘されたところを、全部直した方がいいのではないか」

など、不安から準備を増やしたくなることがあります。

しかし、試験直前に大切なのは、材料を「増やす」ことではありません。

これまで準備してきたことを、本番で落ち着いて使える状態に「整える」ことです。

1.想定質問を用意しすぎない


面接で出る質問を完全に予測することはできません。

想定質問を考えること自体は有効ですが、直前期になって何十問も追加し、それぞれに「正しい答え」を用意し始めると、かえって本番で動けなくなることがあります。

面接官は、用意した回答を正確に再生できるかを見ているわけではありません。

質問を聞き、その意図を考え、自分自身の経験や考えを、自分の言葉で伝えられるか。

まずは、


  • なぜこの自治体・官庁なのか
  • これまでどのような仕事をしてきたのか
  • その中で何を考え、どう行動したのか
  • その経験を採用後にどう活かしたいのか


といった、自分の「柱」を確認しておきましょう。


そこが整理できていれば、多少違う角度から質問されても対応できます。

2.他人のレビューは「正解」ではなく「材料」


模擬面接や添削では、さまざまな指摘を受けます。

もちろん、第三者からの指摘は重要です。

一方で、指摘されたことをすべてそのまま受け入れ、エピソードや回答を次々に作り替える必要はありません。

例えば、

「もう少し具体的なエピソードはありませんか」
「あなた自身の役割がもう少し見えるとよいです」
「その説明では意図が伝わりにくいです」


と言われた場合も、

「この経験は使えない」

とすぐに判断するのではなく、

なぜ、そのように受け取られたのか

を考えてみましょう。


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自分の役割が十分に説明できていなかったのかもしれません。

仕事の前提を説明しなかったため、相手に状況が伝わらなかったのかもしれません。

あるいは、言葉の選び方によって、自分が意図したことと違う意味に聞こえたのかもしれません。

レビューは、それだけで自分の経験や回答の良し悪しを決めるものではありません。

相手にどう伝わったかを確認するための材料の一つとして使いましょう。



3.最後は「やってきたこと」を繰り返す


本番直前になったら、新しいことを増やすより、これまで準備してきた内容を繰り返してください。

面接カードを読む。

志望動機を自分の言葉で話してみる。

職務経験について、状況・自分の役割・行動・結果を確認する。

自治体や官庁について、自分が特に関心を持った施策を数点だけ確認する。

それで十分です。

直前期になって資料を大量に読み始めても、すべてを本番で使えるわけではありません。
むしろ、消化不良のまま当日を迎え、これまで積み重ねてきた力を発揮できない方がもったいないです。

「知らないことをなくす」のではなく、

自分が持っている材料を「整え」、使えるよう状態にする。

その方が、本番での安定感につながります。

4.そして、さっさと寝る


これは意外に重要です。

睡眠時間を削って想定問答を増やしても、本番で頭が回らなければ意味がありません。

志望動機を自分の言葉で話してみる。

職務経験について、状況・自分の役割・行動・結果を確認する。

面接では、相手の話を聞き、その場で考え、言葉を返す必要があります。

そのためには、知識以上に、頭と身体が動く状態で会場に行くことが大切です。

前日は早めに準備を終える。

持ち物を確認する。

会場までの経路を確認する。

そして、寝る。

試験当日は、ここまでやってきた自分を信じて、目の前の質問に集中してください。

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5.終わったら、いったん休む


試験が終わると、

「あの回答でよかっただろうか」
「別の言い方をすればよかった」
「あの面接官の反応は何だったのだろう」


と、振り返りたくなります。

振り返りそのものは悪くありません。

ただし、結果が出るまで考え続けても、結果を変えることはできません。

そのためには、知識以上に、頭と身体が動く状態で会場に行くことが大切です。

当日はまず、
「よくやった!!」と自分に言ってあげてください。

甘いものでも食べて、ゆっくり休みましょう。

結果が出るまでは、少し試験から離れても構いません。

それでも不安になったら、誰かに話してみてください。

もちろん、講師に相談してもらっても構いません。

ただ、試験が終わったその日くらいは、結果のことを考えずに休んでください。

ここまで準備してきたことを、本番で出せれば十分です。

最後に必要なのは、新しい知識や新しい想定質問ではありません。

これまで積み上げてきたものを整え、自分の言葉で、落ち着いて相手に伝えること。

それが、本番で力を出し切るための一番の準備だと思います。


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加藤 雅史(かとう まさし)講師

国家から政令市への転職経験あり

国家公務員として、予算経理、団体指導、金融政策等、幅広い業務に従事。その後、社会人経験者として政令市へ転職。施設管理や福祉、不動産管理等に従事しながら、マネジメントも行う。その傍ら、公共政策を学ぶため大学院を修了。あわせて、カウンセラー資格を取得し、人材育成やメンタルケアを学ぶ。 国家・政令市での経験と、公共政策を学んだまさに公務員のエキスパート。