行きたい会社・欲しい人財 第4回 野村不動産アーバンネット株式会社

Profile

栄 信行氏

野村不動産アーバンネット株式会社
執行役員 人事部担当

1989年、新卒で野村不動産株式会社に入社。入社以来、仲介の営業に携り、ホールディングス体制に伴い、野村不動産アーバンネットに。流通事業本部の東陽町営業部長、資産コンサルティング部長、第二営業統括部長を経て、2017年4月、執行役員 流通事業本部 第二営業統括部長嘱託。2018年4月より執行役員 人事部担当。

野村不動産アーバンネットは、野村不動産グループの住宅流通事業、投資用・事業用不動産流通事業、新築受託販売事業等、不動産サービス・コンサルティング分野でソリューションを提供する不動産仲介会社だ。提供するサービスとコンサルティングにおいて、人材こそ最も重要な経営資源であり、社員の成長が会社を発展させる原動力であるとして、社員一人ひとりの能力開発のために様々な人材育成・研修プログラムを用意している。執行役員・人事部担当の栄信行氏に、人材採用と人材観、資格の重要性、社内制度についてうかがった。

宅建士資格はなければならないマスト資格。全社員の9割以上が保有しています。
お客様から満足してもらえる社員こそが優秀

──野村不動産アーバンネットをご紹介ください。

 野村不動産アーバンネットは、1957年創業の野村不動産が2001年のホールディングス体制へ移行するに際して誕生しました。「サービス・コンサルティングを通じて、お客様に信頼され、長く喜んでいただく」という企業理念のもと、住み替えをサポートする住宅流通事業、個人投資家と中小企業のニーズに対応した投資用・事業用不動産流通事業、マンション・戸建ての販売代理を行う新築受託販売事業を展開しています。
 そして、最も大切な財産である社員の健康が、会社の持続的成長を支える経営基盤であるという理念を基に、健康経営、ウェルネス経営の推進にも力を注いでいます。
 また、業界の中ではかなり早い時期からネットビジネスに着手し、不動産ポータルサイト「nomu.com」を運営し、「不動産を探すならノムコム」と言われるほど、多くの不動産や住まいに関する情報を提供してきました。

──人材採用と御社の求める人物像についてお聞かせください。

 まず新卒採用では、2019年度は総合職(営業職)85名、業務職15名の合計100名を採用する予定です。中途採用では、年間40名をキャリア採用で総合職として採用しています。
 住まいを始めとする不動産の売買は、多くの人にとって経済的影響が大きく、一生を左右するビッグイベントです。ですから不動産仲介営業というのは、数ある営業職の中でも最も難易度が高い職種と捉えています。適切なサポートをするには、多様な知識や的確な判断力が求められ、背負う責任も重くなる。となると、武器になるのは自身の人間性です。
 私たちが求めるのは成長意欲の高い人材、自己実現に思いがある方、そして企業理念に共感できる方です。社員全員がお客様から選ばれるNo.1企業になっていきたいと考えており、そこにトッププライオリティを置いていますから、お客様から満足いただける社員こそが優秀という基準も徹底しています。
 以上のことから、お客様の喜びを自らの喜びや活力にできる、今の常識を永続的なものと考えず前例のない領域でも一歩を踏み出せるチャレンジ精神を持つ人材を求めています。

──2019年度の総合職85名はどのような基準で選ばれましたか。

 総合職では、文系学部だけでなく建築系など理工系学部からも幅広く採用しています。  必要なのは、どれだけ不動産流通業をやりたいかという志向の部分、営業としての適性、最後は熱意とやる気です。営業職の場合、どうしてもやりたいというモチベーションがないと5年、10年とは続きません。

──業務職の15名についてはいかがでしょうか。

 実は今回、初めて業務職一期生を採用しました。現在働いている業務職は中途採用と野村不動産時代から働いている人が中心で、新卒採用は初めてです。これまで女性社員が結婚を機にリタイアすると、そのタイミングでなかなか優秀な人材を補充できないという課題がありました。
 以前は業務職といえばいわゆる事務作業がほとんどでしたが、今は単なる事務作業ではなく、営業が効率よく働いて成果を挙げられるように、チームの一員として営業のサポートをすることが求められます。それができる人材を一から育てていくという発想で、15名を採用する予定です。業務職に求められる役割・期待は今後ますます大きくなります。宅建士(宅地建物取引士)の資格も取得し、営業職の右腕として活躍していただきたいと考えています。

──中途採用ではどのような方を採用されていますか。

 異業種から入ってこられる方が多いですね。例えば、ウエディングプランナーから転職してきた社員は、同じ「人の転機を演出する」、「人に喜んでもらうために何かがしたい」という思いで入ってきました。社内には教育の仕組みがあるので、異業種で営業を経験されてきて優秀な成績を取ってきた方にはぜひとも来てほしいと思っています。

宅建士はマスト資格

──入社に際して必要な資格はありますか。

 宅建士は不動産仲介業務には欠かせないマスト資格です。営業の会社なので、接客する際に重要事項を含めたいろいろな説明をするにあたっても必ず必要となってくるので、宅建士がないと仕事になりません。現在では全社員の9割以上が宅建士を保有しています。
 宅建士取得の研修制度は、中途採用者を含む社員向けと、内定者向けの社内研修を実施しており、ともにTACに業務委託しています。内定者に関しては、10月の本試験に合格して入社前に宅建士資格を取得していただくべく、6月から毎週1回3時間の研修プログラムを用意しています。ですので、毎年の新入社員の7~8割は入社時にすでに宅建士を取得しています。ちなみに2019年度の新卒では、85名のうち11名は大学3年までに取得しており、その方たちには、FPあるいはTOEIC® L&R TESTの取得を推奨しています。こちらは各自で学んでいただきますが、テキストなどはTACから提供してもらっています。

──新入社員研修の内容について教えてください。

 新入社員研修は実に幅広いラインナップとなっています。4月の入社後、まず野村不動産グループ合同の研修を2週間行います。その後、5月から新入社員を現場の店舗に配属し、教育担当者によるロールプレイング中心の営業部門研修を行います。教育担当者は現場で一番成績のいい営業職が担当することになっていて、研修期間中は完全に営業担当から離れて教育だけに専念することが当社の営業研修の大きな特徴です。他社からも「思い切ったことしていますね」と言われます。教育担当は1対4~5人で6月まで教え、その後7~9月までの3ヵ月間はもう1人インストラクターがついて2対2体制で指導にあたり、10月1日に各店舗に本配属されます。
 本配属後も研修は定期的に実施され、丸2年間がっちり育てて、3年目からは独り立ちしていただきます。もちろん3年目以降も研修はずっと続きます。

「能力開発プログラム」による資格取得

──独自の社内資格制度があるとお聞きしています。

 当社では野村不動産グループ独自の「能力開発プログラム」を推進しており、その一貫に「社内認定試験」があります。この社内認定試験はグループ内資格ともいえる独自のもので、日々の業務の中で必要な知識を得たり、習得している知識や経験を確認したりと、自己のスキルを維持・向上させるための自己研鑽の機会となっています。
 具体的には、不動産法務士(1級・2級)、不動産税務士(1級・2級)、マーケティング士(1級・2級)、不動産財務士(1級・2級)という4つの資格があり、試験は年1回行われます。特に1級はかなり難易度が高い試験です。不動産税務士は税理士試験に比べ問題数は少ないですが、内容的には税理士レベルと言われ、毎年1級に受かるのは1~2名しかいません。それぞれの2級もきちんと勉強しないと合格できないレベルで、合格率は30%程度です。この社内認定試験については「勉強してみたい」と言えば、会社からテキストが送られますので、自己研鑽として勉強して、試験に臨むことになります。

──宅建士以外の国家資格に関してはどのようなプログラムが用意されていますか。

 宅建士の次に必要になるのは不動産鑑定士で、不動産鑑定士の社内選抜試験を用意しています。選抜試験はTACに作成してもらい、受験者の中で基準点を超えた者から毎年1名を選抜し、その後1年間、TACのWeb通信講座で学んでもらいます。そして翌年の短答式試験に合格したら業務から離れて、TACの教室講座に通学して論文式試験の受験に専念して合格をめざしていただきます。講座受講料などは全額会社負担で実施しています。
 その他の推奨資格は、不動産、建築・土木、語学、情報処理、金融・財務・税務、人事・総務などの分野で、計50資格以上あります。
 ただ、資格取得はあくまでも自己研鑽の一貫と捉えており、資格取得が人事評価の対象になるわけではありません。

希望のキャリアステージと年間休日124日、男性の育休・時短勤務も

──人事制度として特徴的なものをご紹介いただけますか。

 人事評価制度では、2年前にキャリアステージを「マネージャーコース」と「プロフェッショナルコース」のダブルラインにしました。マネージャーをめざすコースと、営業職として活躍し続けるコースを作り、自分の進みたい方向を選べるようにしました。選んだ後で進路変更したければ、それも可能です。それに併せて、等級制度や評価制度もすべて変え、新しいシステムで評価をしていく方向で動いています。
 また2017年から、営業から業務、または業務から営業への転換制度を作りました。入社3年目以降から申し出ができ、審査を経て転換が可能です。今年4月、第一番目の社員が業務職から総合職への転換をしました。
 次にご紹介したいのは自己申告制度です。年1回、人事部長以上の役員に、自分の進みたい道を申告する制度です。制度としては野村不動産時代からあって、配属先や勤務地、グループ会社への出向、海外赴任等々、何を書いてもOKです。家庭の事情が変わって親の介護をしなければならないといった内密にしておきたいことも、上司を通さずに人事に直接伝わる仕組みです。弊社の人事部は社員のことをかなり詳細に見ていて、異動のタイミングで希望を叶えられるように細かく配慮しています。

──休日休暇はどのようになっていますか。

 当社はカレンダーで1年間の休日を決めてあり、年間休日は124日で、それに従って休みを取ります。本社と流通部門では休日の曜日が異なり、祝日との重なり方が変わってきますが、全員が同じ日数の休みが取れるよう工夫しています。ちなみに、2017~2018年の年末年始は13連休、2018年の夏は9連休でした。
 また、流通部門では2017年から祝日の月曜は休日としました。そうすることで月~水曜の3連休になり、期末・期初は外すとしても、年間4~5回は3連休ができるようになりました。
 このように1年間の休日カレンダーを作ることで、社員全員が旅行や家族行事を計画しやすくなりました。一般事業会社では年間休日118日~120日というところが多いのに、多忙な不動産会社で124日。これは不動産会社の中でも異例で、人事担当役員の私ですら「そんなことをして大丈夫なのかな」と思うほどです(笑)。
 さらに全社員、年間5日間は必ず有給を取ることになっていて、「いつ休むのか」と毎月のように上司から確認されます。ですから休みがたくさんある良い会社なのです。

──女性のライフステージに合わせた制度にはどのようなものがありますか。

 女性社員は現在、全社員1,500人のうち3割、総合職では1割ですが、業務職を含めれば7対3の割合です。新卒社員も同比率で採用しています。
 当社は胸を張って「女性に優しい職場」と言っています。というのは産休・育休からの職場復帰率が非常に高く、最近では時短勤務制度を利用して、子育てのために朝早く出社し早めに退社する女性社員が大勢います。育休に関しては2歳まで、時短勤務は法定以上の小学校3年生が終わるまでできることになっています。ちなみに育休で時短勤務をするのは女性ばかりではなく、男性が時短勤務をしているケースもあります。
 また、バース休暇と言って奥様が出産するときに最大5日間、出産前後8週間以内に休める制度があります。連日でも飛び飛びでも取り方は自由な、男性社員向けのユニークな休暇です。こうした配慮で、女性に働きやすい環境、女性に優しい職場となっています。

──資格取得をめざしている『TACNEWS』の読者に向けてメッセージをお願いします。

 資格の取得をめざすということは、自分のキャリアアップという目的達成をめざす、とても成長意欲の高いことだと思います。そうした成長意欲の高い方にとって、当社は大きなやりがいを感じられる職場だと断言できます。私たちと価値観を共有していただける方には最高のステージを提供して、一流のプロフェッショナルとして成長していただけるように全力で後押しすることをお約束します。新たな一歩を踏み出すステージとして、ぜひ当社を考えてみてください。

[TACNEWS 2018年12月号|連載|行きたい会社・欲しい人財]

会社概要

社名  野村不動産アーバンネット株式会社
設立  2000年11月6日(2001年4月1日営業開始)
代表者 代表取締役社長 前田研一
所在地 東京都新宿区西新宿1丁目26番2号 新宿野村ビル

事業内容

住宅流通事業、投資用・事業用不動産流通事業、新築受託販売事業、保険代理店事業、不動産情報サイト運営事業

従業員数

1,482名(平成30年4月1日現在)

URL: https://www.nomura-un.co.jp