日本のプロフェッショナル 日本の会計人|2018年11月号

Profile

西ノ内 彰氏

税理士法人TM総合事務所
所長 代表社員 税理士

西ノ内 彰(にしのうち あきら)
1957年12月生まれ、東京都出身。法政大学文学部哲学科卒業。大学卒業後、医療機関に3年間、公共施設を管理する事務局に10年間勤務。35歳の時、会計業界に転職し、税理士受験を開始。会計事務所勤務を経て、2001年、李税務会計事務所に入所。2002年、李税務会計事務所が税理士法人化。2005年、税理士試験合格。2006年、税理士登録し補助税理士。2007年、社員税理士。2015年、所長就任。2018年、代表社員となる。

事務所を守り、成長させ、次の世代に引き継ぐ。
次代を担う人材を育てることも私の役割です。

 会計業界への転職は35歳のとき。そこから税理士受験をスタートさせて税理士試験に合格し、今日では税理士法人を引き継いで代表社員となっているのが、税理士法人TM総合事務所の代表社員、税理士の西ノ内彰氏である。西ノ内氏の転職の動機から、受験時代、そして税理士試験合格から代表社員にいたるまでを追いながら、TM総合事務所の業務内容から今後についてまでをうかがった。

35歳で会計業界に転職、税理士試験に挑戦

 会計業界をめざす人は、早ければ大学時代に税理士試験の受験を始めたり、会計業界への就職後に税理士をめざしたりしている。最初に他業種に勤務してからの転職組も大勢いるが、メインは20代後半から30代にかけてであろう。今回ご登場いただく税理士法人TM総合事務所の代表社員、税理士の西ノ内彰氏の場合、会計業界に入ったのは35歳のとき。それ以前は、税務会計とはまったく関係のない業界に身を置いていた。 「大学卒業時がいわゆる就職氷河期だったうえに、専攻が文学部哲学科でしたから、まったく就職先がありませんでした。ですので大学の同学科の先輩が勤務する医療系の法人に頼んで入れてもらって、何とか就職しました。そこでは企画の仕事を3年間行いました。その後、公共施設の管理・運営を行う事務局に転職し、10年ほど勤務しました」
 35歳での会計業界への転職にあたり、西ノ内氏にはどんな思いがあったのだろうか。 「正直なところ、それまでは仕事を真面目にやるとか、これが自分の一生の仕事だとかいう感覚はほとんどありませんでした。自転車に乗ったり、いろいろと遊んでもいましたからね。
 35歳で会計業界に転職したのですが、その理由のひとつは、35歳ですから、人生半分くらい来てしまったなぁ、そろそろまっとうな仕事をしないといけないなぁ、と思ったことでした。また、大阪で叔父が税理士として開業していたことも理由のひとつです」
 そして事務局勤務時代に何かやろうと思い、情報処理技術者試験を受験したことが会計業界に転職する大きなきっかけになったという。
「情報処理技術者試験の受験科目の一般教養に簿記がありました。勉強してみたら面白かったんですね。それで日商簿記を勉強して、1級を取得しました。それが税理士試験の受験資格になりました」
 35歳、実務未経験、税理士科目はもちろん持っていない状況で転職活動を行った。 「よく拾ってくださったと思います。税務署OBの所長と試験合格組の息子さんがいらっしゃる事務所で、伝票1枚書くことができなかった私に、手取り足取り実務を教えてくださいました。『日商簿記1級を持っているから、できるだろう』といわれたのですが、最初はまったく何もできませんでした(笑)」と当時を振り返っている。 「会計事務所に転職するとき、この先の人生、後悔することを減らしておこうと思いました。『あのとき、こうしておけば』と思うことを、なるべく減らしておきたいと思ったのです」

10数年の税理士受験

 会計事務所に転職し、35歳から税理士試験に挑戦を始めた西ノ内氏だが、受験初年度は簿記論と財務諸表論を受験して財務諸表論に合格。翌年、簿記論と消費税法を受験して両方に合格という幸先のよいスタートを切った。
「これで調子に乗ってしまったのか、その後に受験した法人税法が何度受けても合格できませんでした。最初にお世話になった会計事務所には都合9年間勤務しましたが、その後半は毎年、法人税法と所得税法を受験していました」
 所得税法に合格したのは、最初に勤めた会計事務所から、TM総合事務所の前身である李税務会計事務所に転職した2001年のこと。その後も法人税法の受験を続けた西ノ内氏だが、所長の李氏から「固定資産税に変えたほうがいい」とのアドバイスを受けて、受験科目を変更。固定資産税を受けたところ見事合格し、2005年に税理士試験に合格。翌2006年には税理士登録を果たした。
 李税務会計事務所に転職した理由は、前の事務所から「そろそろ卒業では」といわれたことが大きいという。ちょうどその頃、求人広告を出していたのが李税務会計事務所だったのだ。
「その時、私は44歳でした。求人広告では『40歳くらいまで』でしたので、四捨五入すれば40歳だから大丈夫だろう、と応募したところ採用していただけました。転職当時には子どもが4人になっていましたから、生活がかなり苦しかったのを覚えています。李税務会計事務所では、希望の給与額に近いところまで出していただけたので、おかげでずいぶんと生活は楽になりました」
 さて、西ノ内氏が入所した李税務会計事務所は、所長である李年子氏が1970年に28歳で独立開業した事務所である。在日韓国人では初の女性税理士といわれており、当時は20代の女性税理士が独立開業をすること自体が非常に珍しい時代だった。李税務会計事務所は時代とともに成長を遂げ、李氏は消費税の導入や新たな税目・改正があるたびに講演会などで全国を飛び回っていたという。
 西ノ内氏が入所した年の翌年、2002年からは税理士法人が設立できるようになり、李税務会計事務所は税理士法人化し、税理士法人李事務所となった。実は、法人化にあたり李氏は最初から自身の名前が入らない法人名を考えていたという。しかし、お客さまに違和感を抱かせることなく、個人事務所から税理士法人への移行がスムーズに行えるよう、一旦は自身の名前が入った名称で税理士法人化し、2006年に現在の名称である税理士法人TM総合事務所に商号変更している。
「TM総合事務所という名称は、李自身が考えたものです。どんなにお客様や経済環境が変化しても、経営者の皆様にお役に立てる事務所であれば、ご支持いただけるという意味を込めたと聞いています。TMとは、『Top Management』の略で、企業のTop(経営者)のお役に立てる税理士事務所であり続けたいという思いから名づけられました」

税理士法人の事業承継

 44歳での転職を果たした西ノ内氏。今度は実務経験者としての採用だったため、入所してすぐに担当先を持つことになった。 「ちょうど病気で入院している方の担当先を引き継ぐかたちで、最初から10数件の担当を持たせていただきました。そして入所2年目には4~5名のグループの長になりました。税理士試験に合格して、2006年に税理士登録をしたあとは補助税理士に、2007年からは社員税理士となりました。
 私より社歴が長い方もいる中で、入った当初は大丈夫かという目で見られていたことがあるもしれませんが、働く姿を見て自然と認めていただけたようです」  徐々に事務所全体に関わるようになってきた西ノ内氏は、2015年に所長となり、事務所全体のまとめ役となった。そして2018年1月に代表社員となり、名実ともにTM総合事務所のトップとなったのである。
「実務的な面では、入所当初から難しい案件、例えば国税不服審判所に行くような案件や、難しい税務調査で何か糸口を探す案件などを、機会があるごとに担当させてもらいました。ですから、通常の税務会計だけでなく、経営者が直面するであろうさまざまな税務のケースを学ばせてもらいながらやってきました。  また、入所2年目から4~5名のグループを任せてもらうなど、マネジメントについても自然と携るようになっていたのです」
 業務として携る機会がある事業承継だが、自ら勤務する税理士法人の事業承継を、自ら行うのはどのようなものなのだろうか。
「李自身が高齢になるにつれ、すべての実務を担当するのがだんだんと難しくなってきたため、私が徐々にカバーするようになり、2015年からは所長として全体を見るようになりました。そして、代表社員が李1人では対応しきれない状況が起きることも想定されましたので、2018年に代表社員になりました。
 個人事務所であれば、税理士がひとりいて、あとは職員がいればいいものです。私たちも税理士法人になっているとはいえ、もともと個人事務所が成長したものですから、どうしても李がトップであった時代は個人事務所の名残が残っていたと思います。それを私がトップになることで、税理士法人という組織にしていかなければならないわけです。ですから、正直なところ、引き受けるかどうかは悩みました。でも、引き受けた以上は責任を持ってトップとしてやっていきたいと思います」
 税理士法人は納税者利便の向上に資するものとしてできたのだが、もうひとつの側面としては、業務提供の安定性や継続性があり、企業とともに永続できる税理士による組織ともいえる。割り切った言い方をするなら、税理士事務所の事業承継をしやすくするという面もあったのである。個人事務所であれば、税理士が亡くなってしまうと、顧問先との契約はもちろん、事務所の賃貸契約などすべての契約がリセットされてしまう。それは納税者のためにならないからなのだ。また、後継者不足に悩む税理士が法人化することにより、後継者を見つけやすくするという面もあったようだ。
 現在、日本全国には約3,800の税理士法人があるが、実際の税理士法人の事業承継は、親子間など親族間が多く、数百名規模の税理士法人は別として、第三者に承継する例はあまり多くはない。  西ノ内氏は自らの役割をどのように捉えているのだろうか。 「私の役目としては、李が作ってきた事務所をしっかりと守り、できることなら大きくして、次の世代へとつないでいくことと考えています。  また、自分が事業承継をしてからお客さまを見渡すと、やはり同じように代替わりの時期を迎えつつあるお客さまがたくさんいらっしゃいました。社長がお持ちの資産が現金ならいいのですが、通常は自社株、それも非上場株をお持ちです。となれば、きちんと対策を行っていなければ、事業承継も相続もたいへんなことになります。自らのこともありますが、お客さまの事業承継に取り組んでいく必要がありますね」

税務会計の先に企業組織再編や事業承継・相続がある

 西ノ内氏率いるTM総合事務所の業務内容は、税務申告、会計業務、企業組織再編・M&A、事業承継・相続税業務が柱となっており、オーソドックスな会計事務所の業務内容といっていい。関与先は法人260件、個人約400件となっているが、個人はほとんどが関与先である企業の代表者やオーナー、役員であり、基本的な顧客は中小企業を中心とした法人となる。広告を打ったり、講演会を行ったりといった特別な営業活動は行っておらず、ほぼ、お客さまからの紹介が顧問先関与の端緒となっている。
 業務の特徴としては、各業務は専門分野として別々に動くのではなく、税務申告、会計業務の一貫として行われることにある。というのも、1970年の創業以来長いお付き合いをしている関与先が多く、法人の税務申告、会計業務を行っていく中で、仮に相続が発生すれば事業承継・相続を行うし、企業の成長過程に合せて必要となれば組織再編やM&Aを行うスタイルをとっているのである。企業の創業期から成長期、そして成熟期といったステージに合わせて、トータルに経営者のお役に立つことを主眼とする体制によるものなのである。
「お客さまである企業のステージに合わせて、その時々で必要になる業務を提供していくのが私たちのやり方です。ですから、相続を専門に行うということではなく、企業とお付き合いしていく中で、自然と必要になる業務を提供しているのです。  お客さまの業種は、農業の方はおりませんが、製造業からサービス業、IT、医療、芸能系、建設業と多岐に渡っています」
 TM総合事務所の体制は、所長である西ノ内氏のもと、女性税理士の副所長がおり、その下に2名の税理士がそれぞれに5名程度のグループを管轄するかたちとなっている。人員的には税理士5名を含む総勢16名と外部スタッフ1名がいる。
「業務の進め方は、月次が基本となります。しかし、以前は月次巡回監査という言葉があったように、毎月お客さまに訪問して資料をいただき、入力して試算表を作成していました。現在は、かなりの数のお客さまが自計化(お客さま自身が会計ソフト等でデータを入力すること)していますので、お客さまが作成した月次のデータをメールで送っていただき、内容をチェックして、修正の必要があるところは修正し、データを返送するかたちになっています。もちろん、中には毎月ご訪問して資料をいただくというお客さまもいらっしゃいますが、減ってきています。そうしたお客さまヘの対応や提案資料の作成補助を考え、社内には入力を専門に担当するスタッフを1名置いています。
 お客さまからの質問などのやり取りはメールが基本ですね。メールだと気軽に質問できるのか、以前よりは頻繁に質問が来るようになり、密にやりとりをしていますから、そういう意味ではコミュニケーションが深まっている部分もあると思います」
 顧問先によっては、顧問先のパソコンからリモートアクセスで事務所のパソコンにつなぎ、事務所にいるのと同じ環境にしてデータの確認を行ったり、訪問する際にノートパソコンを持参して、同様に事務所のパソコンヘアクセスしてデータのチェックや修正を行ったりすることもあるという。ITの活用が当たり前になっている今日、働き方もまた変わっていくのだろう。
「申告もほとんどが電子申告になっています。ですから、申告書を紙で出力することはまれですね。ただ、『申告書は紙でないといけない』とおっしゃる社長が何名かいますので、その会社の分は紙で出力して申告しています」

次の時代を担って行く若い人材を採用して育てる

 西ノ内氏が代表社員となり、名実ともにTM総合事務所のトップになってから取り組んでいることは、どのようなことだろうか。
「先ほどもお話しした、事務所を守り、成長させて次の世代へ引き継ぐことが、私がやらなければならないことです。そのためには事務所の次の時代を担っていく若い人材を採用して、育てていく必要があると考えています。
 具体的な人材像としては、仕事に対して前向きな方、なんでも吸収してやろうという方ですね。税理士試験に関しては、理想的には簿記論と財務諸表論に加えて、税法科目を持っている方です。何にせよ、簿記の知識は必須で、プラス税法の考え方が身についている方なら、すぐに仕事を任せられるのではないかと思います。税法は科目合格していなくとも、勉強したことがあれば、税はこういう風に考えるものだとわかっているでしょう。もちろん、税法はこれから学ぶという方でも、実務を通じて税法の考え方を学ぼうという方なら一緒に働いていけると思います」
 事務所を守り成長させていくためにも、まずは人材ということのようだ。 「よく、学校の勉強や受験勉強は役に立たないという声を聞くことがあります。でも、この仕事は勉強したことが本当に役立っている実感を持てる仕事です。実務と試験は違うといいますが、実務では法律に立ち返って考え、なぜこの法律ができているかを考えてみるとわかってくることがたくさんあります。最近の租税法は複雑になって難しくなっていますし、措置法は時限立法も多く難解であることは事実です。でも、なぜそういう決まりになったのか、法律に立ち返って考え理解することが大切です。税法の考えや法律に立ち返って考えられると、この仕事を行っていく上では強いと思います」
 TM総合事務所には、税理士試験をめざして勉強中の方も多いという。 「私たちは税理士法人ですので、税理士のプロ集団にしていきたいと考えています。得意分野を持った税理士が集まっている事務所にしていきたいので、税理士試験にはぜひ挑戦していただきたいですね。うちは残業がほとんどありません。定時である17時までに仕事に区切りがついていれば帰っていいので、平日にTACの夜の講座に通うことも十分できますし、受験勉強に時間を割きやすいと思います」
 ちなみにTM総合事務所の平均残業時間は、確定申告時期で月平均34時間、つまり1日平均約1時間半、通常時期は月平均3時間と、ほとんどないと言っていいような状況のようだ。勤務時間は9~17時なので、この環境であれば、受験勉強や自己研鑽、そして趣味などの時間も十二分にとることができそうだ。
「確かに残業時間は短いと思います。ただ、私が受験勉強をしている頃はもっとありましたね(笑)。やはりお客さまの自計化や電子申告化が進み、資料のやり取りもデータをメールで送るかたちとなり、お客さまへの訪問などに使う時間が少なくなったことと、効率的な働き方を皆で意識して行うようになったことから、自然と現在の残業時間になりました。昔は長く働くことが偉いみたいな感覚がありましたが、今は逆ですよね。どれだけ効率良く仕事ができるかですから。こうした考えに基づいて、現在、評価や給与体系などの見直しも進めています」

AI時代になっても、法律を解釈するのは人間の仕事

 業務にITシステムを活用している西ノ内氏の事務所だが、AIの発達と税理士の仕事についてはどのように捉えているのだろうか。
「私たちも当たり前のようにITシステムを活用して仕事を行っています。よくAIによってなくなる仕事が報じられるとき、必ずといっていいほど税理士が取り上げられます。確かにAIが発達していけば、入力に伴う業務はなくなるというか、手間がかからなくなるでしょう。
 でも、そこで導き出された数字に対して、法律をどう解釈すれば、お客さまのご要望に当てはまるのかを判断をする仕事は、私たちに残るはずです。仮に数字を入力すれば、AIが税額を計算してくれて、『この方法だといくら、こちらのやり方だといくらの税金です』くらいは言ってくれるようになるかもしれません。ただそこから、ある税額を選択した場合にどうなるのか、他の数字への影響や数字が生まれてきた背景、今後起きてくるであろう出来事に対して、どのように対処することができて、裏付けとなる法律は何か、というところは生身の人間の仕事だと思います。そこがきちんとできれば、生き残っていけると考えています。
 また、税務調査はAIにはできないでしょう。対象企業の割り出しなどはAI化が進むと思います。通則法が変わった今は、処理の透明化の意味で杓子定規な解釈になる場合もありますが、調査の現場では押したり引いたりもあります。ここは人間の仕事ですね」

税理士は勉強したことが本当に役立つ仕事

 35歳で会計業界に身を投じ、働きながら税理士試験に合格し、今日では税理士法人を率いる立場となった西ノ内氏にとって、税理士のやりがいはどのあたりにあるのだろう。 「ありきたりかもしれませんが、お客さまから『ありがとう』と言ってもらえたときの嬉しさ、それに尽きますね。お客さまからいろいろなことを教えていただき、社会のことも勉強させていただいている。その上、お金までいただけるわけですから、本当にいい仕事だと思いますし、お客さまには本当に感謝しかありません。
 また、この仕事を始めた頃に印象に残っていることに、『私が計算した税額でお客さまがきちんと納税をしていた』ということがあります。当たり前のことではありますが、私たちの仕事は単に計算をするだけではなく、その結果が会社の経営に、そして国の歳入にも影響を与える仕事なんだとわかったことは、とても印象に残っています」
 では、税理士として心がけていることは何だろうか。 「経営者のお役に立つということですね。身近なところでいえば、例えばニュースを見たときに、税がどう絡んでくるのかをお客さまにきちんと話せるように心がけています。『何かのニュースに接したときに、お客さまの顔が浮んでこなくてはだめ』とよく李にもいわれたものです。ニュースに接したら、どのお客さまに関係がある話なのかピンと来て、お客さまにお伝えする。やっと何とかできるようになりました(笑)」
 こうした姿勢はスタッフにも心がけてほしいと西ノ内氏は考えているようだ。 「どんな税理士をめざしているのか、と聞かれたとき、私は『町医者のような税理士になりたい』と答えてきました。その思いは今でも変わりません。町医者だけれども、自分の専門分野は自分できちんと対処し、手に余るところは他のドクターや専門病院に紹介する。その判断がきちんとできる税理士になりたいと考えています。そうした意味からも、事務所内には専門分野を持った税理士に大勢いてほしい。プロの集団であることがお客さまのためになると思っています」
 最後に、税理士をめざす『TACNEWS』の読者にアドバイスをいただいた。 「この仕事は勉強したことが本当に役立つ仕事です。自ら学んだことは、お客さまはもちろん、社会の役にも立ちます。受験勉強には辛いこともあると思いますが、今勉強していることは、将来必ず役に立ちますから、あきらめずにがんばってほしいですね」
 転職、税理士受験、そして税理士法人の代表社員へ。ある種遅咲きではあるが、着実にステップを踏んできた西ノ内氏の言葉に勇気づけられる受験生も多いことだろう。


[TACNEWS|日本の行政書士|2018年11月号]

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