特集 学力・仕事力向上に役立つスキル
「速読解力」を磨こう

古家 隆志氏&松山 槙吾氏
Profile

古家 隆志(ふるや たかし)氏(左)

株式会社SRJ 大阪本部
取締役 企画事業本部長

SRJ入社後、速読研修の講師、開講教室の運営サポートなどを経て、現在はコンテンツの企画開発事業、販売促進事業に携わる。 一般社団法人日本速脳速読協会として「速く正確に読み解く」速読教育による学力・仕事力向上と読書支援を推進している。

松山 槙吾(まつやま しんご)氏(右)

株式会社SRJ 東京本部
販売促進事業部

新卒で社会人向け英語教育業界にてWebマーケティングを担当し、2020年にSRJに入社。現在はマーケティング担当として、社会人BtoC事業等、SRJの販売促進業務の全般に従事している。

 もし、文章を読む速度が今の2倍になったら。テキストを読む時間が短くなるし、本試験で問題文を読む時間も短くなるから、そのぶん効率良く勉強できるし、試験本番の解答時間に余裕ができるのに――。資格試験に限らず、何か受験を経験したことのある人なら、誰でも一度はそんなことを考えたことがあるのではないだろうか。学習アプリ『速読解Biz』は、老若男女問わず誰でも「速読解」のスキルを身につけられるアプリだ。どのようなトレーニングをすれば、内容をしっかり理解しながら読むスピードを上げることができるようになるのか。株式会社SRJ・一般社団法人日本速脳速読協会の古家隆志氏と松山槙吾氏に、「速読解力」の磨き方と学習アプリ『速読解Biz』の有効性について紹介していただいた。

「速読解力」は誰もが身につけられるスキル

──最初に、おふたりが所属されている株式会社SRJと、一般社団法人日本速脳速読協会について教えてください。

古家 SRJは、能力開発事業、グローバル教育事業、教育ソリューション事業を展開している会社です。「速読」関連の商材の販売をメインにしていますが、次世代教育の推進といった教育事業を展開しているのが特徴です。
 このSRJが企画開発している速読トレーニングシステムを監修し、問題作成のほか、スキルのトレーニング支援・普及をする活動をしているのが、日本速脳速読協会(以下、協会)です。法人としては別名義ですが協働している組織で、私もSRJに所属しつつ、協会の理事を務めています。
 SRJの基本的なビジネスモデルはBtoBtoCです。つまり、私たちが開発した速読解力づくりのノウハウを学習塾や学校に導入し、そこに通う生徒が速読解力を学ぶというケースがほとんどです。先生方がインストラクターとなって生徒を指導する際の導入支援・サポート事業が中心で、その他の事業の中の1つが、アプリ『速読解Biz』を社会人向けに直販する事業です。

──「速読解力」とは耳慣れない言葉ですが、いわゆる「速読」とどのような点が異なるスキルなのでしょうか。

古家 協会では「速く正確に読み解く力」のことを「速読解力」と定義し、一般的な「速読」とは差別化をしています。世の中にはいろいろな速読のイメージが存在している中で、近年は本をパラパラとめくって読む「フォトリーディング」という瞬間記憶的な速読の方法がメディアで登場する機会が多いと思います。これは文章を写真に撮るように読んでいく方法ですので、特殊な力を持った方の読み方というイメージも強いのではないでしょうか。
 対して私たちが提唱している「速読解力」は、「スピード」と「内容理解度」をしっかりバランスよく鍛えていくことで、子どもから大人まで誰もが身につけることができるスキルです。私たちは速読解力を身につけるためのトレーニング講座と学習アプリを提供し、「スピード」を速めるためのトレーニングに加えて、「内容理解度」を高めるためのトレーニングもバランスよく行えるようにしています。
 学習塾の生徒であれば成績アップと志望校合格を、そして資格取得をめざす大学生や社会人受験生であれば目標とする資格試験の合格にいたる学習を、効率よく進めるためのトレーニングといえるでしょう。

──速読解力トレーニングは、受験勉強のひとつ手前の段階、学習の質を上げるための基礎部分ということですね。

古家 その通りです。速読解力は、あらゆる学習の基礎力をアップさせるための能力開発のジャンルにあたるスキルです。資格受験の前段階準備、また志望校合格に向けた学習スキルの向上といった側面だけでなく、ビジネスシーンでの学びも含めて一生にわたって活用できるので、子どもから大人まで幅広い年齢層の方に活用していただきたいですね。
 ただ、紙の教材を使い、教室の中でセミナー形式の座学を受けていただく従来型の学習方法では、近くに教室があり、定期的に通い続けられる方にしか学びの場を提供することができません。そこで、均質なサービスを全国にお届けするための学習アプリ『速読解Biz』を開発したのです。働きながら資格の取得をめざす方は自由になる時間も限られていると思いますので、隙間時間に学習することができるアプリは便利だと思います。

理解度を落とさず、読むスピードをアップ

──資格受験のどのような場面で速読解力が有効なのか、具体的にお聞かせください。

古家 TACで取り扱っている国家資格を中心とした資格試験では、受験期間全体を通じて文章を読む場面が多く、目に触れる文章量は膨大になります。そのため、単純に読むスピードを上げるだけでも、学習効率を大幅にアップさせることができるのです。
 例えば、試験突破に必要な知識をインプットするためには、何冊もあるテキストや参考書の読み込みを繰り返し行う必要がありますし、実際の試験でもかなりの文章量の問題が出されます。また、計算問題や論文式など記述式の問題が出される資格も多いので、試験当日までに十分なアウトプットの練習をする必要があります。ですから、「読む」という動作を「時短化」することによって、問題演習をするための時間や、本番で解答を考える時間を生み出せるという点が大きなメリットなのです。
 テキスト1冊を読むスピードが2倍、3倍になったら、余った時間で反復学習をしたり、自分の頭を使ってじっくり解答を考えたりすることができますよね。情報処理能力と読むスピードがアップすれば、知識や情報の定着度を高められ、本試験で問題に解答するために必要な時間も増やせて、余裕を持って合格をめざすことができるでしょう。制限時間のある本試験では、時間が足りないために解答を終えられなかったり、見直しすれば気がつくような凡ミスをしてしまったりすることがありますが、速読解力によって、そのリスク回避ができるのです。

──非常に魅力的に聞こえますが、習得するにはどのようなトレーニングが必要ですか。

古家 速読解力は、スピードを重視する「速読」の要素と、内容理解度を重視する「読解」の要素で構成されています。「速読」は文字通り、読書速度を上げることを指しています。文章を読むとき、人は声に出さなくても一文字ずつ目で追いながら、頭の中で音声変換する「黙読」をしています。そのため黙読する場合の読書速度は「目が動く速さ」と「話す速さ」以上のスピードにはなりません。一方、速読解力のトレーニングでは文章をかたまりで瞬間的に視野に入れ、同時に理解する「視読(しどく)」という読み方をしています。文章単位ではなくある程度の範囲の文章をまとまりでとらえて、瞬時に書かれている内容を理解する読み方ですね。
 冒頭で触れたように、速読には特殊な能力を持った人にしかできないイメージがあるかと思いますが、実はトレーニングすることで誰でも1回でインプットできる情報量を増やし、高速かつ長時間でも負担のない読み方へと移行することができます。一瞬で内容を理解できるかたまりの幅を広げれば広げるほどスピードは加速しますし、1つ目のかたまりから次のかたまりへと素早く移動できればできるほど、速く読んでいけるわけです。速読の最大の目的はこの「高速で見る」能力を高めることにあります。斜め読みや飛ばし読みといったテクニカルな読み方ではなくて、理解度を落とさない、かつ読書スピードをアップしていくのが速読解力トレーニング全体を貫く大原則になっています。

読書スピードアップのための3つのポイント

──実際どのようなトレーニングをするのでしょうか。

古家 「速く読む」かつ「正確に読み解く」ためのトレーニングを並行して行っていきます。
 最初に行うのは、普段目にしないような速いスピードで流れる文字を見る練習です。速く読むために疑似的な環境を与えて、本人が持っている能力を最大限引き出し、定期的にその環境に身を置くことで定着を図ります。脳には1つの刺激によって様々な連鎖反応を引き起こす性質があります。トレーニングすることで「見る」能力がアップすれば、「理解」や「記憶」といった、読むことに関わる他の能力もそれに追いつこうとする働きがあるのです。そこでまずは見る能力を高め、並行して脳の特性を利用して視読という新しい速読方法を定着させる流れになっています。

──読書スピードを上げるためのポイントもあるのでしょうか。

古家 ポイントは3つあります。習熟段階の順に説明しますと、1つ目は、目を滑らかに素早く動かす視点移動を鍛えること。2つ目は、文字をきちんと理解できる範囲、認識できる幅「識幅(しきふく)」の範囲を広げていくこと。3つ目は、文字をひとつずつ追っていく「黙読」から、文章をかたまりで読む「視読」へと移行していくことです。特に最後の視読への転換は、何度もトレーニングを繰り返す必要がありますので、ここが最も重要なポイントになります。
 そして、こうしたスピードアップのためのトレーニングと並行して、文章の内容理解がきちんと伴っているか、それを確認するトレーニングを行います。学習塾で「速読解力」の説明会を行うと、保護者の方から必ずと言っていいほど「速く読めるようになるのはわかりますが、きちんと内容を理解した上で読めるようになるのでしょうか」と聞かれるのですが、心配はありません。メディアで露出しているような1分間何万文字にチャレンジといったスピード重視の速読法はもちろん存在しているのですが、私たちはそのような「超高速」をめざすわけではありません。一般の方の読む速さをいつもの2~3倍のスピードまで高めつつ、内容理解度も落とさない。この目的で、『速読解Biz』アプリは構成されています。

学習履歴画面で強化すべきポイントを把握

──『速読解Biz』アプリでのトレーニング内容を教えてください。

古家 アプリでは1回15分単位でトレーニングを行います。1回のトレーニングには必ず、①速読力トレーニング、②読解力トレーニング、③脳力トレーニングの3つが含まれており、画面の問題を見ながら順番に進めていきます。

 まず①の速読力トレーニングでは、「読書速度計測」「眼筋」「なぞり読み/固定読み/移動読み」「速読力チェック」などを行います。これらのトレーニングメニューでは各自の読書速度に合わせて段階的に読む速度を向上させながら、短文チェック問題で内容理解度が伴っているかを確認します。

▲画面を上下左右に動くマークを追い、目の動きを鍛える「眼筋トレーニング」

▲スピードを変えながら表示される文字を眺める「なぞり読みトレーニング」

 次に②の読解力トレーニングでは、「全体把握力」「理解力」「基礎的読解力」のメニューでトレーニングを行います。文章全体の内容把握と理解する力を養成し、文章を読み解く上で必要な基礎的読解力を体系的にトレーニングしていきます。

▲文章のかたまりを適切な順番に並べ替える「全体把握力トレーニング」

▲文章に書かれた内容についての説明が正しいかどうか判断する「理解力トレーニング」

 そして③の脳力トレーニングでは、「さいげん」「なかまはずれ」「あてっこ」「数字さがし」などのトレーニングメニューを通じて、速読に必要な検索力、短期記憶力、判断力を脳トレゲーム形式で鍛えます。

▲表示された文字群の中から他と違うものを探す「なかまはずれ」

▲位置を記憶して同じ絵柄のカードを見つける「あてっこ」

 アプリでは、正解・不正解といった結果はもちろん、解答速度も記録されます。スキルの向上に合わせて、トレーニング形式や問題の文章量、難易度がメニューごとに適切なものにカスタマイズされていきます。また、学習履歴画面では、トレーニングの進捗や今後強化すべきポイントを確認していただけるようになっています。

時間がない社会人のための情報収集力アップに

──社会人が速読解力を身につけるメリットについて教えてください。

古家 速読解力は受験に役立つのはもちろん、日常的な学習の効率化という部分にも大いに役立ちます。何か特定の試験の突破をめざした学習だけでなく、ビジネスパーソン向けのキャリアアップ関連の講座を受けるような場合でも、読書やインプットをする時間は多いと思います。どのような分野でも、「テキストを1回読んだだけでおしまい」という勉強はないはずですので、何度も読んでインプットを繰り返す作業が必ず発生します。その作業の効率化に最も役立つのが速読解力ですね。特に、学習に充てられる時間が限られている、働きながらスキルアップをめざす社会人の方は、速読解力を身につけることで、短い時間を利用して読書ができるようになりますから、仕事に関するビジネス書を読まなければならないときにも大いに役立つと思います。

── どのような理由で学習を始める方が多いですか。

古家 社会人の方が受講を始められるきっかけとして多いのは、やはり資格取得など何らかの目標があってそれを達成するためというものです。また、具体的な目標は特にないけれど普段の仕事の中での情報処理能力アップ、あるいは自己研鑽やスキルアップのために始める方もいます。他にも脳トレーニングの一環で、脳の活性化を目的としたアクティブシニア層がいらっしゃるのが特徴です。
 社会人がどのような目的で速読解力を選ばれたのかを見ていくと、やはりいろいろな事情から「時間がない」という悩みを抱えていて、それを何とかしたいと考えている方が多いと感じています。勉強する時間がない、本を読む時間がない、仕事が溜まりすぎて休む時間がない。皆さん何かしらそういった時間に関する悩みを抱えているので、私たちも社会人の方々に対しては「その悩みを解決できるのが速読解力ですよ」というメッセージをお伝えしています。

トレーニング中に訪れる停滞期

── 『速読解Biz』はアプリを使って自分のペースで学習していく形式ですが、利用者からはどのような声がありますか。

松山 利用者からのお問い合わせで多いのは、「どのようにトレーニングを進めていけばいいのかわからない」「長い間トレーニングしているが、今後さらに能力を伸ばすにはどのようなトレーニングを積めばいいのか」といった内容です。
 特に長期間トレーニングを継続されている方は同じコンテンツを何度も繰り返しているので、どうしても途中で伸び悩んでしまうという悩みを抱えていらっしゃるようです。

── 伸び悩む時期があるのですね。

松山 文章を一文字ずつ黙読する読み方でも目の動きを鍛えることはできるので、続けることで徐々に速度は上がっていきます。しかし一定のところまでいくと目を動かす限界がきて、そこで一度停滞期が訪れます。そこからさらに一段階読む速度を上げるには読み方を変えなければなりません。文字単位の読み方から、文章をかたまりで読む視読への転換ですね。ただ、この切り替えにはかなり時間がかかり、停滞期はほぼ全員に訪れます。一番挫折しやすいポイントですね。
 『速読解Biz』で行うのは、練習用の文章は変えずに、同じ文章を何度も繰り返し読みながら取り組む、ストイックともいえるトレーニングです。自転車にひとりで乗れるようになるまで、毎回同じ自転車で練習するのと同じように、速読解力を身につけられるまで、同じ文章を何度も繰り返し読んでトレーニングする点がポイントなのです。かなり地味ですが継続が大事な部分なので、アプリを活用して身につけていただきたいと考えています。

── トレーニングを始めてからどれくらいで成果が出るのでしょうか。

松山 学習ペースによって個人差がありますね。例えば、教室に通って学習する場合は週1回のペースになることがほとんどですので、2~3ヵ月経った頃から読むスピードが上がっていることを実感できると思います。これに対してアプリで学ぶ場合は、隙間時間や帰宅後など、自分の好きな時間にトレーニングできるので、毎日繰り返すことでもっと早く効果が出てくるでしょう。
 その後、最終段階の文章をかたまりで読める視読のレベルに移行するタイミングにももちろん個人差があります。1回や2回で身につくことはありませんので、教室に通う場合、1年は続けましょうと指導していることがほとんどです。アプリを利用する場合は、学習頻度を上げてトレーニングの回数を増やせば、3ヵ月程度で成果を出すことも可能だと思います。短い期間で成果を求められる社会人の方の場合は、やはりアプリが便利だと思いますね。

古家 注意していただきたいのは、『速読解Biz』の使用が基本的にパソコンかタブレットに限定される点です。スマートフォンは画面サイズが小さいので、実際に目を動かすトレーニングをする場合でもほとんど目を動かさずに全体が見えてしまいます。それでは効果が十分に見込めないため、ご提供を見合わせているのです。

1コースごとに学ぶのが最も効率的

── アプリを使った学習はどのように進めるとよいのでしょうか。

古家 アプリでは、先ほどご説明したような様々な種類のトレーニングメニューを自動で展開していく1回15分のフルオートトレーニングを基本としています。ただ、まとまった時間が取れない場合や、特に強化したいメニューがある場合もありますよね。その場合は、1項目単位でメニューを選べるモードが便利です。1回15分のコースは3部構成で24コマに分かれているのでそこからピンポイントで選ぶこともできますし、60コマ以上のメニューがトレーニングの目的別に5つのカテゴリーに細分化されていますので、そこから目的に合わせてメニューを選択することも可能です。ちょっとした空き時間も無駄にしたくないという方には便利な機能だと思います。

松山 ただ基本的には1回15分のコースの中に速読解力を身につける上での総合的な要素が網羅されているので、フルオートトレーニングに沿って進めていくのが最も効率はいいと思います。速読力の部分は固定で展開し、脳力トレーニングは取り組めば取り組むほど難易度が上がっていくので、1回でも多く取り組んでいただくほうが効果は得やすいですね。
 アプリの利用状況を見ると、社会人の方は夜にトレーニングを行う方が多く、それも週数回程度ではなく、かなり頻繁に受講されているようです。利用者は30~40代の働き盛りといわれる世代が最も多く、続いて20代、50代の順です。最年長は60代までいらっしゃいますね。今、ITリテラシーの高いシニア層も増えてきているので、リタイア前後の方々にも積極的に利用いただきたいと思っています。

忙しい社会人に「速読解力」のススメ

──先ほどトレーニングの際にはスマートフォンは適していないというお話がありましたが、日常生活では情報収集にスマートフォンを使う機会が多くあります。この場合、速読解のスキルは活かせるのでしょうか。

古家 もちろん有効です。スマートフォンは1画面に表示される文字量が限られているので、そもそも文章をかたまりでとらえやすいです。トレーニングとしては負荷不足になりますが、実際の情報収集の場面では、むしろスキルの発揮どころだと思っています。新聞も同様で、1行が短いため、かたまり読みの「視読」スキルが活かせますね。

── 「小説を読む」といった一般的な読書の場合はいかがでしょうか。

古家 大は小を兼ねるではないですが、速く読める人は、文章をゆっくり味わって読むこともできます。私個人の場合を振り返ってみても、そこは使い分けをしていて、仕事やスキルアップに必要な知識を習得しようという場合には「速読」で本を読みますが、趣味で小説を読むときはゆっくり読んでいます。世の中には「スローリーディング」「遅読(ちどく)」を提唱している方もいらっしゃって、それも価値のある読み方だと思います。「速いからいい」「遅いからいい」という話ではなく、時と場合に応じて、読み方のひとつとしてスピード感のある情報処理能力を求められるときに、速読解力を活かしてもらえたらいいですね。

── 改めて、資格受験生にとってのメリットを教えてください。

古家 『速読解Biz』は1回15分の「これだけやればOK」というトレーニングを積み重ねていきます。トレーニングが終わったあとに点数が出ますので、客観的な評価が次の目標設定につながる点は励みになると思います。
 また、スランプが続いたり、試験に合格できなかったりと壁にぶつかっている方の場合、一度仕切り直して速読解力トレーニングをしてから再度受験勉強を始めていただくことで、今までとは違った側面から合格へのアプローチができるのでないかと思います。そして、これから新たに資格試験の勉強を始めようという方は、本格的な受験勉強の前に、準備運動として速読解力トレーニングをしていただくことも効果的だと思います。

──最後に、スキルアップをめざす方々へのメッセージをお願いします。

松山 速読解力は特別なスキルではなく、トレーニングを積めば誰でも習得できる能力です。子どもたちを含めて全国各地で延べ20数万人も実践しているトレーニングなので、これまでご興味のなかった方にもぜひ一度チャレンジしていただきたいですね。

古家 資格取得をめざしている方に、新しい合格へのアプローチ方法として速読解力を知っていただけたらうれしいです。特に、日々仕事や時間に追われている社会人の方が資格を取得するのはとても大変です。そのためのサポートのひとつが速読解力ですので、ご自身のインプット力を高めるためのベースとなるスキルとして、身につけてみてはいかがでしょうか。応援しております。

──貴重なお話をありがとうございました。

[『TACNEWS』 2021年12月号|特集]