特集 2020年度外務省専門職員採用試験
合格者にインタビュー

  

国際舞台で活躍しながら、
日本と相手国の関係構築に力を注ぐ

外務省専門職員とは、日本の国益を守るため国際社会を舞台に活躍する外交官のことです。地域・言語・専門分野で強みを持ち、外国との交渉や文化交流、情報分析や邦人保護活動を行います。今回は、2020年度外務省専門職員採用試験に合格したTAC・Wセミナーの先輩3人に、外交官をめざしたきっかけや、入省後にやってみたいことなどを語っていただきました。

※WセミナーはTACのブランドです。


左から
江本 龍弥(えもと たつや)さん
福島県出身
中央大学法学部(在学中合格)
受講コース:答練セレクト憲法本科生/教室講座+Webフォロー
受験語:英語
外務省での研修語:フランス語

新井 海聖(あらい みさと)さん
神奈川県出身
東京外国語大学国際社会学部(在学中合格)
受講コース:外大フォローパック/ビデオブース講座+Webフォロー
受験語:スペイン語
外務省での研修語:スペイン語

大矢 純(おおや じゅん)さん
愛知県出身
東京大学大学院人文社会系研究科(在学中合格)
受講コース:セレクト憲法本科生/教室講座+Webフォロー
受験語:英語
外務省での研修語:ペルシャ語

相手国や民間セクターと協力して課題に取り組む姿に魅了された

──外務省専門職員をめざした理由を教えてください。

新井 もともと外国語が好きで、幼い頃から英語や中国語を学んでいましたが、大きくなるにつれ、外国語を使う外交官という仕事があることを知り、漠然とした憧れを抱くようになりました。大学生になり、民間企業やNPOなどで外国に関わることができる仕事も調べてみたのですが、どんな仕事でも、まずは日本が相手国の中で安全に活動できるだけの関係構築や環境整備がなくては成り立たないのだということに気づきました。そこを担っているのが外務省で、国際的に活躍する民間セクターと協力して他国との関係を深化させている点に魅力を感じました。それで、私も日本のために国際社会を舞台に働いてみたいと思い、外務省専門職員をめざしました。

大矢 高校の先輩に外交官として活躍されている方がいることを知り、外交官という仕事に興味を持ちました。また、祖父母から戦時中の石油不足の話を聞いたことや、大学時代に起きたイスラム国の事件がきっかけで中東地域に関心を持つようになり、大学時代はサウジアラビアやオマーン、バーレーンなどを訪れました。中でも、バックパッカーとして4週間滞在したイランでの経験から、外交の重要性を意識するようになりました。そこから、自分の語学力や地域への探究心を活かすことができる外務省専門職員を志すようになりました。

江本 私は福島県いわき市の出身です。中学1年生のときに起こった東日本大震災で、日常が崩れる様子を見聞きしたことで、人々の安全を守ることやその手段としての法律に関心を持つようになりました。また、高校3年生のときに「SDGs(持続可能な開発目標)」が国連サミットで採択され、世界の現状をテレビで見る機会が増えたことで、日本だけではなく国際社会が協力し合って問題を解決していかなければいけないと思うようになりました。その思いから、国際関係について理解を深めようと大学では国際法を専攻したのですが、国際的に働きながら国民の安全や暮らしを守れて、日本と国際社会の両方に貢献できる外交官の仕事に惹かれ、この仕事に就こうと決めました。

──勉強を始めたタイミングや、TAC・Wセミナーを選んだ理由をお聞かせください。

新井 大学3年生から4年生の夏まで、スペインのバルセロナに留学をしていました。帰国したのは7月で、同じ留学組の外交官をめざす人たちはすぐに勉強を始めていたのですが、私は留学が本当に刺激的で楽しかったので、夏の間中は撮った写真の整理をしたり、留学中に旅した先で購入したポストカードを整理したりと、余韻に浸っていました(笑)。9月末に大学のキャリアセンターに問い合わせに行き、申し込みをしたのは10月半ば、勉強を始めたのは10月下旬になってからです。TAC・Wセミナーを選んだのは、当時大学で提携のプログラムがあったこと、知り合いの合格した先輩方も利用している受験指導校だったことなどからです。

大矢 私は大学院に通っていたのですが、中東やアフリカの歴史を学びたくてポルトガルに留学していました。新井さんと同じように夏に帰国し、1ヵ月間余韻に浸ったあと(笑)、9月から通学を始めました。TAC・Wセミナーを選んだ理由は、圧倒的な合格実績です。私のように文学部出身で法学に疎くても十分な知識を身につけて合格されている方が大勢いることもわかり、入会を決断しました。

江本 最初の受験勉強は、大学3年生になってから始めました。TAC・Wセミナーを選んだのは、合格者占有率が高く、しっかりとしたノウハウがありそうだと思ったからです。1年目は国家総合職と併願したのですが、大学の授業も多くて両立が難しかったため、一度中断して秋にまた再開しました。しかし、遅れが取り戻せずに両方不合格となってしまいました。そこで2年目は外務省専門職員に絞りました。これまでの体験を振り返り、自分は「オールマイティにできるタイプ」というよりも「得意分野に特化して組織に貢献するタイプ」だと思ったからです。

人と比べても苦しいだけ 不安を小さくするために勉強する

──ご自身の生活と受験勉強の両立で悩んだり、モチベーションが下がったりすることはありませんでしたか。

新井 モチベーションを保つのに効果的だったのは日記です。毎日手帳に4行程度、その日勉強した内容や気持ちを書いていました。勉強できなかった日はがんばった日の日記を読み返したり、「スペイン語の新聞を読んだ」など小さいことでも書いたりすることによって、やる気を取り戻すことができました。他には、友達とオンラインサービスを使って話したり、オンライン自習会を開いたりもしました。

大矢 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って試験の2ヵ月延期が発表されたときは、修士論文のスケジュールにも影響するため前向きな気持ちを保つのが難しかったです。しかし、せっかく時間ができたのだから有意義に過ごそうと切り替え、すでに考えていた志望動機を友人や先輩に改めて聞いてもらって練り直すことにしました。結果、原点回帰できてモチベーションが上がったうえに、二次試験の対策にもなりました。また、自宅で過ごす時間が増えたので、割と激しめのワークアウトのDVDを見ながら、運動もしていましたね。家族にはうるさがられましたが(笑)、体力をつけることができてよかったです。

江本 やる気が起きないときは、勉強のペースを落としてリフレッシュするようにしていました。悩んでいるときはTACの校舎に行き、合格者アドバイザーに相談しましたね。ちょうど1年前に自分と同じような苦しさを経験して合格した先輩たちなので、 話を聞いてもらうだけでもとても励まされました。


──受験勉強を通して心がけてきたことや、苦手科目の克服法などがあれば教えてください。

新井 勉強を始めるのが遅かったため、基礎的な講義を受けている時期に民間企業への就職活動も並行して行うことになってしまい時間がありませんでした。そこで、毎日少しずつでも勉強を進められた自分を褒めることにしていました。また、机に向かえない時間も活用できるように、小さいサイズのノートを復習用にして、電車の中や入浴中、それから寝る前のベッドの中でも確認するようにしていましたね。

大矢 細かい点にとらわれてしまうと、本当に必要な部分の学習がおろそかになるので、一番必要なことは何かを考えて、優先順位をつけてから学習を進めるようにしていました。

江本 苦手なものを一気にやろうとするとつらくなるので、数的処理なら毎日5問必ず解くなど、コツコツ取り組むようにしていました。また英語も苦手なのですが、周りにいるのは英語はもちろん他の言語も話せるような人たちばかりです。人と比べても苦しくなるだけなので、不安を小さくするためにも、音読とシャドーイングを毎日欠かさず行うようにするなど、習慣づけてとにかくたくさん勉強するようにしていました。再チャレンジに向けて勉強を始めてから最初の3ヵ月はなかなか成果が見えませんでしたが、2月頃からは努力しただけの結果が出てくるようになりました。


試験を知り尽くした講師や、信頼できる先輩に支えられた

──専門試験の選択科目はどのようにして選びましたか。

新井 数字が苦手なので、経済学を選ぶと苦戦することは目に見えていました。勉強時間も限られていたので、大学で多少勉強した経験のある憲法を選びました。

大矢 大学院の授業やアルバイトなどとの兼ね合いから、私も経済学と比較して短時間でも対策の可能な憲法を選びました。自分が苦手意識を抱きにくい、またはなじみやすい科目を選ぶのが大事だと思います。

江本 私も法学部で憲法になじみがあったので、迷うことなく憲法を選択しました。

──担任講師制度や合格者アドバイザー制度はいかがでしたか。

新井 担任講師はこれまで何年にもわたって合格者を見届けているので、外務省専門職員採用試験については何でもご存知です。私は井能強志先生にお世話になったのですが、自分が一体何に困っているのかさえ把握できていないような状態で相談に行っても、必ず解決策を提示してもらえました。合格者アドバイザーの先輩方にはどんなに些細なことでも相談できましたし、特別な悩みがないときでもお話しすることで「よし、がんばろう」とエネルギーをもらえました。

大矢 月1回のペースで担任講師とカウンセリングの機会を持つことで、孤独感なく試験勉強をやり遂げることができました。私も井能先生に相談していたのですが、国際法の担当なのに憲法の勉強法もアドバイスしてもらえたことに驚きました。試験内容や受験生のつまずくポイントを知り尽くしているからこそだと思います。また、毎月開催されるホームルームでは、合格者アドバイザーの先輩方から併願のし方や勉強法などその時期に合ったお話を聞くことができました。外務省専門職員採用試験は情報戦ですので、定期的に最新の情報を得られたのは大きかったです。

江本 私も井能先生のもとで月1回の担任カウンセリングを活用していました。物事がうまく進んでいないときはひとりで抱え込んでしまうタイプなのですが、定期的に講師と話をすることで、問題を解消しながら勉強を進めることができました。新井さんや大矢さんのお話の通り、井能先生は外務省専門職員採用試験について熟知されています。試験問題を作っている先生の書いた教科書を試験直前に読んでおくように勧められたのでその通りにしたら、読んだ部分から出題されて得点できたということもありました。一人ひとりのバックグラウンドや習熟度に合わせた個別指導は他にない点だと思います。合格者アドバイザーの先輩方には志望動機の添削や悩み相談で力になってもらい、感謝の気持ちでいっぱいです。

──TAC・Wセミナーの人物試験 ・ 面接試験対策で印象に残っていることを教えてください。

新井 合格者アドバイザーによる模擬面接では、フィードバックの際に実際の面接でのエピソードをうかがうことができたり、先輩方がどのような戦略で面接カードの内容を練っていたのかを知ることができたりと、大変参考になりました。私の面接カードは実際に先輩方から聞いた戦略を参考にしている部分も多いです。また、自主ゼミ制度により、受講生同士で二次試験対策を行うのですが、改善点を指摘し合ったり、情報交換をしたりと、合格すれば同期になる仲間と互いに切磋琢磨したあの期間はかけがえのない時間だったと思います。

大矢 私も一次試験終了直後から行う自主ゼミが特によかったです。本番の面接前日に、自主ゼミのメンバーと集団討論の練習をしたのですが、のちに同期となる仲間から鋭い質問を受けました。即座に答えるのが難しい内容だったのですが、翌日の面接本番でも偶然同じ質問をされたので、落ち着いて対応することができました。自主ゼミを通して自分の成長を実感できたのもうれしかったです。

江本 人物試験や面接試験対策全体を通して、「いずれ一緒に働く仲間として高め合っていこう」という雰囲気があったのが印象的でした。自主ゼミで他の受験生の熱い想いに触れ、自分のことを改めて捉え直すことで、面接カードや面接で話す内容の完成度を高めることができました。

小さいことから「一歩踏み出す経験」を重ねよう

──民間企業との併願はしたほうがいいと思いますか。

新井 外務省専門職員採用試験の前に民間企業の就職活動で内定を獲得していたので、安心した状態で試験に臨むことができました。ただ、私の場合はスムーズに進められたのでよかったですが、時間も労力もかなり必要ですので容易ではないと思います。よく考えて決めることをおすすめしたいです。

大矢 面接の練習や、自分の志望動機のブラッシュアップ、視野を広めるという観点から、余裕があれば併願するといいかな、とは思います。ですが、私のように「ひとつの企業のためより、社会全体のために働きたい」という考えの人は、無理を押してまで併願する必要はない気がします。

江本 民間企業の就職活動は、興味のある業界に少しだけエントリーしましたが、本腰は入れませんでした。私も大矢さんと同様、公務員のほうが肌に合っていると感じました。自分のやりたい仕事は「人々の安全を守ること」で、民間でそれを純粋に実現できる企業は少ないと思ったので、併願は他省庁の専門職など公務員にしました。

──海外渡航経験の必要性について考えをお聞かせください。

新井 必要性はないと感じました。私自身は留学経験がありますが、外交官になるために行ったわけではないですし、留学経験者であることが選考に有利だったということもありません。ただ、留学中に得た経験やチャレンジしたことを自分の視点で伝えられればアピールポイントになると思います。

大矢 私も新井さんとまったく同じ考えです。特に現在では留学や海外旅行をするのが当たり前になりつつあるので、海外渡航に限らず、自分が「どのような経験をし、それを今後いかに活かすことができるか」を意識することのほうが大切です。ただし、海外渡航経験があると、自分が世界を舞台に活躍できる人間だということを面接などでアピールしやすいので、機会があればぜひ挑戦してほしいとは思います。

江本 おふたりと同様に、絶対に必要なものではないと私も考えます。海外渡航経験がなくても、これまでの経験の中から、「なぜ外交に関心を持ったのか」「なぜ外交官になりたいのか」について伝えることができれば十分チャンスがあります。実際、私も他の受験生に比べて海外渡航経験は乏しいですが、想いを込めて志望動機を説明したことで合格することができたと思います。

──大学1・2 年生の頃はどのようなことをしていましたか。また、やっておけばよかったと思うことはありますか。

新井 大使館のインターンシップに参加して外交官の方が働く姿を実際に見てみたり、省庁のインターンシップや国連スタディツアーに参加して国家総合職や国際公務員のことを調べてみたり、興味を持ったことは自分の目で確かめるようにしていました。また、語学の勉強に励んだり、様々な国に行ったり、大学に来る留学生と交流したりと、好きなことを少しずつ実践していたのでやり残したことはないと思います。外交官になりたいけれども外国語が苦手だという人は、少しでも早いうちからコツコツ勉強しておいたほうがいいですね。

大矢 外務省専門職員を本格的にめざし始めたのは大学院に入ってからで、大学時代はサークル活動やアルバイトをしつつ、関心のある中東地域に短期留学をする機会を持ちました。自分としては、いろいろなことに挑戦できたと思います。欲を言えば、国際機関でのインターンシップなどに参加し、国際的に働くとはどういうことかを考える経験もしておけばよかったです。小さいことからでもいいので、「一歩踏み出してみる経験」を学生時代にたくさんしておくといいと思います。

江本 大学入学前から国際法に関心があったので、入学直後からひたすら勉強していました。国際法は動態的な法分野ですので、どこまでも飽きることなく不確定要素について探求していくことができました。外務省専門職員採用試験を受ける上でも、「国際法だけは全力を注いだ」と胸を張って言えたのでよかったです。逆にもっと真面目にやっておけばよかったと思うのは英語の学習です。ただ、外交官として国際法を用いて日本の安全を守りたい一心で受験勉強中に苦手な英語の力も伸ばすことができたので、その点はよかったと思います。


目の前の問題だけでなく遠い未来をも見据えた仕事を

──入省後はどのように活躍したいですか 。目標を教えてください。

新井 外務省専門職員とは、それぞれ何かしらの専門を受け持ちながら政策の立案や実施を下支えしていく仕事だと思います。私の場合はスペイン語という専門性を磨いていくことになると思いますが、いつか「スペイン語なら、この分野なら、新井さん」と、自分の専門性に信頼を寄せていただけるよう努力したいです。以前、お話を聞かせていただいた外交官の方が「自分たちが積み上げるべき成果は、その時その時にいい評価を得られるものではなく、あとから振り返ってプラスに評価されるようなものだ」とおっしゃっていました。外交官の仕事は、ときに日本という国や世界の行く末に大きな影響を与えうる、とても責任の重い仕事だと思います。だからこそ、私もこの言葉を忘れずに、近い未来だけでなく遠い未来をも見据えて仕事ができるようになりたいと思います。

大矢 研修語はペルシャ語なので、自分の専門言語や地域の面で、日本一をめざしたいと思っています。現在イランが国際的に置かれている立場を鑑みても、日本が外交上で果たすべき責務は日々拡大しています。その中で、ペルシャ語の専門職員の一員として、ペルシャ語や中東地域に対する探求心を常に持ち続けつつ、実務家として、日本そして国際社会の安定にいかに貢献することができるか、常に意識できる外交官になりたいです。また、在外勤務の機会も豊富にあるので、赴任先の国と日本のwin-winの関係を構築・発展させることのできる外交官をめざしたいと思います。

江本 フランス語研修になりましたので、分野としては国際法やマルチ外交に携わりたいです。また、フランス語圏のアフリカ各国と日本との関係を強化できるよう尽力したいです。国際法の専門家として、「国際法についてわからないことがあったときは江本に聞こう」と思ってもらえるような存在をめざすと同時に、行った先の国や部署での経験を成長につなげ、広い視野を持った外交官として、どんな場面でも日本の代表として恥じない働きができるようになりたいです。

──将来的な夢などがありましたらお聞かせください。

新井 友人が多く住んでいるラテンアメリカ地域に興味があるため、ラテンアメリカ諸国との経済外交や広報文化外交で貢献したいです。ラテンアメリカは親日的な国が多い中、まだまだ日本との関係において発展の余地を多く残していますので、ラテンアメリカ諸国と日本との関係がよりよい形で深化するよう、力を発揮したいです。

大矢 将来的には、自分の専門について極めるだけでなく、その知識がいかに他地域との外交にも活かせるか、広い視点から俯瞰することも可能な外交官になりたいです。

江本 退官するときに、「私心を排し公のために尽くすことができた」と自信を持って言えるように日々を積み重ねていきたいです。

──最後に、これから外務省専門職員やスキルアップをめざす方々へのメッセージをお願いします。

新井 何の努力もしないである日突然問題が解けるようにはなりません。最後まで諦めないことが大切だと思います。少しずつでもいいのでコツコツと努力を積み重ねて、「できないこと」よりも「できたこと」に目を向けていけば、どんな大きな壁でも必ず乗り越えられるはずです。苦しくなったら、支えてくれる人、見守ってくれる人の顔を思い出してみてください。その人たちに恥じないよう、今やるべきことに目を向けていきましょう。

大矢 イランを訪れたとき、戦争で破壊されたままの街並みや、経済制裁の影響で仕事のない若者の姿を見て衝撃を受けました。そこから、勉強やチャレンジができる環境があるならば、やるしかないと思うようになりました。やったことのないことに取り組んだり、行ったことのない場所に飛び込んだりするのは少し怖いですが、実際にその状況になってみないとわからないことはたくさんあります。まずは一歩踏み出して、大丈夫そうなら続けてみる。その気持ちを大切にしてみてください。

江本 自分自身、留学経験も乏しく英語も苦手で外交官に向いていないのではないかと思うこともありましたが、試験対策をしっかり行うことで合格を手にすることができました。すでに勉強を始めている方もこれから外交官をめざそうか迷っている方も、それぞれ不安を抱えていると思います。また、自分の成長を感じることができず悩んでいる方もいるかもしれません。しかし、努力は必ず自分の血となり肉となります。皆さんが納得のいく結果を手に入れられるよう応援しています。

──ありがとうございました。皆さんの世界各国でのご活躍をお祈りしています。

[『TACNEWS』 2021年3月号|特集]