コラム これからのビジネスパーソンに「統計スキル」が必要な理由とは

データサイエンティストの育成人数目標の公表や、小学生からの統計教育の開始、統計検定の誕生など、今、日本でも統計知識を持った人材を増やすための取り組みが活発になっています。
すべてのビジネスパーソンに「統計」の知識が必要な理由について、TAC統計検定・中小企業診断士講座の鈴木伸介講師にお聞きしました。

ビジネス上の「課題解決」に役立つのが「統計」

ビジネスの中では、利益を生み出すために、日々さまざまな経営判断がなされていますが、そうした判断はこれまで、「経験値」や「勘」など、属人的なスキルに頼るところが大きかったといえます。
 しかし今、ビッグデータやAIの発展によって、扱う情報量や考えなくてはいけない情報量がこれまでの比ではないほど増えています。そうした状況下で、合理的・論理的な意思決定をするために役立つのが「統計」のスキルです。

 AIは、膨大な情報を短時間で処理することができますが、「ある問題を解決するためにはどんなデータを見る必要があるか」「分析結果を元にどんな判断を下すのか」といった部分は、人間が考えなくてはならない部分です。
 社会や政治・経済とも深く結びついている「数字」や「データ」。これらを課題解決に向け正しく読み解き、活用していくために必要なのが「統計スキル」です。これからの時代を生き抜くビジネスパーソンの皆さんには、ぜひ「数字やデータをもとに、どう判断・決断するか」というスキルを統計学の学習によって磨いていただき、AIにはない「強み」を身につけていただきたいと思います。

[TACNEWS 2020年5月号|コラム]

Profile

筆者 鈴木伸介講師

早稲田大学理工学部卒業後、大手学習塾にて人事・秘書に従事した後、外資系生命保険会社にて、保険営業で支社最優秀営業社員賞を2回受賞。
2009年個人事務所インプロバンスを設立。中小企業診断士として中小企業の経営支援を行いながら、資格の学校TACにて経済学・企業経営理論・運営管理の講師を務め後進の指導にあたる。
2015年にハーモニービジョン株式会社を設立、代表取締役に就任。医学部受験に特化した数学マンツーマン指導Focusを立ち上げ、医学部合格者を多数輩出。また、AI導入による数字リテラシーを身につけるために、社会人向けに数学教室、「おとなのENJOY!数学クラブ」や「おとな数学オンラインサロン」の主宰を務め、『もう一度解いてみる入試数学』(すばる舎)を出版する。TACでは、「ビジネス数学検定」「統計検定」「統計調査士」各講座の教材作成・カリキュラム作成・講義収録を立ち上げから担当。
ビジネスパーソン向けの数字リテラシー向上に尽力している。

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