今、取得するべき理由とは?

企業経営アドバイザーを目指す方へ応援メッセージ

応援メッセージ 近藤 泰祐氏
Profile

近藤 泰祐(こんどう たいすけ)氏

一般財団法人知的財産研究教育財団 知的財産教育協会 事業部長
文化服装学院 非常勤講師

価値デザイン経営WG委員(内閣府)、知財創造教育推進コンソーシアム検討委員(内閣府)、知的財産Web動画セミナー事業制作審査委員会委員(中国経済産業局)、経営デザイン分科会代表幹事(日本知財学会)、IPランドスケープ推進協議会事務局
岡山大学法学部卒業 金沢工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科修了(MBA)
大手通信教育企業でアセスメントサービスの企画・編集、学力調査等に従事後、知的財産教育協会の設立、知的財産検定の創設に参画。事務局長として国家検定(知的財産管理技能検定)への移行に携わる。現在は、検定試験の普及・運営、知的財産管理技能士会の運営、知的財産アナリスト認定講座等の人材育成事業を担当。

企業経営アドバイザー資格の取得に向けた学びのなかで、未来のありたい姿を描く「経営デザインシート」の活用方法について取り扱っています。
今回は、経営デザインシートの普及啓発に取り組んでいる経営デザイン分科会(日本知財学会)の代表幹事を務める、知的財産教育協会の近藤泰祐氏にお話を伺いました。

知的財産教育協会について教えてください。

 知的財産教育協会では、知的財産管理技能検定試験を実施するなど、広く知的財産を活用する人材を育成しています。これからのビジネスパーソンは、自社の理念やパーパスを実践すべく経営の視座で自社の強みや課題を認識し、それらと紐付けた知財を含む無形資産の管理と活用が求められます。そしてそこでは『経営をデザインする』という考え方が非常に重要です。そのため、総合診療医として事業の課題を発見・整理する力を身につける企業経営アドバイザー資格には非常に注目しています。

経営デザインシートが生まれた時代背景について教えてください。

 20世紀から21世紀に時代が移ろうなかで、社会やビジネスには大きな変化がありました。需要と供給の関係に着目すると、高度経済成長期など20世紀は需要が供給を上回っていたため「良いものを作れば売れる」という時代でした。作れば作るほど売れる。「たくさん作った人が勝つ」という時代において、多くの企業が市場を確保するための製造設備を整えていき、それらの『有形資産』こそが価値の源泉でした。
 しかし現代はどうでしょうか。デジタル化、グルーバル化、技術の進歩によって供給力は需要を上回り供給過多な時代が到来しています。新しい技術を使って商品を開発しても選ばれなければ売れない。つまり「何が大事か」という基準が変わったのです。今では価値を生み出していく仕組みやアイデア、データなどの『無形資産』が価値の源泉として重要になっています。

「価値」を生み出す仕組みとはどのようなものでしょうか?

 まず有形・無形の資源からなる「インプット」があり、それらを「ビジネスモデル」を通じて組み合わせることで経済的価値や社会的価値が「アウトプット」として生み出される、この一連の仕組みを「価値創造メカニズム」と呼んでいます。今はSDGsやCSVといったキーワードに見られるように社会的価値も重要視されていますよね。インプットのところでは無形資産がとくに重要だと近年は言われていて、また自分の資源だけじゃなく他人の資源を使っていくオープンイノベーションも非常に重要視されています。
 ただ、事業環境の変化が激しい今の状況においては、今と同じような事業を継続してやっていても、つまり成り行きのまま進んで行ってしまうと、まず現状維持か衰退しかありません。変化していく事業環境を理解し、新しく価値を生み出す仕組みをしっかりと創造していかないと、大企業であれ中小企業であれ生き残っていけないという時代になってきています。
 そこで、自社の存在意義を踏まえた未来のありたい姿を描いて、そこからバックキャストして、ありたい未来を実現する道筋を設計・実行していくことが大事になってきます。これが『経営をデザインする』という考え方です。今を基点に伸ばしていくというフォアキャストではなくて、自分はどんな未来が欲しいのか、どうありたいのか、そこに行くためにはどうすればよいのか、というバックキャストの考え方です。

近藤さんへ取材

経営デザインシートはどのように活用できますか?

 企業経営アドバイザーにも組み入れられている経営デザインシートは、自己の存在意義、これからの在りたい姿、これまでの姿、これからの姿への移行戦略、という項目で構成されている、どうすれば在りたい姿になれるかというフレームワークであり、『経営をデザインする』思考を補助してくれるツールです。このツールを使えば在りたい姿に近づいていきやすく、そのためにはどうすれか良いかを考えやすくなるという仕掛けがあります。
 「事業を構想し・価値を創造していく」ツールである一方で、実はコミュニケーションのツールとしても有用です。後継者や社員との対話、支援者との対話にも有効で、資金調達の一助にもなります。「私は何をしたくて、どうしようとしているのか」という今の日本企業に特に求められている情報を明示できることは大きな強みです。どのように経営をデザインしているのか、わかりやすく可視化できるツールと言えるでしょう。
 僕は日本知財学会の経営デザイン分科会で代表幹事をやっているんですが、この分科会では『経営をデザインする』という考え方と経営デザインシートを普及しようと取り組んでいます。今は、経営デザインシート活用のベストプラクティスを共有する事例発表会を開催したり、動画コンテンツの制作に協力したりといった活動を通じて経営者と支援者の皆さんに経営デザインシートの活用方法や活用のメリットを知っていただくことに取り組んでいます。

これから企業支援者に求められることは何でしょうか。

 補助金の申請だったり特許の出願だったり、目先の課題を解決します、という課題解決型の支援がこれまでは主流だったのかもしれませんが、これからは経営者が本当にやりたいことは何かというところに伴走して支援していくことが求められていると思います。
 イヤイヤやっている仕事からはワクワクするような新しい価値は生まれません。だから、まずは経営者がワクワクすることが大切で、そのような状態にいかにしてもっていくのか、そこを支援するのがこれからの企業支援の在り方だと考えます。そのためには、経営者がどのようなバックグランド、生い立ち、出自で、どのような価値観なのか、そういう話をしながら経営者自身が普段振り返らない自分のことについて内省して「人生かけてやりたいこと・達成したいことって何だったんだっけ」と、これをもう一度取り戻すお手伝いをしてあげる必要があります。『未来を取り戻す』という言葉を使った人がいましたが、そのとおりだと思います。諦めかけていた未来を取り戻す。こんなものか、仕方ない、頑張らなきゃ…、というところから、創業したときにはもっと素敵な未来を手にしたいと思ってワクワクしていた、そこをもう一度取り戻しにいく。
 そこが見えてくると支援する中身も変わっていくんですね。本当にその人がやりたいことを実現するためにはどうしたらよいか、という本当のコンサルティングができます。また経営者自身も自ずと自走していきます。

最後に企業経営アドバイザーの方、またこれからアドバイザーを目指される方へメッセージをお願いします。

 中小企業庁も「伴走支援の在り方検討会」などにおいて、これからの中小起業支援のあり方の検討を進めてきており、経営者の自走力を引き出していこうと動いています。そして、その支援のツールとしてローカルベンチマークと経営デザインシートなどを活用することも盛り込まれるでしょう。企業経営アドバイザーの皆さんには、ぜひ経営デザインシートを使いこなせるようになっていただいて、経営者がワクワクしながら新しい価値を生み出していけるようにサポートしてもらいたいと思います。
 企業経営アドバイザーの資格を学んでいくなかで、『経営をデザインする』という考え方や経営デザインシートの活用方法について学ぶことができるので、これから中小企業を支援していきたいという方、あるいは自ら企業経営に携わっていて経営を向上させていきたいという方など、コロナ禍に負けない「新しい価値を創造したい」という方には、ぜひ取り組んでしていただきたいと思います。

近藤さんへ取材

※2022年2月現在

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