外交官（外務省専門）合格体験記

　高校時代に大きな足の怪我を負ってしまい、それまでバレリーナを目指していたのですが止む無く諦め、これからどうしようと途方に暮れていた頃に、高校のキャリア教育で外交官として働く高校の先輩に出会ったのが、私が外交官を目指すこととなった大きなきっかけです。その人間性の素晴らしさ、生き生きとした姿に感銘を受け、私もこうなりたい！と心の底から思いました。また、小さい頃から世界の貧困や格差といった現状に心を痛めてきましたが、そんな国際的課題を解決しながら、自分自身が日本外交の一翼を担い、日本の未来を創造していきたいと思いました。

　私がおすすめするポイントは大きく３つあります。まず、何といっても担任の井能講師の的確なアドバイスが随時受けられることです（少なくとも一か月に一回担任カウンセリング、プラス講師のいるタイミングを見計らって質問もできる）。井能講師は受講生の間で外専の神と崇められるほど、その情報量は半端無く、国際法のことは勿論のこと、学習方法、生活リズムのことまで、何でも答えてくれるので、正に困ったのび太の為のドラえもんです。この講師の言葉を信じ、ついていけば間違いないです。もう一つは、合格者アドバイザーの方々のフォロー制度です。直近で合格された先輩方は、一番の身近なロールモデルでしょう。合格者アドバイザーの方々は親切にも包み隠さず、受験にまつわる生々しいことも教えてくれます。多分、誰でも受験学習で病みがちになると思うのですが、そんな時、これを乗り越えた合格者アドバイザーの方々の話を思い出しながら、自分自身を奮い立たせていました。最後に、在籍する校舎のスタッフの方々もいつもとても優しく対応して下さりました。朝から晩まで毎日快適な自習をできたのは他でもない、スタッフの皆様のお陰です。私がどうしようもないスロースターターでありながら、合格できた理由はこれらにあると思います。

　大学で所属する２つのゼミがどちらも非常にハードな活動で、それが落ち着いたと思った時にはすでに2月（第一次試験の4か月前）になっていたことには非常に焦りました。それから、基本マスター、論文マスターを2倍速で一気見し、何とかそれも片付き、答練に参加し始めたのも3回目からでした。専門記述が課される国際法も憲法も初学であったので、非常に苦労しましたが、TAC・Wセミナーの教材のみを忠実に使って第一次試験は十分に乗り切れました。特に活用したのは答練の模範答案で、それを自分で読み上げたものを録音して、無心に聞き、結局耳コピしました。本番も見事に類似の内容が出たので大いに助かりました（答練は講師たちの予想問題と謳っているだけあって、本当に当たります！）。その他、時事論文や英語については、外交青書、時事公論を活用して学習していました。基礎能力は重要ポイントがあると思うので、自分の場合時間もなかったため、そこだけかいつまんで覚えました。また、第一次試験後、自主ゼミを結成し、共に第二次試験に向けて切磋琢磨した仲間はかけがえのないものです。個人的に、第一次試験は肉体的にきつかったのですが、第二次試験の方が精神的に参るものでした。しかしながら、大学図書館でのグループ討議の為の情報収集や、TAC・Wセミナーの模擬面接・英語面接もフル活用して対策を進め、なんとか最終合格できました。

　私は試験に臨むにあたり、試験それだけに集中していたため、一番不安だった一回目の個人面接が終わった時には一気に気が抜けたのか、その日の帰り道に携帯電話を無くしました。次の日も朝から身体検査があったので、正直起きられるか心配すぎて（いつも携帯電話をアラームにしている）、結局寝ずに次の日も霞ヶ関に向かいました。人間、何か一大事が終わった後は誰しも気が抜けるものですが、私みたいに後々困ることをしでかすと厄介ですので、最低限の気は持っていた方が良いということをお伝えしておきます（その後、無事に携帯電話は見つかりました！）。

　将来は海外で活躍したい！と思っている人には外専は打って付けの職業だと思います。私自身、今から仕事として海外へ行けることにワクワクが止まりません。一年間の霞ヶ関での研修を終えた後は、二年間、海外の大学院でも学べることは非常に魅力的ですね。日本にとどまらず広い視点を持って世界へ羽ばたき、私がかつて夢を抱くきっかけをもらった外交官の方のように、自分自身がそういった人間になれるように外務省専門職員として日々精進していきたいと思います！