資格試験・資格取得の情報サイト>外交官(外務専門職) >Diplomat News | 外交官(外務省専門)>Diplomat記事|【現役外交官インタビュー】vol.8 南部アジア部 南東アジア第一課 赤阪宏記さん

vol8【現役外交官インタビュー】
南部アジア部 南東アジア第一課 赤阪 宏記さん

2011年入省、タイ語研修の赤阪様にインタビューさせていただきました。赤阪様は、研修語であるタイ語を軸に多様な業務に携わりながら深い専門性を発揮されています。また、通訳担当官として外務省専門職員ならではの経験もされており、“まさに外交”というような臨場感のあるお話を伺いました。

赤阪 宏記 (あかさか ひろき) さん
南部アジア部 南東アジア第一課 主査

研修言語:タイ語

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Q. 外務省を目指された経緯を教えてください。

大学を決める際に、英語が好きだったこともあり外国語大学に行きたいと考えていました。そして専攻語を決める際に、せっかく大学で学ぶなら、アジア圏の言語で日本語とは全く違った言語を学びたいと思ったこと、さらに将来仕事で使える言語が良いと考え、タイには日本企業が多く進出していることから、タイ語を専攻語として選択しました。また、大学時代には、タイのチェンマイに交換留学にも行きました。
せっかく大学で4年間タイ語を専攻したので、それを活かしたいと民間企業への就職も考えましたが、より大きな視野を持って仕事がしたいと思い調べたところ、外務省専門職に出会いました。外務省専門職試験の外国語試験をタイ語で受けていたこと、面接カードの第1志望言語をタイ語にしていたこともあってかタイ語研修で採用されました。

Q. これまでのキャリアパスについて教えてください。

入省1年目は、現在の部署と同じ南東アジア第一課に配属され、課内の業務の調整等を行う総務班で勤務しました。その後、タイのバンコクで2年間の在外研修を行い、タイ語の一層の研鑽とタイの政治、経済、歴史、文化等の諸事情を学ぶことに専念しました。在外研修後は、在タイ日本国大使館に配属され、その後在ブルネイ日本国大使館で勤務しました。約5年間の大使館勤務を終え、本省では即位の礼準備事務局、G20サミット・外相会合室、経済局資源安全保障室エネルギー班を経験し、2022年から南東アジア第一課でタイ班長として勤務しています。

Q. 入省1年目の研修で印象に残っていることはありますか。

初歩的なことになりますが、電話対応で外務省外の人と話す際に、省内の人を「〇〇さん」と敬称で呼んでしまい、先輩から「そういう時は「さん」付けはしないよ」と指摘をされた際などに、「自分は社会人になったのだ」と実感していました。また、1年目は課内の取りまとめをする業務を担いますが、期限内に決裁がとれるようスケジュールを逆算し、各担当の方が作業しやすいよう説明を工夫しながら依頼するようにしていました。ただ、その取りまとめる量がものすごく多いため、一つひとつ締め切りに間に合わせつつ捌くというのが苦労したこととして印象に残っています。大変ではありましたが、2年目からは在外研修が待っているので頑張れました。

Q. 在外研修中はどのように過ごされていましたか。

在外研修はバンコクに行き、現地の大学に在籍しつつもタイ人の先生とのマンツーマンレッスンを中心にタイ語を学びました。また、ホームステイをしていたため、帰宅後もホストファミリーと話したり、タイ人の生活や文化をより深く知れたりするなど、この在外研修を通しての新たな発見もあり、タイ語専門職員としての基盤ともなる貴重な経験となりました。実は、在外研修中に出家したことがあります。というのもタイは仏教国であり、タイをより知るためにはお坊さんになる必要があると考えたためです。約2週間出家し、髪や眉を剃り、袈裟を着て、お布施を求めて家々を回るなど貴重な経験をしました。これはホストファミリーのつながりでお寺を紹介してもらうことで実現したため、その点でもホームステイをしてよかったと思います。タイ人に出家の話をするととても盛り上がるため、自己紹介でもこの話をしています。
研修中はタイ語の検定試験も受けるようにしていましたが、実務で使える語学力が重要であると考えていたので、研修後にすぐ通訳ができるようになることを目指して勉強をしていました。在外研修中でも、何かイベントがあると応援という形で大使館業務に携わることもあるので、そのような業務を通じて大使館勤務のイメージを作っていました。

Q. 在外研修が終わり、大使館での初めての業務はどのようなものでしたか。

初めての業務はよく覚えています。タイでは2014年5月にクーデターが発生しましたが、それがちょうど私の大使館勤務が始まるタイミングでした。そういった状況を受け、大使館ではとにかくタイ語での情報収集を行うように指示が出ました。そのため、タイのクーデター実行者の発表などの情報を収集し、大使館内の幹部に報告することが最初の仕事でした。2年間での在外研修の成果が生きた経験でもあったので、在外研修を頑張ってよかったですし、大使館での実務を通じてさらに語学力を向上させていくことができたと感じています。

Q. タイ、ブルネイでの大使館勤務はどのようなものでしたか。

タイは自分の専門の国でもあるので、通訳や大使館業務を通じてタイの知識をさらに深め、語学力を含めた外交官としての能力を向上させることができました。このタイでの経験が今の業務にも生きていると実感しています。ブルネイでは、主に英語を使って業務を行っていたため英語の重要性を身に染みて感じました。また、ブルネイはタイと同じ東南アジアの国ですが、文化、宗教などはタイと異なり、今後のキャリア形成においてもブルネイでの勤務は良い経験になりました。

Q. 本省に戻られてからの勤務はいかがですか。

本省と在外公館では、仕事の進め方が異なる部分があります。例えば、様々な政策等の方針を決めるための決裁書一つをとっても、大使館に比べ本省では関係する部署が多く、場合によっては他省庁にも確認する必要があり、時間がかかります。在外勤務後、本省に戻ってはじめて担当官として政策等の起案段階から最終段階まで責任をもってやりきるという経験をし、その大変さを実感しました。さらに本省は、そのような中でも迅速に意思決定を行う必要があるというスピード感も在外公館とは異なりました。
また、本省では自身の専門外の部署に配属されることもあります。経済局資源安全保障室では、これまで全く触れたことのないエネルギー関係の業務を担当することになり、専門知識やバックグラウンドのキャッチアップに苦労しました。担当官として業務を遂行するために、勉強したり、省内の様々な人に聞いたりしながら工夫して取り組んでいました。
昨年12月に東京で開催された日ASEAN特別首脳会議では、日タイ首脳会談が行われたため、日本とタイの二国間の調整部分を担当しました。岸田総理の発言内容について、外務省内で情報を集め、他省庁の意見も踏まえながらとりまとめました。総理の発言内容を決めることは、最も重い仕事の一つで、短く、かつポイントを押さえたものにしなければならず、他省庁からも2、3文字単位で修正の要望が入ります。外務省は、それらの意見を取りまとめ、首脳会談までに調整します。このようにして自分が作ったものが実際の会談で総理の発言として反映されるので、本当にやりがいを感じます。

Q. 一番印象に残っている業務を教えてください。

一番印象に残っていることは通訳の経験です。首脳会談は同席できる人がかなり限られますし、総理の考えをカウンターパートである他国の首脳に伝えるという重要な役割を果たせるため貴重な経験だと感じています。昨年12月の日ASEAN特別首脳会議もそうですし、2022年5月に岸田総理がタイを訪問した際にも、通訳として同行させていただきました。日本の総理が二国間訪問でタイを訪れるのは久しぶりの機会であり手厚くお出迎えいただきました。飛行機から降りて、赤絨毯を総理の横について歩きながら通訳をしました。タイ政府主催の晩餐会でも通訳を担当しましたが、首脳同士の2人だけの会話を直に聞くことができるのは通訳しかいません。会談ではかしこまった話ばかりですが、晩餐会ではフランクな内容の会話もあり、通訳ならではの経験であると実感しました。

Q. 今後の目標はありますか。

タイ以外の専門性も作っていきたいと思っています。また、年次が上がるにつれてマネジメント力が求められると思うので、そういった能力も身につけていきたいです。加えて、定期的に在外公館での勤務があるので、タイ以外の色々な国も経験してみたいです。

Q. 受験生・外務省を目指す方へのメッセージをお願いします。

外務省に入るための受験勉強は大変だと思いますが、自分がやりたいと思うことがあれば辛い勉強も頑張れると思います。外務省の業務は大変なこともありますが、入省してから「おもしろい」と思える経験ができる職場だと思います。なので、今受験勉強されている方は一度外務省がどんなところか、説明会等を通じて色々な職員から話を聞いて、そこを目指していくとおもしろい人生になると思います。

Q. これから社会にでる学生にアドバイスをください!

若い人だからこそ柔軟な発想を持っていると思います。コロナの影響を受けテレワークが普及してきましたが、私が入省したころは外務省はテレワークができるような職場とは考えられませんでした。このようなテレワークや決裁の電子化などは、若い人が「こんなツールありますよ」とか「こうしたら効率的ですよ」などの柔軟な考えを持ってきてくれるからこそ、進んでいったと思います。外務省内でも業務合理化を推進するためのタスクフォースが立ち上がっています。そのような新たな試みには若い人の力が必要になると思うので、自分が思っている発想などを気負わず伝えていってほしいです。

~インタビュアーのひとこと~

インタビューを通して、タイ語という軸を持ちつつも様々な業務に携わりながら、多様性と専門性を強みとして、チャレンジしている赤阪さんのお姿が印象的でした。通訳担当官ならではの経験や、新しい部署でも自分なりの工夫をされていること、また、在外でのお話など、積極的に学んでいく姿勢に感銘を受けました。(上田)

大変なことがありがながらも、日々楽しみながら努力をされている印象を強く受けました。これから社会人になる一学生として、気負いすぎず自分らしさや楽しむことも時には大事だと感じました。貴重なお話をありがとうございました。(松林)

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