資格試験・資格取得の情報サイト>外交官(外務専門職) >Diplomat News | 外交官(外務省専門)>Diplomat記事|【現役外交官インタビュー】vol.7 大臣官房考査・政策評価室長 兼 国際機関評価室長 木村泰次郎さん

vol7【現役外交官インタビュー】
外務省大臣官房考査・政策評価室長 兼 国際機関評価室長 木村泰次郎さん

1986年に、外務省専門職員として入省された木村泰次郎さんにインタビューさせていただきました。木村さんは、入省時に割り当てられた研修言語であるスペイン語の軸を持ちながら、軍備管理・軍縮・不拡散専門官に認定され、その後のキャリアにおいて、多様な業務に携わりながら深い専門性を外務省内外で発揮されてきました。そして、現在は、管理職である室長という立場でマネジメントや後進の指導を行いながら、これまでの様々な経験を生かしてさらに活躍の場を広げていらっしゃいます。
まだまだ情報の少ない専門官について、どのようなキャリア形成ができるのか、お話を伺いました。

※外務省における専門官とは?

外務省専門職員は、研修言語のみならず、当該言語と関連する国・地域の政治、経済、社会、歴史、文化等にも通じ、幅広い人脈を持ち、情報収集・分析能力に優れたプロフェッショナル、あるいは、経済、経済協力、条約等の多様な分野において、同様の資質を備えたプロフェッショナルとして活躍することが期待されています。専門官制度は、専門職職員に期待されるこのような「外交のプロ」としての専門性を更に向上させる一助とするものです。

木村 泰次郎 (きむら たいじろう) さん
外務省大臣官房考査・政策評価室長 兼 国際機関評価室長

研修言語:スペイン語

◆これまでのご経歴
1986年 入省、国連局社会協力課
1987~1989年 在外研修(スペイン)
1989~1992年 在グアテマラ大使館三等書記官(総務、政務、経済協力)
1992~1996年 中南米局中南米第二課
1996~1998年 軍縮不拡散審議官組織化学兵器禁止条約室
1998~2002年 軍縮会議政府代表部(ジュネーブ)二等書記官
(生物兵器禁止条約、NPT等)
2002~2005年 在ペルー大使館一等書記官(政務、広報文化)
2005年8月 軍備管理・軍縮・不拡散専門官認定
2005~2007年 軍備管理軍縮課課長補佐
2007年11月~2008年4月 人事院行政官短期在外研究員(カーネギー国際平和財団客員研究員(核軍縮・不拡散分野)、ワシントンDC)
2008年4月~2008年10月 不拡散原子力課課長補佐(IAEA)
2008~2011年 国連アジア太平洋平和軍縮センター所長(ネパール国カトマンズ)
2011~2014年 軍縮不拡散・科学部通常兵器室上席専門官(武器貿易条約等)
2014~2018年 在コスタリカ大使館参事官(次席)
2018~2022年 在チリ大使館参事官(次席)
2022年9月~ 大臣官房考査・政策評価室長(兼国際機関評価室長)

Q. 外務省を目指されたきっかけを教えてください。

横須賀出身であることから米国の方と昔から接する機会が多く、学生のころから英語を勉強することが好きで、高校時代に米国へのホームステイも経験しました。大学時代には、発展途上国で働きたいという思いから上智大学外国語学部イスパニア語学科でスペイン語を学びました。当時は海外で働くとなると『外交官』というイメージが強く、大学1年のころから準備して外務省専門職員採用試験を受けました。

Q. 専門官に認定された経緯とその後のキャリアパスについて教えてください。

「専門官」の制度は専門性を深めるための一つの制度として導入されました。制度が導入される前、中南米第二課で働いていた際に、中南米地域以外に何か特定の分野を専門として持ちたいと考えるようになりました。そして、中南米第二課の次は化学兵器禁止条約室に配属され、この配属をきっかけに、スペイン語を軸とする中南米地域と軍縮分野を専門として取り組もうと決意しました。その後、専門官の制度が導入され、自ら軍備管理・軍縮・不拡散専門官を希望しました。
外務省では特定の専門分野を深めていく働き方と、多様な分野に挑戦していく働き方とそれぞれ挑戦できる環境があります。また、専門官に認定されても、専門官の分野だけに従事していればよいわけではなく、研修言語に関わる地域やその他の分野の業務も担当することが期待されます。さらに、専門職職員も、将来的には管理職としてのポジションを経験し、2、30人ほどのグループのマネジメントをするようなこともあります。私自身、大使館における次席ポスト(注:大使に次ぐ立場で館の管理業務を行う)を経験し、現在は室長としてマネジメント業務にも当たっています。

Q. 専門官になるために必要な能力・認定の過程を教えてください。

専門官になる希望は毎年出すことができます。したがって、まず、一か所くらい特定の分野の仕事をしてみて、自分が興味を持つこと・その分野を深めていきたいという意志をもつことが大事です。そして2、3年一つの部署で働いて知見・経験を深めれば、誰でも専門官を希望することができます。「深い専門性を持ってから専門官になる」というよりは「この分野の専門官になります!」と決意表明をして自身で研鑽しながら、専門官として組織に貢献していくイメージです。

Q. 大学院ではどのようなことを学ばれましたか。また、それはどのように活かされていますか。

将来国連での勤務を考えていたので、修士号をとるために大学院に行きたいと考えていました。大学でスペイン語を勉強したので、在外研修では大学院レベルの講座を受けましたが、マスター(修士)の取得には至りませんでした。そこで、在外勤務を終え、中南米第二課に配属された際に、青山学院大学の社会人向けの大学院に入り、平日の業務後や土曜日に授業を受けて、2年間かけて修士号(国際政治経済学)を取得しました。
大学院の授業では、中東・安全保障・ビジネスなどに関する幅広い知識を吸収することができました。また、広く社会人の方とも交流があったこともよかったです。大学院での学びが直接何か役に立った実感はまだありませんが、国連に行く機会を得た際に、アカデミックキャリアとして修士を取得していると記載することができました。
外務省では特定の分野で経験を積むことで、国連などの国際機関で働く機会も得られる可能性があります。したがって、国連で働きたいという想いを持つ方にとっても外務省はチャンスのある職場です。他にも、人事院の制度を使った在外研究員としての派遣も、自分から手を挙げて希望することで経験できる可能性があります。

Q. 専門官としての業務への関わり方の特徴はどのようなものでしたか。

専門官は、「専門官だから特別な仕事が与えられる」のではなく、また、専門分野以外のポストに就くこともありますので、働き方としては他の職員と大きな違いはありません。専門官として認定された職員は、専門分野における知見、専門性の向上に努めることが求められ、そうした中で、経験や知識・人脈をより豊富にし、担当部署の一員として、また外務省員の模範となってその責任を果たしていくことが期待されます。

Q. 現在の業務内容と一日のモデルスケジュールを教えてください。

今私が従事している政策評価の業務はいわゆるPDCAサイクルのC(check)の部分にあたります。外務省が行った政策が成果を挙げているのかをできるだけ客観的に評価するツールです。外務省全体の仕事を理解できて、幅広く知見を深めることができる仕事だと思います。
また、国際機関評価にも取り組んでいます。日本が様々な国際機関に戦略的に資金拠出するために、その国際機関の活動や日本の取組を評価しています。国際機関の中には、自分がこれまで関わってきた機関もあるので、自身の専門官としての経験が生きることもあります。業務の中で、自分の詳しくない分野に取り組むことも多いため、苦労もありますが、地道に勉強し、同僚に教わりながらやりがいを持って日々学んでいます。
現在の一日のモデルスケジュールについては、朝出勤してメールチェック・必要な連絡や会議を行い、なるべく残業しないように帰宅するような流れです。大使館勤務の際には、ほぼ毎日外出して相手国の外務省職員や有識者、ジャーナリストの方などとお会いしたり、昼も現地の方々と交流しながら人脈作りや意見交換を行ったりしていました。

Q. 一番印象に残っている業務を教えてください。

思い出として残っていることはたくさんあります。1995年にキューバのフィデル・カストロ国家評議会議長(当時)が来日した際、中南米第二課で受け入れ担当を任されたことが印象に残っています。初訪日のカストロ氏に対し、大勢のカメラマンが待ち構えている中、カストロ氏に常に同行し、気さくなお人柄・お話し好きな性格を間近で知り、普段お会いすることができないような方と巡り合うまたとない機会を持てました。
また、在グアテマラ大使館勤務時に、経済協力の一部である、現地国民に対して大使館が直接手を差し伸べる「草の根・人間の安全保障無償資金協力」を担当し、ある農村に電力を導入することができました。電力導入以前、その村では夜になるとマツの皮を燃やして灯りにしていました。マツの皮は燃やすと大量に煙がでるというデメリットがありましたが、電灯が使えるようになったことでその問題が解消され、村の方々、とくにご老人の方がとても喜んでくれました。グアテマラは手織りの織物が有名なのですが、村の方が感謝状を織物でつくり、贈ってくださいました。このような仕事も非常に印象深く残っています。
さらに、在チリ大使館勤務時の新大統領就任式も強く印象に残っています。大統領就任式の際には、通常日本から特派大使が贈呈品を持って派遣されます。若い新大統領がポケモンのゼニガメが好きだという情報を若手書記官が得たことで、特派大使である副大臣にゼニガメのぬいぐるみを持ってきていただきました。これが非常に喜ばれ、その様子が何度もニュースで放映されました。こうした若手のアイデアが生きること、日本のアニメの世界への浸透具合は特に印象に残っています。

Q. 受験生・外務省を目指す方へのメッセージをお願いします。

外務省に入り35年以上経ちますが、このキャリアを選んでよかったです。大変な面は多くありますが、自分を成長させ、自分らしく仕事ができる職場だと思います。また、外交にはいろいろな分野があり、細分化されていますが、「十年一剣を磨く」という言葉にあるように、十年単位でしっかり勉強して仕事をすることが大事だと思います。
外務省の仕事はグローバルではありますが、仕事の現場はローカルです。ほとんどの任国は、私のいたグアテマラ、ペルー、コスタリカのように中小国・途上国です。したがって、華やかな舞台の仕事というよりも地味な仕事も多いと思います。しかし、だからこそ、誰でも意欲さえあればできる仕事だと感じます。
人と人との出会いが外交官のベースです。いろいろな国に行き、いろいろな人に会うことができる点で恵まれています。そして、その出会いの積み重ねが外交を形づくるというおもしろさもあります。
外交官は公務員であり、国や国民に対する奉仕の姿勢が必要です。特に大使館では在留邦人の安全確保や日本企業のサポートが大事です。様々な業務がある外務省では、幅広く業務を経験しながら専門性を深めることが自身のキャリアの充実につながると考えます。
したがって、外務省専門職は担当言語を軸にしながらも自身の専門を持ち、様々な分野で経験を積み、幅広い外交の一翼を担っていくフィールドがある、誰にでも開かれている職業です。

~インタビュアーのひとこと~

インタビューを通して、木村さんの学生のころから常に主体的に学び続け、挑戦されているお姿に感動しました。また、よく知らなかった「専門官」について、働き方や認定のされ方などを知ることができて、自身の専門職員としてのキャリアを改めて考える機会になりました。私も、多様な経験と深い専門性を身につけて貢献できるように日々励もうと思います。(蟹江)

木村さんがキャリアを通じてチャレンジし続けているお姿が印象的でした。長いキャリアの中で、在外公館への派遣や本省の勤務のほかにも、希望して努力すれば国連機関での勤務や専門官としての勤務といった道も開かれていることを知り、外務省の多様な働き方を垣間見ることができたインタビューでした。木村さんが心から楽しんでお仕事をされている姿に触れ、私も来年から外務省で働くのが楽しみになりました。(宮下)

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