資格試験・資格取得の情報サイト>外交官(外務専門職) >Diplomat News | 外交官(外務省専門)>Diplomat記事|【現役外交官インタビュー】vol.6 南部アジア部南西アジア課 宇野杏梨さん

vol6【現役外交官インタビュー】
南部アジア部南西アジア課 宇野杏梨さん

平成23年入省で、ベンガル語研修の宇野杏梨様にインタビューをさせて頂きました。宇野様は、在外研修から大使館勤務まで長期間バングラデシュに携わり、日バングラデシュ関係の専門家のお一人として、政策立案の最前線でご活躍されています。外務省内でも多くはないベンガル語話者として、希少言語を習得することの大変さや、在外研修でどのようなご経験をされたのか、詳しくお聞きしました。

宇野杏梨(うのあんり)さん
南部アジア部南西アジア課

研修語:ベンガル語

Q. 外務省専門職の志望理由を教えてください。

もともと中学・高校の頃から海外で働く仕事に憧れがありました。その後、大学生の時に模擬国連に参加をして、軍縮・不拡散や気候変動、人権など様々な国際問題の議論をしていくなかで、日本の立場からこうした問題に関わりたいという想いが募り、外務省を志望するに至りました。

Q. 志望言語の中にベンガル語を入れていたと仰っていましたが、それは何故でしょうか。

今後ますますの発展が期待される国のひとつに仕事を通じて関わることができれば面白いのではないかと思ったからです。その中でも、バングラデシュで話されているベンガル語を希望に入れたのは、学生時代にインドに旅行をして、そのエネルギッシュで活気あふれる雰囲気に魅了されたことがきっかけでした。私が専門職採用試験を受験する年度にちょうど南アジアで募集されていたのがベンガル語でしたので、第5志望に入れました。
研修語を伝えられた際には驚きもありましたが、面接でもインドでの経験を深く聞かれたので、ある程度予想していた部分もありました。

Q. 在外研修ではどのような生活をされていましたか。印象に残っていることはございますか。

在外研修では、昼間にベンガル語の語学学校に通い、夕方からはダッカ大学大学院の社会人クラスで開発学を学びました。大学院のクラスメートにはバングラデシュ人しかいなかったのですが、そのクラスメートの一人の家に2年間ホームステイをしたことで、バングラデシュ人が日々をどのように過ごすのか近くで見ることができ、非常に貴重な経験となりました。
例えば、バングラデシュは、電力が安定していないため、停電時には友人とろうそくを灯して一緒に試験勉強をしました。また、祝日を大切にするため、戦勝記念日や独立記念日、イスラム教のお祭りの日などのイベントに一緒に参加したことが印象に残っています。
また、研修及び在勤期間を通じて、総選挙前にはデモがあったり、ダッカ襲撃テロ事件が勃発したり、治安面で安定しない時期があったので、研修期間中の治安が比較的安定している時期にダッカ以外の地方を旅行して、ダッカとは異なる雰囲気を見ることができて良かったと思います。日本のNGOや青年海外協力隊の方がどういった活動を行っているのか視察できたことも貴重な経験の一つです。

Q. 在外研修ではどういったことを意識しながら勉強されていたのでしょうか。挫折しそうになったことはございましたか。

実は、バングラデシュで研修を行ったのは私が初めてでした。というのも、ベンガル語の研修はこれまでインドで行われていたからです。そういった点から、バングラデシュの研修において、確立した勉強法等が無かったことが大変でした。現地の語学学校でも通訳レベルの上級コースは開設されていないことが多く、自分で勉強をしていかなければなりませんでした。私の場合は、日頃から新聞を読み、ニュースを聞き、単語帳を自分で作るなど工夫をしました。
また、バングラデシュは、政府職員の方とお仕事をするうえで英語が通じる国でもあります。しかし、それに甘んじずに勉強することがとても重要です。外交官として仕事をしていくうえで、言語を習得しなければならないという強い思いがあったので、挫けずに勉強を続けることができたと思います。

Q. 在外勤務ではどういったお仕事をされていたのでしょうか。

私は、バングラデシュの在外研修後、そのまま5年弱バングラデシュ日本大使館に勤務しました。そのため、計7年バングラデシュに滞在することとなりました。私のように1か国にこれほど長い期間携わることになるのは専門職の中でもめずらしいキャリアだと思います。
大使館では、儀典班におり、普段は大使の日程管理やレセプション・会食の準備、大使とバングラデシュ政府関係者との意見交換の記録作成などを行っていました。また、日本から要人がバングラデシュを訪問される際には、受入れ準備やバングラデシュ側との調整業務を行いました。

Q. 希少言語だからこその良さはございますか。

ベンガル語が話されているバングラデシュは、英語が通じますし、英語で会談が行われることも多いので通訳の機会がたくさんあるわけではありません。それでも、通訳が必要な場面は必ずありますし、外務省内でもベンガル語話者は少ないので出番が回ってくることは良さの一つだと思います。

Q. 通訳の際にはどういったことを意識されているのでしょうか。

通訳をする機会はそれほど多くはありません。しかし、それで勉強を疎かにすると実際に必要な場面で大変になるので、常日頃から勉強は欠かせません。また、頭が真っ白になるくらい緊張する場でもあるので、そんなときでもきちんと訳せるように、語学だけでなく、最近の相手国とのやり取りや背景事情も合わせて勉強することを大切にしています。
また、主要言語だと通訳研修があってきちんと訓練を受ける機会があるのですが、残念ながらベンガル語にはありません。そのため、自分なりにシャドーイングの練習をするなど独学で進める必要もあります。

Q. お仕事で大変なことはございますか。

特に大変だった時期は、入省1年目のころだったと思います。今となっては、色々な業務をやらせて頂けるようになりましたが、1年目は知らないことも多く、仕事の進め方も難しかったり業務量も多かったりして大変な時期もありました。しかし、その時期にやってきたことは、今の仕事の土台となっていると感じるので、それを乗り越えることができれば任せられる仕事も増えてやりがいに繋がるのではないかと思います。先を見据えて入省1年目の時期も大切にしてほしいと思います。

Q. 最後に、どういった方に外務省専門職員を目指してほしいですか。受験生へのメッセージをお願いします。

外務省は、普段は調整業務など、地味な仕事も多いです。また、取り組んだことの成果がすぐに見えてくるわけでもありません。それでも私の場合は、日本とバングラデシュの関係をどうしたら前に動かせるかということを日々考え、日本の国益のために外交政策に携わることができる事にとてもやりがいを感じています。そういったことに関心を持っているのであれば、ぜひ目指してほしいと思います!

~インタビュアーのひとこと~
ベンガル語の在外研修を初めてバングラデシュで行うなど、新しいことに果敢に挑戦をされているお姿に感銘を受けました。また、治安が不安定であったり、教育面で不足することあったとしても、現地の友人の方々との交流を大切にしながら、自分なりに語学の勉強をされていたというお話が大変印象に残りました。日本との外交関係を今後も発展させていくためには、相手国の語学を文化的背景と合わせて学び続けることがとても重要なのだと思いました。貴重なお話をありがとうございました。

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