電験三種 令和5年度上期 合格発表!
合格基準点・合格率・講師による試験傾向分析
令和5年度 電験三種試験合格発表!
合格基準点・合格率は?
電気技術者試験センターより、令和五年度上期(2023年8月)第三種電気主任技術者試験の試験結果が発表されました。
受験者数・合格者数・合格率・科目合格者数・科目合格率
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 科目合格者数 | 科目合格率 |
---|---|---|---|---|
28,168人 [CBT:4,323/筆記:23,845] (下期28,785人) |
4,683人 (下期4,514人) |
16.6% (下期15.7%) |
9,252人 (下期8,269人) |
32.8% (下期28.7%) |
科目別 合格基準点・合格率
科目 | 合格基準点 | 合格率 |
---|---|---|
理論 | 60点 (下期60点) |
26.6% (下期24.6%) |
電力 | 60点 (下期60点) |
25.4% (下期20.8%) |
機械 | 60点 (下期60点) |
24.6% (下期28.4%) |
法規 | 60点 (下期60点) |
28.8% (下期18.4%) |
※科目合格率は4科目合格者含む
TAC講師による試験傾向分析
講師による分析とコメント(令和5年度上期)
上期の試験結果が、本日(9月4日)Web公表されました。
日々取り組まれた成果が発揮されたことと思います。本試験、お疲れ様でした。
次回下期試験、上期試験に向けて準備を開始する方は、電験三種の知識が残っている今から学習を開始してください。開始が早いほど忘れにくく、学習効果が大きくなります。今回見事電験三種に合格され、電験二種を目指す方もこのメソッドは同じとなります。
さて、本年度上期の合格基準点は、4科目とも100点満点で60点以上で、合格率は16.6%でした。
科目合格率は、9/12に公表されると思われます。
4科目ともは予想通り公表基準点である60点となりました。理論は比較的知識問題は多かったものの難易度としては標準的なものが多く、テキストをしっかり理解していたかがカギとなりました。他の科目が残っている方は、理論がベースとなりますのでぜひ学習は続けてください。電力はA問題で計算問題が多く出題されましたが、難易度としては標準的な問題が多く出題されました。機械は比較的解きにくい問題も多く出題されましたが、前回出題されたメカトロニクスなどの範囲からの出題はありませんでした。法規は前回試験に比べると知識問題も計算問題も解きやすい問題が多く出題され、得点しやすかったのではないでしょうか。
今年度から初めてCBT方式が導入され受験者数の増加が期待されましたが、近年で一番受験者数が少なかった下期と比べてもさらに受験者数が少ない回となりました。しかしながら受験機会が年2回に増えたことで、合格率は16.6%と上昇しました。
次回の試験は3月と記憶の新しいうちに挑戦することができます。モチベーションを保ちながら、今まで通りしっかり基礎を理解することを中心に練習を積むことを忘れないでください。
それでは、改めて科目別にみていきましょう。
令和5年度上期電験三種|理論
今回の理論は例年に比べ比較的知識問題が多いことが印象的な出題でした。
また、問題の難易度としても標準的なものが多く、全体を通して得点すべき問題をしっかり解くことができれば合格に近づくといった試験となりました。
特に前半部分では静電気・磁気に関する知識問題が多く出題され、どれだけ問題を多く解いたかよりテキストをしっかり理解しているかが問われる問題でした。
また、問12などの知らないとどうすることもできない(前後にヒントの無い)問題が出題されたことから、幅広い知識が求められました。
難問として、問11 , 問13 , 問14 , 問18が挙げられます。特に問11,13は内容的にも問題としても難解な問題であり、問14も、一見すると解けそうな問題ですが、実際に解こうとすると複雑で、こういった問題に時間をかけると、他の問題が解ききれないといったことになりかねない出題でした。
選択問題は、問17を選択された方が多いかと思います。こちらも簡単に解ける問題ではありませんが、コンデンサに関する類題を解いておくことで対応できる問題となります。
総じて、今回の出題は奇問といったものもあまりなく、特に前半部分はテキストを広く浅く学習し、過去問題をこなしておくことで比較的点の取りやすいものであり、受験者の方々の学習の成果が現れやすい結果だったかと思います。
また、ご自身が解ける問題を見極め、確実に得点することが重要であり、まずは手を動かして少し解いてみる、解けそうに無ければ次に進むという判断力が必要かと思われます。
令和5年度上期電験三種|電力
今回の電力は例年に比べA問題にて計算問題が多く出題されましたが、全体的な難易度としては標準的な問題が多かったように思います。テキスト等で知識を入れ、過去問を解くということを繰り返してきた方ほど解けたのではないでしょうか。
前半の発電に関する出題は、水力発電における比速度や火力発電におけるコンバインドサイクル発電方式と、少々細かい部分に関する出題が目立ちましたが、それ以降の知識問題については、テキストや過去問題を通して内容を理解できれば選択肢を絞ることができたかと思います。
計算問題についても、B問題の問15,問16は、問題の条件を適切に読み取り、解くための道筋をしっかり立て、単位に気を付けて解答することで一通り得点できる可能性があります。また、問17はかなり計算が複雑な問題ですので、丁寧に解く必要があります。
なお、問7や問16などはTACのレベルチェック模試で、問14などはTACの予想全国公開模試で類似問題が出題されていましたので、これらの模試を受験されていた方は、解くことができたかと思います。
総じて、テキストの理解・過去問題演習をこなし、解ける問題をしっかり取れていれば合格に近くなる試験だったかと思います。
令和5年度上期電験三種|機械
今回の機械では、前回出題された内容はメカトロニクスなどといった範囲は出題されず、従来通りの出題構成となりましたが、難易度としては、比較的解きにくい問題も多かったのでないかと思われます。
特に、問6や問11、問18など、あまり見慣れない問題もいくらか出題されていたり、問7や問10,問16など内容として難しいものもあり、なかなか思うように得点できない出題でした。
それに対し、問1や問3、問15は各種電気機器の基本的な原理・構造について問われており、問12なども基礎的な部分が理解できているかが問われているので、こういったテキストにある基本原理に関する問題はできるだけ得点する必要があります。
また、問2や問9は過去問題でも良く出題される形の問題であり、問14も一つずつ値を当てはめていけば答えが出る問題となりますので、こちらもできるだけ得点しておきたい問題となります。
選択問題では問17を選択した方が多いのではと思います。電熱の問題として、こちらも基本的な公式を当てはめることで解くことができます。
総じて簡単な試験内容ではありませんでしたが、問題によって難易度の幅が大きいので、上記のように解くべき問題を確実に解く必要があると思われます。
令和5年度上期電験三種|法規
今回の法規は、知識問題も計算問題も解きやすい問題が多く出題され、前回の試験に比べると得点しやすかったのではと思います。
特に、知識問題では問1,3,5,6,8などはいままでに何度か出題されたことがある条文となりますので、テキストの読み込みをしっかりしておく必要があります。
計算問題では、問11,13とこちらも過去問題でも良く出題される形の問となっていますので、ケアレスミスの無いように丁寧に解く必要があります。また、問10は一見すると難しそうな計算問題ではありますが、問題文の意味をよく読み込み、何を求めるかを明確にすると、特に特殊な計算なども無く解くことができます。
難問として、知識問題では問2,4,7,9などが挙げられますが、条文を全て把握・理解することは不可能なので、知らない条文は頭を切り替えて、一つでも選択肢を狭め少しでも得点につながるようにしましょう。また、計算問題問12は法規の知識というよりは理論の知識が必要となる問題で、解き方を把握していなければ解くことが難しい問題だったかと思います。
試験傾向の変更等もありませんでしたので、総じて、テキストに記載の条文を読み、過去問題演習をこなし、解ける問題をしっかり解ければ合格に近くなる試験だったかと思います。
本試験後はTAC!
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令和5年度上期 電験三種 本試験研究

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8/27(日)TAC新宿校で実施したセミナーの模様のWeb配信を開始しました。
今年もズバリ的中!TACの公開模試シリーズ
予想全国公開模試/レベルチェック模試

2023年度上期目標TAC電験三種「予想全国公開模試」「レベルチェック模試」で的中続出!
理論:予想全国公開模試1問・レベルチェック模試3問的中
電力:予想全国公開模試4問・レベルチェック模試5問的中
機械:予想全国公開模試3問・レベルチェック模試2問的中
法規:予想全国公開模試1問・レベルチェック模試1問的中しました!
合格発表後の進路は?
祝!4科目合格!
最強の電気主任技術者を目指す方へ

最強の電気主任技術者への道はすぐそこです。電験二種を目指そう!
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電験二種 ストレート合格コース
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2024年(令和6年度)にむけて、1次も2次も対策するオールインワンコースです。
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電験二種 2次合格コース
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電験二種の2次試験は苦戦者続出。TACでは過去問傾向を踏まえてしっかり対策します。
残り科目を攻略!
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【参考】電験三種 受験者数/合格者数/科目合格者数
実施年度 | 受験者数(名) | 合格者数(名) | 科目合格者数(名) |
---|---|---|---|
令和5年度上期 | 28,168 | 4,683 | 9,252 |
令和4年度下期 | 28,785 | 4,514 | 8,269 |
令和4年度上期 | 33,786 | 2,793 | 9,930 |
令和3年度 | 37,765 | 4,357 | 12,278 |
令和2年度 | 39,010 | 3,836 | 11,686 |
令和元年度 | 41,543 | 3,879 | 13,318 |
平成30年度 | 42,976 | 3,918 | 12,335 |
平成29年度 | 45,720 | 3,698 | 12,176 |
平成28年度 | 46,552 | 3,980 | 13,457 |
平成27年度 | 45,311 | 3,502 | 13.389 |
平成26年度 | 48,681 | 4,102 | 14,625 |
平成25年度 | 49,575 | 4,311 | 12,381 |
平成24年度 | 49,452 | 2,895 | 14,741 |
平成23年度 | 48,864 | 2,674 | 13,245 |
【参考】電験三種 全科目合格率/科目合格率
実施年度 | 合格率 | 科目合格率 |
---|---|---|
令和5年度上期 | 16.6% | -% |
令和4年度下期 | 15.7% | 28.7% |
令和4年度上期 | 8.3% | 29.4% |
令和3年度 | 11.5% | 32.5% |
令和2年度 | 9.8% | 30.0% |
令和元年度 | 9.3% | 32.1% |
平成30年度 | 9.1% | 28.7% |
平成29年度 | 8.1% | 26.6% |
平成28年度 | 8.6% | 28.9% |
平成27年度 | 7.7% | 29.6% |
平成26年度 | 8.4% | 30.0% |
平成25年度 | 8.7% | 25.0% |
平成24年度 | 5.85% | 29.81% |
平成23年度 | 5.5% | 27.1% |
【参考】電験三種 各科目合格基準点
実施年度 | 理論 | 電力 | 機械 | 法規 |
---|---|---|---|---|
令和5年度上期 | 60 | 60 | 60 | 60 |
令和4年度下期 | 60 | 60 | 60 | 60 |
令和4年度上期 | 60 | 60 | 55 | 54 |
令和3年度 | 60 | 60 | 60 | 60 |
令和2年度 | 60 | 60 | 60 | 60 |
令和元年度 | 55 | 60 | 60 | 49 |
平成30年度 | 55 | 55 | 55 | 51 |
平成29年度 | 55 | 55 | 55 | 55 |
平成28年度 | 55 | 55 | 55 | 54 |
平成27年度 | 55 | 55 | 55 | 55 |
平成26年度 | 55 | 60 | 55 | 58 |
平成25年度 | 60 | 60 | 55 | 58 |
平成24年度 | 55 | 55 | 55 | 52 |
平成23年度 | 55 | 55 | 55 | 55 |
詳細は試験センターHPをご確認ください。
一般社団法人電気技術者試験センター https://www.shiken.or.jp/index2.html