中小企業診断士 過去問に挑戦!(2022年度 第2次試験 事例 Ⅰより)

二次試験過去問2018

本試験で出題された問題を体験し、「どのような問題が出るのか」「どのような知識・スキルを求められているのか」試験問題を見ながらイメージを高めてみましょう!

1.問題

令和4年度 第2次試験 事例 Ⅰ

【企業概要】
A社は、サツマイモ、レタス、トマト、苺(いちご)、トウモロコシなどを栽培・販売する農業法人(株式会社)である。資本金は1,000万円(現経営者とその弟が折半出資)、従業員数は40名(パート従業員10名を含む)である。A社の所在地は、水稲農家や転作農家が多い地域である。

【第2問】
 A社が新規就農者を獲得し定着させるために必要な施策について、中小企業診断士として100字以内で助言せよ。

2.解説・解答

解答内容の検討

●問題要求の解釈

<第7段落>
さらに、従業員の定着が悪く、新規就農者を確保することが難しかった。農業の仕事は、なかなか定時出社・定時退社で完結できる仕事ではない。台風などの際には、休日であっても突発的な対応が求められる。また、新参者が地域の農業関係者の中に溶け込み関係をつくることも難しかった。A社では、農業経験者だけではなく、農業未経験者にも中途採用の門戸を開いていたが、帰属意識の高い従業員を確保することが難しかった。県の農業大学校の卒業生など新卒採用も始めたが、長く働き続けてくれる人材の確保は容易ではなかった。
<第2段落>
69歳になる現経営者は、幼い頃から農作業に触れてきた体験を通じて農業の面白さを自覚し~

農業の仕事の大変さが示されており、獲得や定着の障害になっていることが想定されるが、これらは仕事の特性上、変えようがないと考えられる。しかし、変えられなくても理解が得られればよい、という可能性もある。そこで、入社してから実態を知るのでは定着しない可能性が高いため、入社前に体験してもらうことで、農業という仕事の実態をしっかりと伝えることで、理解と覚悟をもって入社してもらうことが有効であろう。
一方で、大変な面ばかり伝えるのではなく、魅力を伝えることも重要である。
また、「地域の農業関係者の中に溶け込み関係をつくることも難しかった」という状況では仕事に馴染みにくく、やはり定着しないことが想定されるため、溶け込みやすい環境づくりが必要である。

<第3段落>
当時限られた人員であったが、現経営者を含め農業経験が豊富な従業員が互いにうまく連携し~
<第6段落>
現経営者は職人気質で、仕事は見て盗めというタイプであった。

以前のA社は「農業経験が豊富な従業員が互いにうまく連携」していた。ところが、農業未経験者は農業経験が豊富な従業員と同様に連携するのは困難であろう。そうすると、仕事を上手くこなすことができず、結果としてモチベーションが低下し、定着しないことが想定される。よって、経験を積まなくてもある程度連携できるように、標準化、あるいはマニュアル化することで対応するといったことの妥当性が浮上する。
また、現経営者は「仕事は見て盗め」というタイプだが、農業経験者はそれで良くても、未経験者にとってはなかなか難しい。結果として、仕事がなかなかできるようにならなければ、やはりモチベーションが上がらず、定着はしにくい。やはり今の時代、教育する仕組みは組織として整備する必要があると考えられる。

模範解答例

事 前 に 魅 力 と 実 態 を 伝 え る た め に 農 作 業 体 験 を 行 う 。 ま た 、 教 育 の 仕 組 み の 整 備 や 連 携 方 法 の 標 準 化 、 既 存 社 員 も 交 え た 地 域 の 農 業 関 係 者 と の 関 係 づ く り に よ り 、 未 経 験 で も 早 期 に 仕 事 が で き る よ う に し 、 帰 属 意 識 を 高 め る 。

正解できましたか?なかには初めて見る言葉もあったかもしれません。TACのカリキュラムでは、「基本テキスト」などの教材で一から基礎固めをしていきますので、初めて学習される方でもご安心ください。

3.解説動画

動画で解説します!
2022年度 2次試験 事例Ⅰ 解説

正解はできましたか?
上記の解説文でもおわかりなったかもしれませんが、解説動画を視聴していただくと、さらに理解が深まると思います。TACのカリキュラムでも、「基本テキスト」などの教材で一から基礎固めしてきますので、初めて学習される方でもご安心ください。

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