子育てしながら税理士資格を取得!
TAC OGから学ぶ女性税理士座談会〔1/3〕

2021年12月11日

TAC税理士講座のOGで、現在、多方面で活躍中の4名の女性税理士にお集りいただき、受験時代の苦労や税理士資格取得した今だから思うことなどをお話しいただきました。

<目次>

  1. 合格までの道のり【1ページ】
    1. 4人の関係
    2. 税理士を目指したきっかけ
    3. 合格までの道のり
  2. 学習していく中での工夫【2ページ】
    1. 学習していく中での工夫
    2. モチベーションが下がったときの持ち直し方
    3. 現在の仕事内容
  3. 合格が先か実務が先か【3ページ】
    1. 実務を経験して、受験時代の学習が活きた経験
    2. 合格が先か実務が先か
    3. 最後に

脇田 弥輝

脇田 弥輝(わきた みき)
税理士

1976年東京生まれ。 大学卒業後、システム情報会社にシステムエンジニアとして就職。結婚を機に退職後、出産。 その後税理士を目指し、2013年税理士登録。個人税理士事務所、税理士法人勤務を経て、2016年脇田弥輝税理士事務所開業。同年4月より東亜大学大学院法学専攻非常勤講師。書籍、講演、セミナー実績多数。大学1年男子、中3男子の2児の母。

岡本 雅代

岡本 雅代(おかもと まさよ)
税理士

1977年広島県生まれ。 大学卒業後、都銀に入行。結婚を機に退職し、税理士資格の勉強を開始。一年目で簿財合格後、会計コンサル入社。出産を機に退職し、シンガポールの駐在同行中に消費合格。帰国後は会計事務所に勤務しながら、法人・国徴で官報合格し、2017年税理士登録。現在は渋谷の税理士法人に勤務。中3女子、小4男子の2児の母。

森島 奈美

森島 奈美(もりしま なみ)
税理士

1981年山形県生まれ。 大学在学中に簿記、財表合格後、一般企業に就職。妊娠を機に退職し、受験を再開。所得税法合格後、税理士法人にパートで勤務。勤務しながら亜細亜大学大学院を卒業し、2018年税理士登録。現在は吉祥寺の税理士法人勤務。高1男子、中1男子の2児の母。

定岡 佳代

定岡 佳代(さだおか かよ)
税理士

1980年兵庫県生まれ。 大学卒業後、関西で技術職に就くも、結婚・出産・上京を機に専業主婦に。 一念発起し日商簿記3級・2級、そして税理士試験に挑戦。都内の税理士事務所に勤務しながら3科目合格。立教大学大学院経済学研究科を2020年3月に卒業、2021年税理士登録。中3男子、中1男子の2児の母。

4人の関係

(司会)それではまず、先生方が知り合った経緯をお話いただけますか。

(脇田先生)
岡本さん、森島さんと知り合ったのは、15年くらい前にSNSの「税理士を目指すママ」というオフ会に子供を連れてランチに行ったときでした。そこで意気投合して、その後もお互いの家に遊びに行ったり、家族ぐるみの付き合いをするようになりました。
その後、私が2010年からブログを書き始めたのですが、それを定岡さんが読んでくれていて、私が別の女性3人でセミナーを開いたときに、そのセミナーに定岡さんが参加してくれて、そこからやり取りをしているうちに、同じような家族環境ということもあり、この4人で会うようになり仲良くなりました。 といっても、最初は子供も小さかったので、頻繁に会っていたわけではありません。それでも、ここまで仲良くなれたのは、4人とも税理士受験生だったこと、年齢が近かったこと、比較的みんな出産が早く、子供の年齢も近いなど境遇が似ていたことが大きかったんだと思います。

(岡本先生)
たまたまみんな受験指導校がTACだったんですが、一緒に勉強してきたわけではなく、それぞれに勉強していました。それでも、受験時代の前半に知り合えたことで、精神的に支え合いながら進んでこれたのは大きいですね。

(森島先生)
たまにみんなで会うときも、税理士の勉強の話は殆どしていなかったと思います。子育ての話が中心で、税理士の受験勉強はみんな別々にしていた感じでしたね。
ただ、直前期の5月頃になると、8月の税理士試験が終わったら、みんなで集まろうねって励まし合えたことで、受験を続けていけたということもあると思います。

(岡本先生)
「もう直前期だね」とか、「スキマ時間に学習できてる?」とか、こんな話ができるのが、単なるママ友との大きな違いですね(笑)。

(定岡先生)
私が脇田さんのブログを見つけたときは、ちょうど脇田さんが税理士有資格者(税理士登録前)になったタイミングでしたので、かなり私の前を進んでいました。同じ理系出身で、2児の母で、ブログを見つけたときは「この先、脇田さんのようになれたらいいな」って、目指す目標ができたんです。その後、岡本さん、森島さんとも仲良くなって。とにかくみんなポジティブで、不合格でもすごく前向きで、その姿勢はすごく通じ合えましたね。

(司会)受験時代は税理士についての情報を求めていたんですか?

(定岡先生)
そうですね。特に「ママ税理士」として情報発信している人は少なかったので、脇田さんのブログを見つけたときは嬉しくて、思わずコメントを送ったのを覚えています。脇田さんに会うときには、ちゃんと合格して頑張ったって言える状況で会いたいと思ったので、ブログを見つけた年はものすごく頑張れて初めて科目合格できたんです。科目合格後に実際にお会いしたときは「本物だぁ!」ってはしゃいでしまいましたね。

(脇田先生)
私も覚えています。当時は税理士として登録したばかりなのに、会いたかったって言って喜んでくれて嬉しかったですね。

(司会)同じような境遇で受験を頑張っている人達とつながりたいっていう思いは、今の受験生にも言えることでしょうね。

森島先生森島先生

税理士を目指したきっかけ

(司会)では、次に税理士を目指そうと思ったきっかけを教えていただけますか?

(森島先生)
私が税理士を目指したのは大学生のときです。同じゼミに入ろうって話していた友人が、「公認会計士を目指す」と言って頑張っていて、それがきっかけで私も大学時代に何か資格を取得できれば、就職やその後の人生で強みになるんじゃないかなって思って。それで、大学生協をうろうろして見つけたパンフレットが、公認会計士の横に並んでいた税理士だったんです。

(司会)友人と一緒に公認会計士を目指そうとは思わなかったんですか?

(森島先生)
公認会計士の勉強はすごく大変って聞いていたので、合格すればそれだけ役に立つ資格なんだろうと思ったんですが、私は上場企業よりは中小企業の方たちのサポートをしていきたいと漠然に考えていたので税理士の勉強に進みました。
母親が栄養士の資格をもって働いていたので、女性も資格をもって働いていくのがいいなという思いを持っていましたし、税理士は5科目合格まではある程度の期間かかると思っていましたが、科目合格制なので始めやすそうだなと思い、税理士を目指しました。

(岡本先生)
私は大学時代から税理士を目指そうとは考えておらず、大学卒業後は銀行に就職しました。当時はバブルがはじけて貸し渋りが起こっている時代で、私は債権回収などを担当していました。あるとき、担当先の社長さんから難しいご相談をいただいて、それを取り持ってくれたのが社長に付き添って来られた税理士さんだったんですね。漠然と税理士という職業に興味を持ったのはそのときでしたが、すぐに税理士を目指したわけではなく、その後、銀行間の合併なども経験して業務が一変したことなどもきっかけで、「何か変わらないもの、ずっと通用するもの」を手に入れたいなと考えるようになり、結婚を機に銀行も退職して税理士を目指すことにしました。
その年、TACには9月から申し込んだのですが、3月に結婚式を控えて準備に忙しかったので、なかなか勉強できず、結局勉強を始めたのは結婚式後の4月からでした。まだ子供もいなかったので、そこから猛勉強して、1年目に簿記と財表の2科目に合格できたんです。

(司会)実質、4ヵ月で2科目合格なんてすごい集中力ですね。

(岡本先生)
幸先は良かったんですが、実は、この経験が後ほどお話ししますが、失敗の始まりなんです(笑)。

(脇田先生)
私は子供を産んだあとは専業主婦でと思っていたんですけど、子供が1歳を過ぎて、夜まとまって眠ってくれるようになると、自分の時間が少し持てるようになりました。そんなとき、夫から「税理士試験は科目合格制だから、家事や育児と両立しながら目指している人も多いらしいよ」って言われたんです。当時は税理士の仕事もよくわかっていませんでしたし、税理士なんて頭の良い人がなれる資格だくらいに思っていたので、私なんかには無理だと思っていたんですが、とりあえずTACに資料請求して、無料セミナーにも参加してみたんです。そのときにセミナーを担当された女性税理士の先生の話を聞いて、「もし私が税理士になれたら、今はただのママだけど、すごい世界が開けるのかも」って、まだ税理士の勉強を1ミリもしていないのに、すごくワクワクしたんですよね。
それで、子育てや家事を今まで通りこなして、子供が寝ている間だけ勉強するってスタンスで通信講座で学習を始めました。そううまくはいきませんでしたが。
それで、今、合格してインタビューされる側になったので、私がセミナーで出会った先生のように、これから税理士を目指す人に向けて、私もお手伝いができたらいいなと思っているんです。

(定岡先生)
私は子供を出産して専業主婦になって、2歳違いで二人目の子供を妊娠中に何かしたいと思い、独学で日商簿記3級を取得、そして子供を出産したあと続けて日商簿記2級も取得しました。その後日商1級に挑戦しているとき、友達が税理士の消費税法を受験していたので話を聞いてみると、理系出身でも受験資格があれば税理士受験できることを知って、税理士の勉強を始めることにしました。
最初の2年は受からなくて、3年目に二人目の子供が幼稚園に入って、昼間、自分の時間が持てるようになったときに、脇田さんのブログもちょうど見つけて火がついて合格できたんです(笑)。私は、育児だけをしていることがかえって精神的にしんどかったんです。仕事をしたかったですけど、子供を預けることができなくて、でも、仕事をしていないと保育所に預けられなくて。なので、資格を取って一気に就職しようと考えました。

(司会)大学時代から勉強された方もいれば、結婚して子供を産んでから目指した方まで、受験生の数だけきっかけはそれぞれですね。

先生方
先生方

合格までの道のり

(司会)では、受験を始めた後の合格までの道のりは順調だったのですか?

(岡本先生)
先ほど少し触れましたが、幸先よく4ヵ月で簿財2科目に合格したことで、「なんだ、4月から勉強すれば税理士試験は受かるんだ」って勘違いしてしまったんですね。その後は、会計事務所に就職して残りの科目を勉強しようと思っていたんですが、会計事務所の仕事が大変で結局3年間は受験もせずに仕事1本でした。そうやって過ごしていたときに妊娠し、会計事務所を退職して税理士の勉強を再開しました。出産後は育児との両立は大変だったのに最初に簿財2科目に4ヵ月で合格できたので、今回は法人税法と消費税法をまとめて勉強しちゃえって思って勉強していました。それで、1年、2年経って「あれ?全然受からないぞ」って(笑)。それから夫の転勤でシンガポールに3年行くことになったんですが、不合格が続いたことが悔しくてシンガポールでも勉強は続け、試験のときだけ一時帰国して受験していました。妊婦中に受験する年もあり、別室で受験させてもらったこともありましたね。

(司会)受験を続けていく中で、受験をやめたいと思ったことはなかったのですか?

(岡本先生)
何度かありましたよ。特に4科目合格して最後の国税徴収法を受験して落ちたときは、「もうやめる」って言って、この3人の前で泣いたこともありました(笑)。

(司会)どうやって持ち直したんですか?

(岡本先生)
みんなに散々愚痴って話を聞いてもらって、「もったいないよ」って励まされて。私は会計事務所で実務にも触れており、法人税法や消費税法が実務で役立つことがわかっていたため、不合格になっても頑張ってこられたんですけど、国税徴収法は実務で使わない科目なので、「なんでこの科目を選択しちゃったんだろう」って思いながらの受験でしたので、再チャレンジの年は勉強がしんどかったですね。本当にみんなのおかげです。

(森島先生)
私も少し勘違いがあって、大学の授業にもちゃんと出席して、サークル活動にも参加して、それで大学時代に簿財2科目に合格したので、残りの科目は就職して働きながらでも合格できるなと思っていたんです。けれど、やっぱり仕事との両立が難しくて、受験してもなかなか受からなくて。その後、妊娠、出産もあったのですが、やっぱり勉強することは楽しかったんですね。合格できなくて、何年も同じ科目を勉強することはつらかったんですけど、解けなかった問題が分かるようになっていく過程に面白さも感じることができたので勉強を継続できました。とは言っても、もちろん当時は本当に苦しかったんですけど、今となっては何回も落ちたからこそ、その科目は深く知ることができたといい経験ができたなって肯定しています。

(定岡先生)
私も法人税法を3回落ちているので、森島さんの話は本当によくわかるって思って聞いていました。
失敗談ではないですが、試験の1週間前くらいにママ友に誘われてお昼を一緒に食べたんですが、夕方からはまた勉強しようと思ってたのに、気が張り詰めていたということもあったんでしょうね、酔っぱらって眠ってしまって。気づいたらもう夕方。「ヤバイ!子どもを迎えにいかなきゃ」ってことと同時に、「覚えた理論が頭から抜けていたらどうしよう」って焦ったことはありましたね(笑)。

(脇田先生)
私は最初、簿記論1科目から受験したんですが、1年目は不合格でもまだ実力が足りなかったんだなってそんなに落ち込まなかったんですが、2年目、簿財2科目で受験して、その年は一生懸命頑張ったのに、問題文の読み飛ばしなどのミスをしてしまい、また2科目とも不合格だったんです。家族にも迷惑をかけて、お金もかけて頑張ったのに1科目も受からなかったときに、もうやめようかなって思いました。そんなとき、義理の母に「もうちょっと続けてみたら」って励まされたりもして続けることにしました。その当時のブログにも書いたんですけど、ここでやめたら問題文の読み飛ばしが一生の失敗になってしまうけど、頑張って合格したらただの1年の失敗だなって思ったことを今でも覚えています。それからはやめたいとは思わなかったですね。つらいけど、受験当初の気持ちを思い出したり、ここでやめたらただの人で終わっちゃうなとか思って勉強していましたね。継続すれば道は開けるって。

(司会)先生方の話を聞いていると、友だちや周りの後押しって大事なんだと気づかされますね。

(脇田先生)
そうですね。もしあのとき義理の母の言葉が、私のためを思って「弥輝さん(脇田先生)、つらいんだったらやめてもいいんだよ」って言葉だったらどうなっていたのかわかりませんね。

(定岡先生)
ギリギリで不合格だったときはみんな同じだと思いますけど、本当につらいですよね。みんなに励まされて頑張ってこられたなって。

脇田先生脇田先生

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