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国家総合職試験 教養区分とは?
試験の仕組みや対策を解説!

国家総合職試験教養区分とは

 国家総合職(国総)受験生に人気の教養区分。他の国家総合職試験とは異なり、専門試験が出題されないことで学習負担が軽く受験しやすいと言われています。

 一方でトップレベルの国立大生でも不合格者が多数出る難関試験です。このページでは教養区分の人気の理由、どうすれば合格できるのか受験生の皆さんが知りたい情報をまとめて解説していきます。

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国家総合職試験 教養区分とは

 教養区分は、国家総合職試験の1つで、法律、経済のような専門科目が課されないことから教養区分と呼ばれます。政策立案能力を重視した試験となっています。
 国家総合職試験には、教養区分以外に法律区分、経済区分、政治国際人文区分、院卒(行政)区分など複数の試験が行われており、どれか一つに最終合格することで国家総合職の官庁訪問(志望先省庁で行われる採用面接)に参加することができます。国家総合職試験最終合格=採用ではなく、最終的に官庁訪問で志望省庁から内々定を獲得することで採用されることになります。
 今の国家総合職試験は、以前のような試験の合格順位や受験区分を意識した採用が行われることが、ほとんどなくなっていることから、大学2年から受験でき受験科目の少ない教養区分の人気が高まっています。

受験資格 19歳から受験できる

 国家総合職試験にはいろいろな受験区分(試験の種類)があり、ご自身の専門分野や年齢に合わせて受験区分を選ぶことができます。

 教養区分の受験資格は日本国籍のある19歳~29歳の方(受験する年度の4月1日時点の年齢)となっており、浪人せずに現役で大学に通われている方であれば大学1年3月に行われる試験から受験することができます。

国家総合職試験 各区分の受験可能年齢

区分 受験可能年齢
教養区分 19歳~29歳
教養区分以外の大卒区分
(法律、経済、政治国際人文、工学など)
21歳~29歳
院卒区分
(行政、工学など)
修士課程2年~修士課程を修了した29歳

※受験可能年齢は受験年度の4月1日時点の年齢で判断します。
※受験するには年齢要件以外に国籍要件があり、日本国籍を有している必要があります。また二重国籍の方は受験が認められません。

在学中の受験チャンス 最大何回受験できる?

 国家総合職試験は、受験資格さえ満たしていれば何度でも受験することができます。現役で大学に合格された方であれば、大学4年夏の官庁訪問(志望先省庁で行われる採用面接)までに最大5回受験することができます。

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<教養区分>試験内容、実施スケジュール

 国家総合職試験の教養区分は、毎年春と秋の年2回行われます。2026年春の試験内容、試験日程は以下の通りです。

2026年 国家総合職試験 春試験(教養区分) ※〇内の数字は出題数
出 願 インターネットでの出願
2026年2月2日(月)~2月24日(月)
第1次試験
2026年3月15日(日)
基礎能力試験
Ⅰ部 2時間20分
Ⅱ部 1時間
・Ⅰ部:30題
 文章理解⑩ / 数的処理⑭ / 自然・人文・社会に関する時事・情報⑥
・Ⅱ部:20題
 自然科学(数学、物理、化学、生物、地学)
 人文科学(日本史、世界史、地理、思想)
 社会科学(法律、経済、政治社会)
総合論文試験
2時間30分
・1題 政策の企画立案の基礎となる教養・哲学的な考え方に関するもの
第1次合格発表 2026年3月30日(月)
第2次試験
2026年4月27日(月)・28日(火)または
2026年4月30日(木)・5月1日(金)
企画提案試験
Ⅰ部 1時間30分
Ⅱ部 30分
企画力、建設的な思考力及び説明力などについての試験
Ⅰ部:プレゼンテーションシート作成
Ⅱ部:プレゼンテーション及び質疑応答
政策課題討議試験
1時間30分
社会課題に対するグループディスカッション
人物試験
15~20分
個別面接
最終合格発表 2026年5月29日(金)

  1次試験は筆記試験が行われ、大学入試の共通テストに近い「基礎能力試験」と国家総合職として必要な判断力、思考力を見る「総合論文試験」が行われます。

 2次試験は口述系の試験が行われ、現役官僚の前でプレゼンを行う「企画提案試験」、日本が抱える社会課題に対して2つの立場に分かれてグループディスカッションを行う「政策課題討議」、国家総合職としての適性を判断する「人物試験(個別面接)」が行われます。

 2次試験の受験日は前半日程と後半日程に分かれておりどちらが試験日になるかは人事院から案内があります。

国家総合職試験 教養区分の各試験内容を解説

教養区分試験の1次試験

<1次試験>基礎能力試験

 教養区分の基礎能力試験は大学入試の共通テストに近く、主に高校までに学習した内容が出題されます。基礎能力試験はI部とII部に分かれており、I部が一般知能分野(数的処理・文章理解)と時事・情報、II部が一般知識分野(自然科学・人文科学・社会科学)です。それぞれ満点の30%が基準点となっており、これを下回ると足切りとなり、他の試験で高い点数を取っても不合格になります。配点比率はI部が2.5/24、II部が1.5/24です。

I部 30題(2時間20分)

数的処理:14題
文章理解(現代文、英文):10題

II部 20題(1時間)

自然科学(数学、物理、化学、生物、地学)
人文科学(日本史、世界史、地理、思想)
社会科学(法律、経済、政治社会)

※各科目の出題内訳は公表されておりません。 

<1次試験>総合論文試験

1題(2時間30分)

内容は「幅広い教養や専門知識を土台とした総合的な判断力、思考力についての筆記試験」とされています。配点比率は6/24です。

■政策の企画立案の基礎となる教養・哲学的な考え方に関するもの 1題

日本が抱える社会課題や哲学的な考え方について小論文を書きます。資料をどのように分析し、どのように自分の考え方を構成していくかが大切です。与えられた資料の活用法や基本となる教養・哲学的な考え方を習得することで攻略します。過去には以下のようなテーマが出題されていました。

【2025年度秋】技術革新による社会全体の幸福度を高める政策
【2024年度秋】人工知能(AI)に関する政策の進め方
【2023年度秋】説明とは

※第1次試験合格者は基礎能力試験の成績によって決定され、総合論文試験は第1次試験合格者を対象に評定したうえで、最終合格者決定にあたり、他の試験種目の成績と総合します。

教養区分試験の2次試験

<2次試験>教養区分 企画提案試験

 内容は「企画力、建設的な思考力及び説明力などについての試験」とされており、以下の2つに分かれています。配点比率は6/24です。

I部:プレゼンテーションシート作成 1題(1時間30分)
II部:プレゼンテーション及び質疑応答(おおむね30分)


 教養区分1次試験合格発表日に企画提案試験の出題範囲となる書籍(おおむね白書)が指定されます。やり方を身につけることはもちろん、書籍(白書)の中でどのような数字に着目するべきかなどを学んでおく必要があります。
 本番では自身のアイデアを言語化することや現役官僚からの様々な質問に瞬時に回答する必要があり、独学では対策が難しい試験になります。

 過去には以下のようなテーマが出題されていました。

【2025年度秋】こどもの貧困対策
【2024年度秋】一人暮らし高齢者問題対策
【2023年度秋】ICTリテラシーの向上と偽・誤情報の弊害防止

<2次試験>教養区分 政策課題討議試験

 内容は、「課題に対するグループ討議によるプレゼンテーション能力やコミュニケーション力などについての試験」とされており、6人1組のグループディスカッションが実施されます。当日は以下の時間配分で行われます。配点比率は4/24です。

1.レジュメ作成(20分)
2.個別発表(1人当たり3分)
3.グループ討議(45分)
4.  個別発表(1人当たり2分)


 実戦練習をすることで、レジュメの作成方法や発表のやり方を習得することはもちろん、討議において自分らしさの発揮の仕方を身につける必要があり、独学での対策は難しい試験種目といえます。

 過去には以下のようなテーマが出題されていました。

【2025年度秋】山岳遭難救助
【2024年度秋】太陽光パネルの推進
【2023年度秋】買い物弱者対策

<2次試験>教養区分 人物試験

 人物試験として、人事院による個別面接(面接官:受験者=3:1)が行われます。おおむね15~20分程度で、質問内容は面接カードの記入内容に沿って、受験者の回答を掘り下げながら人間性や将来性を探るコンピテンシー評価型面接です。人物試験の評価は、A~Eの5段階評価で行われます。配点比率は4/24です。

英語試験による加点制度

 行政実務の国際化の流れを受け、人事院は、国家総合職試験の採用者が従事する企画立案などの業務の遂行には「基礎的な英語能力」を有していることが望ましいとしています。これにより、国家総合職試験では、一定レベルの英語試験のスコア等を有する受験者に加点措置が取られています。

 以下の通り、国家総合職試験実施年度の4月1日から遡って5年前の日以後に受験した英語試験スコア等が対象となります。院卒者試験のみならず、国家総合職試験のすべての区分が対象となります。


 TOEIC®L&R TESTは他の英語試験と異なり、リスニングとリーディングのみで受験できますので、短期で国家総合職の加点制度に必要なスコアを取得したい方にはおすすめです。
英語試験 本試験得点に
15点加算
本試験得点に
25点加算
TOEFL iBT® 65以上 80以上
TOEIC® L&R TEST 600以上 730以上
IELTS™ 5.5以上 6.5以上
実用英語技能検定
(英検)
準1級以上

教養区分試験の官庁訪問

教養区分 官庁訪問とは

 国家総合職試験は、最終合格=採用内定ではなく、最終合格発表後に採用を希望する各府省庁を訪問して選考を受ける官庁訪問を経て、採用内々定を勝ち取る必要があります。教養区分に最終合格した場合、冬(12月)と夏(翌年6月)の2回の官庁訪問のチャンスがありますので、より確実に採用内定を勝ち取ることができます。また、民間就活との併願もしやすくなる点は、教養区分の魅力といえます。

 また、官庁訪問の時期ですが、大学2年次や3年次で教養区分に最終合格しても官庁訪問をするのは大学4年の夏または冬になります。試験の仕組み上は大学2年次や3年次に官庁訪問しても問題ありませんが、入省が内々定を得た翌年4月になりますので、ご注意ください。

 4クール制で行われており、以下の図のように内々定までの官庁への訪問回数は4回です。1つの官庁に訪問すると朝8:30に集合して夜まで時間がかかりますので、1日に訪問できる官庁は1つです。このため必然的に、各クールで回ることのできる官庁の数は決まってきます。第1クール、第2クールは3つまで、第3クールは2つまで、第4クールは1つといった形です。

 学生時代の経験から国家総合職として何ができるか、訪問先の官庁に入ることができたら何がしたいのかといったところをしっかり固めて官庁訪問に臨みましょう。

2025年度官庁訪問スケジュール例

クール 月日 A B C
第1クール 6/11(水) 外務省 × ×
6/12(木) × 経産省 ×
6/13(金) × × 防衛省
第2クール 6/16(月) 外務省 × ×
6/17(火) × 経産省 ×
6/18(水) × × 防衛省
第3クール 6/19(木) 外務省 × ×
6/20(金) × 経産省 ×
第4クール 6/23(月) 外務省 × ×

国家総合職試験の試験実施状況

  過去3年間、2023年度から2025年度の教養区分と行政系各区分の試験実施状況です。教養区分の受験倍率は6~9倍程度、教養区分の合格率は例年10%~16%程度となっています。2023年に受験資格が19歳に引き下げられたことで、受験者数が増え続けており、2025年度秋の教養区分の合格率は10.9%でした。
 各区分の最終合格倍率で比較すると法律区分が一番高くなっていますが、19歳から受験できる国家総合職試験が教養区分だけであること、教養区分で不合格になった受験生が春試験専願の受験生とともに春試験を受験することから難易度が一番高いのは教養区分と言われています。

国家総合職試験(春試験) 受検者数・合格者数・倍率・採用予定数(主な法文系区分)

年度 試験区分 受検者数 最終合格者数 倍率 採用予定数
2023年春 法律 6,363 352 18.1倍 125
経済 813 142 5.7倍 50
政治・国際 993 211 4.7倍 75
院卒(行政) 240

164

1.5倍 60
2023年秋 教養 2,531 423 6.0倍 非公表
2024年春 法律 6,185 296 20.9倍 105
経済 821 128 6.4倍 45
政治・国際・人文 1,295 199 6.5倍 70
院卒(行政)

235

168 1.4倍 60
2024年秋 教養 3,092 467 6.6倍 非公表
2025年春 法律 5,185 271 19.1倍 90
経済 840 120 7.0倍 40
政治・国際・人文 1,317 180 7.3倍 60
院卒(行政)

202

148 1.4倍 60
2025年秋 教養 3,898 426 9.2倍 非公表

教養区分は採用に一番有利!?受験区分別採用人数

 2025年度の採用人数を教養区分と文系の区分だけでまとめました。 受験区分別に採用人数を見ますと、総数では教養区分が一番多くなっています。続いて法律区分、院卒区分(行政)、政治国際区分、経済区分の順になっています。

 教養区分の採用人数が多いのは、教養区分の最終合格者にトップレベルの国立大学生が多いためです。教養区分の1次試験の合否
は大学入試の共通テストに近い基礎能力試験で判断されることから、教養区分はこうした大学の方にとって対策しやすい試験になっています。

 また、どの受験区分が内定に有利ということはありません。以前よりも東大生の受験生は減っていますし、国家総合職は管理職としての役割を期待されていますので、最近は採用の際にどの区分で合格したかよりもリーダーシップ、調整力、コミュニケーション力など国家総合職として活躍できる人物かどうかで判断しています。このため、受験区分は皆さんが勉強がしやすい区分を選択されることをお勧めいたします。

2025年4月入省 省庁別 受験区分別 採用人数

府省等 教養 政治国際 法律 経済 院卒行政
会計検査院 3 2
人事院 4 1
内閣府 8 1 3 3 1
デジタル庁 2 2 1 2 1
警察庁 11 3 5 1 2
金融庁 6 8 1
総務省 27 6 6 1 8
法務省 12 3
出入国在留管理庁 4 4 2 4
公安調査庁 20 4 13 1 2
外務省 13 7 10 5 4
財務省 1 1 1 3 2
国税庁 1 1 1 1 3
文部科学省 8 2 2 2 3
厚生労働省 12 3 14 1 6
農林水産省 12 4 7 1 6
経済産業省 28 6 6 4
国土交通省 10 4 8 4 4
環境省 4 2 3 1 1

国家総合職試験 大学別最終合格者数

 2024年度秋試験(教養区分)と2025年度春試験(教養以外の受験区分)の大学別合格者数は次の通りです。

 教養区分は1次試験の合否を大学入試の共通テストに近い基礎能力試験の点数だけで判断するため、東京大学をはじめとする上位国立大学やその受験経験者が多い大学から最終合格者が出やすくなっています。逆に春試験は幅広い大学から最終合格者が出ます。

大学別合格者数 上位(国家総合職試験)

2024年度(秋)教養区分

順位 大学名 人数
1 東京大学 156
2 京都大学 59
3 早稲田大学 47
4 慶應義塾大学 37
5 一橋大学 22
6 東北大学 17
7 大阪大学 14
8 中央大学 12
8 北海道大学 12
10 筑波大学 7
11 名古屋大学 6
11 岡山大学 6

2025年度(春)教養以外の区分

順位 大学名 人数
1 東京大学 171
2 京都大学 112
3 早稲田大学 76
4 北海道大学 76
5 東北大学 72
6 立命館大学 62
7 中央大学 58
8 東京科学大学 54
9 慶應義塾大学 52
9 大阪大学 52
11 東京理科大学 49
12 明治大学 42
12 広島大学 42

教養区分の対策

 教養区分は、法律、経済、政治・国際といった専門試験は課されず、企画立案に係る基礎的な能力の検証を重視した試験の区分です。

 基礎能力試験を除けば、主に政策立案能力について論文、プレゼン、ディスカッションなどを通じて受験生の国家総合職としての資質を判断するような試験となっています。

 このため教養区分の対策のポイントとしては以下のような点が挙げられます。

 ◎1次試験突破のために基礎能力試験について苦手分野をなくす
 ◎行政官に通じる言葉、考え方を身につけるために必要なインプットを行う。
 ◎客観的に判断してもらえる場を作り、アウトプットトレーニングを行う。

TACなら教養区分の対策が十分にできるコンテンツをご用意しています。

教養区分と春試験を併願して確実に合格を目指したい、在学中のチャンスを使って何度も受験したいという方など皆さんにご満足いただけるコースをご用意しています。教養区分対策の特長は以下のようなものになっています。

 ①試験全範囲をカバーした充実の講義
 ②教養区分基礎能力試験過去問題集で教養区分に特化した基礎能力試験対策ができる
 ③ベテラン講師陣、元官僚の講師による個別指導
 ④ベテラン講師陣、元官僚の講師が作成した総合論文、2次対策予想問題
 ⑤内定者スタッフによるフォロー

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