電験二種1次試験 合格発表! 合格基準点・合格率・講師による試験傾向分析
令和5年度 電験二種1次試験の
合格基準点・合格率
電気技術者試験センターより、令和五年度(2023年度)第ニ種電気主任技術者試験の1次試験結果が発表されました。
[一次試験]受験者数・合格者数・合格率・科目合格者数・科目合格率
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 科目合格者数 | 科目合格率 |
---|---|---|---|---|
6,318人 (昨年6,189人) |
1,545人 (昨年2,178人) |
24.5% (昨年35.2%) |
3,442人 (昨年3,048人) |
-% (昨年49.2%) |
[一次試験]科目別 合格基準点・合格率
科目 | 合格基準点(90点満点の実得点) | 合格率 |
---|---|---|
理論 | 54点 (昨年54点) |
33.5% (昨年46.9%) |
電力 | 54点 (昨年54点) |
38.0% (昨年67.7%) |
機械 | 54点 (昨年54点) |
72.0% (昨年79.4%) |
法規 | 54点 (昨年54点) |
89.9% (昨年67.7%) |
※科目合格率は4科目合格者含む
TAC講師による試験傾向分析
理論 講評|令和5年度1次試験
今年の理論は、難しい問題と易しい問題が分かれていたのではないでしょうか。このような場合は、いかに学習してきた出来そうな問題を見抜き、確実に正答することが、合否の分かれ目になると思います。全体的にやや難しかったものの、基礎知識をしっかり押さえている人には,比較的取り組み易い問題もありました。
問1は、円筒導体間の電界の問題で、電荷を帯びた球の電界の公式と混同させないところがポイントとなります。(4)以降がやや難しかったと思います。問2は直線電流が作る磁束の問題で,(5)が難しかったと思いますが、他は粘り強く考えれば解ける問題であったと思います。問3の二端子抵抗回路もやや戸惑われたかも知れませんが、学習してきた知識を使えば対応できる問題であったと思います。問4の交流回路は,テブナンの定理の応用例とも言えますが、学習の成果を発揮し正解したい問題だったと思います。
問5の過渡現象は、頻出問題であり、例年より易しかったと思います。正解したい問題でした。問6の電子の運動は、電界が正弦波であるところがあまり見慣れないかも知れません。ただ、学習してきた知識を使えば対応できる問題であったと思います。選択問題は、問8を選択される方が多いのではと思いますが、(4)や(5)が悩ましく、論理回路が得意な方にとっては、問7の方が正解し易い問題だったのではないでしょうか。
全体的には、難しい問題や見慣れない問題、時間がかかる計算問題もありましたが、基本的な問題を落とさずしっかり取れていれば、合格に近づける内容であったと思います。
電力 講評|令和5年度1次試験
今年の電力は、少し掘り下げた知識が必要な問題もありましたが、全体的には標準的な難易度の問題であったと思います。テキストや過去問を深く学習されてきた方は、正解を導ける問題も多かったのではないでしょうか。
問1は水車の調速機の問題でしたが、難しく思われたのではないでしょうか。調速機の標準的な問題と比べ、さらに深い学習が必要な問題だったと思います。問2の太陽光発電は、機械科目のパワーエレクトロニクスの知識も含み、幅広い知識が必要でしたが、学習してきた知識を使えば対応できる問題であったと思います。問3の電線の振動対策・着氷雪対策は、テキストや過去問をしっかり学習されてきた方には、容易な問題だったのではないでしょうか。問4の短絡容量は、公式の理解と(3)以降は応用的な問題だったと思います。
問5の火力発電所のボイラ設備は、過熱器や再熱器や節炭器など頻出用語ですので、正解したい問題でした。問6の絶縁設計は、やや悩ましい選択肢も含まれますが、テキストや過去問の準備でカバー出来る内容であったと思います。問7の許容電流も、やや難しかったと思います。全体的に悩ましい選択肢の問題もありましたが、テキスト等で知識を入れて、過去問を深く学習されてきた方は、ある程度は正解が絞れたと思います。
日頃よりテキストや問題を少し掘り下げて学習されてきた方は、合格点が取れる内容であったと思います。
機械 講評|令和5年度1次試験
本年の機械は、やや難しかったのではないでしょうか。
問1~3は、例年並みか簡単と思われる問題でしたが、問4は難問と思われ、問5以降も学習範囲としてやや手薄になりがちな出題内容だったように思います。まずは基本的な問題を確実に正答することがポイントであったと思います。
問1の同期発電機の効率と損失の問題、問2の電気鉄道・電気自動車の電動機制御の問題、問3の単相変圧器の並行運転の問題については、頻出問題であり、テキストや過去問をしっかり学習されてきた方には、比較的やり易い問題だったのではないでしょうか。ぜひ正解したい問題でした。問4の三相整流回路の問題は、頻出される回路図ではありますが、少し深い知識が必要で難易度の高い問題だったと思います。問5の光源の色温度、問6の赤外加熱は、学習はされてきたと思いますが、数値や語彙を正確に覚えていないと選択肢の絞り込みが難しかったかも知れません。やや深い理解が求められました。
選択問題は、問7を選択された方が多かったのではと思いますが、実務経験のある方やコンピューター分野を準備されてきた方は、問8の方が解答出来たのではないでしょうか。問7の二次電池は、頻出テーマではありますが、計算も含まれ、苦戦された受験生も多かったのではないでしょうか。
全般的にやや難しかったように思いますが、基本的な問題を確実に正答し、テキストや過去問をしっかり解いた上で、少し広い範囲まで学習されてきた人は、合格に近づける内容であったと思います。
法規 講評|令和5年度1次試験
本年の法規は、技術基準や解釈からの出題が多く、標準的な問題が多かったと思います。
条文や過去問をしっかり学習されてきた方は、比較的やり易い問題だったのではないでしょうか。
問1は,電気事業法で、しっかり正解したい問題でした。問2の避雷器も、(2)がやや難しいですが、記述内容としては、設備技術基準解釈の条文から正解が導ける問題であったと思います。問3の支持物の倒壊の防止は、(5)で悩まれたかも知れませんが、その他は、設備技術基準と解釈の学習で対応できる内容でした。問4の停電作業は、頻出されている内容ですので、過去問をしっかり学習されてきた方は、解き易い問題であったと思います。
問5の太陽光発電も、太陽光発電設備技術基準とその解釈からの出題でした。(5)は応用的な問題ですが、広く学習されてきた方は、選択肢を絞れたのではないでしょうか。問6の国際規格の取入れの記述については、あまり見慣れないテーマであったかも知れませんが、解釈の条文をしっかり学習されてきた方は、正解を導ける問題であったと思います。問7の分散型電源の連系は、頻出テーマの条文からの出題ですので、ぜひ正解したい問題でした。
法規については、まずは、技術基準と解釈の条文を押さえておくことで、多くの問題に対応できると思います。加えて、電力科目や施設管理など個別にテーマ学習されてきた方は、合格点が取れる内容であったと思います。
次は2次試験!来年こそは合格!
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担当:尾上健夫講師<TAC電験二種講座講師>
<Part1>
0:23 2次科目の計算と論説の割合と対策方法
1:56 過去問+αの勉強が一番合格に近い?
2:12 1次の4科目の勉強は2次にどのくらい役に立つのか
3:28 1次と2次は同時に勉強したほうがよいのか
3:54 初学者の勉強期間は1年かかるのか
4:45 学習方法と学習計画の立て方
7:10 1次の理論・機械の選択問題、2次の問題選択方法
9:18 過去問への取り組み方
10:01 知識の増やし方、専門書は読むべきか

0:24 初見の問題に講師ならどう対応するか
1:24 機械制御のパワエレの勉強方法
3:08 独学でパワエレを勉強する場合の対応方法
3:51 1次は通るが2次で落ち続ける人の対処方法
6:01 計算力=数学力?
6:36 計算機の使い方が大事
7:16 数学力の上げ方
8:07 2次試験の記述答案は第三者に見てもらったほうがいいか
9:15 独学とスクールのメリット・デメリット
10:38 2次試験の総勉強時間
12:18 家庭や仕事との両立方法
14:23 完璧主義の解決方法
【参考】電験二種1次試験 受験者数/合格者数/科目合格者数
実施年度 | 1次受験者数(名) | 1次合格者数(名) | 科目合格者数(名) |
---|---|---|---|
令和5年度 | 6,318 | 1,545 | 3,442 |
令和4年度 | 6,189 | 2,178 | 3,048 |
令和3年度 | 5,979 | 1,539 | 2,736 |
令和2年度 | 6,235 | 1,695 | 3,050 |
令和元年度 | 6,915 | 1,633 | 3,388 |
平成30年度 | 6,631 | 1,600 | 3,089 |
平成29年度 | 6,570 | 1,737 | 3,450 |
平成28年度 | 6,521 |
1,456 |
3,007 |
平成27年度 | 6,418 | 1,557 | 3,255 |
平成26年度 | 6,676 | 1,595 | 3,261 |
平成25年度 | 6,452 | 1,550 | 3,018 |
平成24年度 | 7,034 | 1,748 | 3,522 |
平成23年度 | 6,659 | 1,047 | 3,542 |
平成22年度 | 6,786 | 1,549 | 3,395 |
【参考】電験二種1次試験 全科目合格率/科目合格率
実施年度 | 合格率 | 科目合格率 |
---|---|---|
令和4年度 | 35.2% | 49.2% |
令和3年度 | 25.7% | 45.8% |
令和2年度 | 27.2% | 48.9% |
令和元年度 | 23.6% | 49.0% |
平成30年度 | 24.1% | 46.6% |
平成29年度 | 26.4% | 52.5% |
平成28年度 | 22.3% | 46.1% |
平成27年度 | 24.3% | 50.7% |
平成26年度 | 23.9% | 48.8% |
平成25年度 | 24.0% | 46.8% |
平成24年度 | 24.9% | 50.1% |
平成23年度 | 15.7% | 53.2% |
平成22年度 | 22.8% | 50.0% |
【参考】電験二種1次試験 各科目合格基準点
実施年度 | 理論 | 電力 | 機械 | 法規 |
---|---|---|---|---|
令和4年度 | 54 | 54 | 54 | 54 |
令和3年度 | 54 | 51 | 54 | 54 |
令和2年度 | 54 | 54 | 54 | 54 |
令和元年度 | 51 | 53 | 53 | 50 |
平成30年度 | 49 | 52 | 52 | 52 |
平成29年度 | 54 | 54 | 54 | 54 |
平成28年度 | 50 | 50 | 50 | 47 |
平成27年度 | 42 | 51 | 50 | 51 |
詳細は試験センターHPをご確認ください。
一般社団法人電気技術者試験センター https://www.shiken.or.jp/index2.html