2023年11月12日(日)2次試験 電験二種 試験速報!2次本試験講評

令和5年度2次本試験講評公開中!

令和五年度 第ニ種電気主任技術者試験
2次試験 講師による試験分析

令和5年度 第二種電気主任技術者 2次試験 講評 公開中!

電験二種二次試験が、11月12日に実施されました。
受験生の皆さま、お疲れ様でした。

本年の問題は、電力管理は標準的といえますが、機械制御は例年よりやや難易度が高かった印象です。
電力管理は論述問題が多く、過去問からの類題もあり時間的にも余裕がある内容であった一方、機械制御は特別易しい問題がなかったため、時間が足りなかった受験生も多かったのではないかと思います。
また、過去問の類題が電力管理で2問、機械制御で1問出題されたので、過去問をコツコツと学習されていた方は合格に大きく近づいたと予想されます。
以下、科目別にみていきましょう。

電力・管理科目 講評|令和5年度2次試験

計算問題が問3、問4と問6の後半と例年に比べ少なめで、問3と問6が難易度の高い問題でした。一方、論述問題は問1と問5が過去問からの類題で、問2も電験のテキストで重要項目として掲載されている比較的取り組みやすい問題であったため、日頃からコツコツと知識を習得し、問1、問2、問5の論述問題を3問選択し、問4の計算問題をじっくりと取り組めた方が高得点を取得できたと考えられます。

問1は水力発電の水撃作用に関する論述問題でした。
問1では10年以上に渡り水力と火力が交互に出題されてきていたため、今年は火力の対策をしている方が多く、驚いた受験生も多かったのではないかと予想されます。
ただし、難易度自体はそれほど高くなく、平成26年問1に類題が出題されていたため、完答できた受験生も多かったかと思います。

問2は送電線の多導体方式に関する論述問題でした。
3種ではコロナ放電の内容に絡めよく出題されていましたが、近年の2種二次試験では出題が少なかった内容です。(1)~(4)それぞれの内容について単純に暗記しているのではなく「なぜそうなるのか」をきちんと理解し、関連付けて整理できている受験生が高得点を取れた問題かと思います。

問3は等面積法を用いた過渡安定性の計算問題でした。
難易度はかなり高い問題であったかと思います。
前半の(2)までは発電機出力の式を知っていれば解ける問題ですが、後半は過渡安定度における等面積法の知識を問われ計算量も多かったので、ほとんどの受験生が選択しなかった問題かと思います。
このような問題を選択しない能力も電験では求められます。

問4は配電系統における電圧変化と分散型電源を設置した際の電圧調整に関する計算問題でした。
3種の頃からよく出題されてきた電圧降下の近似式や無効電力の計算なので、令和5年度試験の電力管理の計算問題の中では最も取り組みやすい問題でした。このような問題を選択し、計算ミスすることなく得点できると合格に一気に近づきます。

問5は中性点接地方式に関する論述出題でした。
いずれの小問も中性点接地方式の目的やそれぞれの違いを理解していれば完答できる内容であったため、多くの受験生が選択した問題かと思います。中性点接地方式は各方式がどういう目的でどうして採用されているかを丸暗記ではなく、中身を理解していると忘れにくくなります。
また、平成30年問6にほぼ同じ内容の問題が出題されていたため、過去問で対策をしていた受験生が有利な問題でした。

問6は電力系統における周波数調整に関する論述・計算問題でした。
前半の論述問題は1種では類題が出題されたことがありますが、実際に電力会社の発電所等で勤務されている方が必要な知識で、受験生にとっては厳しい問題であったと思います。
後半の計算問題は平成18年問5に類題は出題されていますが、近年は出題が少ない傾向の内容でした。TACではしっかりと解説していた内容なので、受講生の中には選択した方もいたと考えられます。

機械・制御科目 講評|令和5年度2次試験

全体として出題割合の少ない同期機が2年連続で出題され、誘導機の出題がありませんでした。
問2の変圧器の問題が過去問の類題であるため比較的取り組みやすく、多くの受験生が問2とその他の問題を得意分野に応じて選択されたかと思います。ただ、全体の難易度としては例年の機械制御科目と比べるとやや高く、時間的にもシビアで時間管理を要する内容でした。
計算間違いに注意しながらも、電卓の機能も駆使してテキパキと解けないと合格水準には到達できない問題であったかと思います。

問1は同期発電機からの出題でした。
各小問の難易度自体はそれほど高くはありませんが、小問の数が多く、やや時間を要する問題でした。単位法をよく熟知し、長い問題文を読み解けた方が高得点となった問題で、やや点数差がつきやすい問題であったかと思います。

問2は変圧器のV結線からの出題でした。
(1)~(4)までは比較的取り組みやすい問題、(5)以降もしっかりと変圧器の特性や考え方を理解出来ていれば解ける問題で、多くの受験生が選択した問題かと思います。
平成25年問2とほぼ同内容の問題でしたので、過去問学習をしっかりとされた方は高得点できたのではないかと予想されます。

問3はパワーエレクトロニクスの電力用能動フィルタに関する問題でした。
(1)や(2)は電力管理科目で出題されるような高調波の発生源や影響を問う論述問題で、(3)以降は与えられている内容から高調波とフィルタの関係を考える問題でした。
電力用能動フィルタの内容で一見難易度が高そうに見えますが、パワーエレクトロニクスを学習されている方にとっては、部分点も狙いやすく解きやすい問題であったかと思います。

問4は自動制御のゲイン特性曲線に関する問題でした。
ブロック線図ではなくゲイン特性曲線から伝達関数を求めるため、例年の出題パターンとは異なるパターンでの出題でした。ゲイン特性曲線の折れ線近似の考え方がしっかりと理解できている方は選択しても良い問題かと思います。一般のテキストでは記載が少なめの内容ですが、TACではゲイン関数の描き方を講義しているので、TAC受講生は選択した方が多かったかと思われます。

令和五年度 第ニ種電気主任技術者試験
1次試験 講評

理論 講評|令和5年度1次試験

今年の理論は、難しい問題と易しい問題が分かれていたのではないでしょうか。このような場合は、いかに学習してきた出来そうな問題を見抜き、確実に正答することが、合否の分かれ目になると思います。全体的にやや難しかったものの、基礎知識をしっかり押さえている人には,比較的取り組み易い問題もありました。

問1は、円筒導体間の電界の問題で、電荷を帯びた球の電界の公式と混同させないところがポイントとなります。(4)以降がやや難しかったと思います。問2は直線電流が作る磁束の問題で,(5)が難しかったと思いますが、他は粘り強く考えれば解ける問題であったと思います。問3の二端子抵抗回路もやや戸惑われたかも知れませんが、学習してきた知識を使えば対応できる問題であったと思います。問4の交流回路は,テブナンの定理の応用例とも言えますが、学習の成果を発揮し正解したい問題だったと思います。

問5の過渡現象は、頻出問題であり、例年より易しかったと思います。正解したい問題でした。問6の電子の運動は、電界が正弦波であるところがあまり見慣れないかも知れません。ただ、学習してきた知識を使えば対応できる問題であったと思います。選択問題は、問8を選択される方が多いのではと思いますが、(4)や(5)が悩ましく、論理回路が得意な方にとっては、問7の方が正解し易い問題だったのではないでしょうか。

全体的には、難しい問題や見慣れない問題、時間がかかる計算問題もありましたが、基本的な問題を落とさずしっかり取れていれば、合格に近づける内容であったと思います。

電力 講評|令和5年度1次試験

今年の電力は、少し掘り下げた知識が必要な問題もありましたが、全体的には標準的な難易度の問題であったと思います。テキストや過去問を深く学習されてきた方は、正解を導ける問題も多かったのではないでしょうか。

問1は水車の調速機の問題でしたが、難しく思われたのではないでしょうか。調速機の標準的な問題と比べ、さらに深い学習が必要な問題だったと思います。問2の太陽光発電は、機械科目のパワーエレクトロニクスの知識も含み、幅広い知識が必要でしたが、学習してきた知識を使えば対応できる問題であったと思います。問3の電線の振動対策・着氷雪対策は、テキストや過去問をしっかり学習されてきた方には、容易な問題だったのではないでしょうか。問4の短絡容量は、公式の理解と(3)以降は応用的な問題だったと思います。

問5の火力発電所のボイラ設備は、過熱器や再熱器や節炭器など頻出用語ですので、正解したい問題でした。問6の絶縁設計は、やや悩ましい選択肢も含まれますが、テキストや過去問の準備でカバー出来る内容であったと思います。問7の許容電流も、やや難しかったと思います。全体的に悩ましい選択肢の問題もありましたが、テキスト等で知識を入れて、過去問を深く学習されてきた方は、ある程度は正解が絞れたと思います。

日頃よりテキストや問題を少し掘り下げて学習されてきた方は、合格点が取れる内容であったと思います。

機械 講評|令和5年度1次試験

本年の機械は、やや難しかったのではないでしょうか。
問1~3は、例年並みか簡単と思われる問題でしたが、問4は難問と思われ、問5以降も学習範囲としてやや手薄になりがちな出題内容だったように思います。まずは基本的な問題を確実に正答することがポイントであったと思います。

問1の同期発電機の効率と損失の問題、問2の電気鉄道・電気自動車の電動機制御の問題、問3の単相変圧器の並行運転の問題については、頻出問題であり、テキストや過去問をしっかり学習されてきた方には、比較的やり易い問題だったのではないでしょうか。ぜひ正解したい問題でした。問4の三相整流回路の問題は、頻出される回路図ではありますが、少し深い知識が必要で難易度の高い問題だったと思います。問5の光源の色温度、問6の赤外加熱は、学習はされてきたと思いますが、数値や語彙を正確に覚えていないと選択肢の絞り込みが難しかったかも知れません。やや深い理解が求められました。
選択問題は、問7を選択された方が多かったのではと思いますが、実務経験のある方やコンピューター分野を準備されてきた方は、問8の方が解答出来たのではないでしょうか。問7の二次電池は、頻出テーマではありますが、計算も含まれ、苦戦された受験生も多かったのではないでしょうか。

全般的にやや難しかったように思いますが、基本的な問題を確実に正答し、テキストや過去問をしっかり解いた上で、少し広い範囲まで学習されてきた人は、合格に近づける内容であったと思います。

法規 講評|令和5年度1次試験

本年の法規は、技術基準や解釈からの出題が多く、標準的な問題が多かったと思います。
条文や過去問をしっかり学習されてきた方は、比較的やり易い問題だったのではないでしょうか。

問1は,電気事業法で、しっかり正解したい問題でした。問2の避雷器も、(2)がやや難しいですが、記述内容としては、設備技術基準解釈の条文から正解が導ける問題であったと思います。問3の支持物の倒壊の防止は、(5)で悩まれたかも知れませんが、その他は、設備技術基準と解釈の学習で対応できる内容でした。問4の停電作業は、頻出されている内容ですので、過去問をしっかり学習されてきた方は、解き易い問題であったと思います。
問5の太陽光発電も、太陽光発電設備技術基準とその解釈からの出題でした。(5)は応用的な問題ですが、広く学習されてきた方は、選択肢を絞れたのではないでしょうか。問6の国際規格の取入れの記述については、あまり見慣れないテーマであったかも知れませんが、解釈の条文をしっかり学習されてきた方は、正解を導ける問題であったと思います。問7の分散型電源の連系は、頻出テーマの条文からの出題ですので、ぜひ正解したい問題でした。

法規については、まずは、技術基準と解釈の条文を押さえておくことで、多くの問題に対応できると思います。加えて、電力科目や施設管理など個別にテーマ学習されてきた方は、合格点が取れる内容であったと思います。

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