1級建築施工管理技士・技士補 とは?
1級建築施工管理技士 および 1級建築施工管理技士補 とはどのような資格で、取得することで何ができるようになるのか?資格の概要や、試験情報などをご説明します。
1級建築施工管理技士とは
1級建築施工管理技士は、建設工事にあたり、施工計画、工程管理、品質管理、安全管理を担う建築エンジニアとしての資格で、一次、二次の双方の検定試験に合格することで取得することができます。
一件の請負金額が3,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上の工事(個人住宅を除く多くの工事が該当)では、工事現場に専任の監理技術者を置く必要がありますが、1級建築施工管理技士は、一級建築士とともにこの監理技術者になることができる資格です。
また、公共工事を請け負う建設業者が受ける審査(経営事項審査)の技術力評点において、1級建築施工管理技士は、一級建築士と同様に1名につき5点が配点されます。
2021年に実施された新試験は、一次検定の総出題数が10問減少して72問となりましたが、解答数は従来どおり60問ですから、問題選択の幅が狭くなり、また、施工管理法の出題数が減少するなど、試験対策に大きな影響を与えるものでした。TACでは、この新試験に対応する講義として、躯体施工、仕上施工に重点を置く講義を提供します。

新資格 1級建築施工管理技士補とは
1級建築施工管理技士補(技士補)は、1級建築施工管理技士を補佐する資格で、一次検定試験に合格することで取得することができます。
所定の大規模な工事現場には、本来、監理技術者を専任で置かなければなりませんが、技士補を置くことにより、監理技術者は2つの現場を兼任できることになります。
また、技士補は二次検定試験に合格することにより、いつでも1級建築施工管理技士になることができます。
試験情報
1. 試験科目
1級建築施工管理 〔施工技術検定規則 別表第一より抜粋・加筆〕
一次検定 午前の試験は44問出題中36問解答し、午後の試験は28問出題中24問解答する試験です(計60/72)。
検定科目 | 知識・能力 | 検定基準 | 解答形式 |
---|---|---|---|
建築学等 | 知識 | 1. 建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な建築学、土木工学、電気工学、電気通信工学及び機械工学に関する一般的な知識を有すること。
2 .建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な設計図書に関する一般的な知識を有すること。 |
四肢一択 (マークシート) |
施工管理法 | 知識 | 1.監理技術者補佐として、建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する知識を有すること。 | |
能力 | 2 .監理技術者補佐として、建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な応用能力を有すること。 |
五肢二択 (マークシート) |
|
法規 | 知識 |
建設工事の施工の管理を適確に行うために必要な法令に関する一般的な知識を有すること。 |
四肢一択 (マークシート) |
二次検定 大問6問のなかに小問が複数含まれ、記述形式と択一形式による試験です。
検定科目 | 知識・能力 | 検定基準 | 解答形式 |
---|---|---|---|
施工管理法 | 知識 | 1. 監理技術者として、建築一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な知識を有すること。 |
五肢一択 (マークシート) |
能力 |
2.監理技術者として、建築材料の強度等を正確に把握し、及び工事の目的物に所要の強度、外観等を得るたるために必要な措置を適切に行うことができる応用能力を有すること。 3.監理技術者として、設計図書に基づいて、工事現場における施工計画を適切に作成し、及び施工図を適正に作成することができる応用能力を有すること。 |
記述 |
一次検定試験は4肢一択と5肢二択、二次検定試験は5肢一択と記述式です。
建築学等とは、具体的には構造や環境工学などです。
施工管理法とは、具体的には工程管理、品質管理、安全管理などです。
経験記述とは、受験生の現場経験に基づいて、安全管理や施工管理などで配慮した事項等を記述するものです。
第一次検定及び第二次検定の両方の合格に求められる水準は、改正前の技術検定に求められる水準と同様
2. 合格ライン
・第一次検定 60問中36問以上正解
(5肢2択:6問中4問以上正解。ただし令和3年は6問中3問以上と調整されました)
・第二次検定 得点が 60%
3. 合格率
一次検定(学科試験)
年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和3年[NEW!] | 22,277 | 8,025 | 36.0% |
令和2年 | 22,742 | 11,619 | 51.1% |
令和元年 | 25,392 | 10,837 | 42.7% |
平成30年 | 25,198 | 9,229 | 36.6% |
平成29年 | 24,755 | 9,824 | 39.7% |
二次検定(実地試験)
年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
令和3年[NEW!] | 12,813 | 6,708 | 52.4% |
令和2年 | 16,946 | 6,898 | 40.7% |
令和元年 | 15,876 | 7,378 | 46.5% |
平成30年 | 15,145 | 5,619 | 37.1% |
平成29年 | 16,505 | 5,537 | 33.5% |
従来は一次検定を学科試験、二次検定を実地試験と呼んでいました。
4. 1級建築施工管理技士の主な受験資格
- 2級建築施工管理技士(一次検定に限る)
- 4年制大学で指定学科を卒業後、3年以上の実務経験を有する者
- 短期大学で指定学科を卒業後、5年以上の実務経験を有する者
- 二級建築士で実務経験5年以上
受験資格の詳細は、必ず、試験実施団体である下記の「建設業振興基金」にてご確認ください。
2級建築施工管理技士を受験資格として一次検定を合格した場合、二次検定を受験するためには、原則として2級建築施工管理技士合格後5年以上の実務経験が必要です。
実務経験には、1年以上の指導監督的実務経験を含みます。
上記のいずれかに該当する一級建築士は、一次検定免除で二次検定を受験することができます。
受験申込
〒105-0001 東京都港区虎ノ門4丁目2番12号 虎ノ門4丁目MTビル2号館 6階
一般社団法人 建設業振興基金
https://www.fcip-shiken.jp/ken1/index.html
TEL:03-5473-1581
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