タックス ファンタスティック! 第94回テーマ デジタル遺言は日本人の死生観を変えるか?
Part.14 リベラルアーツ編

田久巣会計事務所の代表の田久巣だ。ビジネスにおけるリベラルアーツの重要性が叫ばれたのは2000年代後半から2010年代と言われている。ITやスマホの普及で効率化が当たり前になり、人間理解や哲学に関心が向き始めたからだ。2020年代のAI時代はさらにその価値が高まっている。デジタル遺言においてはどうなのだろうか?


監 子 繁忙期万歳!


税 太 か、監子さん、どうしました?


監 子 繁忙期退場!


税 太 あ、あの~


襟 糸 ほっとけ税太。3月決算が多い日本企業において、日本の公認会計士は今本当にやばい時期なのだ。吾輩の税務部門も法税の申告期限が迫っているので忙しいが、吾輩は相続業務のウェイトが多いので、この時期は会計士ほどではない。


監 子 GWはご苦労ウィークの略なり。


税 太 監子さん!大変なのはわかりますが、正気に戻りましょう!はい、アイス。


監 子 はっ!あ、イケナイ、私ったら。あ、このアイス、おいしー!


税 太 いつもの監子さんに戻ってくれて良かったです(泣)。


監 子 私、昔から突っ走っちゃうのよね。大学生のときも余裕がなくて資格試験の勉強しかしなかったから、ちょっと人間的に偏っているのかも。そのぶん、税太君は回り道しているから現実感があるわよね。


税 太 いやいや回り道って監子さんひどい!一応前はSEだったんですよ!


監 子 あ、ごめんごめん。


襟 糸 そういえば税太君はなぜSEになったんだい?大学は情報系だったかな?


税 太 あ、いえ大学は文学部です。SFが好きでコンピューターに憧れるようになったんです。


襟糸&監子 えぇ~~~~!!!やっぱり回り道!


税 太 そんなに驚かなくても。ってもう一回言いますけど回り道ってお二人ともひどい!


田久巣 おいおい、繁忙期にけんかしないの。まあ税太君はリベラルアーツってやつだな。


監 子 あ、代表、そのリベラルアーツって新しいアイスですか?自由創作系アイスとか?


襟 糸 ボケだとしたらアイス級にサムいボケだ。


田久巣 こらこら。まぁいいではないか。この間、わが事務所でも使い始めた「AIユイゴンWell-B」アプリのマダナイ君に「リベラルアーツ」について聞いてみよう。


マダナイ リベラルアーツとは、自由に考え、判断し、他者と対話する力を育てるための幅広い学びのことです。人文、社会、自然、芸術といった様々な分野を横断し、多面的な物事の見方、根拠を持って考えられたり、価値観の違う人と話し合えたりできるようになります。


監 子 あ、まさに税太君。私たちと違っていつも大人だもんね。


襟 糸 文学なんて役に立たないような気がするのだが。SFもしょせんフィクションだ。


マダナイ そんなことありません。理想を描かないと具現化しません。フィクションは理想を描くための想像力を鍛える最高のツールです!


田久巣 さすがAI。かなわないね。あと、デジタル遺言だってそうじゃないかね?


襟 糸 どういうことでしょうか?


田久巣 デジタル遺言もまだ制度としては発展途上だが、今後は法制度対応も進み具現化してくるだろう。しかし、その未来を想像できないと推進できない。また、遺言とは本来、財産の配分ではなく「人生の思想」を残すものだ。だからこそリベラルアーツが問われるのだよ。


税 太 デジタル遺言で死生観が変わるかも、という発想もリベラルアーツ力によって湧くのかもしれません。


監 子 たしかに自筆からデジタルになることで、重い気分がライトになって、価値観が転換される可能性があるもんね。そのあたりはSFを読んでないと思えないかも。


マダナイ SFGWですね。


監 子 ん?SFを読んでGW過ごしましょうってこと?


マダナイ さわやかファミリーが笑ってる、ですよ。


税 太 デジタル遺言時代では、そんな家族がもっと増える気がします!

【今回のポイント】

リベラルアーツは士業においても必須なスキルになってきている。従来は専門知識だけで成り立つことも多かったかもしれないが、デジタルやAIが全盛になればそこでは差がつかず、最後は人間力になる。遺言を書くときも、法律だけでなく、次の世代へのギフトになるような内容を書けることが大事になる。そのためには人間力、つまりリベラルアーツ力を身につける必要があるのだ。アーツだけに熱い話になってしまった。だが遺言も最後は「遺す言葉」だ。言葉にこそアートが宿る。よきGWを!


[『TACNEWS』タックス ファンタスティック!|2026年5月|連載 ]

Profile

筆者 天野 大輔(あまの だいすけ)

1979年生まれ。公認会計士・税理士。税理士法人レガシィ代表社員。慶應義塾大学・大学院修了(フランス文学を研究)。情報システム会社でSEとして勤務。その後公認会計士試験に合格、監査法人等で、会計監査、事業再生、M&A支援等を行う。その後相続専門約60年の税理士法人レガシィへ。相続・事業承継対策の実務を経て、プラットフォームの構築を担当。2019年に士業事務所間で仕事を授受するWebサービス「Mochi-ya」、2020年にシニア世代向けの専門家とやりとりするWebサービス「相続のせんせい」、2024年に士業のためのSNS「サムシナ」、2025年8月にデジタル遺言アプリ『AIユイゴンWell-B』をリリース。主な著書『相続でモメる人、モメない人』(2023年、講談社/日刊現代)『100億円相続事典』(2024年、日経BP)。2025年より中央経済社『税務弘報』にて「文学で学ぶ相続の知恵」毎月連載中。YouTubeチャンネル「相続と文学」配信開始。

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