人事担当者に聞く「今、欲しい人財」 第91回 株式会社フェイスネットワーク

Profile

中村 夢糸(なかむら ゆい)氏 (写真右)

社長室
宅地建物取引士

2014年、株式会社フェイスネットワーク入社。初めて不動産業界に身を置き、宅地建物取引士資格を取得。不動産部門で新規事業にチャレンジ後、2023年、社長室に異動。社長、役員と現場の橋渡し役を務めながら、新卒採用を中心に活動。

小島 巧(こじま たくみ)氏 (写真左)

総務人事部

新卒で商社に勤務。転職した2社で新卒採用、中途採用含め人事に従事。2025年、株式会社フェイスネットワーク入社。総務人事部に配属。人事採用チームでキャリア採用を担当。

新卒・キャリア採用ともに、土地を仕入れて販売する不動産営業職、
建物を建てる施工管理職の2職種に力を入れて募集しています。

 株式会社フェイスネットワークは東京・城南3区に特化した都市型不動産デベロッパーだ。その特徴のひとつが、不動産投資事業に関わるサービスをすべてワンストップで手がけていること。多様な分野のスペシャリストが集い、土地の仕入れから設計・建築・販売・賃貸管理まですべてを行っている。幅広い人材が揃う株式会社フェイスネットワークでは、どのように人材を採用し、育成しているのか。社長室の中村夢糸氏、総務人事部の小島巧氏にお話をうかがった。

すべてを自社で行うワンストップ体制

──最初に株式会社フェイスネットワークについて教えてください

小島 フェイスネットワークは、東京都城南3区に特化した投資用新築一棟RCマンションを手がける都市型不動産デベロッパーです。鉄筋コンクリート造のデザイナーズマンションを一棟単位で販売し、その一棟について土地の仕入れから設計・建築・販売・賃貸管理まで、すべてを自社で行うワンストップ体制がビジネスモデルです。物件や商品に対して、責任と誇りを持って一気通貫で行っている点が、大きな強みになります。
 大きな特徴は、東京23区の中でも世田谷区・目黒区・渋谷区の3エリアが約75%を占めていることです。もうひとつは、デザイン性に秀でた、意匠性の高い物件作りを行っている点です。「グッドデザイン賞」において、2024年度は当社が手がけた5物件、2025年度は7物件と1プロジェクト「100坪の森プロジェクト[都市緑化の取り組み]」が受賞しました。

中村 不動産業・設計業・建築業の3つは切っても切り離せない関係ですが、世の中では不動産会社、建築会社、設計士事務所と、それぞれ独立した運営が一般的です。当社はこの3つの機能を1つの会社で提供していることから、単に建物を建てるのではなく資産価値を作り続ける「不動産投資支援事業」として紹介しています。

──世田谷区・目黒区・渋谷区の3区に絞り込んでいる理由について教えてください。

中村 それは「入居者の高い需要」と「投資としての利回り・安定性」のバランスが最もよいエリア、それがこの3区だからです。
 私たちの根底にあるのは、オーナー様に収益を得ていただく物件を、私たちが自ら作り、提供していくことです。大切にしているのは、ワンストップサービス、すべてを自社で行うこと。「そうしなければ、オーナー様の資産を守っていくという責任が取れない」という社長のシンプルな考えのもとで創業以来25年間やってきました。

求めるのは「人として選ばれる人」

──新卒採用・キャリア採用で求める人物像について教えてください。

中村 私たちが求めているのは、学歴などで優秀といわれる人材ではなく、「人として選ばれる人」です。採用する立場としてフラットな目線で「どうやったら当社で輝いてもらえるか」を判断するように努力していますので、新卒採用では特に求める人物像は定めずにそれぞれ応募者の方と向き合って当社の魅力だけでなく、仕事の苦しい部分も伝えるようにしています。

小島 キャリア採用でひとつ軸にしていることは、会社の理念や経営方針に共感していただける方を募集しているということです。当社は物件作りや商品力に強みがあり、社員はそれに対して大きな自信を持って仕事をしています。「フェイスネットワークのカッコいい物件作りに何かしら携わりたい」という思いを持ち、会社と同じ方向を向いている方と、一緒に働きたいと考えています。

──新卒採用について教えてください。

中村 当社では「今、会社がどの方向に進もうとしていて、そのためにどのような人材が必要か」という経営トップのリアルタイムな戦略を反映すべく、社長室が新卒採用を担っています。これも当社のひとつの特徴かもしれません。
 実際の新卒採用では、土地を仕入れて販売する不動産営業職と、建物を建てる施工管理職の2職種に力を入れています。
 また、たとえ「不動産営業職希望」の応募でも、話をしていく中で「施工管理のほうが向いているのではないか」と感じたら、こちらから提案して志望変更して入社する社員もいます。そこは1〜3次の面接の中で見極め、意見をすり合わせながら、応募職種とは異なる職種も提案し、細かくフォローしながら、適性をきちんとくみ取っていきたいと考えています。

──細かく見ていくと会社とのミスマッチ予防にもつながりますね。

中村 そこがポイントです。最も避けたいのは入社後に「こんなはずじゃなかった」となること。働く場所としてこの仕事を選んでよかった、この会社を選んでよかったと思ってもらえることが、私たちのやりがいです。

──新卒採用は将来の会社を担う部分も期待しての募集ですか。

中村 正直、入口の時点ではそこまで考えていません。ただし、分業ではなく、情報を取得した社員が起点となって、一棟を構想から完成・運用まで責任を持って担うのが当社の風土です。入社間もない新卒営業社員が数億円規模の土地を購入し、チームで一棟創り上げ、運用まで持っていくケースもあります。

──2026年4月には何名入社しましたか。

中村 施工管理職2名と広報企画職1名が入社しました。2027年採用はほぼ終了して、不動産売買営業1名、不動産賃貸営業2名、施工管理1名、クリエイティブ部門1名という状況です。今後も積極的に事業を広げていく方向なので、2028年はインターンシップも含め、前倒しで進めてより多くの当社のビジネスとマッチする学生さんと出会いたいと考えています。

──内定者フォローはどのように実施しましたか。

中村 10月中旬に内定式を実施し、座談会を行いました。そのあとは、社会人準備セットを使い、あえて郵送の文通方式で私とやり取りしました。毎月末締切で課題提出を繰り返すというやり方を6ヵ月間やってみたら、意外と好評でした。

──新入社員研修について教えてください。

中村 2026年4月入社者に対しては、座学を含め2週間の研修を行いました。そこで社会人マナーから会社、事業内容について学んでもらい、3週間目からは配属先の部署でのOJTに入りました。

2026年は20〜30名のキャリア採用を計画

──キャリア採用について教えてください。

小島 キャリア採用は年間スケジュールを組む中で、戦略的によい方がいれば採用し、同時並行で欠員補充も行っています。2026年度は20〜30名の採用計画で進め、現在10職種の募集をかけている中、不動産開発営業と施工管理の2職種に重点を置いています。
 アプローチとしては、エージェント経由、採用媒体、求人検索エンジン、当社からのダイレクトスカウトと、あらゆるチャネルを駆使しています。並行してSNSに広告を出して、いろいろな場面での露出を増やしています。

──キャリア採用の選考フローについて教えてください。

小島 選考フローは、書類選考を経て、部門長と人事担当による1次面接、社長と取締役、執行役員による2次面接で内定とかなり早い流れです。
 当社の規模で社長面接がある会社は珍しいと思います。社長が応募者と会社のカルチャーや雰囲気とのマッチングをとても大切にしているので、「直接会ってお話しする」ことにこだわっています。

──キャリア採用の内定後の流れを教えてください。

小島 キャリア採用の場合、並行して何社も受けているケースが多いので、最近は当社でどのようにキャリアプランを築き、どのように輝いていけるのか、過去の経験をどう広げていくのかについて、カジュアル面談を行うことが多くなりました。
 カジュアル面談は、最終面接前に会社の理解度向上や魅力づけのためにWeb面談を実施する場合と、内定を提示したあとに条件面談としてすり合わせを行う場合があります。
 社長は自ら起業していますので、会社に対する熱意や愛社精神が非常に高いため、そこに触れると熱量が応募者にうつるようで、最終面接後にカジュアル面談をすると、意向度が高くなるケースが多いです。最終面接に社長が出ることは、大きな意味があると感じています。

──キャリア採用の場合、保有資格を要件にすることはありますか。

小島 当社の仕入れ営業は仕入れと売買、どちらも営業が兼務するので、現在キャリア採用で募集している営業職は、契約実務や重要事項説明ができる宅地建物取引士資格保有者を要件として募集しています。
 バックオフィス系では、経理部門で日商簿記検定2級以上を要件に募集する場合があります。

──キャリア採用の入社後の流れを教えてください。

小島 入社初日は総務人事でオリエンテーションを実施し、2日目から配属部署でのOJTに入ります。当社では基本的に全社員に対するeラーニング研修を月1回実施しているので、OJTでも活用しています。内容は、4月はSNSコンプライアンス、6月は決算関係と時期的な内容もあれば、インサイダー取引、個人情報保護法、AI活用と幅広く実施しています。不動産業・建設業に限らず、あらゆる職種で有意義な研修になっています。

資格取得支援で資格手当、合格祝い金を支給

──社内研修について教えてください。

小島 現在、工事部門は若手、中堅、ベテランに分けた階層別研修が整備されています。その他は単発のマネジメント研修は実施していますが、役職前研修や管理職研修は準備中です。今後整備していくことが、私たち人事の課題になっています。

──資格取得支援制度はありますか。

小島 はい、あります。会社指定の資格に資格取得祝い金があることに加え、宅地建物取引士(以下、宅建士)や一級建築士など会社指定資格であれば、資格手当が支給されます。対象になるのは基本的に仕事で使う資格で、祝い金のみの資格もあれば、資格手当がつくものもあります。

──資格手当がつく資格もあるのですね。

小島 そうですね。例えば、宅建士、一級建築士、1級建築施工管理技士等の資格は、資格手当が月々の給与に上乗せされます。長い目で見れば資格手当は大きな額になるので、積極的に取得をめざす社員が大勢います。他にも、資格手当対象外の日商簿記検定2級や第一種衛生管理者などは、資格を取得すると祝い金制度もあります。
 また、施工管理の工事部門で部門が選抜した人であれば、受験のための通学費用も会社が負担します。時間もなかなか取れない中で本人が努力した場合は報いたいと考えています。
 その他、自己啓発に関する書籍購入であれば月3,000円まで会社で補助しています。

ユニークな制度満載の福利厚生

──福利厚生面でアピールしたい制度を教えてください。

小島 最もアピールしたいのは、オフィスビルには珍しくビュッフェ形式で食事できる社員食堂があることです。食堂の利用有無に関わらず会社からの食事補助として1日310円×20日分、月額6,200円を全社員の給与に上乗せして支給しています。
 また、社員の健康増進の取り組みとして、非喫煙宣言をした社員を対象に、健康促進手当(月2万円)を支給しています。喫煙者のタバコ代は月2万円程度と聞きますので、喫煙者が非喫煙者になると手当2万円とタバコ代2万円、年間で50万円近く得することになります。
 一方、喫煙者には午前と午後に15分ずつ、自由なタイミングでタバコ休憩を取ることができます。非喫煙者からするとタバコ休憩は理解できませんが、その分2万円もらえれば不平不満にならない。大変ユニークな施策だと思っています。

──金額もさることながら喫煙者に午前・午後の喫煙タイム15分を認めるのもすごいですね。

中村 導入のタイミングで、かなり喫煙をやめた人がいました。数千円なら禁煙をする動機付けにはなりづらいですが、月2万円となるとやめたほうがいいとなるようです。

──非喫煙の中に隠れて喫煙する人はいませんか。

小島 社員リストのアプリで、非喫煙者にはマークがついています。全社員が、誰が喫煙しているかいないかを把握できます。家での喫煙もNGです。あとから実は喫煙していると発覚した場合は、手当を全額返金しなければなりません。かなり厳しいです(笑)。

──他にもユニークな施策がありますか。

小島 借上げ社宅制度では、自社物件に住んでいる場合、一律月5万円を補助しています。

中村 当社はイベント好きな会社なので、3月の最終営業日に必ず「イヤーエンドパーティー」を開催します。上期が終われば上期報告会パーティーがあり、社員旅行も行っています。そのほか部活として登録されていれば、活動した際に1人月2,000円を支給します。カフェテリアプランや持株会社制度も揃っています。

──コミュニケーションを取る機会が頻繁ですね。

中村 当社は基本的に全員出社のスタイルで業務を行っています。ワンストップサービスを効率よく機能させるためには、集まって顔を合わせて仕事していくことが大切だと考えています。そのため、社員が集まるイベントなども大切にしており、社長の想いや会社の方向性を共有する貴重な機会となっています。

小島 社員食堂もその一環で、役員とご飯を食べていたり、他部署の人と一緒に食卓を囲んだり、ひとりで本を読みながら食べたり。それぞれが自由に食事を楽しんでいます。11時30分から14時までの好きなタイミングで行けるので、定まったお昼休みもありません。混んでいても5分と待たないので、時間の有効活用にもつながっています。

宅建士が必須資格の不動産業界

──応募者がエントリーシートに学生時代に取得した資格を記載していた場合、どのように判断しますか。

中村 最初に申し上げた通りフラットに見たいので、資格欄はそれほど重視しません。ただし、学生時代に宅建士資格を取った方はかなりプラスに見ています。

──キャリアアップや資格取得をめざしている読者に向けてメッセージをお願いします。

中村 私はこの会社に入社してから、宅建士の資格を取得しました。宅建士の独占業務があるということは、その資格を持っていなければ一人前になることができないということです。どんなに売上を上げても最後は誰かに契約を締めてもらわなければならないので、不動産業に携わるのであれば、必ず宅建士資格取得をお勧めします。

小島 私は商業高校時代にものすごく勉強して日商簿記検定試験に合格しました。結果的に仕事で使わず、役に立たなかったとしても、資格は一生ものです。がんばった努力の証が残るのは、やりがいにもつながると思います。宅建士などの資格の勉強をしている方で当社に興味をお持ちの方と積極的にお会いしたいと思います。

[『TACNEWS』人事担当者に聞く「今、欲しい人財」|2026年9月 ]

会社概要

社名     株式会社フェイスネットワーク
設立     2001年10月2日
代表者    代表取締役社⻑ 蜂谷二郎
本社所在地  東京都渋谷区千駄ヶ谷4丁目23番5号

事業内容

不動産業/建設業/一級建築士事務所

従業員数

201名(2026年3月31日現在)

URL

https://faithnetwork.co.jp/

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