簿記2級の独学って難しいの?
必要な勉強時間の目安と4つのポイント

簿記2級の独学って難しいの?必要な勉強時間の目安と4つのポイント

独学で簿記2級に合格するのは不可能ではありませんが、合格までに時間がかかる可能性が大きいです。それでは、効率よく簿記2級に合格するにはどうしたらいいのでしょうか?

本記事では、簿記2級が難しい理由や簿記2級合格に必要な勉強時間、簿記2級を受ける際の注意点について解説します。

そもそも簿記2級とは?

そもそも簿記2級とは?

日商簿記検定には、1級~3級まであります。簿記2級は、簿記1級よりも難易度が下がるものの、それでもやはり難しい資格だといえるでしょう。実際に、簿記2級に合格できる人は、受験者のうちの5人に1人ほどの割合です。

はじめに、そもそも簿記2級とはどのような試験なのか、概要や難易度をチェックしておきましょう。

試験概要

簿記2級では、中規模の株式会社の財務諸表が読みこなせるほどの商業簿記の理解度と、工業簿記の知識が問われます。

ペーパー試験にあたる統一試験の実施時期は6月・11月・翌2月の年3回で、各地域の商工会議所で受験の申し込みが可能です。
2級は3級同様にネット試験(CBT方式)でも受験が可能で受験日をテストセンターごとの候補日から選択できます。

一部の商工会議所では3級、2級の統一試験を行っていない場合がありますので、事前にチェックが必要です。例えば東京商工会議所では2023年度より実施が見送られています。
【TACでは東京近郊の一部校舎で統一試験会場として実施しています】

試験の難易度

簿記2級の統一試験での合格率は、近年のデータではおよそ20%程度です。一方、同じレベルの問題が出題されるネット試験では比較的高めの30%台半ばとなっています。試験における合格基準は、7割以上得点することが条件です。

また、簿記2級は高校生が受験できるレベルだといわれることもあります。ただし、平成27年以降大きな試験改定が続き、1級の学習範囲であった「連結会計」、「リース取引」、「外貨建て取引」などが2級の学習範囲にも含まれたことで、高度な問題が出題されるケースがあり、さらに計算する量が非常に多いこと、合格率が低いことなどから、試験の難易度は高いといえるでしょう。

簿記2級が難しい理由

簿記2級が難しい理由

簿記2級は高校生が受験できるレベルといわれるにも関わらず、合格率が20~30%と簿記3級の合格率に比べて大きく下回っている理由は以下の通りです。

  • 学習範囲が広い
  • 本試験問題が非公開

それでは詳しくみていきましょう。

理由1:2級は学習範囲が広い

「商業簿記」では、3級で学習している商品売買、固定資産などをさらに幅広く学習するとともに、日本企業の大半を占める中小企業の株式会社の会計処理を加えて学習します。 具体的には近年のビジネスシーンで多く使われる、リース取引、為替取引、連結会計、税効果会計などを新たに学習します。

「工業簿記」では、まず製造業における原価計算の全体の流れを学習し、注文を受けてから製品の製造にかかる個別原価計算や規格品製造にかかる総合原価計算を学習します。 また、実際の製造活動が目標通りに行われているのかをチェックする標準原価計算や短期的な利益計画と結びつく直接原価計算などを学習します。

理由2:本試験問題が非公開

簿記2級は、2021年度以降、実質的に本試験問題が公開されていません。試験で知りえたことの開示・漏洩も禁止されています。さらにCBT方式の試験は、受験者ごとに出題される問題が異なります。

そのため、「過去問の情報を得ようとしても見つからない」という状況になりがちです。本試験での情報が手に入れられない分、しっかりした教材を選択する必要があります。

効率的に簿記2級に受かるためには、本試験を分析して同等レベルの問題で構成したうえで、分かりやすく解説されている教材を選ぶことが重要です。ただし、独学だと自分でこれらの要素をおさえた教材を探すことになり、教材探しの段階から迷ってしまう可能性があるでしょう。

ちょびっと補足♪~TACの取組みについて~

TACでは、最新情報に基づいた教材・講義をするため、講師が定期的にネット試験を受験しています。それは最新情報に基づいて教材の作成、講義に反映するためです。ですので、TACは新試験制度にしっかり対応したカリキュラムを受講生の皆様にご提供していますので、統一試験・ネット試験どちらを受験される予定でも、TACで安心してご受講ください。

簿記2級に合格するために必要な勉強時間

簿記2級に合格するために必要な勉強時間

簿記2級の合格に必要な勉強時間の目安は、簿記3級を合格するために必要な勉強時間よりも長くなります。簿記3級よりも勉強時間の目安が増える理由は、レベルが高くなることと、2級からは工業簿記の科目が加わることです。

また、すでに簿記3級に合格している人の場合と、簿記を勉強したことがない人の場合とで、簿記2級合格に必要な勉強時間の目安は大きく異なります。それぞれチェックしていきましょう。

簿記3級に合格している場合の目安の勉強時間

簿記3級に合格している場合に必要な勉強時間は、250~350時間ほどが目安です。ある程度の予備知識を有していると考えられるため、スムーズに勉強しやすいでしょう。

特に、簿記3級の取得からそれほど経たずに簿記2級に挑戦する場合には、短めの勉強時間で理解していけます。また、簿記関連の実務経験がある人も、必要な勉強時間を短縮可能です。

簿記を勉強したことがない場合の目安の勉強時間

簿記を勉強したことがない人が必要とする勉強時間は、400~500時間ほどが目安です。1日2時間ずつ勉強した場合、6〜8ヵ月ほどかかります。

簿記の知識のない人が簿記2級に挑戦するならば、まずは初心者向けに分かりやすくて丁寧な解説がされている教材を選びましょう。いきなりつまずいてしまう事態を防げ、スムーズに勉強しやすくなります。

簿記2級に独学で合格するための4つのポイント

簿記2級に独学で合格するための4つのポイント

独学での合格を目指すことは簿記2級合格の難易度を上げるものの、勉強の仕方によっては不可能ではありません。簿記2級に独学で合格するためには、以下の4つのポイントをおさえておくことが重要です。

  • 新しい分野の勉強に注力する
  • 簿記3級の復習も同時に行う
  • 苦手論点を作らないようにする
  • 余裕を持ったスケジュールを立てる

それぞれチェックしていきましょう。

1.新しい分野の勉強に注力する

簿記3級の資格をすでに取得している場合は、簿記2級で新たに加わる工業簿記の分野から学習を進めると良いでしょう。後回しにせず、はじめに工業簿記の分野から確認しておくと、あとから焦らずにすみます。数学などに苦手意識がある方は、特におすすめの方法です。

簿記初心者の場合は、簿記3級レベルの商業簿記の範囲から学習し、工業簿記と簿記2級レベルの商業簿記をバランス良く学習すると良いでしょう。

2.簿記3級の復習も同時に行う

簿記2級と簿記3級は、どちらも商業簿記が出題範囲に含まれています。ベースとなる簿記3級の理解があやふやなままでは、簿記2級の商業簿記の勉強をしていても、理解が深まらず中途半端になってしまう恐れがあるでしょう。特に3級の学習から時間が経過している場合は、念のために簿記3級の復習から始めると効果的です。

3.苦手論点を作らないようにする

苦手論点を作らないようにすることも、合格をつかむためのポイントです。何度も問題集を解いて、間違えやすい問題や苦手分野を理解しましょう。苦手な部分を重点的に取り組むことで、自分の弱点を克服できるようになります。

簿記2級には、本試験頻出の重要論点である「連結会計」の問題があります。独学者がつまずきやすい論点のため、勉強の際は注意が必要です。理解の仕方を間違えないように、基本となる教材を読んで理解を深めましょう。

4.余裕を持ったスケジュールを立てる

試験に向けて、余裕を持ったスケジュールを立てることもポイントのひとつです。簿記2級は難易度が高く、多くの勉強時間を必要とします。また、予定通りに勉強できないときもあるでしょう。

余裕のあるスケジュールを立ててあった場合、勉強の遅れがあってもカバーできます。また、スケジュールに余裕があれば、息抜きができる日を途中に設けられるようになるでしょう。

簿記2級を受ける際の注意点

簿記2級を受ける際の注意点

実際、簿記2級を受けるときに注意すべきポイントは、以下のとおりです。

  • 時間配分に気をつける
  • 使い慣れた電卓を使用する
  • 分かる問題から解き始める

また、簿記2級の試験の1週間くらい前からは、試験本番と同じ時間配分で問題集を解くこと、睡眠時間をしっかり取ることなどに気をつけましょう。

時間配分に気をつける

簿記2級試験は、90分という時間内に回答しなければいけません。そのため、制限時間内にすべての問題が解けるように、時間配分に気をつけてください。商業簿記と工業簿記でそれぞれに割く時間をバランス良く配分することが大切です。

先述のとおり、試験日までに試験本番と同じ時間配分で問題集を解く練習をしておくと良いでしょう。

使い慣れた電卓を使用する

本試験は時間との戦いです。スムーズに解き進めるために、使い慣れた電卓を使うことがポイントとされます。

関数や売価計算、原価計算ができる電卓は試験で使えません。これらの機能がない電卓かどうかも確認しておきましょう。右利きの人は左手で、左利きの人は右手で電卓を打てると、よりスムーズに解答できるようになります。

分かる問題から解き始める

時間配分で失敗しないためには、分かる問題から解き始めることも気をつけるべきポイントのひとつです。分からない問題に時間を費やしてしまうと、分かる問題に割く時間が少なくなってしまいます。取れるはずだった得点が取れなくなってしまわないように、分からない問題は後回しにして、確実に取れる部分を取ることも大切です。

最後に

上記の4つのポイントを押さえれば、独学での合格を目指せる資格ですが、短期間での合格を目指す場合は講座の受講を検討しても良いかもしれません。

金銭的な負担はありますが、分からない部分を一人で悩む時間が減る分効率よく学習を進めることができます。自分のライフスタイル等に合わせた学習方法で2級合格を目指してください。

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