FP(ファイナンシャルプランナー)1級の実技試験とは?合格率や不合格になる人の特徴を解説

FP(ファイナンシャルプランナー)1級の実技試験とは?合格率や不合格になる人の特徴を解説

FP(ファイナンシャルプランナー)1級の実技試験は2団体が主催しており、いずれかを選んで受検する必要があります。しかし、それぞれ実施方式や出題範囲が異なるため、自分に適した受検方法を選ぶことが大切です。

今回は、FP(ファイナンシャルプランナー)1級の実技試験の種類や合格率、不合格になる人の特徴について解説します。

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FP(ファイナンシャルプランナー)1級の実技試験は2種類ある

FP(ファイナンシャルプランナー)1級の実技試験は2種類ある

FP(ファイナンシャルプランナー)1級の実技試験は以下の2団体が主催しており、いずれかひとつを選んで受検します。

・一般社団法人「金融財政事情研究会(以下、きんざい)」
・NPO法人「日本FP協会(以下、FP協会)」

それぞれの実技試験の特徴について詳しく解説します。

「きんざい」の実技試験

きんざいの実技試験は、不動産等の資産運用と相続・事業承継対策が出題されます。実際に起こり得るケースを想定し、どのように課題を解決していくかが問われます。資産運用の試験では不動産に関する質問が多く問われますが、金融資産の分野も付随して出題されることが多いです。

実技試験は、年に3回実施されます。当日は異なる設例課題に基づいた面接が2回行われ、いずれも複数の面接官と対話する口頭試問方式です。配点は、1回目・2回目ともに各100点の200点満点で、合計120点以上が合格となります。

試験方式 口頭試問方式(面接)2回
試験内容

・不動産等の資産運用

・相続・事業承継対策

試験時間 1人あたりの持ち時間は約12分
合格基準 合計120点以上(各100点の200点満点)

「FP協会」の実技試験

FP協会の実技試験は、CFP®試験で問われる以下の6科目すべてが出題範囲になります。

1.金融資産運用設計
2.不動産運用設計
3.ライフプランニング・リタイアメントプランニング
4.リスクと保険
5.タックスプランニング
6.相続・事業承継設計

試験方式は筆記試験で、毎年9月に実施されます。出題範囲は広いですが、FP(ファイナンシャルプランナー)2級は90分で40問が出題されることに対し、FP(ファイナンシャルプランナー)1級は120分で20問です。1問あたりにかけられる時間に余裕があるため、「しっかり受検対策すれば合格しやすい」といわれています。

試験方式 筆記試験(択一・語群選択・空欄記入・論述の各形式を含む)
試験内容 CFP®試験で問われる6科目
試験時間 120分(13:30~15:30)
合格基準 60点以上(100点満点)

FP(ファイナンシャルプランナー)1級実技試験の受検資格や難易度

FP(ファイナンシャルプランナー)1級実技試験の受検資格や難易度

FP(ファイナンシャルプランナー)1級の実技試験は2団体が主催していますが、難易度や合格点が異なります。また受検資格を満たす必要があるため、事前に確認しておくことが大切です。

それぞれの概要を詳しく確認していきましょう。

FP(ファイナンシャルプランナー)1級実技試験の受検資格

FP(ファイナンシャルプランナー)1級実技試験の受検資格は、以下のとおりです。

1.学科試験(1級)の合格者
2.CFP®認定者(日本FP協会)
3.CFP®資格審査試験(日本FP協会)の合格者
4.1級FP技能検定の学科試験の一部合格者(金融財政事情研究会)
5.「FP養成コース(金融財政事情研究会)」修了、かつFP(ファイナンシャルプランナー)の業務で1年以上の実務経験を有する者

いずれか1つに該当すれば、FP(ファイナンシャルプランナー)1級の実技試験を受検できます。

「CFP®資格審査試験の合格者」ですが、これは認定者ではありません。CFP®認定者は、資格審査試験に合格してエントリー研修を修了し、通算3年以上の実務経験を積むことが必要です。CFP®認定には時間がかかるため、前段階の審査試験に合格すれば受検資格を得られます。

FP(ファイナンシャルプランナー)1級実技試験の合格点

実技試験の合格点は、以下のとおり、主催団体によって異なります。

団体名 問題数 合格点
きんざい 面接2回 合計120点以上(各100点で200点満点)
FP協会 筆記(2題で20問) 60点以上(100点満点)

きんざいは、異なる設例課題に関する面接が2回行われます。配点は、各100点の200点満点で合計120点以上が合格です。なお、各回における合格最低点は設けられていません。

FP協会は、100点満点で60点以上を取れば合格基準を満たせます。

FP(ファイナンシャルプランナー)1級実技試験の難易度

実技試験の合格率は、きんざいは84%~86%、FP協会は90%台で高い水準を維持しています。

きんざい FP協会
実施時期 合格率 実施時期 合格率
2024年2月 87.96% 2023年9月 96.2%
2023年9月 80.10% 2022年9月 99.0%
2023年6月 84.80% 2021年9月 93.8%


「きんざい」のFP(ファイナンシャルプランナー)1級実技試験の内容

「きんざい」のFP(ファイナンシャルプランナー)1級実技試験の内容

ここからは、きんざいのFP(ファイナンシャルプランナー)1級試験の流れや出題範囲に関して詳しく確認していきましょう。

きんざいのFP(ファイナンシャルプランナー)1級実技試験の流れ

実技試験の基本的な流れは、以下のとおりです。

1.試験会場に着いたら待機室で待つ
2.面接開始の約15分前に「設例」を渡される
3.15分後に面接室に移動して面接を受ける

実技試験の面接は1日に2回、前後半に分けて実施されます。実技審査中は控室での待機も含め、スマホやタブレットなどの電子機器は使用禁止です。なお、待機中は紙媒体の参考書等で自習は行えますが、設例を渡された後は見られません。

服装に関しては、華美またはカジュアルすぎる服装は控えましょう。

きんざいのFP(ファイナンシャルプランナー)1級実技試験の範囲

きんざいのFP(ファイナンシャルプランナー)1級実技試験では「不動産等の資産運用」と「相続・事業承継対策」が出題されます。

具体的な試験内容は、以下のとおりです。

関連業法との関係や職業上の倫理を踏まえたファイナンシャル・プランニング
顧客のニーズ・問題点の把握
問題解決策の検討・分析
顧客の立場に立った対応

実技試験で出題される試験内容は、FP(ファイナンシャルプランナー)の実務に直結しているため、しっかり勉強すれば合格後にも役立つことが多いです。

FP(ファイナンシャルプランナー)1級の実技試験で不合格になる人の特徴

FP(ファイナンシャルプランナー)1級の実技試験で不合格になる人の特徴

実技試験で不合格になる人は、以下のような特徴が挙げられます。

・あがり症の人
・相手の話を聞かない人
・試験対策が不十分な人

それぞれの特徴について詳しく解説します。

あがり症の人

極度のあがり症の人は、実技試験で不合格になることがあります。きんざいの実技試験は、複数の面接官と対話する口頭試問方式です。面接官に対して自分の考えを述べる必要がありますが、試験当日は専門的な見地から次々に質問が飛んできます。

あがり症でない人でも普段のように話せなくなることも多いです。極度のあがり症である場合は、緊張しすぎて何も答えられなくなる受検者も少なくありません。受検者に黙られると面接官も点数が付けられないため、結果的に不合格になるおそれがあります。

相手の話を聞かない人

相手の話を聞かない人は、実技試験で不合格になることがあります。面接官は設例について鋭い質問を繰り出してきますが、受検者が答えに詰まるとヒントを出してくれることがあります。

面接官からヒントが提示されても、そのことに受検者が気づかなければ正しい解答を導けません。試験中は面接官の話をしっかり聞いて質問に対する答えを探しましょう。

また、質問に対してだらだら喋る人や相手の質問に答えない人は不合格になりやすいです。FP(ファイナンシャルプランナー)1級実技試験に合格したいなら、面接官との会話のキャッチボールを意識することが大切です。

試験対策が不十分な人

合格率が高い実技試験ですが、試験対策が不十分だと落ちる可能性があります。とくに難易度が高い学科試験を受けた後は、「合格率が高い実技試験なら勉強をしなくても合格するだろう」と高を括る受検者も少なくありません。

合格率が高いFP(ファイナンシャルプランナー)1級実技試験でも、試験対策が不十分になると落ちてしまいます。必ず訊かれる定番の質問も多いため、実技試験の合格に向けて計画的に勉強を進めることが大切です。また、万が一、解答が浮かばなかった時のふるまい方なども準備しておくことも必要です。毎年多くのFP試験合格者を輩出している資格の学校TACのような受験指導校では「実技試験の講義」を開講しているため、試験対策を行いたいならうまく活用しましょう。

FP(ファイナンシャルプランナー)1級の実技試験はしっかりと対策を立てて臨もう

FP(ファイナンシャルプランナー)1級の実技試験はしっかりと対策を立てて臨もう

FP(ファイナンシャルプランナー)1級実技試験の合格率は高い水準を維持しており、学科試験に比べると難しい試験ではありません。しかし、面接で合否が問われるきんざいの実技試験の場合、柔軟な対応が求められることも多いです。

十分な知識を増やしても、試験で不合格になることがあります。TACでは、FP(ファイナンシャルプランナー)1級実技試験の講義を実施しているため、試験合格に向けて活用してみてはいかがでしょうか。

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