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2027年度から新試験制度に移行予定 情報処理技術者試験の制度見直しについて

 試験主催元の情報処理推進機構(IPA)より、2027年度からの情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験における見直しのポイントや新たな試験区分体系、シラバス案などが公表されています。

 本ページでは、新試験制度の概要をTAC情報処理講座が分かりやすく解説しております。また、TAC講師陣による新試験制度に関する所感・分析コメントも随時追加してまいります。受講生・受験生の皆様におかれましては、今後の学習や受験計画の参考として、ぜひご一読いただけますと幸いです。

2026年10月8日18:00 情報更新

参考:情報処理推進機構(IPA)「新試験制度のシラバス案について」「新試験制度のサンプル問題について」2026年9月30日

参考:情報処理推進機構(IPA)「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」2026年4月28日

試験制度の見直しのポイント

データマネジメント試験(仮称)の新設

  • AI活用において求められる、主にビジネス部門を想定したデータの整備・管理に関するスキルを習得し、評価するための試験として新設。
  • 幅広いビジネスパーソンの受験を想定し、ITパスポート試験の次のステップの試験として位置づけ。

ITパスポート試験の出題構成の変更

  • 出題分野を現在の “ストラテジ系” “マネジメント系” “テクノロジ系” から「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」に再整理。
  • DXで求められるマインド・スタンスや、データマネジメントの基礎に関する内容の新規追加。
  • AI時代に対応したセキュリティ・倫理の出題を強化。

プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)の新設

  • DXやAI利活用を通じた新たな価値創造に向けて幅広いスキルを習得し、評価するための試験として新設。
  • 現在の応用情報技術者試験と高度試験を大括り化したうえで内容を再編し、「マネジメント領域」「データ・AI領域」「システム領域」の三つの試験区分を設ける。

情報セキュリティマネジメント試験及び基本情報技術者試験の一部変更(※)

  • 科目Aの出題範囲体系の変更
  • 科目Bの出題範囲の一部変更

技術動向や環境変化等を踏まえて表記の変更等を行うもので、試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はありません。

情報処理安全確保支援士試験の一部変更

  • 科目Aの出題範囲体系の変更(※)
  • 科目Bの出題範囲の一部変更(マネジメント分野の強化等)
  • 試験時間及び科目Bの出題形式の変更

技術動向や環境変化等を踏まえて表記の変更等を行うもので、試験で問う知識・技能の範囲そのものに変更はありません。

新試験制度の概要

ITパスポート試験(内容変更)

ビジネスパーソンに求められるデジタルリテラシーとしての基礎知識及びマインド・スタンスが、目標とする水準に達していることを評価する。

試験時間 120分
出題数

100問


データマネジメント試験(新設)

データ・AIを効果的・効率的に利活用するデータマネジメントの基本的な知識及び技能が、目標とする水準に達していることを評価する。

試験時間 科目Aと科目Bを合わせて120分
出題数

科目Aは48問、科目Bは12問


情報セキュリティマネジメント試験(継続)

データ及びデジタル技術の安全な利活用を推進する情報セキュリティマネジメントの基本的な知識及び技能が、目標とする水準に達していることを評価する。

試験時間 科目Aと科目Bを合わせて120分
出題数

科目Aと科目Bを合わせて120分


基本情報技術者試験(継続)

デジタル技術を活用したサービス、プロダクト、システム及びソフトウェアを作る基本的な知識及び技能が、目標とする水準に達していることを評価する。

試験時間 科目Aは90分、科目Bは100分
出題数

科目Aは60問、科目Bは20問


プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(新設)

組織やビジネスにおける、データ及びデジタル技術を利活用するプロセスをマネジメントする専門的な知識及び技能が、目標とする水準に達していることを評価する。

試験時間 科目A-1は90分、科目A-2と科目Bを合わせて120分
出題数

科目A-1は60問、科目A-2は23問、科目Bは12問


プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験(新設)

組織やビジネスのデータドリブンな活動を支える基盤を構築してデータを整備する専門的な知識及び技能が、目標とする水準に達していることを評価する。

試験時間 科目A-1は90分、科目A-2と科目Bを合わせて120分
出題数

科目A-1は60問、科目A-2は23問、科目Bは12問


プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験(新設)

デジタル技術を適用するシステムの要件定義・アーキテクチャ設計・開発・運用を主導する専門的な知識及び技能が、目標とする水準に達していることを評価する。

試験時間 科目A-1は90分、科目A-2と科目Bを合わせて120分
出題数

科目A-1は60問、科目A-2は23問、科目Bは12問


情報処理安全確保支援士試験(一部の内容及び出題形式の変更)

対象者像:サイバーセキュリティに関する専門的な知識及び技能を活用して組織における安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援し、また、サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価を行い、その結果に基づき必要な指導・助言を行う者。

試験時間 科目A-1は45分、科目A-2は35分、科目Bは120分
出題数

科目A-1は30問、科目A-2は25問、科目Bは12問


試験区分一覧(科目・試験時間・出題形式・出題数)

新試験制度イメージ

出典:「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」(IPA情報処理推進機構)

情報処理技術者試験の見直し後の試験区分体系イメージ

情報処理技術者試験の見直し後の試験区分体系イメージ

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260331003/20260331003.html)

現行試験制度と新試験制度の比較(イメージ)

現行試験制度と新試験制度の比較(イメージ)

出典:経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260331003/20260331003.html)

新試験制度の開始時期

2027年度春頃

  • ITパスポート試験
  • 情報セキュリティマネジメント試験
  • 基本情報技術者試験

2027年度夏頃

  • データマネジメント試験(仮称)
  • プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)
  • プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験(仮称)
  • プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験(仮称)
  • 情報処理安全確保支援士試験

新試験制度のサンプル問題及びシラバス案

2026年9月30日 最終更新

新試験制度のサンプル問題

IPAウェブページに各試験区分における、新たな出題分野、出題形式のサンプル問題が掲載されています。
準備が整ったものから順次掲載され、2026年度夏頃を目途に一通り掲載される予定です。

掲載情報

  • ITパスポート試験(マインド・スタンス分野/データマネジメント分野/情報倫理・AI倫理分野)[2026年8月31日IPA掲載]
  • データマネジメント試験(仮称)科目A・科目B[2026年6月22日IPA掲載]
  • プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)科目B[2026年8月31日IPA掲載]
  • プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験(仮称)[未公表]
  • プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験(仮称)科目B[2026年8月31日IPA掲載]
  • 情報処理安全確保支援士試験 科目B[2026年8月31日IPA掲載]

新試験制度のシラバス案

IPAウェブページに各試験区分におけるシラバス案が掲載されています。
なお、シラバス案の内容は公表時点の検討状況に基づくものであり、変更される可能性があります。

掲載情報

  • ITパスポート試験[2026年8月31日IPA掲載]
  • データマネジメント試験(仮称)[2026年6月22日IPA掲載]
  • 情報セキュリティマネジメント試験[2026年9月30日IPA掲載]
  • 基本情報技術者試験[2026年9月30日IPA掲載]
  • プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)及び情報処理安全確保支援士試験 科目A-1(共通知識)[2026年9月30日IPA掲載]
  • プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)[2026年8月31日IPA掲載]
  • プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験(仮称)[未公表]
  • プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験(仮称)[2026年8月31日IPA掲載]
  • 情報処理安全確保支援士試験[2026年8月31日IPA掲載]

今後の予定

新試験のシラバス案や各分野のサンプル問題は、公開準備が整ったものから順次IPAウェブページに掲載され、2026年度夏頃を目途に一通り公表される予定です。特にシラバス案については試験区分ごとに暫定版の時点から随時公開される予定です。

TAC講師陣による新試験制度の所感

「TAC講師陣による新試験制度の所感」につきましては、準備が整ったものから順次掲載してまいります。

「情報セキュリティマネジメント試験」および「基本情報技術者試験」につきましては、新試験制度のサンプル問題が未公開のため、シラバス案に対する所感を掲載しております。

新試験制度のサンプル問題について

【TAC所感】ITパスポート試験

【TAC所感】ITパスポート試験

マインド・スタンス分野(1問)

 マインド・スタンス分野は他区分(基本情報技術者試験など)では出題範囲となっておらず、唯一、ITパスポート試験だけで出題範囲となっている、やや特殊な分野です。
 サンプル問題では、組織としてDXを推進するにあたり、「失敗を恐れずに取り組む」姿勢も大事であるという考え方がテーマになっています。あまり難解な用語定義などの専門的な知識は必要とされず、常識的な職業倫理観に基づいて問題文を素直に解釈すれば解ける問題でした。実際の出題においても同様の出題が多くなるのではと予想されます。

データマネジメント分野(2問)

 データの収集から維持、廃棄までのライフサイクルを管理するデータマネジメントについては、各試験のシラバス内に組み込まれるだけでなく、データマネジメント試験が新設されるなど、強力に推進されていくことが見て取れます。それを反映するかのように、サンプルも1問だけではなく2問の出題となっています。実際の試験においても、それなりの割合を占める可能性が想定されます。
 サンプル問題のうち一つは“データのサイロ化”、もう一つは“メタデータ”に関する出題でした。どちらもデータマネジメントの世界においては基本的な用語です。情報セキュリティ分野と比べると、覚えるべき専門用語の数はそれほど膨大にはならないと予想されますので、まずはこういった基本用語について学習していくことが対策の軸となるでしょう。
 一方で、実際のデータ群を提示しながら最適な加工手法を選ばせる事例問題などの出題も考えられます。そのような問題については今までのITパスポート試験での学習内容を踏まえ「業務に最大限活用できるようデータを収集・維持するためには何をすればよいか?」を考えれば、おのずと正解が見えてくるものも多いでしょう。

情報倫理・AI 倫理分野(1問)

 生成AIの利用などによって今後ますます重要になる、倫理的な観点からのITの取り扱いに関する分野です。新しいシラバスでは、“エコーチェンバー”などのインターネット利用を中心とした問題・課題や、AI利用のリスクなどが項目として挙げられています。
 サンプル問題は、生成AIを業務に活用する際の留意点(コンプライアンスの観点も含む)を選ぶという内容でした。実際の試験では、現状のITパスポート試験でもよく見かけるネット利用関連の出題と、今回のサンプルのようなAIに焦点を当てた出題がバランスよく混ざってくることが予想されます。今までの学習に加えて、生成AIのもつリスク、留意点を意識しておくとよいでしょう。

【TAC所感】データマネジメント試験(仮称)

【TAC所感】データマネジメント試験(仮称)

科目Aサンプル問題について

IPA「出題範囲等の改定案」において各試験区分の科目A出題範囲が示されており、大分類・中分類ごとに整理されていますが、そこでデータマネジメント試験の重要項目とされている(表中で◎が付けられている)、

  • データマネジメント
  • データ分析・データ利活用

についての問題が取り上げられています。具体的には、

  • 問1 データガバナンスの意義
  • 問2 データ品質の管理
  • 問3 メタデータの分類と管理

というテーマの出題でした。データマネジメントや利活用に関する科目A問題としては、

  • データマネジメントに関する基本概念(用語定義など)
  • データマネジメントの体制づくり、責任分担
  • データの設計(メタデータ、データの分類など)
  • データの品質管理
  • データ活用基盤の整備
  • データ分析技法

といった分野から満遍なく数十問が出題されるであろうと予想していましたので、おおむね予想通りの内容だったと言えます。

難易度の面では、ITパスポート試験で問われるごく基礎的な内容から一段階踏み込んだ専門的な知識・理解を問うものになっており、情報セキュリティマネジメント試験におけるセキュリティ分野の出題と類似したレベル感になっています。

科目Bサンプル問題について

科目Bについても、おおむね情報セキュリティマネジメント試験の科目B問題と類似したボリューム感および難易度設定になっていると感じられます。問ごとに設問が一つという出題スタイルも情報セキュリティマネジメント試験の科目Bと同様です。

IPA「出題範囲等の改定案」では、科目Bの出題範囲として、

  1. データの適切な取扱いに関すること
  2. データ活用による意思決定,検証と改善に関すること
  3. データ活用の組織文化の醸成に関すること
  4. データマネジメントの成熟度向上に関すること

の4つが挙げられています。今回のサンプルは、

  • 問1 データ利活用における管理責任(オーナーシップなど)
  • 問2 データ統合における紐づけ(クレンジング・名寄せ)

がテーマとなっており、主に前述の「1.データの適切な取扱い」に該当する出題だと評価できます。

TACの予想においても、

  • データマネジメント戦略(体制や責任分担設定を含む)
  • データの設計&管理(メタデータなど)
  • データの整合性管理(データ統合など)
  • データセキュリティ(機密度の設定など)
  • 現状評価を踏まえた管理ルールの見直し

など、この「1.データの適切な取扱い」部分での出題が多くなるであろうと予想しておりましたが、おおよそ予想どおりの内容でのサンプル提示となりました。

具体的なボリュームとしては、情報セキュリティマネジメント試験の平均と同程度の1~2ページ程度を想定していましたが、今回のサンプルでは2問とも3ページにわたっており、やや多いという印象を受けました。データを取り扱うという分野の特性を考慮すると、表形式で具体的なデータが掲載されるスペースも大きくなりがちですので、この程度のボリュームになるのが逆に自然かもしれません。

難易度については、2問とも想定内の標準的な難易度、もしくはやや難しめという印象です。情報セキュリティマネジメント試験の科目Bと同様,単純な用語知識だけで正解できる内容ではなく,問題文から「その組織がどんな状況におかれ,何を課題としているか」を読み取れないと答えられない内容に仕上がっています。逆にいえば「データマネジメントに関して非常に深い知識が無くとも、問題文の手掛かりをもとに丁寧に読み解けば答えが得られる」ように作られているのですが、情報の量も多く、何を判断するためにどこを材料とすればいいのか悩む場面もあります。科目Bの12問全てがこれらと同程度になるかは不明ですが、もう少し単純に答えられる内容のものも含まれてくるのではないかと予想します。

【TAC所感】プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)

【TAC所感】プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)

科目Bサンプル問題について

 プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(PD-M試験)の科目Bサンプル問題は4問提示されました。出題分野をIPA「プロフェッショナルデジタルスキル(マネジメント)試験(仮称)シラバス(案)」の【目標とする技能】(科目Bの出題範囲の細目)の大項目に当てはめると、次のようになります。

問1:1.組織及びビジネスの変革・デジタル戦略に関すること
 ※高度試験のITストラテジスト試験の出題分野(以下、ST分野と表記)

問2:2.サービスマネジメントに関すること
※高度試験のITサービスマネージャ試験の出題分野(以下、SM分野と表記)

問3:3.プロジェクトマネジメントに関すること
※高度試験のプロジェクトマネージャ試験の出題分野(以下、PM分野と表記)

問4:4.組織のガバナンス・監査に関すること
※高度試験のシステム監査技術者試験の出題分野(以下、AU分野と表記)

 科目B試験は、高度試験のITストラテジスト試験、ITサービスマネージャ試験、プロジェクトマネージャ試験、システム監査技術者試験の出題分野から出題されることになります。サンプル問題は、それぞれ問題文と設問を合わせて2ページから3ページ、設問は1つであり、これまでの高度試験の論文系区分の午後Ⅰ(科目B-1)問題(4~5ページ、設問5~10個)と比べると、問題分量はかなりコンパクトにまとめられています。設問は1つですが、多肢選択式であり、解答群から複数の解答を選び、その組合せを答える形式もしくは、複数項目に対する解答をそれぞれ選び、その組合せを答える形式になっています(問4を除く)。設問形式は複雑ではありますが、これまでの午後Ⅰ試験の記述式と比べると、解答候補が提示されているぶんだけ難易度は下がり、解答しやすくなりました。設問内容は、各分野の活動における基本的な考え方や適切な取組みが問われており、午後Ⅰ試験よりもやや知識寄りになったといえます。問題文が短くなったことで事例の内容もシンプルになり、読解もしやすくなっています。解答時間は5分~10分というところでしょう。本番の試験では、科目A-2問題23問と科目B問題12問を合わせて120分で解くことになりますので、1問当たり約7分前後で解けるよう問題が作られていると考えられます。

問1について(ST分野)

 ある地方自治体(Z県)への観光客の増加によって地域経済を活性化させるための地域MaaS(Mobility as a Service)の推進に関する問題です。交通機関や観光施設のワンストップサービスをどうやって実現するか(連携か統合かというビジネスモデルの本質的な構造)と、何のためにやるのか(顧客価値創出か業務効率化か)という目的が正しく読み取れるかが問われています。
シラバス(案)の【目標とする技能】(科目Bの出題範囲の細目)では、

1-2 あるべき姿かつ経営戦略と整合するビジネスモデルの策定及びビジネスプロセスの設計
1-3 ポートフォリオ及びプログラムのマネジメント、マーケティング、顧客エンゲージメントなどの活用

の範囲に含まれ、それぞれの分野において必要なスキルが複合的に試される問題といえます。

問2について(SM分野)

 サービスマネジメントにおけるインシデント管理及び問題管理に関する問題であり、シラバス(案)の【目標とする技能】(科目Bの出題範囲の細目)では、

2-3 サービスの運用品質を確保するために必要な、サービスデスク、インシデント管理、問題管理

の範囲に含まれます。

 表1のインシデント管理プロセス及び表2の問題管理プロセスは、サービスマネジメントにおけるそれぞれのプロセスの活動そのものが示されています。つまり、インシデント管理プロセス及び問題管理プロセスにおける基本的な知識が問われています。しかし、設問ポイントを掴むのはなかなか難しく、「回避策を見つけたインシデントが15件であった」ことから調査が二度手間になっていることに気付けないと、空欄bは誤答してしまうかもしれません。サービス提供者の立場から、効率的なインシデント管理・問題管理を行うための着眼点が問われています。

問3について(PM分野)

 プロジェクトマネジメントに関して、顧客にSaaSによるサービスを提供する企業におけるサービス機能追加プロジェクトにおけるプロジェクト目標を確実に達成するためのプロジェクトの進め方が問われています。
シラバス(案)の【目標とする技能】(科目Bの出題範囲の細目)では、

3-3 プロジェクトの立ち上げ、計画、実行・管理及び終結のプロセスに関するプロジェクトマネジメント

の範囲に含まれます。

 プロジェクト目標の実現のために、「限られた予算の範囲内で顧客の機能追加と確実なリリース要望を実現させること」と「短期的な資金繰りを改善すること」という二つの条件を満たすためのプロジェクトの進め方を選択する設問ですが、確実なリリースという要望実現の方法の選択では上流工程での確認と下流工程での不具合チェックのどちらを選ぶべきかというプロジェクトマネージャの視点で考える必要があります。

問4について(AU分野)

 コールセンターへのチャットボット導入計画のシステム監査の問題です。デジタル環境の導入計画の監査に当たるので、シラバス(案)の【目標とする技能】(科目Bの出題範囲の細目)では、

4-2 デジタル環境及びその企画・開発・導入・運用・保守・利用などのプロセスに関する監査の実施及び報告

の範囲に含まれます。

 導入計画に関して監査チームが想定したリスクを踏まえて監査要点を整理するわけですが、設問では、想定したリスクへの対応(コントロール)の状況が監査で漏れなく確認できるかどうかを確かめ、漏れているのはどの工程かを探します。システム監査人として、漏れなく適切な監査項目を設定するスキルが求められています。問1~問4の中で唯一、正解を一つ選ぶだけ(組合せで解答するものではない)形式でした。


IPAでは「本サンプル問題は、新たな出題分野、出題形式のイメージを共有するために作成、公表するものであり、実際の試験と同様の問題作成やチェックのプロセスを経たものではありません」としています。したがって、本番の試験では科目B試験の12問全てがこのボリュームや難易度で出題されるかどうかはわかりませんが、これまでの高度試験の論文系試験区分の午後Ⅰ・Ⅱの試験に比べて確実に取り組みやすくなっています。試験範囲の各分野の基本となる活動や考え方、専門知識やキーワード等を押さえておくとよいでしょう。
 また、科目B試験は12問出題されますが、どの分野から何問ずつ出題されるかは公表されていません。選択式ではないため12問全てに解答しなければなりませんので、どの分野もまんべんなく学習しておく必要があります。

【TAC所感】プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験(仮称)

【TAC所感】プロフェッショナルデジタルスキル(システム)試験(仮称)

 今回公開された、科目Bサンプル問題は計6問でした。シラバスで提示されている四つの大項目と対応させてみると、内訳は下表のようになっています。表の末尾については、従来のAP試験及び高度試験のうち、どこと特に関連が深いかを記したものです。

サンプル問題数 シラバスにおける大項目 AP及び高度試験との関連
3問(問1~問3) 1.システムアーキテクチャに関すること AP午後問4、SA
1問(問4) 2.ネットワークに関すること AP午後問5、NW
1問(問5) 3.フィジカルコンピューティングに関すること AP午後問7、ES
1問(問6) 4.システムの開発・運用に関すること AP午後問8

 システムアーキテクチャ関連の問題が6問中3問と多くなっていますが、実際の科目B試験(合計12問)においてこのバランスが維持されるとは限りません。例えば大項目ごとに3問ずつで4×3=12問など、平準化された出題になることも考えられます。また、今回公開された問3のように組込み開発に近いシステムアーキテクチャの問題や、ネットワーク知識が要求されるシステムアーキテクチャの問題などが含まれることで、システムアーキテクチャ色が薄まる可能性も十分にあります。複数の可能性を想定して、全ての分野をバランスよく学習して準備すべきでしょう。

 各問とも、ボリュームは冊子にして2~3ページほどで、設問は1問につき一つだけの“1問1答形式”となっています。解答のための所要時間は問題によってばらつきもありますが、おおよそ5~10分の範囲内、平均して7~8分といったところでしょう。試験時間(科目A-2と合わせて120分)や出題数(科目B全体で12問)を考慮すると妥当といえます。
 なお、同時期に公表された情報処理安全確保支援士試験(SC試験)の科目Bサンプル問題では「1問1答形式と1問3答形式の問題が混在して出題される」ことが明記されていましたが、プロフェッショナルデジタルスキル試験(PD試験)ではそのような記述はありません。現状では、PD試験の科目Bについては「12問全てが1問1答形式で出題される」と考えるのが妥当と思われます。

 内容については、過去の応用技術者試験(AP試験)の午後問題や、システムアーキテクト試験(SA試験)などの高度試験の午後Ⅰ問題をベースに改題したものも多く含まれていました。実際の試験においても、従来のAP試験や高度試験で出題されていたテーマが改めて問われる、という場面は多く生じると推測できます。今までの学習の成果は大きく活用できると考えてよいでしょう。一方で、IoTなどを重視した新規傾向の出題も一定の割合で含まれることが予想されます。  正解を得るために必要な知識やスキルのレベルについては、おおよそ、

  • AP試験の科目B(午後)問題で求められるレベル~高度試験の科目B-1(午後Ⅰ)問題で求められるレベル

の範囲に収まると考えればよいでしょう。今回のサンプル問題も、ほぼこの範囲内と判断できます。1問1答であることや、記述式ではなく多肢選択肢方式であること(選択肢の内容を比べながら、消去法で絞り込むことも可能)などを考えると、問題一つひとつの難易度は、

  • AP試験の科目B(午後)問題や高度試験の科目B-1(午後Ⅰ)問題における設問1~2個分と同程度、あるいはそれ以下

と評価できます。科目B(午後)、科目B-1(午後Ⅰ)問題を上回るような難解な問題も多少は含まれる可能性がありますが、トータルで見るとその割合は小さくなるのではないでしょうか。ただし、1問に費やせる時間が短くなりますので、「残り時間を考えながらどんどん問題を解いていく」という、今までとは異なるスピード感は必要になるといえます。

以下に、問題ごとのテーマ及び難易度評価を記しておきます。

問1:業務要件及び機能要件の定義(難易度:低~中)

令和7年SA試験の午後Ⅰ問3からの改題です。下線部に関連深い記述を問題文から正確に抽出できるかがポイントとなります。情報量が多いので時間はかかるでしょう。

問2:システム(アプリケーション)の移行(難易度:低~中)

移行(切替)時の“切戻し”に関する理解が重要となる問題です。また、問題全体をスムーズに読み進めるためにはクラウドや仮想化技術の基本的な知識も求められます。

問3:IoTを含む制御システムの構造設計(難易度:低~中)

令和4年SA試験の午後Ⅰ問4からの改題です。センサーやロボットといった制御系の要素が多く登場しますが、それほど専門知識は必要ではありません。図表から構成要素の仕様・機能を正しく読み取って整理できれば難しくないでしょう。

問4:Webシステムの通信シーケンス(難易度:高)

クラウドサービスの利用においてWebSocketを使用する際の、通信シーケンス(手順)に関する空欄埋め問題です。WebSocket自体は令和3年春AP試験の午後問5で出題されており、本問の一部にも似た記述が含まれています。しかし、応答ヘッダやステータスコードなど、過去問題よりも深く難しい内容が問われていました。従来のAP試験の午後問題と比較すると、高度な知識が要求されているので、予備知識なしに問題文や選択肢から消去法で正解を得るのは困難と言えます。

問5:制御システムのソフトウェア設計(難易度:中~高)

令和5年秋AP試験の午後問7からの改題です。ロボットの動作概要を読み取り、状態遷移図の空欄を埋める問題でした。類似の出題に慣れているかどうかで、難易度はかなり違って感じられたでしょう。情報量は多いですが、“~状態”という記述に注目して一つずつ埋めていくとスムーズに正解にたどりつけます。

問6:アジャイル開発の手法(難易度:中)

令和2年AP試験の午後問8からの改題です。スクラムチームやペアプログラミングについての知識が問われました。各用語の定義や概要を知っていれば、比較的短い時間で正解を導けたでしょう。仮に知らなくとも、“経験を伝えるために”などのヒントが問題文中に置かれているので、それらをもとにあるべき姿を推測することで十分に正解を導けます。

【TAC所感】情報処理安全確保支援士試験

【TAC所感】情報処理安全確保支援士試験

出題構成について

科目Bのサンプル問題の公表と同時に、出題構成について次のように発表されました。

  • 1問1答(1設問)の問題を、計8問出題
  • 1問3答(3設問、全ての設問が必須解答)の問題を、計4問出題

出題形式がこのように2パターンに分かれることは想定外でした。
配点は公表されていませんが、全問必須解答、全設問必須解答となっていますので、

1問1答×8問=8設問
1問3答×4問=12設問

となることから、合計で20設問となり、1設問5点で100点満点の試験であると予想しています。この予想が合っていれば、1問当たりの得点の比重は1問3答形式が1問1答形式の3倍ということになります。実際にサンプル問題を見ると、問題のボリュームは次のようになっています。

1問1答:問題文(事例内容)1ページ+設問文
1問3答:問題文(事例内容)4ページ+設問文

 1問3答形式の問題文は1問1答形式の約4倍あり、ボリュームに大きな差があります。ボリュームが大きいということは、それだけ事例内容を複雑にできることにもつながりますので、1問3答形式の問題のほうが1問1答形式の問題より難易度は高めで、当然のことながら読解時間や解答導出時間を要するでしょう。
 一方、現在の科目B試験と比較すると、来年度から実施予定の情報処理安全確保支援士試験の科目B試験はスピードが求められると考えています。直近(令和7年度秋)の科目B試験は、1問当たり平均8ページで2問選択して150分で解答しますので、じっくり考えて解く試験です。新試験は全ての問題がサンプル問題と同等のボリュームを想定すると、問題文は1問1答形式が8問で8ページ、1問3答形式が4問で16ページとなり、科目B試験全体で24ページとなります。設問文を加えるとページ数はさらに増えます。これを120分で読んで解くことが求められるので、比較すると現在よりも読解スピードが求められるといえるでしょう。問題数も12問ありますので、さまざまなテーマの問題が次々と出題され、素早く理解し、どんどん解く試験というイメージを持っています。
 シラバスや出題範囲には、AIの安全な導入など数項目が追加されていますが、大きな変更点はなく、問われる知識は現在と同等でしょう。多肢選択式となることで難易度は易しくなると思いますが、幅広い知識を持って素早く対応することが求められると考えています。

科目Bサンプル問題について

 科目Bサンプル問題は2問提示されました。IPA「情報処理安全確保支援士試験シラバス(案)」の【目標とする技能】(科目Bの出題範囲の細目)に当てはめると、次のようになります。

問1:
(大項目)1.情報セキュリティマネジメントの組織的推進又は支援に関すること
(小項目)1-2.情報セキュリティリスクアセスメント

問2:
(大項目)2.情報システムのライフサイクルプロセスにおけるセキュリティ確保の推進又は支援に関すること
(小項目)2-6.セキュリティテスト

問1(1問1答形式)について

 組織の情報セキュリティリスクについて考えるとき、必須となるのが、組織の情報資産を把握することです。本問題は、そのための情報資産台帳作成に関する問題です。一つの情報資産とまとめてよいものとそうでないもの、情報資産の管理部署、重要度の判定に関して、情報資産の記載項目の表と照らし合わせて、具体的な事例を判断することが求められています。問題文は、表や設問を含めて1ページ半と短く、問われている内容も記載項目の表や注記をきちんと読み取れば、判断に困るものはありません。解答に要する時間は、5分程度ではないかと思われます。

問2(1問3答形式)について

 転職支援サービスを提供している企業の転職支援Webサイトのセキュリティ診断に関する問題です。セキュリティ診断の対象と診断方法の記述、Webサイトの新バージョンのWebアプリケーションの画面遷移図、各画面のURLが提示されていて、その診断結果も提示されています。設問では、診断で検出されたセッションフィクセーションに関する事項が問われています。
 診断報告書に、セッションフィクセーションという脆弱性が記述されていて、脆弱性の内容として記述されていることを確認すれば、検出箇所である画面遷移や、修正方法に関しては、悩む必要がないほどの基本事項です。また、脆弱性を利用して不正ログインする手口に関しても、特殊な部分は見当たらないことから、選択に悩む箇所はあまりないように感じます。解答に要する時間は、ゆっくりと問題文を読み込んだ場合でも8~10分ではないかと思います。

 2問ともこれまでの情報処理安全確保支援士の科目B問題と比較すると、難易度はかなり易しくなっているといえます。ただ、これまでは、2問を選択して解答すればよかったために、自分の得意分野で対応が可能な試験でしたが、これからは、このような問題を計12問(設問数にすると20)、時間内に解かなければなりません。分野の得意不得意に関係なく対応する必要があるということから、情報処理安全確保支援士のモデル像として、幅広く抜けのない、基本的な知識を有する者が求められているのかもしれません。

新試験制度のシラバス案について

【TAC所感】情報セキュリティマネジメント試験

【TAC所感】情報セキュリティマネジメント試験

(1)【目標とする知識】(科目Aの出題範囲の細目)

 これまでの旧シラバスの〔要求される知識〕(科目Aの出題範囲)に挙げられた内容と比較したところ、重点分野から外れた内容、及び出題範囲から削除された内容がそれぞれ存在します。

〔重点分野から外れた内容〕

  • セキュリティ実装技術・評価

 セキュリティ対策に関わる技術の設定や、システムやプログラムのセキュリティ評価、脆弱性情報といった、技術者寄りの内容が重点分野から外れています。

  • ビジネス関連法規

 著作権や労働関連法規、デジタル関連法規といった内容が重点分野から外れています。

 セキュリティ関連法規については重点分野に含まれているので、学習内容としては大きな差分は出ないものと想定しています。

〔出題範囲から削除された内容〕

  • データベース

 関係データベースに関連する考え方やSQLの知識、トランザクション、障害回復といった内容がシラバス案から無くなっています。
 近年データベース関連の出題内容がSQLに関するものが増加しており、出題数に対して学習負荷が高い内容となっていました。そのため、学習負荷を減らせる要素となります。
 バックアップの考え方自体は、ランサムウェア対策に含まれています。また、ビッグデータやデータの加工といった内容は、「データ分析・利活用」分野として存在しています。
 データベースの内容が外れた分、新試験で独立分野となった「データ分析・利活用」や「AI利活用」に関わる内容が数問出題されることが想定されます。いずれも“重点分野”ではない内容であるため、学習の大枠はこれまでの試験と変わりません。したがって、新試験の開始後は「データ分析・利活用」及び「AI利活用」に関わる内容を追加で学習することで対応が可能でしょう。

(2)【目標とする技能】(科目Bの出題範囲の細目)

 現行試験のシラバスと記述内容が変わっている箇所がありますが、これまでの出題内容と比較して特段大きな変更はありません。
 そのため、科目Bの学習内容はこれまでの試験の内容をそのまま使えると考えてよいでしょう

 上記から、シラバス案から読み取れる範囲では、これまでの試験と大きな差分はなく、難易度も大きく変わらないことが想定されます。

【TAC所感】基本情報技術者試験

【TAC所感】基本情報技術者試験

(1)【目標とする知識】(科目Aの出題範囲の細目)

 IPAから発表されていた[出題範囲等の改定案]において、各試験区分の科目A(知識)の出題範囲が示されており、今回のシラバスはそれに沿った内容になっていました。
 まず、旧シラバスではテクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の3分野でしたが、新しいシラバスでは、

  • ビジネス
  • テクノロジ
  • セキュリティ・倫理

の3分野に変更されています。各分野の大分類・中分類も[出題範囲等の改定案]の内容に沿って設定されており、さらに小分類及び小分類中の各項目と用語例が掲載されています。
 各項目の用語例などを確認すると、IPAから発表されていた

に沿った形で、現行の中分類・小分類の内容を組み合わせるなどして、新しいシラバスの中分類などが再編成されていることがわかります。そのため、新しく追加されたデータマネジメントなどを除けば、用語例に掲載されているほとんどの用語は現行試験で学習している内容と同じです。したがって、

  • 学習する順序が大きく変更されるが、現行試験と学習内容はほとんど変わらない
  • データマネジメントの内容と幾つかの新用語などが増える

となりますので、科目A試験対策では現行試験よりやや負荷が増えると考えられます。

【目標とする知識(重点分野)】

  • 大分類5:システムの開発と運用(テクノロジ)
  •  中分類20:システムライフサイクル

     中分類21:開発・運用の方法論

     中分類22:アルゴリズム・プログラミング(基礎理論を含む)

 ITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験、(新設される)データマネジメント試験で出題されないこともあり、基本情報技術者試験では重点分野になっています。開発・運用の方法論では、従来のシステム開発に加えて、従来は技術要素にあったユーザインタフェース設計や、コンピュータシステムとして扱われていたハードウェア及びソフトウェアのタスク管理、仮想記憶管理などが追加されているのが特徴的です。また、AIに関連した「AI駆動開発」が新たに追加されています。

【目標とする知識(その他の分野)】

  • ビジネス
  •  大分類1:ビジネス変革

     大分類2:データ・AIの利活用

     大分類3:組織活動

 現行試験のマネジメント系・ストラテジ系(法務を除く)を再編成した分野です。ビジネス変革の中分類7:マインドスタンスは、[出題範囲等の改定案]の表のとおりに出題範囲から外れています。
 ビジネス変革では、DX(デジタルトランスフォーメーション)やイノベーション、チェンジマネジメントなどが列挙されているようですので、業務の変革・刷新といったテーマの出題を予想しておくべきでしょう。

 データ・AIの利活用の中分類として、「データマネジメント」が科目Aの出題項目として新たに追加されています。重点分野ではないので出題数は少ないと思いますが、データマネジメントの目的や機能、データガバナンスなどを学習する必要があります。

  • テクノロジ(重点分野以外)
  •  大分類4:デジタル技術革

 現行試験のコンピュータ構成要素、システム構成要素、ネットワーク、データベースなどから成る分野です。中分類18に、「AI技術」があり、機械学習やディープラーニングなどが扱われますが、既出の内容が多く新用語はそれほど多くありません。

  • セキュリティ・倫理
  •  大分類6:セキュリティ

     大分類7 倫理・コンプライアンス

 現行試験のセキュリティ及び法務から成る分野です。倫理・コンプライアンスの中分類27に、「情報倫理・AI倫理」が用意されています。

AIに関しては、

  • ビジネス:AIの利活用
  • テクノロジ:AI技術、AI駆動開発
  • セキュリティ・倫理:AI倫理

というように、各分野に合わせた内容がそれぞれ問われる形になります。生成AIを含めた知識の習得が必要といえるでしょう。

(2)【目標とする技能】(科目Bの出題範囲の細目)

 科目Bの出題範囲の大項目である、

  1. プログラミング全般に関すること
  2. プログラムの処理の基本要素に関すること
  3. データ構造及びアルゴリズムに関すること
  4. プログラミングの諸分野への適用に関すること
  5. 情報セキュリティの確保に関すること

には変更はありませんでした。
 ただし、今回のシラバスでは、大項目中の各小項目(“2-3.選択処理、繰返し処理”や“3-2.整列、文字列処理”など)に関して、「目標とする技能の例」の詳細がそれぞれ説明されています。しかし、その内容にも、今までの科目B試験の内容と比較して変更点といえるものはありませんでした。
 したがって、科目B試験に関しては現行試験と同様の対策を行えばよいといえます。

【TAC所感】プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)及び情報処理安全確保支援士試験 科目A-1(共通知識)

【TAC所感】プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)及び情報処理安全確保支援士試験 科目A-1(共通知識)

 プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)科目A-1(共通知識)シラバスは、前身の応用情報技術者試験のシラバスと比べると「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」という大きな枠組みがなくなり、7つの大分類に再編されました。(なお、シラバス以前に公表された[出題範囲等の改定案]では、全体を「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」の3分野で整理する枠組みも提示されています)

 この中で目を引くのは、「大分類2:データ・AIの利活用」が大分類として独立し、AIや生成AIに関連する内容やデータマネジメントに関連する内容が拡充している点です。今まではAI技術は大分類「基礎理論」に、AIの利活用は大分類「経営戦略」に含まれていました。新シラバスでは、AI技術については大分類「デジタル技術」に含まれる中分類の一つとして、AIの利活用については大分類として独立しています。大分類「倫理・コンプライアンス」にも、中分類「情報倫理・AI倫理」が含まれていたり、大分類5「システムの開発・運用」の小項目に「AI駆動開発・AIプロジェクト」が含まれていたりと、今後はより一層、AIやデータマネジメントを強化していく意図が感じられます。

 同様に、IoTやフィジカルコンピューティングといったITとOTを融合したシステムについても拡充された印象です。今までは中分類「ハードウェア」の一部を中心に様々な分野で出題されていた印象ですが、システムの種類・構成に含まれる小分類「IoT・組込みシステム」とシステムの開発と運用に含まれる小分類「フィジカルコンピューティング」に再編されたことにより、今後はIT/OT融合についてもより強化していく印象があります。

 重点分野であるセキュリティについても、大幅に高度化・具体化された印象です。特に、サイバーキルチェーンに代表される攻撃の手法やフレームワークについては、今までのような「攻撃」という大きな1項目で括るのではなく、「アプリの不備を狙うもの」や「サービス妨害を狙ったもの」のように体系的に分類・整理し、学習することを望んでいるように見受けられます。また、最近の攻撃手法などが追加されたのはもちろんですが、プロンプトインジェクションやモデルインバージョン攻撃などのAI特有のセキュリティ知識が追加されていることから、セキュリティ分野についてAI関連の学習が重要になってくると考えられます。

 このほかにも、クラウドサービスが一つの中分類として独立したり、小分類「開発の手法・方法論」の項目として「アジャイル開発」や「DevOps」が独立したりと、細かな変化はあるものの、

  • AI・データマネジメントの強化
  • IoT・組込みシステムの強化
  • セキュリティの最新化・拡充

といったあたりが大きな変更点といえるでしょう。その一方で、基礎理論・アルゴリズム、コンピュータシステム、ネットワーク、データベース、システム開発・運用、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメントといった従来の科目A試験で多く出題されていたテーマは、再編はされて新しい概念や技術が追加されてはいるものの、今までと大きく変わるわけではありません。
 従来の応用情報技術者試験の科目A(午前)試験の対策を中心に、AIやIoT関連の知識を体系的に学んでいけば、合格は難しくないでしょう。

TACからの新試験制度に関するお知らせ

新試験制度に関するお知らせ

TACでは、2027年度からの新試験制度に合わせた最新の教材・講義をご提供できるよう準備を進めております。詳細につきましては、確定次第、ホームページ等で順次お知らせいたします。

IPAでは、デジタル技術の継続的な学びを実現する仕組み(プラットフォーム)の構築が進められています。個人が持つスキル情報・キャリア情報をプラットフォーム上で蓄積・可視化できる情報基盤が検討されており、2027年度から始まる新試験はもちろんのこと、2026年度に実施する現行試験や過去の合格情報も登録し、活用することが可能となります。2026年度の試験を含め、今後も継続的な受験が期待されています。

令和8年度がラストチャンス!現行試験(令和8年度試験)を受験するメリット

1

国家資格がもたらす「圧倒的なメリット」

「特定の製品に依存しない、ITの本質的かつ普遍的なスキルの証明」

専門職として唯一の国家資格である高度試験に挑戦できるのは、現行制度の今しかありません。

生涯有効な社会的信用:経済産業省が所管する、IT専門職として国内最高峰の国家資格です。更新不要で、生涯にわたりあなたのスキルを証明し続けます。

2

次年度試験へ向けた強力なアドバンテージ

新試験制度である「プロフェッショナルデジタルスキル試験」の科目A-1試験は、応用情報技術者試験の科目A試験と同等の学習量が必要です。例えばTACの講座の講義回数でいえば、科目Aの学習だけで20回(1回2.5時間)もの講義ボリュームがあります。

加えて、科目B試験は従来の高度試験とは異なり、複数の分野について深い知識の学習が必要となります。なお、現行試験の合格者は、2027年以降の「プロフェッショナルデジタルスキル試験(3領域への再編)」への移行時、科目A-1試験が免除される対象となります(2026年7月6日 IPA発表)。

仮に免除にならなかったとしても、現行の応用情報技術者や高度試験の学習を進めておくことは、新試験の科目A-1対策として直結します。新制度でのスタートダッシュを切る上でも、今から対策を始めることは非常に有効な手段です。

3

過去問の蓄積がそのまま活きる

試験方式はCBT(コンピュータを用いた試験)に変わりますが、出題範囲や難易度は現行のまま維持されます。

つまり、これまでの対策ノウハウがそのまま通用する「最後の期間」なのです。

新試験制度が始まると、新たな分野からの出題や出題比率など、不透明な要素が多くなります。確実な合格を目指すなら、対策が確立されている今が最大のチャンスです。

対策が確立されている「今」だからこそ、万全の体制で合格へ

TACでは、これまでの確かな実績に基づいた「現行試験の最短合格ノウハウ」を凝縮した対策コースをご用意しています。出題傾向を知り尽くした講師陣と充実のカリキュラムで、あなたの挑戦を強力にバックアップします。

確実な合格への第一歩を、今すぐここから踏み出しましょう!

令和8年度試験対策全区分開講
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