ウェビナーレポート ~岡本講師の受験体験記~ 再スタートで私が改めたこと
公認会計士として監査はもちろん、コンサルや講師業など幅広く活躍している岡本講師。大学3年生の時にスタートした会計士受験は決して順調とは言えず、受験1回目で短答式試験不合格、2回目で短答式試験に合格するも、論文式試験不合格。そんな苦い経験を踏まえたアドバイスは、すべての受験生にとって参考となるはず!
※当レポートは、2022/6/4(土)実施のウェビナー内容の一部を抜粋してまとめたものです。
基礎力は順調な初学者に負けていると自覚。
私の受験生時代、実は簿記入門Ⅰの1回目の講義から欠席して野球に行っていました。大学入試で数学を頑張っていたし、簿記の講義1・2回休んでもすぐ取り戻せると思っていたら、1回の講義で40ページぐらい進んでいて…。自分で適当に例題を解いて、そのうちわかるだろうと思って勉強していたらどんどんわからなくなっていって、気付いたら半年、1年と経っていました。難しい問題をいっぱい解くことこそが会計士試験の神髄だとか、当時はそのような風潮で、私もそれに流されてしまっていました。基礎もできていないのに、難しい問題を解くなど、会計士試験の勉強をしている自分に酔っていましたね。
当然合格できないので当時のTACの講師に相談したら、本当に誤った的外れな勉強をしていたことがわかりました。これじゃアカンよということで正しい勉強方法に導いてもらい、上級講義を一通り受講し終えているという変な自負は完全に捨てました。
基礎からやり直さないといけないことを自覚しても、大抵の受験生はもう基礎をやっている時間がないと思ってしまいます。だから結局また答練などから勉強を再開してしまうのですが、例題集やトレーニングも解けない人が答練から再開したらもう何が起こるかわかるでしょう?再スタート時、私は実力としては初学者より劣っているんだということを自覚するところから始めました。恥だとか、思っている暇はなかった。
講師になって一層実感しています。短答式試験でも論文式試験でも差がつくのは「基礎力がどれだけあるか」です。

評判のレジュメや情報を集めて、勉強した気にならない。
当時はTwitterなどのSNSがなかったので、掲示板サイトで情報を収集していました。あの先生のレジュメが良いよとか。それらを集めることが目的になってしまっていて、確かにパッと読んだら非常に分かりやすいから、何となく理解した気になっていたんです。でも、試験会場でその知識を活用したり、論文で書いたりできるかというと、それは別問題。レジュメを手に入れて満足して、まとめたり、加工したりして勉強した気になっていましたね。
理解しているだけでは問題は解けません。野球のルールを知っているだけではホームランは打てない。練習が必要です。会計士試験に向けた練習は「暗記」だと思い知らされました。それも試験に必要な超基本的内容の暗記です。
講師をやっていると、TACのものではないレジュメやTwitterで流れてきた問題・論点がわからないので教えてください、という相談が来ます。「そもそもなんだけど、それ必要なの?」「それ過去に出てるの?」と聞くと、「レジュメで配られたので」「数十年前に出た」「20年前の試験委員です」とのこと。もう20年ぐらい実務で見ていない処理のことを聞いてきます。受験仲間が知らないようなことを自分だけ知っているという状態を作って、お昼休憩の時とかに受験仲間に言うことによって「すごいね」とか「よく知ってるね」とか言われる。何か気持ちよくなったりすることはあるかもしれないけど、「それ試験に出るの?合格する確率が上がるの?」と問いかけた時にハッとするんです。

私がイメージしている「基礎」とは受験生がイメージする「基礎」よりも、相当徹底的ですが、それを習得するにはTACのカリキュラム・教材が最適です。例えば、管理会計論のテキスト(2023年合格目標)は412ページしかないので、試験にあまり対応できないのではないかと思うかもしれませんが、ここからめちゃくちゃ出題されています。他の教材に手を出す人に限って、最初の3ページ目に載っていることを質問しても答えられなかったりします。他の科目も一緒です。とにかく、昔も今も受験界には「無駄な勉強」をさせる風潮がはびこっています。TACのテキストは徹底的に無駄を排除していますので、この1冊と心中するということを心掛けて欲しいです。こういう学習こそが、一番効果的でかつ効率的な受験勉強です。そのことに、一人でも多くの受験生に早く気付いてほしい。
匿名の情報ではなく、身近な講師を信じる。
当時の講師に言われて、私自身が再スタートにあたって気をつけたことがもう1つあります。合格を願い、受験時代も含め自分の経験すべてを踏まえて指導してくれる講師のアドバイスに、素直に従うということです。入門期、基礎期、上級期、直前期、それぞれのフェーズでこういうことをやってくださいと講師にアドバイスしてもらっていたけど、本当にそれに素直に従っていたかなと。
受験が長期化してくると、先輩ヅラして何かアドバイスを送りたくなる人っているんです。
「TACの教材だと足りない」とか、
「これをやらないと受からない」とか、
「試験委員がここを出すと大学の授業で言っていた」とか、
誰が書いたかわらないような情報が今だとTwitterで流れてきますよね。そういうのはもう全く百害あって一利なしです。

私は自分のような経験をして欲しくないという思いから、TACの教壇に立たせてもらって、管理会計論を教えています。TACの合格者講師は自分の受験経験も踏まえ、受験界の悪いムードに流されないよう、合格の最短ルートから外れないよう指導してくれます。画面越しに講義を受ける遠い存在ではなく、校舎に行ったり、ZOOM相談に参加したりすれば直接アドバイスをもらえますからね。信じられる講師を見つけて、素直な気持ちで付いていって欲しいなと思います。

岡本 匡央 講師
Profile
【担当科目】管理会計論
大阪大学経済学部2003年卒業
ネクサス監査法人 代表社員/岡本公認会計士事務所 所長
アーカイブ動画 公開中!
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実施日時
2023/6/3(土)13:00~14:30
※参加無料 ※予約不要 -
会場
●TAC梅田校(5F・509教室)
●オンライン(Zoom) -
対象
・短答リスタート生
・答練の得点が伸び悩んでいる方
・学習法に悩んでいる方 など -
概要
・短答式試験が問うている内容とは?
・こんな人が合格している!
・合格するための正しい学習法とは?
・管理会計論がニガテな方へ
・超効率的学習法とは? -
担当
講演:岡本 匡央 講師
進行:平林 黎 講師
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