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小学校教員資格認定試験と教員採用試験の同時受験

教員資格認定試験

1年で教員免許を取得し、採用試験にも合格する
「一刻も早く教員になる」という強い意欲を持ち、教員資格認定試験と教員採用試験の同時受験に挑む受験生が毎年いらっしゃいます。教員資格認定試験と教員採用試験の試験範囲は重複する部分が多いため、同時受験の学習効率は高いと言えますが、気を付けなくてはいけない点もあります。同時受験の成功のカギを分析していきましょう。

この記事の監修者

永平

永平 一洋 講師

TAC教員講座主任講師。予備校講師歴30年以上で、主要指導教科は教職教養、一般教養、数学、数的処理、英語など。教育アプリの開発プロジェクトにも携わり、講師責任者として400人以上の講師を主導した経験を持つ。指導形態や対象者を問わず、あらゆるフィールドで非常に高い評価を獲得している。また、講師だけでなく、教材開発や講座企画も主導。マルチな舞台で活躍している。

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1.同時受験のスケジュール

教員資格認定試験と教員採用試験は試験の時期が重なるため、同時に受験をする場合は、5月から9月にかけて並行して受験していくようなスケジュールになります。

<2027年試験のスケジュール(見込)>

教員資格認定試験

教員採用試験
5月 第1次試験(筆記) 5月 第1次試験(主に筆記)
(共同試験①・独自試験の自治体)
6月 6月 第1次試験(主に筆記)
(共同試験②・独自試験の自治体)
7月 第1次試験 合格発表 7月 第1次試験(主に筆記)
(共同試験③・独自試験の自治体)
8月 8月 第2次試験
(模擬授業・個人面接等)
9月 第2次試験
(模擬授業・口述試験等)
9月 最終合格発表
10月 最終合格発表 10月 最終合格発表


※教員採用試験の受験資格・試験日程・試験内容は自治体により異なります。受験をされる際は、志望先自治体の受験要項を必ずご確認ください。

特に受験資格における教員免許取得要件にはご注意ください。

2.評価方法の違いを知る

認定試験と教員採用試験は、学習内容において重複する部分があるものの、試験の目的が異なるため、問題形式や出題傾向、重視されるポイントに大きな差があります。受験計画を作るための前提としてまずこの差を理解しましょう。

教員資格認定試験と教員採用試験の比較

<教員資格認定試験の特色>

教員資格認定試験は、社会人等が免許を取得するための試験であり、一定の基準点を超えれば合格となる「絶対評価」で合否が判定されます。大学の教職課程修了者と同等の専門性が求められるため、筆記試験による知識の測定が中心になります。重視される科目は「教科に関する専門知識」や、教育原理などの「教職に関する知識」であり、教育者としての基礎的な学力や指導理論が確実に身についているかが問われます。

<教員採用試験の特色>


教員採用試験は、自治体が教員を採用するための試験であり、限られた採用枠に対して成績上位者から合格となる「相対評価」で合否が判定されます。教員資格認定試験とは異なり、すでに免許を取得している者(取得見込みの者も含む)を対象とした採用段階における試験なので、知識以上に現場での実践力や適格性が評価の軸となります。それゆえ、筆記試験はもとより、個人面接、集団討論、模擬授業といった「人物試験」が極めて重視されます。

3.同時受験の成功のポイント

対策を共通化する科目と、分ける科目を見極める

同時受験の学習上の最大のメリットは共通する試験範囲の対策を1度で済ませられることです。年を分けて受験する場合より、思い出しや復習の労力を削減することができ、トータルの学習時間を短縮することができます。これを成功させるためのポイントは、受験対策を共通化する分野と、分けて行う分野の見極めです。その目安となる試験科目ごとの特色を分析していきます。

3‐1.筆記試験の対策は共通化に向いている

共通化に向いている分野は筆記試験です。教職教養(認定試験における試験Ⅰ)・専門教養(認定試験における試験Ⅱ・Ⅲ)、論文試験(認定試験における試験Ⅳ)は、対策の共通化を図れる部分が多くあります。この分野のインプットを共通で行いつつ、過去問等の問題練習を試験別に行うことで学習時間を大きく短縮できます。

〔同時受験をする場合の筆記試験対策のポイント〕

試験の形式 対策のポイント 学習時間
認定試験 採用試験
教職教養 択一式
[試験Ⅰ]
択一式中心
*一部の自治体で記述式の出題も見られる
【共通の対策でOK】
内容の9割以上は認定試験と教員採用試験で重複しています。「認定試験の勉強」「教員採用試験の勉強」と時間を分けるのではなく、教員採用試験の過去問・問題集をベースに基本知識をインプットしてください。教員採用試験レベルの知識が頭に入っていれば、教員資格認定試験の1次(択一式)は自動的に合格ライン(6割)をクリアできます。
約50時間
★1
専門教養

択一式
[試験Ⅱ]

10教科中
6教科選択

択一式中心
*一部の自治体で記述式の出題も見られる
【共通の対策でOK】
試験範囲には、①教科知識と、②各教科の学習指導要領の2分野があります。認定試験は②各教科の学習指導要領からの出題が多く、教員採用試験は①教科知識の出題が多くなる傾向があります。出題割合が高い試験に合わせて①・②を学習することで、両試験の範囲をもれなくカバーすることができます。

約70時間
★2

記述式
[試験Ⅲ]

10教科中
1教科選択

出題は稀 【認定試験用の対策が必須】
認定試験では学習指導要領「解説」にある「各教科の指導法」について出題されます。教員採用試験では稀な分野のため、認定試験用に各教科の指導法のポイントや記述の型についてのインプットが必須となります。
約20時間
★3
論 文

記述式
[試験Ⅳ]

300字1問
400字1問

記述式
500~900字
程度
【共通の対策でOK】
現代の教育課題に関する問題意識や、学習指導要領等を踏まえた指導の改善方法などについて自身の見解を論述します。学校教育に関する幅広い見識や基礎的な文章構成力は両試験に共通して要求されます。論文執筆の基礎力は共通ですので、一定の準備ができたら、対策の仕上げとして、過去問に合わせて答案を作成し、添削指導を受けましょう。
約20時間
★4


★は目安の学習時間です。TAC本科生のカリキュラムを基準として講義の受講(=知識のインプット)に必要な時間です。

 実際の学習では、講義と同程度の時間を、問題演習などのアウトプットに充てることを想定してください。


★1 TAC講義受講モデル:試験Ⅰ対策〔教職教養 基本講義(全26回・約52時間)〕
★2 TAC講義受講モデル:試験Ⅱ対策〔専門教養講義(全31回・約74時間)〕
★3 TAC講義受講モデル:試験Ⅲ対策〔専門教養講義(全10回・約15時間)〕
★4 TAC講義受講モデル:試験Ⅳ対策〔専門教養講義(全8回・約12時間)〕
             +教員採用試験 論文対策(全4回・約8時間)


※教員採用試験の内容は自治体や選考区分によって異なります。上記は標準的な試験モデルですので、

 受験時は必ず志望先の最新の試験要項をご確認ください。

3‐2.面接試験は教員採用試験対策が成否を分ける

認定試験の面接は、一定の基準を超えれば全員が合格できる試験ですが、教員採用試験の面接は成績上位者から合格する選考試験です。豊富な教員経験を持つ受験生も多くいるため、その競争は熾烈です。まずは、両面接試験の基礎となる、子どもへの愛情や、教育に対する熱意などを、自分の言葉でしっかり表現できるようになるための準備を進め、その後は、教員採用試験に向けて、ライバルに負けないためのアピール力をじっくりと磨いていきましょう。

〔同時受験をする場合の面接対策のポイント〕

試験の形式 対策のポイント 学習時間
認定試験 採用試験
面接 口頭試問 個別面接
集団面接
集団討論
【明確に対策を分ける】
評価の手法が大きく異なるため、明確に分けて対策をすべきです。
認定試験の面接は、教員としての基礎的な適格性や意欲の確認が主目的となります。
対して相対評価である採用試験の面接は合否を分ける最重要項目です。採用試験向けには、生徒指導の場面における具体的な対応力や、高いコミュニケーション能力、そして「なぜその自治体なのか」という強い志望動機など、他者と差別化するための実践的なトレーニングが必要です。
約20時間
★5
模擬授業

学習指導案
模擬授業

学習指導案
模擬授業
【明確に対策を分ける】
認定試験における課題(指導案作成や模擬授業)では、教科の専門知識を正確かつ論理的に教える「指導の基本構造」が成立しているかが主に評価されます。
対して採用試験の模擬授業では、知識の伝達以上に、児童生徒の興味を惹きつける工夫や、突発的な反応への柔軟な対応、クラスの雰囲気づくりといった「現場での実践力」がより評価されます。採用試験では、より実践的な「主体的対話的で深い学び」を実現するための工夫を凝らした模擬授業が求められますので、しっかりした準備が必要です。
約20時間
★6


★は目安の学習時間です。TAC本科生のカリキュラムを基準として講義の受講(=知識のインプット)に必要な時間です。

 実際の学習では、講義と同程度の時間を、問題演習などのアウトプットに充てることを想定してください。


★5 TAC講義受講モデル:面接・指導案講義(全3回・約5時間)
             +教員採用試験 面接対策(全5回・約15時間)
★6 TAC講義受講モデル:面接・指導案講義(全7回・約11時間)
             +教員採用試験 模擬授業の達人(全5回・約8時間)


※教員採用試験の内容は自治体や選考区分によって異なります。上記は標準的な試験モデルですので、

 受験時は必ず志望先の最新の試験要項をご確認ください。

4.費用を抑えた同時受験対策コース

対策のベースは教員資格認定試験コース

TACでは教員資格認定試験コースと教員採用試験コースを開講しています。各コースは試験の性質に合わせた別コースですが、同時受験の場合は、2種類のコースを相互補完的に受講することで、費用を抑えながら効率よく同時合格を目指すことができます。

<推奨受講パターン>

〔2027年目標コース例〕

小学校教員資格認定試験本科生 ¥144,000
        +
教員採用試験セレクト本科生B ¥59,000
(1科目選択:面接対策)


同時受験に必要な費用合計   ¥203,000

「教員資格認定試験本科生」をベースにしつつ、教員採用試験用のセレクト本科生B(面接対策のみ選択)を組み合わせるのが、費用面・学習効率面で最も無駄がありません。
教員資格認定試験本科生で、教職教養・専門教養・論文対策および、面接対策の基本をカバーできますので、仕上げとして、教員採用試験用に、セレクト本科生Bの面接対策を受講し、教採の面接試験の分析を進め、実践練習を積んで挑みましょう。   
教員採用試験の面接対策講義は、例年、受験前年の秋冬にスタートしますので、他の受験者との競争に負けないための準備を早期に開始することができます。また、面接実践練習は、受験年の1月以降、校舎やオンラインで回数無制限で何度も行うことができます。

5.「採用猶予制度」をご存知ですか?

同時受験のリスク軽減につながる新しい制度

〔合否による結果の違い〕

教員採用試験 教員資格認定試験 結果
合格 合格 採用
不合格 合格 翌年に教採のみを再受験
合格 不合格

原則は
翌年に教採と認定を再受験

しかし!

〔採用猶予制度がある場合〕
数年以内に免許を取得すれば採用



社会人が同時受験をする場合の最大のリスクは、教員採用試験に合格したものの、教員資格認定試験に不合格になってしまうことです。就活に例えるなら、企業から内定を得たものの、採用条件であった「資格」が取得できなかったという状況です。


この場合、せっかくの教員採用試験の合格は取り消されてしまい、翌年以降に、再度、教員採用試験と教員資格認定試験の二つの試験に挑む必要があり

ます。


しかし、近年は首都圏を中心に、教員採用試験合格後、数年以内に教員免許を取得すれば再受験が不要となる「採用猶予制度」を設ける自治体が増えています。この制度を持つ自治体であれば、万が一、教員資格認定試験に不合格になったとしても、教員採用試験の合格は一定期間有効となります。


従来の教員採用試験は、受験する時点で教員免許を持っている(または取得見込みである)ことが大前提でした。しかし、社会人の採用強化を背景に、今は「先に人物や資質を評価して合格を出し、その後、所定の期間内に、教員資格認定試験や通信制大学などで免許を取得すればOK」という採用スタイルも取り入れられているのです。


教員採用試験の合格後、2年程度は内定(名簿登載)が維持されますので、同時受験をする方にとっては、教員資格認定試験不合格時のリスクヘッジという効果を得ることができます。
少し角度を変えると、就職先の内定を確保した状態で、教員資格認定試験の勉強だけに100%のエネルギーを注ぐことができるという見方もできます。「採用猶予制度」を持つ自治体を受験予定の方は、この制度を上手に活用して受験するとよいでしょう。

採用猶予制度(免許未取得の社会人対象)を導入している主な自治体

自治体 名称 対象・条件 免許の取得期限
東京都 社会人特例選考(免許取得期間猶予制度) 社会人経験2年以上 合格後2年以内
埼玉県 セカンドキャリア特別選考

民間企業等での正社員勤務経験が通算5年以上

※要件緩和あり

合格後2年以内
さいたま市 小学校教員プレ・ライセンス特別選考

社会人経験3年以上

合格後2年以内

山口県 特別選考教職チャレンジサポート

大学もしくは短大を卒業したものなど
※社会人経験の条件はなし

合格後3年以内

福岡県 社会人経験者特例における免許取得期間猶予制度

民間企業等での正社員勤務経験が通算2年以上

合格後2年以内


※教員採用試験の「採用猶予制度」は、自治体によって「適用校種(小学校・中学校・高校など)の条件が異なります。また、文部科学省の要請を受けて毎年夏〜秋に翌年度の実施要項がアップデートされるため、最新の情報は各自治体の試験要項をご確認ください。

6.まとめ

最短・最速で夢を叶える。「最高の選択肢」がここにある。

大学への編入と比べ、費用も時間も最小限に抑えられるこの「同時受験プラン」は、一刻も早く教壇に立ちたいあなたにとって、まさに最高の選択肢です。共通する試験範囲を効率よく学ぶ相乗効果と、歴史的な低倍率という最大の追い風は、あなたのダブル合格を強力に後押しします。この絶好のチャンスを味方に、夢の教壇へ駆け上がりましょう!

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